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秋吉 英治*; 門脇 正尚; 山下 陽介*; 長友 利晴*
Scientific Reports (Internet), 13, p.320_1 - 320_12, 2023/01
被引用回数:2 パーセンタイル:70.08(Multidisciplinary Sciences)最新の化学-気候モデル(CCM)では、今後オゾン層破壊物質(ODS)が減少かつ温室効果ガス(GHG)が増加した場合、熱帯と南極を除くほとんどの地域でオゾン量が増加することが示されている。しかし、ODS濃度が1990年代半ばにピークを迎えたにもかかわらず、1990年代以降、約10年に1回の頻度で北極のオゾンが大きく減少した。この事象を理解するために、CCMを用いて、ODSとGHGの濃度を将来の予測値に基づいて設定した、24のシナリオ実験(各実験:500アンサンブルメンバー)を行った。北半球の中高緯度で低オゾン量の50アンサンブルメンバーでは、低温と強い西風帯状平均帯状風と関連して、ODS依存性が明確に示された。GHG濃度が高い場合でも、ODS濃度が1980-1985年の水準を上回った場合、北極の春のオゾン濃度が極端に低くなるアンサンブルがあった。したがって、北極の極渦が安定している場合には、オゾンの大幅な減少を避けるためにODS濃度を低減する必要がある。また、下位50位までの平均値は、21世紀末に向けた温室効果ガスの増加が北極のオゾン層破壊を悪化させないことを示している。
内多 陽介*; 長井 利泰*; 須田 孝徳*; 橋本 直幸*; 大貫 惣明*; 柴山 環樹*; 山下 真一郎; 赤坂 尚昭
no journal, ,
優れた耐照射性と高温強度を示すODSフェライト鋼は、原子炉心部の構造材料として期待されている。しかし、酸化物粒子のナノ構造やその分散制御の研究は十分ではなく、Ti, Hf, その他の元素が有効なことが判明しつつある。本研究の目的はODS合金中に添加した微量元素の濃度依存性を明らかにすることである。Ti, Hfを0.20.9at%の範囲で添加したFe-9Cr基のODS合金粉末をMA法により作成し、1150C2hrでアニールした。これらにニッケル無電解めっき,機械研磨の後直径3mmのディスクを電解研磨にしてTEM観察用試料とした。Hf, Ti添加によりナノ酸化物粒子の析出が確認され、これらは、電子回折からそれぞれYHfO, YTiOであることがわかった。平均粒径を比較したところ、Hfでは0.2at%, Tiでは0.9at%で最小となった。このことから、粒子分散は元素と濃度に依存して最適値があることがわかった。さらに、複合酸化物の物性と形成原因について検討する予定である。
山下 真一郎; 大塚 智史; 渡部 雅*; 内多 陽介*; 須田 孝徳*; 橋本 直幸*; 大貫 惣明*; 柴山 環樹*
no journal, ,
耐熱性・耐照射性に優れるSUS316相当鋼(PNC316)を母材としたオーステナイト系ナノ粒子分散強化鋼開発の基礎研究の一環として、アトライター式ボールミル方式で機械的に合金化した試作材の照射試験を行い、微細組織変化を評価した。ナノ粒子分散強化試作材の照射後組織には、いずれの照射条件においても、照射により形成したボイド組織が認められた。また、これらボイド組織の大部分はナノ粒子界面に付着して存在していることも明らかとなった。微細組織観察データを統計的にまとめた結果から、ボイド径や数密度は照射温度に依存した傾向があり、照射下ではナノ粒子界面で優先的にボイド形成していることが示された。これらのことから、オーステナイト系母相中へのナノ粒子の最適分散により、既存のオーステナイト系ステンレス鋼以上のボイドスエリング抑制効果の可能性が示唆された。
阿部 陽介; 大久保 成彰; 山下 真一郎; 佐藤 裕樹*
no journal, ,
原子炉構造材料では、中性子照射下で形成された格子間原子集合体が一次元(1D)的な高速拡散で損傷領域から散逸することで損傷組織発達を律則すると考えられている。しかし、中性子照射下での1D運動を実験的に検証することは困難で、1D運動の実態はよく理解されていない。本研究では、格子間原子集合体の1D運動に及ぼすカスケード損傷の影響を明らかにするため、純鉄および鉄系合金に対して異なる照射場(電子照射, イオン照射)における電子顕微鏡その場観察実験により、1D運動の素過程に対する照射場の影響を調べた。その結果、両照射場において、格子間原子集合体の1D運動頻度が照射ビーム強度に概ね比例することが分かった。このことは、電子照射下と同様にカスケード損傷下でも、何らかのトラップにより静止状態にある格子間原子集合体の1D運動が、照射による弾き出しが原因となって生じることを示唆している。その一方で、1D運動距離は電子照射下と比べてイオン照射下では著しく短いことが分かった。電子照射下では残留不純物や溶質原子が格子間原子集合体の1D運動を阻害するのに対して、カスケード損傷下においてはこれらの他に、カスケード損傷で直接形成される欠陥クラスターが1D運動の阻害に寄与している可能性があることを示唆している。
山下 真一郎; 井岡 郁夫; 阿部 陽介; 岡 弘*; 磯部 繁人*; 橋本 直幸*
no journal, ,
次世代小型炉に対応した技術である金属積層造形法(3Dプリンティング)を用い、高温で耐照射性を有する低放射化ハイエントロピー材料(RA_HEA)の創製を目指し、2020年2021年度末まで原子力システム研究開発事業において研究開発を進めた。成果報告は4件のシリーズ発表で行う予定で、本発表ではシリーズ発表の3番目として照射特性について成果概要を紹介する。500Cで300dpaまでイオン照射した時の微細組織観察結果の比較から、比較参照材である316Lは、製法の違いによりボイドのサイズ分布に大きな違いがあることが明らかとなった。一方、RA_HEAでは、非常に高い照射量までイオン照射された場合でも、微細なキャビティこそ形成するものの粗大化することはなく、製法の違いに依らず高い寸法安定性を有することが示された。
阿部 陽介; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
no journal, ,
軽水炉の事故耐性燃料被覆管として開発中であるFe-Cr-Al合金は、比較的低温照射で生じ得るCrリッチ脆化相(相)の析出挙動を正確に予測することが課題となっている。しかし、照射炉の世界的制約により中性子照射下での相の形成挙動は十分に理解されていない。そこで本研究では、14種類の合金に対する3水準での損傷速度による系統的照射実験と重回帰分析を組み合わせることにより、相形成に及ぼす影響因子(Cr濃度・Al濃度・損傷速度)を定量評価するとともに、実機合金設計において重要なCr濃度とAl濃度に基づく/(+)相境界曲線の高精度化に寄与した。
阿部 陽介; 佐々木 泰佑*; 大久保 成彰; 山下 真一郎; 鵜飼 重治
no journal, ,
軽水炉の事故耐性燃料被覆管として開発中であるFe-Cr-Al(ODS)合金においては、比較的低い照射温度で生じるCrリッチ脆化相(相)の析出挙動と機械特性への影響を理解し予測することが課題となっている。そこで本研究では、照射影響評価の前段階として、CrとAlの組成を系統的に変化させたFe-Cr-Al合金を用いた熱時効実験と機械学習モデルを組み合わせることにより、温度や時効時間などの異なる条件での合金状態図上での相境界を合理的に定義した。また、3DAPデータベースに回帰モデルを適用し、推定されたビッカース硬さの増加量と相による硬化メカニズムとの関係を評価した結果、相による硬化は粒子切断機構で説明できることが示唆された。
Mohamad, A. B.; 相馬 康孝; 根本 義之; 阿部 陽介; 井岡 郁夫; 佐藤 智徳; 石島 暖大; 三輪 周平; 中島 邦久; 加治 芳行; et al.
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日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)では、2019年に事故耐性を兼ね備えたジルカロイに関する基礎研究を立ち上げ取り組んできている。基礎研究を実施する主目的は、長期の通常運転時、冷却水喪失事故(以下、LOCA)時、設計基準外事象(以下、B-DBA)時、過酷事故(以下、SA)時におけるジルカロイ挙動の理解を深化させること、そして国内メーカで開発されているクロムコーティングジルカロイの実装を支援すること、である。JAEAはまた、通常運転時、LOCA時、B-DBA時、SA時における事故耐性コーティングジルカロイの挙動理解に必要な基礎技術開発も行っている。例えば、通常運転条件を模擬するために軽水炉の冷却条件を組合わせたイオン照射試験技術を開発している。また、被覆管の破断やバル―ニングを詳細に理解するために、LOCA試験で得られた結果を機械学習に取り込んだ解析等もしている。さらには、高温酸化試験のような分離効果試験なども実施している。加えて、B-DBAやSA時の核分裂生成ガスの放出についても研究プログラムに含まれている。将来的には、これらの基礎技術を用いて得られた研究結果は、統合されて燃料ふるまい解析コードに導入されることによって原子炉の運転条件下での燃料ふるまいの予測に用いられる。