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阿部 賢*; 岩下 芳久*; 照沼 信浩*; 不破 康裕; 八子 丈生*
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.700 - 702, 2019/10
国際リニアコライダー(ILC)のダンピングリングへの永久磁石の適用を研究している。電磁石を永久磁石に置き換えることで、コイルを励磁するための電力や電源の保守コストだけでなく、冷却水の漏洩事故も減らすことが可能となる。ダンピングリングには偏向磁石と軌道補正磁石が使用されており、本研究では3D磁場コードCST Studioを用いて永久磁石を使用した補正磁石内の磁場分布を解析している。軌道補正磁石では、ビーム軌道の誤差を修正するために、発生させる磁場の極性と強度が可変であることが要求される。本研究では、補正磁石内の磁気回路中の永久磁石に回転機構を搭載することで、発生磁場の調整を可能にした。また、不正多極磁場によるビーム品質の劣化を抑制するために磁気回路の部材形状の最適化を行い、実機へ搭載可能な磁石設計を確立した。
八子 丈生*; 岩下 芳久*; 阿部 賢*; 栗原 俊一*; 福田 将史*; 佐藤 将春*; 杉村 高志*; 不破 康裕; 高宮 幸一*; 飯沼 勇人*
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1003 - 1005, 2019/10
永久磁石は低消費電力化や小型化を目的としてビーム光学素子の素材として用いられているが、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石では放射線減磁が起こることが知られている。しかし強度が弱いながらも安価な、フェライト磁石の放射線減磁については十分な情報が無い。フェライト磁石のビーム光学素子の素材としての適合性を検証するために、京大複合研原子炉(KUR)でフェライト磁石の中性子照射による放射線減磁実験を行った。実験では、最大cmに相当する中性子線量で照射を行ったが、有意な減磁は検出されなかった。この減磁特性は一般的に使用されているネオジム磁石よりフェライト磁石の放射線減磁耐性が高いことを示しており、より高い線量領域での減磁傾向の計測を計画している。