Energy spectra of quantum turbulence; Large-scale simulation and modeling

量子乱流におけるエネルギースペクトル; 大規模シミュレーションとモデリング

佐々 成正  ; 叶野 琢磨*; 町田 昌彦  ; L'vov, V. S.*; Rudenko, O.*; 坪田 誠*

Sasa, Narimasa; Kano, Takuma*; Machida, Masahiko; L'vov, V. S.*; Rudenko, O.*; Tsubota, Makoto*

本論文は、超流動における乱流現象を捉えた大規模シミュレーション結果とその理論的解釈を主題とした論文である。大規模シミュレーションは、超流動乱流の動力学的性質や統計的性質を解明するため、最大規模で2048メッシュというサイズで実施され、おもに地球シミュレータを利用し実行されている。その結果、さまざまなサイズで測定されたスペクトルを比較することで、高波数側で超流動特有のエネルギー散逸が現れることを高精度に捉えることに成功し、2008年に提案されていたL'vov-Nazarenko-Rudenkoによる慣性領域に続いて現れるボトルネック効果を例証した。なお、本成果は、超流動乱流の理解という基礎研究上の一つの成果ではあるが、液体ヘリウムを利用した高精度な放射線検出器開発に対しても有用な知見を与える成果でもある。

In a 2048 simulation of quantum turbulence within the Gross-Pitaevskii equation, it is demonstrated that the large-scale motions have a classical Kolmogorov-1941 energy spectrum , followed by an energy accumulation with const at about the reciprocal mean intervortex distance. This behavior was predicted by the L'vov-Nazarenko-Rudenko bottleneck model of gradual eddy-wave crossover, further developed in the paper.