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加藤 匠馬*; 永岡 美佳; Guo, H.*; 藤田 博喜; 相田 卓*; Smith, R. L. Jr.*
Environmental Science and Pollution Research, 28(39), p.55725 - 55735, 2021/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)本研究では、土壌中のSrを無添加でスクリーニングする方法の開発を目的として、模擬土壌(粘土鉱物のバーミキュライト,モンモリロナイト,カオリナイト)及び実際の土壌(照沼)に熱水浸出を行い、有機酸を生成した。安定ストロンチウム(SrCl)を土壌に吸着させ、10種類の有機酸を用いて、水熱条件下(120200C)での模擬土壌からのSrの溶出量を0.3Mまで評価した。ストロンチウムを吸着したバーミキュライト(Sr-V)については、0.1Mのクエン酸が150C、1時間の処理でSrの溶出に有効であることがわかった。これらの結果をもとに、照沼土壌の有機物からの有機酸の生成について検討した。照沼土壌の水熱処理では、200C、0.5hの反応時間で最大量の有機酸が生成された。照沼土壌からのSrの溶出の可能性を確認するために、ストロンチウムを吸着した照沼土壌(Sr-S)を調べた。Sr-Sでは、200Cで0.5hの反応時間で水熱処理を行うと、室温でSrの40%が溶出し、土壌中のSrのスクリーニングに無添加の方法が使えることがわかった。無添加の水熱浸出法は、化学分析の第一段階で固体を焼成する必要がないため、土壌中の金属の日常的なモニタリングや緊急時の対応にも応用できる。