産官学による原子力人材育成ネットワークの設立; 原子力界を支える人材の確保をめざして

Establishment of Japan nuclear human resource development network; Towards securing human resource in the nuclear field

村上 博幸

Murakami, Hiroyuki

エネルギーの安定供給,地球温暖化防止等の世界的課題において、非化石エネルギーの重要性は高まる一方である。原子力はその最も重要な柱の一つであり、我が国においても今後の原子力界を支えていく人材の確保が重要な課題となっている。このような原子力分野における人材育成の必要性が広く認識されるようになって久しいが、近年世界的にますますその重要性が高くなってきている。産官学の関係者により平成21年度末まで2年半に渡って開催された原子力人材育成関係者協議会の最終報告書の提言に基づき、国(内閣府,文部科学省,経済産業省及び外務省)が提唱した原子力人材育成にかかわる相互協力体制としての枠組みが、平成22年11月19日に設立された「原子力人材育成ネットワーク」である。このネットワークでは、国内の原子力関係機関の情報共有,相互協力を促進するとともに、機関横断的な活動・事業を推進することにより、我が国における原子力人材育成をより効果的かつ効率的に遂行することを目指している。本稿では、その概要及び活動の現状について紹介する。

It is highly significant to establish all-Japan framework for nuclear HRD based on the mutual beneficial relationship with organizations in charge of nuclear HRD from industries, academia and government. In November 19, 2010, in response to the call from the government (Cabinet Office; Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology; Ministry of Economy, Trade and Industry; Ministry of Foreign Affairs), "Japan Nuclear HRD Network" was established under mutual support and cooperative partnership with related organizations in Japan, in an integrated manner to promote various HRD actions and projects efficiently and effectively. This paper describes the features and present activities of the Network.