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反射高速陽電子回折によるSn/Ge(111)表面の構造と相転移の研究

Structure and phase transition of Sn/Ge(111) surface studied by reflection high-energy positron diffraction

深谷 有喜   ; 河裾 厚男; 一宮 彪彦

Fukaya, Yuki; Kawasuso, Atsuo; Ichimiya, Ayahiko

Ge(111)-c2$$times$$8表面上にSn原子を$$frac{1}{3}$$原子層蒸着させると、低温において3$$times$$3構造を示す。Sn原子は$$T_{4}$$サイトに吸着することが知られているが、その垂直位置についてはまだよくわかっていない。また、この表面は、220K以上では$$sqrt{3}timessqrt{3}$$構造に相転移するが、その詳細も明らかでない。本研究では、反射高速陽電子回折を用いて、ロッキング曲線を測定し、動力学的回折理論に基づく強度解析から、3$$times$$3構造におけるSn原子の配置と220Kにおける相転移について調べた。110Kにおけるロッキング曲線を測定し、解析を行った結果、最表面は単位格子内の3つのSn原子のうち、1つが他の2つより高い1アップ2ダウンモデルから構成されていることがわかった。また、293Kにおけるロッキング曲線を測定したところ、110Kの曲線とほとんど同一であることがわかった。この結果から、表面原子の平衡位置が変化しない秩序・無秩序相転移であることがわかった。さらに、全反射領域におけるRHEPD強度を測定したところ、220K以下で強度異常が観測された。この変化は、表面フォノンのソフト化を考慮に入れることにより説明できる。

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