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大森 康孝*; 細田 正洋*; 高橋 史明; 真田 哲也*; 平尾 茂一*; 小野 孝二*; 古川 雅英*
Journal of Radiological Protection, 40(3), p.R99 - R140, 2020/09
被引用回数:23 パーセンタイル:75.48(Environmental Sciences)国連原子放射線の影響に関する科学委員会(UNSCEAR)及び原子力安全研究協会では、宇宙線,地殻放射線,ラドン吸入,食物摂取等の自然放射線源による年間線量を報告している。本研究では、主要な自然放射線源からの国内の放射線量を最新の知見に基づいてレビューした。宇宙線による年間線量は、0.29mSvと評価され、地殻放射線に起因する外部被ばくによる年間線量平均値は、放射線医学総合研究所が進めた全国調査のデータより0.33mSvと評価された。また、日本分析センターでは、屋内,屋外及び職場でのラドン濃度を統一された測定方法により調査した。この調査に基づいて、現在の線量換算係数を使用した場合、ラドンの吸入による年間線量は0.50mSvと推定された。トロンからの年間実効線量は、UNSCEARによって0.09mSvと報告されており、ラドンとトロンの吸入による年間線量は0.59mSvとなった。また、日本分析センターによる食品の大規模調査により、食事摂取による主要放射性核種からの年間線量は0.99mSvと評価されている。以上より、日本人の自然放射線による全年間線量は2.2mSvと評価され、世界平均値2.4mSvに近い値となった。
山崎 巧; 高田 千恵; 中村 圭佑; 佐川 直貴; 星 勝也; 中川 貴博; 滝本 美咲; 谷村 嘉彦*; 高橋 史明; 百瀬 琢麿; et al.
no journal, ,
飯舘村,田村市,川内村において校正用PMMAファントム上に国内外の5種類の電子式個人線量計を設置し、線量計の読み取り値と線サーベイメータを用いてファントム設置場所の空間線量率の測定値を得た。個人線量計の指示値Dpとファントム上に個人線量計を設置した時間から算定される空間線量Daの間には個人線量計の種類毎に一定の相関があり、Dp/Da=0.6-0.7の範囲であった。また、ファントムを設置した各地点において原子力機構が開発した線エネルギースペクトロメータを用いて線エネルギースペクトルを測定し、H*(10), 実効線量E(ROT)の推定値,個人線量計の指示値の関係について考察した。
高橋 史明; 石森 有; 稲垣 昌代*; 大森 康孝*; 真田 哲也*; 杉野 雅人*; 古川 雅英*; 細田 正洋*; 真辺 健太郎; 矢島 千秋*; et al.
no journal, ,
日本保健物理学会では、自然放射線の測定、各種のモニタリング、線量評価等を専門とする研究者、技術者の12名からなる国民線量評価委員会を平成27年8月に設置した。同委員会では、国内で日常的に受ける被ばく線量評価に関する検討を進めている。第1回会合において、活動方針の議論を行い、国民線量への寄与が大きい大地放射線、宇宙放射線、空気中ラドン及び食品を検討対象の線源とした。また、線量評価に用いるモデルやデータ、生活パターンなど、線量評価への影響因子も検討することとした。さらに、学会として、国民線量評価を将来的にどのように検討していくことが最適かを議論していくことも予定している。日本保健物理学会第49回研究発表会におけるセッションでは、本委員会での活動内容を報告するとともに、研究発表会への参加者と国民線量評価の検討に関する意見交換を行う予定である。
細田 正洋*; 斎藤 公明; 三上 智; 真田 哲也*; 大森 康孝*; 武田 晃*; 山田 崇裕*; 平尾 茂一*; 谷 幸太郎*; 折田 真紀子*; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故の教訓を反映した我が国の緊急時モニタリング体制の整備は、原子力発電所の再開が行われる現状にあって最重要事項である。保健物理学会緊急時モニタリング検討臨時委員会では、我が国のモニタリング体制に関する包括的調査を行い、緊急時における環境及び個人モニタリングを実施するための体制の整備と強化を目的とした提言を行うべく活動をしている。本委員会の調査活動の概略と成果報告に加え、緊急時モニタリングに係る我が国の体制強化に資する提言について発表する。
山田 椋平; 橋本 啓来*; 玉熊 佑紀*; 大森 康孝*; 細田 正洋*; 赤田 尚史*; 内山 怜; 中田 陽; 遠藤 倫崇*; 今城 裕介*; et al.
no journal, ,
原子力施設周辺においては、予期しない人工放射性核種の異常放出に備え、平常時から大気中放射性物質濃度を測定している。一方、大気中には平常時から天然放射性核種が存在し、これらと人工放射性核種を弁別する必要がある。本研究では、天然放射性核種の計数値の相関関係を利用した人工放射性核種の弁別手法を検討した。そこで本発表では、原子力災害対策指針補足参考資料を含む大気中放射性物質濃度測定に係る背景から、弁別手法の着想に至った経緯やその方法・結果について紹介する。