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酸素及び窒素のK殻イオン化でDNA関連分子薄膜中に生じた不対電子種の測定

Measurement of unpaired electron species in DNA thin films irradiated with synchrotron soft X-rays around oxygen and nitrogen K-edge

岡 壽崇   ; 横谷 明徳; 福田 義博; 藤井 健太郎

Oka, Toshitaka; Yokoya, Akinari; Fukuda, Yoshihiro; Fujii, Kentaro

チミン及びシトシン薄膜の酸素及び窒素K殻吸収端近傍の軟X線エネルギー依存性を測定したところ、照射中にのみ塩基上に誘起されるsingletな不対電子の$$g$$値は2.000であるとわかった。またESR信号強度の軟X線エネルギーに対する依存性を調べたところ、X線吸収微細構造(XANES)を反映したピークが現れることが明らかになった。酸素及び窒素のK殻吸収のみによるESR信号とXANES強度増加をK殻吸収端前後のエネルギーにおける吸収断面積を用いて見積もったところ、チミンの酸素K殻ではESR信号の方がXANESより約20%大きく、窒素K殻ではほとんど変わらなかった。それに対し、シトシンの強度変化は酸素・窒素K殻ともにESR信号の方がXANESよりも2倍以上も大きく、不対電子種の生成がK殻イオン化により大きく増感することがわかった。同じピリミジン塩基でこのような違いが生じたのは、シトシンのESR測定において内殻イオン化による正孔生成に加えて電子付着の結果生じるアニオンラジカルなども一緒に検出されていると考えられる。以上のことから、同じピリミジン系の塩基であっても、塩基変異の中間体の生成過程が大きく異なり、これがDNA損傷収率の相違を与えていることが推定された。

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