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遠藤 駿典; 木村 敦; 中村 詔司; 岩本 修; 岩本 信之; Rovira Leveroni, G.; 寺田 和司*; 明午 伸一郎; 藤 暢輔; 瀬川 麻里子; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(3), p.318 - 333, 2022/03
被引用回数:6 パーセンタイル:64.12(Nuclear Science & Technology)In order to improve the accuracy of the cross-section and the resonance parameters of Nb, neutron capture and total cross-sections were measured using the J-PARC MLF ANNRI. The thermal-neutron capture cross-section was deduced as 0.970.12 b. The resonance parameters of 11 resonances below 400 eV were determined from obtained capture cross-sections and transmission ratios by using the resonance analysis code, REFIT.
藤 暢輔; 瀬川 麻里子; 前田 亮; 常山 正幸*; 木村 敦; 中村 詔司; 遠藤 駿典; 海老原 充*
Analytical Chemistry, 93(28), p.9771 - 9777, 2021/07
被引用回数:5 パーセンタイル:39.78(Chemistry, Analytical)Considering the expanding demand for nuclear waste management of the spent nuclear fuel materials in near future, a non-destructive analytical scheme applicable to the most difficult-to-measure nuclide of Pd, which emits no decay gamma-rays and whose half-life is too long to be decayed out during a human lifetime, was designed. The scheme consists of a sophisticated instrument capable of the detection of gamma-rays by Ge detectors coupled with time-of-flight measurement of neutrons and a high-intensity pulsed neutron beam, and can simultaneously perform TOF-coupled prompt gamma-ray analysis (TOF-PGA) as well as PGA and NRCA. An analytical capability was evaluated by applying to simulated samples of the Tc-platinum group metals (Tc-PGMs) obtained by the group partitioning process of spent nuclear fuels, which contain not only Pd but also Tc and another difficult-to-measure fission product. It was confirmed that, although PGA and NRCA could accurately analyze both nuclides in individual single substances, only TOF-PGA can analyze Pd as well as Tc in the Tc-PGMs simulated sample. The TOF-PGA measurement technique can be widely used for the non-destructive analysis of Pd and Tc in nuclear wastes.
藤 暢輔; Huang, M.; 瀬川 麻里子; 前田 亮; 常山 正幸*; 木村 敦; 中村 詔司
no journal, ,
中性子ビームを用いた非破壊元素分析法として、即発線分析(PGA)と中性子共鳴捕獲分析(NRCA)がある。J-PARCの物質・生命科学実験施設のBL04に設置されている中性子核反応測定装置(ANNRI)では、大強度パルス中性子を用いることで、PGAとNRCAを同時に測定することができるほか、更にこの2つの分析手法を組み合わせた分析(TOF-PGA)も同時に行うことができる。TOF-PGAは、線のエネルギーと中性子のエネルギー(共鳴のエネルギー)を同時に用いることができるため、優れた峻別性能をもち、容易に核種を同定することができる。そのため、複雑な組成を持つ試料の分析を行う際に威力を発揮する。Ni基超合金は、高温強度, 耐食性, 耐酸化性などにおいて優れているため、高温タービン等に用いることを目的とした次世代Ni基超合金の開発が進められている。Ni基超合金は多くの金属元素を含むため、それぞれの元素の含有量を正確に知ることが難しい場合がある。ANNRIはNi基超合金の分析に適していると考えられるが、即発線や共鳴のエネルギーや強度は元素(核種)毎に異なるため、Ni基超合金に含まれる金属元素毎に最適な測定条件が異なる。このため、PGA, NRCA, TOF-PGA測定データを解析し、元素毎に最適な測定法を求めた。本発表ではNi基超合金の測定結果とフィルター装置などのANNRI装置の高度化について報告するとともに、今後の展望についても述べる。
藤 暢輔; Huang, M.; 瀬川 麻里子; 前田 亮; 常山 正幸*; 土屋 晴文; 木村 敦; 中村 詔司
no journal, ,
J-PARC MLFに設置した中性子核反応測定装置ANNRIにおいて飛行時間法を用いた即発線分析法(TOF-PGA)の開発を行っている。TOF-PGAは従来法である即発線分析(PGA)や中性子共鳴捕獲分析(NRCA)に比べて分解能が飛躍的に向上しており、非常に複雑な元素構成をもつ試料であっても、他の元素からの妨害をほとんど受けずに定量することが可能である。そのため、TOF-PGAは分離変換等における放射性核種の非破壊分析としての応用が期待される。群分離されたグループのうちTc・白金族元素は、管理すべきTc-99, Pd-107の長寿命の放射性核種を含む一方で、有用な金属資源として再利用することも検討されている。再利用のためには白金族の定量だけでなく、これらの放射性核種の定量も重要であるが、Pd-107は純核種であり、Tc-99もほとんど崩壊線を放出しないため、破壊法によっても定量することが困難である。本発表では、白金族元素の測定データに開発した補正法を適用して得られた定量値、及び近年ANNRIに整備した中性子フィルター等について報告する。
瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 甲斐 哲也; 前田 亮; 常山 正幸*
no journal, ,
使用済燃料や高レベル放射性廃棄物の温度を非破壊かつ非接触で測定することは、これらの処分方策の確立に資する重要な技術である。本研究の目的は、共鳴による中性子吸収の温度依存性(ドップラ効果)に着目し、その変化量をSelf-indication法により精度よく測定することで、対象試料の温度を非破壊かつ非接触で分析する技術を確立することである。そこで、パルス中性子を生成するJ-PARCにおいてSelf-indication法を適用し、296765Kまで温度を変化させたTa試料の中性子共鳴幅を計測してその変化量を分析した。この結果、中性子エネルギーEn=4.28eV領域において得られた中性子共鳴のピーク形状が、試料温度に依存し変化していることを確認した。また、試料温度とピーク形状の変化量の関係が一次関数により精度よくFitting可能なことから、試料温度765K以下の領域においてSelf-indication法による温度分析が可能であるという見通しを得た。
瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 甲斐 哲也; 前田 亮; 常山 正幸*
no journal, ,
使用済燃料や高レベル放射性廃棄物の内部温度は、これらの処分方策の確立に資する重要な管理項目である。しかし、遮蔽された大型の核物質の温度を非破壊・非接触で計測する有効な技術は現在のところ存在しない。そこで我々は核物質等に含まれる元素の中性子共鳴吸収による温度依存性(ドップラ効果)及びSelf-indication(SI)法に着眼し、上記のニーズに応える新たな温度計測技術の創出を目指している。SI法とは、パルス中性子ビーム軸上に測定試料と測定対象核種から成るindicatorを配置し、indicatorからの即発ガンマ線を測定することによって間接的に測定試料を透過した中性子を検出する手法である。本手法は、indicatorからの即発ガンマ線を測定するため、測定試料に含まれる測定対象外の核種から放射されるガンマ線の影響を受けることなく透過中性子を高感度で測定することができるという特長を有する。またSI法は物性研究における結晶成長過程中の温度測定や圧縮された物質内の状態方程式の研究などにも応用可能である。我々は、既にSI法による非破壊・非接触での温度計測手法について基本的な原理の実証を行い、特許を出願済みである。しかしSI法を実用に供するには、本手法が適用可能な中性子エネルギー領域及び試料の中性子透過率範囲についての検証が必要であった。特に、中性子透過率は試料が厚くなるとシミュレーションや核データを用いた計算値の再現性が低下する傾向にあるため、実験的な検証が求められていた。そこで、本研究ではTaを試料としSI法を用いて測定試料厚ごとの中性子透過率を求め、共鳴解析コード(Refit)によるシミュレーションと比較して本手法が適用可能な中性子透過率の範囲を検証した。
前田 亮; 常山 正幸*; 瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 中村 詔司; 木村 敦
no journal, ,
J-PARC物質・生命科学実験施設BL04に設置されている中性子核反応測定装置(ANNRI)では、熱外から冷中性子の中性子を用いたPGA測定が可能であるうえ、パルス中性子ビームを利用した飛行時間測定を行うことにより、イベント毎に中性子のエネルギーを特定することができる。PGA測定では試料に水素が含まれている場合、水素だけでなく水素以外の元素の測定感度にも影響し測定精度が悪化してしまう。Mackey等は熱中性子を用いたPGA測定の場合、球形の試料を使用することで測定感度の変化を除去できると報告した。本研究ではANNRIでの熱外から冷中性子を用いたPGA測定(TOF-PGA測定)において、水素が測定感度に与える影響を確かめるため球形と板状の試料を用いて測定を行った。球形試料の評価結果では、熱中性子のエネルギーである25meVでは感度は余り変化せず、5meVでは試料が大きくなるほど感度が下がり、1eVでは感度が上昇した。これは散乱時の中性子のエネルギー変化を反映しているものと考えられる。本発表では板状試料の評価結果、モンテカルロシミュレーションとの比較により得られる熱中性子散乱則S(, )の影響、及び感度変化の補正についても報告する。
藤 暢輔; 前田 亮; 常山 正幸*; 瀬川 麻里子; 木村 敦; 中村 詔司
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)のBL04に設置した中性子核反応測定装置(ANNRI)では、中性子ビームを用いた非破壊元素分析法である即発ガンマ線分析(PGA)と中性子共鳴捕獲分析(NRCA)を実施することができる。また、大強度パルス中性子を用いることができるため、PGAとNRCAを組み合わせた分析(TOF-PGA)も可能である。TOF-PGAは優れた峻別性能を持つため複雑な組成を持つ試料であっても容易に核種を同定することができる。中性子ビームを用いた非破壊元素分析法にはPGAやNRCAの他に中性子共鳴透過分析(NRTA)がある。NRTAは試料を透過した中性子を測定するため、試料と検出器を離して設置することができる。そのため、試料から放出される放射線の影響を受けにくいという特長があり、使用済核燃料などの高い放射能を持つ試料の高精度非破壊測定法として期待されている。NRTAは前述の特長を有するうえにPGAやNRCAの相補的な手法であるためJ-PARC ANNRIにおける実装を目指している。本発表ではNRTA及びTOF-PGA等の開発の進捗状況や、フィルター装置などのANNRI装置の高度化について報告するとともに、これまでに得られた実験結果等から明らかになった課題と今後の展望等についても述べる。
遠藤 駿典; 木村 敦; 中村 詔司; 岩本 修; 岩本 信之; 藤 暢輔; 瀬川 麻里子; 前田 亮; 常山 正幸*
no journal, ,
ニオブ-93はモノアイソトープでステンレスの強化元素の一つであり、原子炉の構造体として利用されてる。またNbは超伝導磁石にも用いられており、核融合炉や加速器のでも利用されている。したがって原子力工学の観点からニオブの高精度な中性子全断面積の決定が重要となる。Nbの断面積はT. WangやN. J. Drindakらによって既に求められてはいる。しかし求められた共鳴パラメータは最大で10%程度の乖離が見られるため、より高精度な共鳴パラメータの決定を目指して、2019年6月にJ-PARC MLF ANNRIにて中性子透過率測定による全断面積の測定実験を行なった。ANNRIは核データ測定用に作られたビームラインで、ゲルマニウム線検出器とリチウムガラス中性子検出器が設置されている。ターゲットは必要な統計量から見積もり、25mm 25mm 10mmのNb板を用いた。ターゲットサイズが大きく、吸収断面積が熱中性子で1.1bと小さいため、測定結果の低エネルギー側において回折の影響が見られた。核データのような1つの原子に対する反応を見る場合、結晶構造によって生じる回折の効果は不要な情報である。したがって回折の影響を評価し取り除くことで、1原子あたりの全断面積の導出を行う。本発表では現状での断面積の結果と、回折の影響評価に関して報告する。本研究は科研費(JP17H01076)の助成を受けたものである。
遠藤 駿典; 木村 敦; 中村 詔司; 岩本 修; 岩本 信之; 藤 暢輔; 瀬川 麻里子; 前田 亮; 常山 正幸*
no journal, ,
ニオブはステンレス鋼の添加物であり、原子炉等でも広く利用されている。しかしながら過去の測定では導出された共鳴パラメータに差異が見られる。そこで断面積の高精度化を目指し、J-PARC MLF ANNRIに設置されたリチウムガラス検出器を用いて、ニオブ-93の中性子全断面積の測定を行った。測定の過程で中性子の回折の効果が確認されたため、モデルを仮定し評価を試みた。本講演では断面積測定の現状と、試料による回折の影響評価について報告する。
藤 暢輔; 瀬川 麻里子; 前田 亮; 常山 正幸*; 木村 敦; 中村 詔司
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)に設置した中性子核反応測定装置(ANNRI)では、中性子ビームを用いた非破壊元素分析法を実施することができる。これまでに同時計数法と即発ガンマ線分析(PGA)を組み合わせた多重即発ガンマ線分析(MPGA)やPGAと中性子共鳴捕獲分析(NRCA)を組み合わせた分析(TOF-PGA)などを開発して実用化してきたが、いずれも中性子捕獲反応による即発ガンマ線を利用した分析であった。試料を透過した中性子を測定する中性子共鳴透過分析(NRTA)は、統計エラーを低く抑えることができる上に検出効率をキャンセルすることができるため確度の高い分析が可能である。また、NRTAは試料から放出される放射線の影響を受けにくいという特長があるため、使用済核燃料などの高い放射能を持つ試料の高精度非破壊測定法として期待されている。そのため、PGAやNRCAなどの相補的な手法としてJ-PARC ANNRIにおける実装を目指している。本発表ではNRTA開発の進捗状況や、フィルター装置などのANNRI装置の高度化について報告するとともに今後の展望等について述べる。
前田 亮; 常山 正幸*; 瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 中村 詔司; 木村 敦
no journal, ,
大強度陽子加速器施設(J-PARC)に設置された中性子核反応測定装置(ANNRI)では、冷中性子から熱外中性子までの広いエネルギー領域の中性子を利用した即発線分析(PGA)が可能である。また、ANNRIではパルス中性子ビームを利用した飛行時間法(TOF)とPGAを組み合わせることで峻別性能を向上させたTOF-PGAを利用することができる。TOF-PGA測定では試料中に中性子散乱断面積が大きい水素などが含まれていると、水素だけでなくその他の元素でも測定不確かさが増加する。そこで本研究ではその補正法開発のために冷中性子から熱外中性子までを利用したTOF-PGA測定に対する水素密度の影響をシミュレーションにより評価した。