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黒部川花崗岩における石英のチタン濃度とカソードルミネッセンス像の関係

Relationship between cathodoluminescence patterns and titanium concentration in quartz from the Kurobegawa granite

山嵜 勇人*; 加藤 丈典*; 小北 康弘  ; 湯口 貴史*

Yamazaki, Hayato*; Kato, Takenori*; Ogita, Yasuhiro; Yuguchi, Takashi*

黒部川花崗岩はジルコンのU-Pb年代が10-0.8Maであり、地表に露出する花崗岩の中では世界で最も若い岩体であるため(Ito et al., 2013)、年代学的な研究が盛んに行われてきた。また、黒部川花崗岩の祖母谷温泉付近では、優白質岩と優黒質岩が非常に狭い範囲で混在する領域が認められる。本研究の目的は、この優黒質岩と優白質岩の混在領域における岩石学的情報を取得し、それらの形成プロセスを解明する事である。本研究は両岩相の主要鉱物である石英に着目し、カソードルミネッセンス(CL)像から得られる内部構造とチタン(Ti)濃度の関係から、優黒質岩と優白質岩の形成プロセスの相違を論じる。石英のCL像取得は山形大学のSEM-CL (JEOL IT100A + Gatan mini CL)を用いた。化学分析には名古屋大学宇宙地球環境研究所のEPMA (JEOL JCXA-733)を使用した。分析条件はYuguchi et al. (2020)に従った。優黒質岩と優白質岩の石英のCLパターンの特徴として、累帯構造がない点が挙げられる。一方、多くのCLパターンは石英が複数のサブグレインから構成されることを示唆する。この粒子中ではCL像の輝度の明暗とTi濃度が関連せず、CLパターンとTi濃度の関連を示したYuguchi et al. (2020)と異なる結果となった。Ti濃度の最大値は、優黒質岩が44$$pm$$11ppm、優白質岩が116$$pm$$11ppmであり、優黒質岩と優白質岩の石英のTi濃度の含有量には異なった特徴を持つ。これらをWark and Watson (2006)のTitaniQ地質温度計に適用すると、優黒質岩は728$$pm$$116$$^{circ}$$C、優白質岩は869$$pm$$21$$^{circ}$$Cの温度条件が得られた。今後はデータの拡充により両岩相の生成温度の相違を検証する。

no abstracts in English

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