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頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 熊谷 友多; 日下 良二; 渡邉 雅之
Nuclear Engineering and Technology, 55(4), p.1300 - 1309, 2023/04
被引用回数:2 パーセンタイル:68.31(Nuclear Science & Technology)UO・Zr・ステンレス鋼を出発物質として模擬デブリを合成し、形成された固相の分析と浸漬試験を行った。主要なU含有相は合成条件に依存し、不活性雰囲気下・1473KではUO相が維持されていた。1873Kでは(U,Zr)O固溶体相の形成が観測された。酸化性雰囲気では、1473Kの場合にはUOと(Fe,Cr)UO相の混合物が得られ、1873Kでは(U,Zr)Oが形成された。浸漬試験により金属イオンの溶出挙動を調べるため、中性子照射により核分裂生成物を導入する、もしくは出発物質への添加によりその安定同位体を導入する処理を行った。試験の結果、Uの溶出挙動は、模擬デブリの性状や浸漬液の液性に依存することが確認された。CsやSr, Baは模擬デブリの固相組成に依存せず顕著な溶出を示した。一方で、多価イオンとなるEuとRuの溶出は抑制されることが観測され、模擬デブリ中でウラン相に固溶ないしは包含されたことによる影響が推察される。
佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 渡邉 雅之; 熊谷 友多; 日下 良二
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故で生じた燃料デブリは水と接触した状況にあり、デブリ表面での固液反応に伴う核種の溶出が進行している。またその取出しまでに時間を要することから、性状の経年変化を見通すための基礎知見の蓄積が不可欠であるが、特に合金相を含むデブリに関する知見は殆どない。本研究では同デブリからの水への溶出挙動について検討するため、二つの方法により合金系模擬デブリ試料を調製し、FP核種の溶出挙動について検討した;(1)照射法: 模擬デブリを熱中性子照射しFPを導入、(2)添加法: 試料に予めFPを模擬した非放射性元素(Cold FP)を添加、する方法である。FPとUの溶出を関連付けて溶出挙動を比較・評価した。浸漬直後はCsがUより優先的に溶出するが、その後は溶出Cs/U比が低下した。固相表面にある易溶性核種は浸漬後直ちに溶出するが、その後はU溶解が律速反応となることが示唆された。2価のBa, SrはCsと同様にUより優先的に溶出する一方で、3価Nd, EuはUとの調和溶解の傾向が強いことが分かった。
佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 頓名 龍太郎*; 小林 大志*; 熊谷 友多; 日下 良二; 渡邉 雅之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; et al.
no journal, ,
約10年が経過した今なお東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故で生じた燃料デブリは水と接触した状況にあり、デブリ表面での固液反応に伴う核種の溶出を伴う経年劣化が進行していると考えられる。その取出しまでにはさらに相応の準備期間を要することから、性状変化を見通すための基礎知見の蓄積が不可欠であるが、特に合金相を含むデブリに関する知見は殆どない。放射化学研究グループは1Fデブリからの核種の溶出挙動について検討するため、合金系模擬デブリ試料を調製し、ウランおよびFP核種の溶出挙動について検討を進めている。これには2つの方法がある。一つは試料に予めFPを模擬した非放射性元素(Cold FP)を添加する方法である添加法、もう一つは模擬デブリを熱中性子照射しFPを導入する照射法であり、それぞれの評価方法に長所短所がある。今回、FPとUの溶出に及ぼすデブリ中の合金相の存在について議論するため、溶出挙動を実験的に評価した。本成果により浸漬液性や相状態と溶出挙動との関連を議論することが可能となる。