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徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 北川 俊作*; 石田 憲二*; 青木 大*; Knebel, G.*; et al.
Physical Review Letters, 131(22), p.226503_1 - 226503_7, 2023/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)Our measurements of Te NMR relaxations reveal an enhancement of electronic spin fluctuations above ~T, leading to their divergence in the vicinity of the metamagnetic transition at ~T, below which field-reinforced superconductivity appears when a magnetic field () is applied along the crystallographic axis. The NMR data evidence that these fluctuations are dominantly longitudinal, providing a key to understanding the peculiar superconducting phase diagram in , where such fluctuations enhance the pairing interactions.
常盤 欣文; 酒井 宏典; 神戸 振作; Opletal, P.; 山本 悦嗣; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 柳瀬 陽一*; 芳賀 芳範; et al.
Physical Review B, 108(14), p.144502_1 - 144502_5, 2023/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)-軸磁場下で-軸方向の電流を用いて測定することで、スピン3重項超伝導体UTeにおけるボルテックスダイナミクスを研究しました。驚くべきことに、超伝導状態の深部で、島状の臨界電流の低い領域を発見しました。この現象は、ボルテックスのピンニングが弱まった結果と考えられます。特筆すべきは、この領域が最近提案された中間磁場の超伝導相と一致していることです。我々は、中間磁場超伝導状態において非特異的なボルテックスが存在する可能性を検討しました。この中間状態では、複数の超伝導成分が混合するためボルテックスの中心部で超伝導の秩序パラメータが完全に消えない可能性があり、それがピニングが弱まる原因になっている可能性があります。
石原 滉大*; 六本木 雅生*; 小林 雅之*; 今村 薫平*; 水上 雄太*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 橋本 顕一郎*; et al.
Nature Communications (Internet), 14, p.2966_1 - 2966_7, 2023/05
被引用回数:9 パーセンタイル:93.15(Multidisciplinary Sciences)重い電子系超伝導UTeの超伝導対称性を極低温磁場侵入長測定により研究した。異方的な低エネルギー準粒子励起が観測され、多成分カイラル超伝導を強く示唆する。このうち最も実験をよく説明するのは、カイラル非ユニタリー状態である。
酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範
Physical Review Letters, 130(19), p.196002_1 - 196002_6, 2023/05
被引用回数:6 パーセンタイル:93.15(Physics, Multidisciplinary)=2.1Kのウラン2テルル化物単結晶における超伝導相図を磁気困難軸である結晶軸方向に磁場をかけて調べた。電気抵抗と交流帯磁率を同時に測定した結果、低磁場超伝導(LFSC)相と高磁場超伝導(HFSC)相が、対照的な磁場-角度依存性をもつことがわかった。結晶の純良性が上がったことにより、LFSC相の上部臨界磁場は上昇したものの、HFSC相が現れる特徴磁場は、単結晶の純良性に関わらず、15Tと一定であることがわかった。また、近傍のLFSC相内に、弱い渦糸ピン留め力で特徴づけられる中間超伝導相を示唆する新たな相線の形跡を捉えた。
石原 滉大*; 小林 雅之*; 今村 薫平*; Konczykowski, M.*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 橋本 顕一郎*; 芝内 孝禎*
Physical Review Research (Internet), 5(2), p.L022002_1 - L022002_6, 2023/04
重い電子系超伝導UTeの下部臨界磁場を決定した。直方晶UTeは軸が磁化容易軸であるがそれと垂直方向の磁場中ではが増強されかつ低温で上昇するという特徴を持つことを明らかにした。上部臨界磁場の異方性と比較することにより磁気揺らぎが超伝導に影響を与えていることが示唆された。
Opletal, P.; 酒井 宏典; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽
Journal of the Physical Society of Japan, 92(3), p.034704_1 - 034704_5, 2023/03
被引用回数:1 パーセンタイル:57.37(Physics, Multidisciplinary)UTeの単結晶の物理的性質を調べた。UTeが3つの非等価な結晶ウランサイトを持つ六方晶構造を持つことを確認した。常磁性モーメントは、すべてのサイトで一様なモーメントを仮定すると、ウランサイトあたり約1と推定される。強磁性相転移は=48Kで発生し、面内磁化は急激に増加するが、面外成分はあまり増加しない。磁場冷却条件下で温度がさらに以下に低下すると、面外成分はT=26K付近で急激に増加する。対照的に、T付近で面内成分はほとんど変化しない。比熱測定では、T付近に型の異常がないことが示されているため、これらの振る舞いは、秩序した磁気モーメントの再配向、もしくは複数のウランサイトの連続した逐次磁気転移を示唆している。
Jesche, A.*; Winterhalter-Stocker, N.*; Hirschberger, F.*; Bellon, A.*; Bachus, S.*; 常盤 欣文; Tsirlin, A. A.*; Gegenwart, P.*
Physical Review B, 107(10), p.104402_1 - 104402_8, 2023/03
被引用回数:6 パーセンタイル:91.09(Materials Science, Multidisciplinary)スピン-1/2三角反強磁性体KBaGd(BO)の結晶構造、熱力学特性、断熱減磁冷凍(ADR)効果を報告する。最近隣交換相互作用が44mKであるこの化合物は、ゼロ磁場で=263mKの磁気秩序を示す。ADRテストは、の2倍以上低い=122mKの温度に達し、PPMSセットアップでは192mJ K cmのエントロピー蓄積容量と8時間以上の保持時間を実現した。スピン- Ybアナログと比較して改善された。我々は、KBaGd(BO)は交換結合と双極子結合のバランスの取れた相互作用を示し、構造的ランダム性と幾何学的フラストレーションとともにを秩序温度よりもかなり低い位置にシフトさせ、したがって冷却を促進すると主張する。
青木 大*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 石塚 淳*; 柳瀬 陽一*; 播磨 尚朝*; 仲村 愛*; Li, D.*; 本間 佳哉*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(8), p.083704_1 - 083704_5, 2022/08
被引用回数:25 パーセンタイル:96.56(Physics, Multidisciplinary)de Haas-van Alphen oscillation was successfully observed in an unconventional superconductor UTe using high-quality single crystals. From this observation, Fermi surfaces of this compound were determined to be cylinders elongated along the c-direction, in consistent with theoretical expectation. However, the extremely large cyclotron effective masses ranging 32 to 57 m, in consistent with the electronic specific heat, far exceed calculated values.
酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 徳永 陽; 神戸 振作; 芳賀 芳範
Physical Review Materials (Internet), 6(7), p.073401_1 - 073401_10, 2022/07
被引用回数:18 パーセンタイル:89.58(Materials Science, Multidisciplinary)スピン三重項超伝導体UTeの新規合成ルートとして溶融塩フラックス法を適用した。合成条件を最適化した結果、今までで最高の超伝導転移温度 Kを記録した。これらの単結晶は、著しく大きな残留抵抗率比を示し、以下における残留比熱も小さくなった。これらはウラン空孔による結晶欠陥が減少したことを示しており、溶融塩フラックス中の余剰金属ウランが、還元雰囲気を作り、四価ウランが五価となるのを防ぎウラン空孔生成を抑制しているようだ。また、低融点フラックスがテルルの蒸発を防ぐ効果も期待できる。
芳賀 芳範; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 徳永 陽; 神戸 振作; 酒井 宏典
Journal of Physics; Condensed Matter, 34(17), p.175601_1 - 175601_7, 2022/04
被引用回数:18 パーセンタイル:89.09(Physics, Condensed Matter)Single crystals of the unconventional superconductor UTe have been grown in various conditions. Superconducting samples are nearly stoichiometric within an experimental error of about 1%, while non-superconducting sample significantly deviates from the ideal composition. The superconducting UTe showed that the large density of states was partially gapped in the normal state, while the non-superconducting sample is characterized by the relatively large electronic specific heat as reported previously.
徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; Opletal, P.; 藤林 裕己*; 金城 克樹*; 北川 俊作*; 石田 憲二*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(2), p.023707_1 - 023707_5, 2022/02
被引用回数:16 パーセンタイル:92.28(Physics, Multidisciplinary)ウラン系の強磁性超伝導体で議論されてきた、「強磁性ゆらぎによるスピン三重項超伝導対の形成」および「強磁性ゆらぎを介した磁場による対形成引力の制御」というコンセプトがUTeにおいても成り立つことを期待させる。しかしその一方、では静的な強磁性秩序は存在せず、低温の磁気状態がこれまでのウラン系強磁性超伝導体にどこまで近いのかという点については疑問を持たれていた。実際、最近の中性子散乱実験では、比較的高温側から反強磁性に近いq=0.57という波数を持った磁気ゆらぎの発達が示されている。本研究ではTe-NMR実験により低温で非常に遅いゆっくりとした揺らぎが発達する様子を捉えることに成功した。このことはこの系の低温における強い相関の発達を示唆している。
常盤 欣文; Bachus, S.*; Kavita, K.*; Jesche, A.*; Tsirlin, A. A.*; Gegenwart, P.*
Communications Materials (Internet), 2(1), p.42_1 - 42_6, 2021/04
低温量子コヒーレンスは量子コンピューターの操作と超流動/超伝導などのエキゾチックな量子状態の形成を可能にするため、非常に低い温度の生成はアプリケーションと基礎研究にとって非常に重要である。ミリケルビン温度に到達するための主要な技術の1つは、断熱消磁冷凍である。この方法は、常磁性塩のほとんど相互作用しない磁気モーメントを使用し、距離が大きいとモーメント間の相互作用が抑制される。大きな空間的分離は水分子によって促進されるが、材料の安定性が低下するという欠点がある。ここでは、水を含まない欲求不満の磁石KBaYb(BO)が冷凍に理想的であり、少なくとも22mKを達成できることを示す。KBaYb(BO)は、従来の冷媒と比較して、高温・超高真空下でも劣化しない。さらに、その磁気的フラストレーションと構造的ランダム性により、従来の冷媒の基本温度の主な制限要因である磁気相互作用のエネルギースケールよりも数倍低い温度まで冷却することができる。
藤森 伸一; 大河内 拓雄*; 川崎 郁斗; 保井 晃; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 山上 浩志; 芳賀 芳範; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(1), p.014703_1 - 014703_9, 2012/01
被引用回数:37 パーセンタイル:82.07(Physics, Multidisciplinary)重い電子系化合物UGe, UCoGe, URhGe, URuSi, UNiAl, UPdAl, UPt及び典型的な遍歴・局在系に対して高分解能内殻光電子分光実験を行い、その電子状態に対する研究を行った。UGe, UCoGe, URhGe, URuSi, UNiAlの内殻スペクトルは遍歴的な化合物の内殻スペクトルに類似しており、これらの化合物ではU 5電子はよく混成していることを示している。一方でUPdAl及びPtの内殻スペクトルはこれらのスペクトルとは異なっており、U 5電子は電子相関効果が強いことを示している。
酒井 宏典; 神戸 振作; 徳永 陽; 中堂 博之; 常盤 欣文*; 青木 大*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦; 安岡 弘志
Physical Review B, 79(10), p.104426_1 - 104426_7, 2009/03
被引用回数:6 パーセンタイル:29.44(Materials Science, Multidisciplinary)立方晶AuCu型構造を持つ反強磁性体UInにおいて、In核核磁気共鳴(NMR),核四重極共鳴(NQR)法による研究を行った。ナイトシフト,NQR周波数をNMR法により決定し、超微細結合定数を見積もった。ゼロ磁場下で、NQRスペクトルの観測も行った。NQR緩和率は、反強磁性転移温度()よりずっと上で、温度に関してほぼ一定の振る舞いをし、局在5電子の存在を示唆した。また以下4Kにおいて、反強磁性秩序によるゼロ磁場NMRスペクトルの観測も行った。スペクトル解析から、Uモーメントは方向を向いている可能性がある。
藤森 伸一; 藤森 淳; 島田 賢也*; 成村 孝正*; 小林 健一*; 生天目 博文*; 谷口 雅樹*; 播磨 尚朝*; 宍戸 寛明*; 池田 修悟; et al.
Physical Review B, 73(22), p.224517_1 - 224517_5, 2006/06
被引用回数:45 パーセンタイル:83.34(Materials Science, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体CeIrInに対して、高分解能4-4共鳴角度分解光電子分光を行った。Ce 4共鳴スペクトルには、約30meVの分散を持つ準粒子バンドが観測された。この結果は、この化合物において、Ce 4電子は局在した成分がほとんど支配的であるものの、小さな遍歴成分が存在し、この成分が超伝導を担っていることを示している。
藤森 伸一; 寺井 恒太; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 村松 康司; 藤森 淳; 山上 浩志*; 池田 修悟; 松田 達磨; et al.
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.995 - 996, 2006/05
被引用回数:2 パーセンタイル:12.56(Physics, Condensed Matter)現在、その高いバルク敏感性から、軟X線を用いた光電子分光実験が注目を集めている。われわれはSPring-8からの軟X線放射光を用いてウラン化合物に対する放射光光電子分光実験を行った。遍歴的なウラン化合物UFeGaとUSbのバンド構造及びフェルミ面の導出を行い、バンド計算との比較を行った。また、重い電子系化合物UPdAl, UNiAlに対する実験も行った。UPdAlでは、U 5電子状態の温度変化が観測された。
藤森 伸一; 寺井 恒太; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 村松 康司; 藤森 淳; 山上 浩志*; 常盤 欣文*; 池田 修悟; et al.
Physical Review B, 73(12), p.125109_1 - 125109_6, 2006/03
被引用回数:22 パーセンタイル:66.99(Materials Science, Multidisciplinary)常磁性体UFeGaに対して軟X線放射光(=500eV)を用いた角度分解光電子分光実験を行い、この化合物のバルクU 5電子状態に敏感な電子状態を調べた。実験結果をU 5電子を遍歴として取り扱ったLDAバンド計算と比較したところ、両者の一致は定性的なものであったが、フェルミ面の形状はよく再現された。この結果は、この化合物におけるU 5電子は基本的に遍歴モデルで理解されることを示している。
加藤 治一; 酒井 宏典; 神戸 振作; Walstedt, R. E.; 常盤 欣文; 大貫 惇睦
Acta Physica Polonica B, 34(2), p.1063 - 1066, 2003/09
本研究では、5f遍歴電子反強磁性体UPtGa(=26K,=57mJ/mol K)についてGa-NMR/NQR測定を行った。常磁性領域においてナイトシフト測定を行い、超微細相互作用係数を見積もった。また、反強磁性領域において、零磁場スペクトルを解析することにより、内部磁場の値が得られ、反強磁性相における超微細相互作用係数を見積もることに成功した。の値は、に比べて一桁程度大きいことから、hyperfine interactionが長距離にわたっている可能性がある。UPtGaの磁性において、RKKY相互作用が重要な役割を果たしているのかもしれない。
加藤 治一; 酒井 宏典; 徳永 陽; 常盤 欣文; 池田 修悟; 大貫 惇睦; 神戸 振作; Walstedt, R. E.
Journal of the Physical Society of Japan, 72(9), p.2357 - 2363, 2003/09
被引用回数:17 パーセンタイル:66.94(Physics, Multidisciplinary)UPtGa及びUNiGaは互いに同型構造をとるが、T以下においては相異なった磁気構造をとる。これら両化合物についてGa,Pt核NMR測定を行った。本論文では常磁性相におけるナイトシフト(K)の結果について述べる。Ga核,Pt核位置におけるトランスファー超微細相互作用係数が求められた。またKのうち、温度に依存しない成分Kを定量的に評価することに成功した。解析の結果、UPtGa及びUNiGaにおける伝導電子の状態は少なくとも常磁性領域ではほぼ同一であることが示された。
加藤 治一; 酒井 宏典; 徳永 陽; 常盤 欣文; 池田 修悟; 大貫 惇睦; 神戸 振作; Walstedt, R. E.
Journal of Physics; Condensed Matter, 15(28), p.S2001 - S2005, 2003/07
被引用回数:4 パーセンタイル:26.91(Physics, Condensed Matter)HoCoGa型構造をとるUPtGa, UNiGaはともに、Uのもつ5電子が遍歴的に振る舞い、=26K(Pt), 86K(Ni)で長距離秩序化する。常磁性層でのFermi面は両化合物でほぼ同一であり、またPt,Ni原子の軌道は磁性に本質的にかかわりないことが示唆されているにもかかわらず、中性子回折実験で示された以下での磁気構造はUPtGa,UNiGaで互いに相異なる。われわれは、微視的な観点からこの系の磁性を明らかにしようと常磁性相,磁気秩序相それぞれにおいてGa核についてNMR/NQR実験を行った。常磁性相で得られたナイトシフトと、静帯磁率はそれぞれ、温度に依存しないconst項とCurie-Weiss的な温度変化する項に分離できる。このことを手がかりに、特にスピンと軌道の役割の違いに注目して、この系の磁性について考察する。