検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年

ジルコン(U-Th)/He熱年代法に基づいた赤石山脈中部の削剥史の推定(速報)

Exhumation history of central part of the Akaishi Range based on zircon (U-Th)/He thermochronology (preliminary report)

末岡 茂   ; Kohn, B. P.*; 田上 高広*

Sueoka, Shigeru; Kohn, B. P.*; Tagami, Takahiro*

赤石山脈の形成史および隆起メカニズムの解明は、島弧会合部のテクトニクスの理解に貢献する。赤石山脈の隆起メカニズムについては、山地東縁の糸魚川-静岡構造線断層帯(糸静線断層帯)の断層運動と、伊豆-ボニン弧の衝突の二つの要因が、従来、隆起の原因として挙げられていた。Sueoka et al. (2017)は、赤石山脈の北部(甲府盆地-伊那盆地間)で、低温熱年代の手法とthermo-kinematicモデリングを実施し、隆起メカニズムについて検討した。その結果、赤石山脈の北部については、後期鮮新世以降の糸静線断層帯の断層運動が隆起の直接の原因であることが定量的に確かめられた。しかし、赤石山脈が活断層を境に盆地と隣接しているのは北半部のみであることから、南半部については、異なる隆起メカニズムを考える必要がある。本研究では、赤石山脈の南半部における隆起メカニズム解明のため、新たに熱年代解析を試みている。赤石山脈の中部(甲府盆地の南縁-伊那盆地の南縁)と南部(それより南方)において、赤石山脈を横断する方向に試料採取と分析を進めているが、本講演では中部におけるジルコン(U-Th)/He熱年代の解析結果を報告する。赤石山脈中部のジルコン(U-Th)/He年代は、加重平均値で19-2Maを示し、おおむね東に向かって若返る傾向を示した。すなわち、中部においては、北部と同様に糸静線断層帯の断層運動による西傾動隆起を被っていると考えられる。得られた年代値を基に、age2exhumの解析コードを用いて、予察的に削剥速度を推定した。本手法では鉛直方向の岩石の移動しか考慮されていないため、糸静線断層帯の傾斜(34-45度)を考慮し、計算値に1.5を乗じたところ、0.3-3.0mm/yrが暫定値として得られた。今後の課題としては、ジルコン(U-Th)/He年代以外の熱年代データの取得、赤石山脈南部における試料とデータの取得、thermo-kinematicモデリングを用いた詳細な削剥史の推定などが挙げられる。

no abstracts in English

Access

:

- Accesses

InCites™

:

Altmetrics

:

[CLARIVATE ANALYTICS], [WEB OF SCIENCE], [HIGHLY CITED PAPER & CUP LOGO] and [HOT PAPER & FIRE LOGO] are trademarks of Clarivate Analytics, and/or its affiliated company or companies, and used herein by permission and/or license.