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結晶質岩体に産出する石英の結晶化温度の推定

Consideration to crystallization temperature of quartz in crystalline rock

小北 康弘  ; 加藤 丈典*; 湯口 貴史*

Ogita, Yasuhiro; Kato, Takenori*; Yuguchi, Takashi*

マグマ溜りの冷却に伴って生じる結晶質岩内部の割れ目は、地下水流動や物質移行の経路となり、その分布は、結晶質岩体の温度時間履歴(冷却プロセス)と密接な関連がある。珪長質な結晶質岩体において、複数の岩相に共通して石英が産出する場合、岩体の冷却プロセスの推定には、石英に着目する手法が有効である。石英の結晶化温度は、石英に含有されるチタン濃度を基に推定可能である。本研究では、結晶質岩体の冷却温度条件を制約することを目的とし、遠野複合深成岩体に産出する石英のチタン濃度の定量や周辺のチタン含有鉱物の記載を行った。遠野岩体は、含有鉱物や化学組成の違いにより、中心部相, 主岩相, 周辺部相の3岩相に区分されている。それぞれの岩相に産出する石英のチタン濃度をEPMAにより定量した結果、主岩相で最も高い値を示した。この結果は、遠野岩体の既存の形成モデルとは異なる解釈が必要となる。Ti濃度定量結果の妥当性を評価するために、石英周辺の鉱物を観察したところ、いずれの岩相でも、TiO$$_{2}$$を主成分とする鉱物(ルチル)は認められなかった。岩石薄片のX線分析顕微鏡による測定を行った結果、各試料の中にTiを含む領域が認められた。Ti強度には岩相間で相違があり、中心部相で699cps、主岩相で1631cps、周辺部相で2048cpsとなった。石英の周辺にルチルが存在しない場合、石英の結晶化温度を算出するためには、イルメナイトやチタナイト等のTi含有鉱物の存在を検討する必要がある。なお、本研究は、発表者が大学在籍時に実施した内容に、原子力機構での分析結果を加えた内容である。また、本研究で用いた岩石試料は、発表者が大学在籍時に採取した試料である。

no abstracts in English

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