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永瀬 文久; 中頭 利則; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(11), p.1369 - 1376, 2011/11
被引用回数:11 パーセンタイル:63.92(Nuclear Science & Technology)LOCA模擬実験で破裂、1405から1484Kで酸化、急冷した高燃焼度燃料被覆管から採取した試験片に対しリング圧縮試験を行った。破損歪みと最大荷重は酸化量と水素濃度とともに減少した。300ないし400ppm以上の水素濃度では被覆管の脆化が見られた。LOCA模擬試験ではすべての被覆管が破断しなかったのに対し、リング圧縮試験では多くの試料が塑性変形せずに破損した。破断基準と脆化基準との間の明確な違いは、2つの試験における応力条件の違いによるものと考えられる。
笹島 栄夫; 杉山 智之; 中頭 利則; 永瀬 文久; 中村 武彦; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology, 47(2), p.202 - 210, 2010/02
被引用回数:5 パーセンタイル:35.66(Nuclear Science & Technology)高燃焼度燃料を対象として、反応度事故(RIA)模擬したパルス照射実験をNSRRにおいて実施した。パルス照射後のパンクチャー試験より、FPガス組成((Xe/Kr)比)を測定した。XeとKrの生成割合がペレット径方向位置に応じて異なることから主たるガス放出の位置を推定した。高燃焼度PWR燃料では、ペレット径方向の全領域からFPガス放出が生じていることを示した。一方、高燃焼度BWR燃料では、ペレット中心、又は、中間領域から放出されたことを示した。計算コードによるパルス照射時のペレット熱応力分布の解析結果も、測定結果を支持するものであった。これらよりRIA時のFPガス放出について、ペレット外周部に存在するリム部からの選択的な放出がなかったことを示した。
永瀬 文久; 中頭 利則; 更田 豊志
Proceedings of Top Fuel 2009 (DVD-ROM), p.527 - 537, 2009/09
LOCA時の被覆管脆化を調べるために、日本においてはLOCA過程を模擬した実験を、欧米においては酸化した被覆管のリング圧縮試験を行っている。2つの試験手法を比較し高燃焼度燃料に適した安全基準を検討するために、LOCA模擬試験に供した高燃焼度燃料被覆管に対し135Cでのリング圧縮試験を行った。酸化温度範囲は約1130から1210C、酸化量は約11から22%ECR、水素濃度は約200から1400ppmである。LOCA模擬試験では急冷時にも破断しなかった被覆管がリング圧縮試験では塑性変形をせずに破損した。急冷までに燃料に加わる負荷を考えれば、リング圧縮試験により得られる結果は保守的であると考えられる。
永瀬 文久; 中頭 利則; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology, 46(7), p.763 - 769, 2009/07
被引用回数:40 パーセンタイル:92.15(Nuclear Science & Technology)66から76MWd/kgまで照射した高燃焼度燃料棒から採取したMDA, ZIRLO, M5, NDA,ジルカロイ-2被覆管を対象に冷却材喪失事故(LOCA)模擬試験を行った。被覆管試料に模擬ペレットを装荷した試験燃料棒を水蒸気中で加熱し、1186から1208Cにて等温酸化後、冠水により急冷した。金属肉厚の18から28%酸化させた範囲で急冷時に被覆管が破断や破砕することはなかった。原子炉運転中の水素吸収によりLOCA時の破断限界が若干低下する可能性があるが、安全上重要な破断限界が高燃焼度化によって著しく低下することはない。
中頭 利則; 永瀬 文久; 更田 豊志
Nuclear Engineering and Technology, 41(2), p.163 - 170, 2009/03
燃料被覆管のLOCA時高温酸化挙動を調べるために、79MWd/kgまで照射された高燃焼度PWR燃料被覆管を用いて水蒸気雰囲気における等温酸化試験を行った。原子炉照射中に形成された腐食酸化膜が水蒸気中の高温酸化を抑制する効果が示された。一方、高温酸化に及ぼす水素吸収の影響はほとんど見られなかった。M5被覆管は1273Kにおいて有意に小さい酸化速度を示したが、より高い温度においては酸化速度に及ぼす合金組成の影響は小さく、従来のジルカロイ4とほぼ同等の酸化速度を示した。
更田 豊志; 中村 武彦; 永瀬 文久; 中村 仁一; 鈴木 元衛; 笹島 栄夫; 杉山 智之; 天谷 政樹; 工藤 保; 中頭 利則; et al.
JAEA-Review 2006-004, 226 Pages, 2006/03
3月2日(水)及び3日(木)の両日、東京の都市センターホテルにおいて「燃料安全研究国際会議2005(Fuel Safety Research Meeting 2005)」を開催した。本会議は、原子炉の安全性研究に関する最新の研究成果の発表と、専門家との情報交換及び討論を目的としている。本会議における技術的な話題は、燃料安全研究の現状,反応度事故時及び冷却材喪失事故時の燃料挙動,高燃焼度燃料のふるまい、及びシビアアクシデント時の放射性物質放出をカバーしている。本要約集は、本会議の発表において使用された要旨及びOHPをまとめたものである。
島田 祥雄; 中頭 利則; 永瀬 文久; 更田 豊志
no journal, ,
水素化物が析出したZr合金の二軸応力条件下での脆性き裂発生及び進展挙動を、水素化物が受ける圧縮応力を考慮して解析した。その結果、二軸応力比や水素化物長さにより圧縮応力の影響はき裂の発生及び進展挙動に複雑に影響することが示された。
笹島 栄夫; 中村 武彦; 中頭 利則; 杉山 智之; 細山田 龍二; 更田 豊志
no journal, ,
燃焼度4861GWd/tのPWR/UO燃料を対象としたNSRRでのパルス照射実験において、放出されたFPガスの組成(Xe/Kr比)を測定した。Xe及びKrの生成割合がペレット径方向位置に応じて異なることから主たるガス放出の位置を推定した結果、反応度事故(RIA)実験時のガス放出はおおむね半径方向に一様に起きており、試験した燃焼度範囲ではリム部からの選択的な放出がなかったことが示唆された。
永瀬 文久; 中頭 利則; 更田 豊志
no journal, ,
高燃焼度化が軽水炉燃料のLOCA時挙動に及ぼす影響を調べるために、改良合金を備えた高燃焼度PWR燃料被覆管( 79GWd/t)に対し、LOCA条件を擬した試験を行った。膨れ、破裂、破損挙動及び破損する酸化条件について、高燃焼度化と改良被覆管の使用に伴う顕著な変化は見られなかった。
永瀬 文久; 中頭 利則; 更田 豊志
no journal, ,
高燃焼度化が軽水炉燃料のLOCA時挙動に及ぼす影響を調べるために、改良合金を備えた高燃焼度PWR燃料被覆管( 79GWd/t)に対し、LOCA条件を擬した試験を行った。膨れ、破裂、破損挙動及び破損する酸化条件について、高燃焼度化と改良被覆管の使用に伴う顕著な変化は見られなかった。
中頭 利則; 永瀬 文久; 更田 豊志
no journal, ,
高燃焼度化に伴う被覆管酸化膜の成長や水素吸収量の増大は、LOCA時の高温酸化挙動に影響を及ぼす可能性があることから、通常運転時に高い耐食性を示すM5被覆管(Zr-Nb2元系合金)の酸化速度に及ぼす高燃焼度化の影響を調べている。本研究においては、高燃焼度効果のうち水素吸収がM5被覆管のLOCA時高温酸化に及ぼす影響を分離的に評価するために、水素を添加した未照射M5被覆管試料を用いて水蒸気雰囲気における等温酸化試験を行った。重量増加及び酸化膜成長に関し、本試験条件において、M5被覆管はZry4と同等もしくは低い酸化速度を示すこと、また、M5被覆管の高温酸化に及ぼす水素の影響はほとんどないことが明らかとなった。
永瀬 文久; 中頭 利則; 畠山 祐一; 更田 豊志
no journal, ,
高燃焼度化が軽水炉燃料のLOCA時挙動に及ぼす影響を調べるために、高燃焼度PWR及びBWR燃料被覆管(77GWd/t)に対し、LOCA条件を模擬した試験を行った。試験では、欧州の発電炉で照射された高燃焼度燃料から切り出したMDA, NDA, ZIRLO, M5, Zry-2被覆管を15631480Kで酸化し、急冷した。18.3から27.3% ECRまで酸化させた高燃焼度燃料被覆管は急冷時にも破断しなかった。対象とした燃焼度範囲においては、破断限界が著しく低下することはないと考えられる。また、膨れ、破裂、破断挙動において高燃焼度化による顕著な影響は見られなかった。
中頭 利則; 永瀬 文久; 小野 勝人; 更田 豊志
no journal, ,
高燃焼度化に伴う被覆管腐食層の成長や水素吸収量の増大は、LOCA時の酸化挙動に影響を及ぼす可能性があることから、本研究においては、欧州の原子炉で国内許可燃焼度を超える高い燃焼度まで照射された燃料被覆管から試料を採取し、水蒸気雰囲気における等温酸化試験を行って、重量増加及び酸化層成長に関する酸化速度を評価した。高燃焼度被覆管では原子炉照射中に形成された初期酸化層により高温酸化が抑制され、酸化速度は未照射被覆管に比べて低下する傾向を示した。一方、調べた試験条件の範囲では、合金組成による酸化速度の違いはほとんどないことが明らかとなった。
井勝 伸彦; 中頭 利則; 永瀬 文久; 更田 豊志
no journal, ,
高燃焼度被覆管に対するパルス照射試験において、外表面に水素化物リムが生じた被覆管では水素化物リム厚さと破損時エンタルピーとの間に相関関係が見られている。本試験では炉外で水素偏在被覆管を用いた拡管試験を行うことで、予亀裂として働くと考えられる水素化物リムが破損に与える影響及び被覆管の歪速度の影響の評価を行った。水素濃度の異なる水素偏在管を用いた試験によって、水素化物リム厚さが厚くなることで破断に至る歪が低下すること、及び被覆管に与える歪速度を高めた場合には破断歪が低下することを示した。
永瀬 文久; 中頭 利則; 鈴木 和博; 更田 豊志
no journal, ,
LOCA条件を模擬した総合試験で破裂後に高温酸化と急冷を経験させた高燃焼度燃料被覆管等の延性をリング圧縮試験により評価した。約500ppm以上の水素を吸収し1270K以上で酸化された被覆管では低い酸化量でも延性が著しく低下したが、水素吸収以外の高燃焼度化の影響は小さい。LOCA時の被覆管健全性に関し、リング圧縮試験は総合試験より厳しい基準を与えると考えられる。
中頭 利則
no journal, ,
燃料被覆管のLOCA時高温酸化挙動におよぼす高燃焼度化の影響を調べるために、66から79MWd/kgまで照射した高燃焼度燃料被覆管を用いて水蒸気雰囲気における等温酸化試験を行った。高燃焼度被覆管における高温酸化時の酸化膜成長は、被覆管内面では未照射材とほとんど違いは見られないが、原子炉照射中に形成された腐食酸化膜が存在する外面においては未照射材に比べて低く抑えられた。高温酸化による重量増加についても、照射材は未照射材に比べ小さくなっており、腐食酸化膜が水蒸気中の高温酸化を抑制する可能性を示すものであった。