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論文

Characterization of mineral insulated cables at the WWR-K reactor; First results

Shaimerdenov, A.*; Gizatulin, Sh.*; Sairanbayev, D.*; Bugybay, Zh.*; Silnyagin, P.*; Akhanov, A.*; 冬島 拓実; 広田 憲亮; 土谷 邦彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 548, p.165235_1 - 165235_6, 2024/03

原子炉のケーブルの絶縁材は、他の種類の設備における条件と比較して、混合条件(高温、放射線、圧力、湿度、過酷な環境)にさらされ、同時に長期間(約40-50年)の性能特性を維持する必要がある。このような条件下での照射の結果、ケーブル絶縁体の電気的特性は劣化し、電流損失が増大する。これは、放射線によって絶縁体に電荷が誘導されるためである。WWR-K原子炉では、2種類の無機絶縁材(MgOとAl$$_{2}$$O$$_{3}$$)を使用した信号ケーブルの耐放射線性に関する研究が開始された。これらの研究の一環として、2種類の無機絶縁材を使用した信号ケーブルの混合運転条件(放射線場と高温)における挙動について、新たな実験データを取得する。ケーブルに10$$^{20}$$cm$$^{-2}$$までの高速中性子を照射する予定である。照射温度は(500$$pm$$50)$$^{circ}$$Cである。信号ケーブルの絶縁体の電気特性の劣化の研究は、リアルタイムで実施される。このために、実験装置の特別な設計と電気特性の炉内測定技術が開発された。本論文では、キャプセル設計の概略、キャプセル設計開発のための複雑な計算結果、予想される中性子フルエンス、鋼材中のdpa、炉内電気特性測定技術、今後の作業計画を示す。目標中性子フルエンスに到達するまでのケーブル照射時間は、約100日となる。本研究は、国際科学技術センターの助成を受けて実施されている。

論文

Effect of dissolved oxygen concentration on dynamic strain aging and stress corrosion cracking of SUS304 stainless steel under high temperature pressurized water

広田 憲亮; 中野 寛子; 藤田 善貴; 武内 伴照; 土谷 邦彦; 出村 雅彦*; 小林 能直*

The IV International Scientific Forum "Nuclear Science and Technologies"; AIP Conference Proceedings 3020, p.030007_1 - 030007_6, 2024/01

沸騰水型原子炉を模擬した高温高圧水中環境下では、溶存酸素量(DO)の変化により動的ひずみ時効(DSA)と粒界型応力腐食割れ(粒界SCC)がそれぞれ発生する。これらの現象の違いを明確に理解するために、その発生メカニズムを整理した。その結果、SUS304ステンレス鋼では、DOが1ppb未満の低濃度では粒内割れによるDSAが発生し、DOが100$$sim$$8500ppbでは表面の酸化膜形成によりDSAは抑制されることがわかった。一方、DOが20000ppbまで上昇すると、皮膜が母材から剥離し、母材の結晶粒界に酸素元素が拡散し、粒界SCCが発生した。これらの結果から、DSAや粒界SCCによるクラック発生を抑制するためには、最適なDO濃度を調整する必要があることが示唆された。

論文

化学的緻密化法でコーティングされた材料の沸騰硫酸環境下での耐食性評価および表面皮膜分析

広田 憲亮; 舟本 幸大*; 橘 幸男

材料, 72(3), p.255 - 261, 2023/03

沸騰硫酸環境下で優れた耐食性を有する金属材料を開発すべく、コーティングした材料の耐食性の評価と各種表面形態の違いを調査した。その結果、化学緻密化法により8回コーティング・焼結した(S-ZAC)SUS304は、12時間の腐食試験後の時点では問題なかったが、100時間の腐食試験後には腐食速度が急激に増加した。試料の断面微細構造解析では、Cr$$_{2}$$O$$_{3}$$が完全に消失した一方で、少量のSiO$$_{2}$$のみが表面に残存していた。S-ZACの剥離メカニズムは、加熱による熱膨張で厚膜が湾曲しCr$$_{2}$$O$$_{3}$$とSiO$$_{2}$$の界面にクラックが発生したためと推測される。一方、コーティングと焼成を11回繰り返すことでCr$$_{2}$$O$$_{3}$$を高密度にコーティングしたSUS304(MS-ZAC)は、100h腐食試験後でもSiCと同様に優れた耐食性を示した。断面組織分析の結果、MS-ZACはS-ZACに比べ、Cr$$_{2}$$O$$_{3}$$濃度が高く、SiO$$_{2}$$粒径が細かく、気孔が少ないことがわかった。特に、MS-ZACの皮膜維持のメカニズムは、皮膜全体の薄膜化に加え、Cr$$_{2}$$O$$_{3}$$粒子層での積層構造の形成と推測される。

論文

高温硫酸分解ガス環境下におけるステンレス鋼及びNi基合金の耐食性評価及び表面皮膜構造解析

広田 憲亮; 竹田 貴代子*; 橘 幸男; 正木 康浩*

材料と環境, 70(3), p.68 - 76, 2021/03

熱化学水素製造法(ISプロセス)の硫酸分解反応容器を想定した高温硫酸分解ガス環境下において、ステンレス鋼及びNi基合金の耐食性能評価を実施した。その結果、100時間の腐食試験ではSiを2.4%含有したNi基合金は、腐食速度が小さく、優れた耐食性能を示したほか、Alを3%含有したフェライト系ステンレス鋼(3Al-Ferrite)は、腐食速度が指標とするSiCの腐食速度(0.1mm/year)を下回る優れた耐食性能を示した。一方で3Al-Ferriteの腐食生成皮膜と同じコンセプトで、Al$$_{2}$$O$$_{3}$$皮膜を材料にプレフィルミングしたNi基合金の腐食速度は、3Al-Ferriteに対して大幅に速くなった。これらの酸化皮膜/母材界面の断面でEPMA分析を行った結果、2.4Si含有Ni基合金では、Si酸化皮膜が形成されていたが、長時間の腐食試験中にSi酸化皮膜に欠陥ができ、腐食環境から酸化皮膜を介して母材粒界へのS侵入が確認された。一方で3Al-Ferriteでは、薄い均一なAl$$_{2}$$O$$_{3}$$皮膜が形成されており、粒界へのS侵入は確認されなかった。またAl$$_{2}$$O$$_{3}$$皮膜をプレフィルミングしたNi基合金では、Al$$_{2}$$O$$_{3}$$皮膜に欠陥ができ、母材粒界へSが侵入していた。3Al-Ferriteに生成した腐食生成皮膜とプレフィルミングしたAl$$_{2}$$O$$_{3}$$の違いをX線回折で解析した結果、3Al-Ferriteの皮膜は、$$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$のみからなるのに対し、プレフィルミングしたAl$$_{2}$$O$$_{3}$$$$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$$$gamma$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$が混在していることが分かった。これらの結果により、3Al-Ferriteの良好な耐食性能は、緻密な$$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$が早期に母材表面に均一形成されたことによるものと推察される。

論文

Voltage drop analysis and leakage suppression design for mineral-insulated cables

広田 憲亮; 柴田 裕司; 武内 伴照; 大塚 紀彰; 土谷 邦彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(12), p.1276 - 1286, 2020/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

ケーブル長に沿った電位分布の安定性を達成することを目的として、高温条件に供された時の電気的特性に対する無機絶縁(MI)ケーブルの材料の影響を伝送テストによって調査した。その結果、MIケーブルの絶縁材料として、酸化アルミニウム(Al$$_{2}$$O$$_{3}$$),酸化マグネシウム(MgO)が選定され、ケーブルに沿った電圧降下の発生を確認した。有限要素法(FEM)に基づいた解析を実行し、終端部で検出された電位の漏れを評価した。伝送テストと解析による電圧降下の収率は、Al$$_{2}$$O$$_{3}$$およびMgO材料のMIケーブルにおいてよい一致を示し、FEM解析結果と実験結果との相対的な関係を再現した。電圧降下を抑えるため、同様のFEM解析を行い、芯線直径($$d$$)と芯線間距離($$l$$)を変化させた。$$d$$の変化を考えた場合、MIケーブルの電位分布は、絶縁材料の直径($$D$$)を$$d$$で割って得られる比率$$d/D$$が0.35で最小電圧降下となった。$$l$$を変化させた場合、最小電圧降下は0.5のl/$$D$$であった。

論文

熱化学水素製造法における硫酸分解ガス環境下を模擬した新たな腐食試験装置の開発

広田 憲亮; 笠原 清司; 岩月 仁; 今井 良行; 大橋 弘史; Yan, X.; 橘 幸男

材料と環境, 68(6), p.137 - 142, 2019/06

配管内の硫酸流量、装置内での硫酸分解反応の発生、炉心管内の温度分布を把握するために、新たに高温硫酸分解ガスの腐食試験装置を製作した。その上で、超音波流量計を用いて硫酸溶液の流速を常時測定した。結果として、試験装置の入口のSO$$_{3}$$濃度は、高温ガス炉水素コージェネレーションシステム(GTHTR300C)を想定した水素製造プラントでの硫酸分解器入口のSO$$_{3}$$濃度とほぼ同等あった。一方で、試験中に出口側のすりあわせ部からは硫酸の漏れが発生した。そこで、流体解析により出口側すりあわせ部の温度分布を調査し、出口側配管から0.05m以上離れた位置では継手部の温度がフッ素継手グリスを使用するのに十分低い温度となることが明らかとなった。実際に改良された炉心管を製作し、出口側のすりあわせ部で再度温度を測定した。その結果、ジョイントグリースの温度限界を下回る温度であり、流体解析における温度分布とほぼ同様となっていた。その後、これまで硫酸の漏洩は発生していない。

報告書

Excellent feature of Japanese HTGR technologies

西原 哲夫; Yan, X.; 橘 幸男; 柴田 大受; 大橋 弘史; 久保 真治; 稲葉 良知; 中川 繁昭; 後藤 実; 植田 祥平; et al.

JAEA-Technology 2018-004, 182 Pages, 2018/07

JAEA-Technology-2018-004.pdf:18.14MB

日本における高温ガス炉の研究開発は1960年代後半に開始した。原子力機構は国内メーカーと協力して、システム設計, 燃料, 黒鉛, 金属材料, 原子炉技術, 高温機器, 燃料・黒鉛の照射試験、高温熱利用技術等の研究開発を実施してきた。1990年に日本初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉HTTRの建設を開始し、1998年に初臨界に達し、その後、様々な試験運転を行い、日本の高温ガス炉技術を確立するとともに、高温ガス炉が有する固有の安全性を実証してきた。本報告書では、高温ガス炉システムの設計例、日本が有する世界最高の高温ガス炉技術及びHTTRの建設、運転保守を通じて得られた知見、熱利用技術について紹介する。

論文

A Concept of intermediate heat exchanger for high-temperature gas reactor hydrogen and power cogeneration system

広田 憲亮; 寺田 敦彦; Yan, X.; 田中 康平*; 大谷 章仁*

Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 7 Pages, 2018/07

A new conceptual design of intermediate heat exchanger (IHX) is proposed for application to the gas turbine high temperature reactor system (GTHTR300C) which is being developed by JAEA (Japan Atomic Energy Agency). The GTHTR300C cogenerates hydrogen using the iodine-sulfur (IS) hydrogen production process and electric power using gas turbine. The IHX is used to transport high temperature heat from the nuclear reactor to the hydrogen plant. The IHX proposed in this paper is a horizontal design as opposed to conventional vertical design. Therefore, JAEA investigated the advantage of the horizontal IHX and the economic evaluation when scaling up to GTHTR300C. To meet the performance requirement, both thermal and structural designs were performed to select heat transfer tube length, tube bundle diameter, tube header arrangement, and tube and shell support in a horizontal pressure vessel. It is found that the length of the heat exchanger tube can be shortened and the superalloy-made center pipe structure can be eliminated, which results in reducing the quantity of construction steel by about 30%. Furthermore, the maximum stress concentration in the tubes is found to be significantly reduced such that the creep strength to withstand continuous operation is extended to 40 years, equaling the nuclear reactor life time, without replacement.

論文

High-temperature oxidation of sheath materials using mineral-insulated cables for a simulated severe accident

中野 寛子; 広田 憲亮; 柴田 裕司; 武内 伴照; 土谷 邦彦

Mechanical Engineering Journal (Internet), 5(2), p.17-00594_1 - 17-00594_12, 2018/04

現在の軽水炉の計装システムは、原子炉運転と原子炉停止中の全ての状況を監視するために不可欠であるが、福島第一原子力発電所の重大事故のような状況では充分に機能しなかった。そのため、過酷事故時でも炉内の計測データを伝送可能な高温型MIケーブルを開発している。特に、過酷事故時の原子炉内は、窒素,酸素,水素,水蒸気のほかに核分裂生成物等が含まれた混合ガス雰囲気中に暴露されることから、シース材の早期破損が懸念される。本研究では、MIケーブル用シース材として選定したSUS316及びNCF600について、過酷事故を模擬した雰囲気(模擬大気,模擬大気/H$$_{2}$$O, I$$_{2}$$/CO/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O)中における高温酸化特性を調べた。その結果、模擬大気中または模擬大気/H$$_{2}$$O環境下におけるSUS316及びNCF600の両試料表面に均一な酸化皮膜が形成されるとともに、酸化速度を評価し、破断時間の予想が可能となった。一方、I$$_{2}$$が含まれている雰囲気では、試料表面の均一な酸化皮膜の形成だけでなく、局部腐食を引き起こす複雑な腐食挙動を示すことが分かった。

報告書

照射試験開発棟における試験装置の設備整備,2

柴田 裕司; 中野 寛子; 鈴木 善貴; 大塚 紀彰; 西方 香緒里; 武内 伴照; 広田 憲亮; 土谷 邦彦

JAEA-Testing 2017-002, 138 Pages, 2017/12

JAEA-Testing-2017-002.pdf:9.3MB

JMTRの改修・再稼動後の利用性向上の一環として、照射試験開発棟において、炉外試験に使用する実験装置の整備を行った。当初、照射試験開発棟の設備整備にあたっては、照射キャプセルの組立て、照射前試料の材料試験や材料検査・分析などが行える装置の整備を行い、試験データの蓄積を進めていた。一方、東日本大震災以降、地震の影響による既存試験装置の改修や耐震対応を行った。さらに、経済産業省の資源エネルギー庁が進める原子力分野における基礎基盤研究の充実を図るため、軽水炉安全対策高度化に係る研究開発やつくば特区に係る$$^{99}$$Mo/$$^{99m}$$Tc製造技術開発を実施するための試験設備の整備を進めた。本報告書は、照射試験開発棟において平成23年度から平成28年度にかけて、基礎基盤整技術開発のために新たに整備した試験装置等について、装置の概要やその操作方法、並びに照射試験開発棟で安全に炉外試験が実施できるよう基本的な管理要領についてまとめたものである。

報告書

工業プロセスで生じる硫酸及びHI流体環境下における耐食性向上を目指したオーステナイト系Fe基合金及びNi基合金の開発方針

広田 憲亮; 岩月 仁; 今井 良行; Yan, X.

JAEA-Technology 2017-027, 19 Pages, 2017/12

JAEA-Technology-2017-027.pdf:2.08MB

本研究では、オーステナイト系Fe基合金およびNi基合金を、熱化学水素製造プロセス及び地熱発電プロセス等を含む様々な工業プロセスで存在する硫酸及びヨウ化水素を扱う環境での実用構造材料の候補材を開発する。本研究の目的は、これらのプロセス環境下で十分な耐食性能を達成するとともに、セラミックスの製造上のサイズ制限により、現在検討されている材料(SiC)のスケールアップが困難となっていることに対する克服である。オーステナイト系Fe基合金の化学成分開発方針は、Cu, Ta添加によるマトリックス強化、Si, Ti添加による表面被覆強化、希土類元素添加による表面酸化物の剥離の防止である。特にCu, Siの添加は、材料の靭性を低下させ、構造物の加工性を低下させることがわかっているため、各添加元素の許容量を見極めることが重要である。一方、Ni基合金の化学成分開発方針は、Mo, W, Ta添加によるマトリックス強化、Ti添加による表面被覆強化、希土類添加による表面酸化物の剥離の防止である。特にNi基合金へのMo, W添加は、各種プロセス機器の加熱冷却時に生じる構造物の寸法逸脱防止に効果がある。今後は、上記の化学成分開発方針に基づいて様々な材料試験片を作製し、これら試験片を用いた試験として、各工業プロセスを模擬した流体環境下での耐食性能評価を行う予定である。

口頭

過酷事故模擬環境を想定した高温型MIケーブル用シース材の腐食特性,2

中野 寛子; 広田 憲亮; 武内 伴照; 柴田 裕司; 根本 忠洋*; 花本 行生*; 土谷 邦彦

no journal, , 

原子力発電所における監視システムの高度化の一環として、過酷事故時でも炉内の計測データを伝送可能な高温型MIケーブルを開発している。特に、過酷事故時の原子炉内は、窒素, 酸素, 水素, 水蒸気のほかに核分裂生成物等が含まれた混合ガス雰囲気に暴露されることから、シース材の早期破損が懸念される。本研究では、MIケーブル用シース材として選定したSUS316及びニッケル基合金NCF600について、過酷事故環境を模擬した雰囲気(O$$_{2}$$, O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O, I$$_{2}$$, I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O等)中における耐食性評価を行った。その結果、700$$sim$$1000$$^{circ}$$CのO$$_{2}$$及びO$$_{2}$$/H$$_{2}$$O雰囲気では、SUS316及びNCF600ともほぼ均一な酸化被膜の形成が観測され、酸化現象は放物線法則が成立することが分った。一方、I$$_{2}$$雰囲気では、温度の上昇とともにSUS316表面の孔食が増加すること、I$$_{2}$$を含んだ混合ガス雰囲気では、I$$_{2}$$の影響と思われる孔食と酸化被膜の形成という複雑な腐食挙動を示していることが分った。

口頭

軽水炉過酷事故環境下における計測線用金属シース材の腐食挙動

中野 寛子; 広田 憲亮; 武内 伴照; 柴田 裕司; 根本 忠洋*; 花本 行生*; 土谷 邦彦

no journal, , 

軽水炉における過酷事故環境下でも炉内の計測データを伝送可能な金属被覆無機絶縁材(MI)ケーブルを開発している。本研究では、過酷事故時の環境を模擬したMIケーブル用シース材の耐食性を調べるため、選定したSUS316及びニッケル基合金NCF600について、過酷事故時の環境を模擬した雰囲気(O$$_{2}$$, O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O, I$$_{2}$$,I$$_{2}$$/O$$_{2}$$,I$$_{2}$$/H$$_{2}$$O,I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O, I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O/CO等)中における加熱試験を行い、腐食特性を調べた。その結果、O$$_{2}$$及びO$$_{2}$$/H$$_{2}$$Oの雰囲気では、両材料の表面には均一な酸化皮膜が形成されていたが、SUS316の方がNCF600よりも重量増加量は大きく、腐食度が大きかった。I$$_{2}$$ガスを含んだ雰囲気では、SUS316表面には酸化皮膜の形成のみならず、孔食が見られた。この孔食は、ガス種の違いにより発生形態が異なっていた。以上から、過酷事故時の雰囲気により、シース材は複雑な腐食挙動を示すことが分かった。

口頭

Corrosion properties of sheath materials for MI cables under various gas conditions containing iodine gas

中野 寛子; 武内 伴照; 広田 憲亮; 土谷 邦彦

no journal, , 

軽水炉の過酷事故時でも炉内計測データを伝送可能な金属被覆無機絶縁ケーブル(MIケーブル)を開発している。本研究では、ヨウ素を含む環境におけるMIケーブル用被覆材の耐食性を調べるため、選定したオーステナイト系ステンレス鋼SUS316及びニッケル基合金NCF600について、窒素ガスベースで5種類の雰囲気(I$$_{2}$$、I$$_{2}$$/O$$_{2}$$、I$$_{2}$$/H$$_{2}$$O、I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O、I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O/CO)で1000$$^{circ}$$Cにおける耐食性を調べた。その結果、SUS316については、I$$_{2}$$、I$$_{2}$$/O$$_{2}$$、I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O/CO雰囲気下では試料表面に黒褐色の薄いスケールの形成とともに孔食が点在していたが、I$$_{2}$$/H$$_{2}$$O、I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O雰囲気下では試料表面に厚いスケールが形成され、損傷が大きかった。一方、NCF600については、全ての雰囲気下で試料表面に薄いスケールの形成のみであった。これにより、NCF600はヨウ素が含まれる環境における耐食性が高いことが示唆された。

口頭

過酷事故模擬環境を想定した高温型MIケーブル用シース材の腐食特性,3

中野 寛子; 広田 憲亮; 武内 伴照; 土谷 邦彦

no journal, , 

原子力発電所における監視システム高度化の一環として、過酷事故時でも炉内の計測データを伝送可能な高温型MIケーブルを開発している。特に、過酷事故時の原子炉内は、窒素,酸素,水素,水蒸気のほかに核分裂生成物等が含まれた混合ガス雰囲気中に暴露されることから、シース材の早期破損が懸念される。本研究では、MIケーブル用シース材として選定したSUS316及びNCF600について、燃料破損を想定した雰囲気(I$$_{2}$$, I$$_{2}$$/O$$_{2}$$, I$$_{2}$$/H$$_{2}$$O, I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O)中における腐食特性調べた。その結果、NCF600は全雰囲気において試験片表面に厚さの均一な腐食生成物が観察された。SUS316は、I$$_{2}$$, I$$_{2}$$/O$$_{2}$$雰囲気では、表面に厚さの均一な腐食生成物が観察された一方で、I$$_{2}$$/H$$_{2}$$O, I$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O雰囲気では、表面に厚さの不均一な酸化皮膜が形成され、さらにこの酸化皮膜が異なる酸化物で構成された層状であることが観察された。以上より、I$$_{2}$$及びH$$_{2}$$Oの混合雰囲気では、SUS316表面で形成された酸化皮膜が破損と形成を繰り返し、層状に形成された可能性が考えられ複雑な腐食挙動を示していることが示唆された。

口頭

Corrosion properties of PCV equivalent materal for simulated severe accident

中野 寛子; 武内 伴照; 大塚 薫; 広田 憲亮; 土谷 邦彦

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故では、冷却機能を喪失した炉心で核燃料が溶融・落下し、これにより格納容器内は、窒素, 水素, 水蒸気, 酸素及び核分裂生成物の混合ガス等で暴露されたと推測されるが、混合ガス雰囲気における構造材料の腐食損傷の影響を明らかにされていない。本研究では、1F格納容器相当材として炭素鋼SPV355及びオーステナイト系ステンレス鋼SUS304を選定し、燃料破損時に放出されるヨウ素に着目した過酷事故模擬環境の腐食特性を評価した。まず、TG-DTA装置により、700$$^{circ}$$C及び1000$$^{circ}$$Cのairもしくはair/H$$_{2}$$O雰囲気に暴露した。次に、I$$_{2}$$/H$$_{2}$$O及びI$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O雰囲気で1000$$^{circ}$$C$$times$$96hの電気炉加熱試験を行った。各試験後、SEM/EPMA表面分析を行った。この結果、air及びair/H$$_{2}$$O雰囲気暴露試験後の試料表面には均一な酸化皮膜が形成された。一方で、I$$_{2}$$/H$$_{2}$$O及びI$$_{2}$$/O$$_{2}$$/H$$_{2}$$O雰囲気では、各試料表面に厚みの不均一な腐食生成物が形成され、剥離しやすいことが観測されたことから、ヨウ素含有条件において腐食が促進される傾向にあることが示唆された。

口頭

Effect of dissolved oxygen and hydrogen on mechanical property of AISI 316 stainless steels in a simulated PWR water conditions

武内 伴照; 中野 寛子; 大塚 薫; 広田 憲亮; 土谷 邦彦

no journal, , 

ステンレス鋼は腐食環境下で引張応力が存在すると、材料本来の強度よりも低い応力で割れが発生する応力腐食割れ(SCC)現象を引き起こすことが古くから知られている。SCCは、材料, 環境, 応力の三つの要素が揃った時に発生すると考えられているが、その発生メカニズムはまだ十分理解されていない。本研究では、溶存酸素および水素濃度に着目して、ステンレス鋼の原子炉炉水環境における応力腐食割れ感受性を調べた。試験には、AISI316ステンレス鋼を供し、オートクレーブ装置を備えた高温高圧水ループ装置でSSRTを行った。溶存酸素濃度は1,10,50,80,100ppb、溶存水素(DH)は0または500ppbに制御した。SSRTは、325$$^{circ}$$Cおよび15MPaで5$$times$$10$$^{-3}$$mm/分のひずみ速度で行った。DHが0ppbの時、DOが100および80ppbで約590MPaの引張強さであったが、DOが50, 10および1ppbでは約20MPa減少した。一方、DHが500ppbの時、DOが80ppbで約590MPaの引張強さであったが、DOが50, 10, 1ppbでは約20$$sim$$30MP減少し、DOが100ppbでは40MPa減少した。この結果は、水素によるSCCが溶存酸素濃度の影響を強く受けることが示唆された。

口頭

ヨウ素ガスを含んだ過酷事故模擬環境における格納容器相当材の腐食特性

中野 寛子; 武内 伴照; 広田 憲亮; 土谷 邦彦

no journal, , 

福島第一原子力発電所(1F)事故では、冷却機能を喪失した炉心で核燃料が溶融・落下したと推測され、格納容器内は、窒素, 水素, 水蒸気, 酸素及び核分裂生成物の混合ガス等で暴露されたことから、格納容器材料の腐食が懸念される。しかしながら、これらの雰囲気に暴露された1F格納容器材料の表面状態はまだ詳細に観察されていない。本研究では、1F格納容器相当材として炭素鋼SPV355及びオーステナイト系ステンレス鋼SUS304について、腐食性の高いヨウ素ガスに着目し、過酷事故模擬環境下におけるこれらの材料の腐食特性を調べた。ヨウ素及び水蒸気の混合雰囲気で1000$$^{circ}$$C$$times$$96時間暴露した結果、SPV355は表面全体が腐食し、炭素等の析出、SUS304は不均一で剥がれやすい酸化皮膜が形成されていることが観察された。また、断面観察により、SPV355の腐食層厚さはSUS304と比較して約4倍厚いことも観測された。また、EDX分析を行った結果、SPV355ではFe-Oの形成及びCの析出が確認され、SUS304では表面にCr-Oの形成及び表面近傍の粒界にSi-Oの偏析が確認されたことから、ヨウ素ガスを含んだ条件において、腐食の形態が異なることが示唆された。

口頭

Research and development of high-heat temperature resistance type mineral insulated cables for severe accident in LWR

中野 寛子; 武内 伴照; 広田 憲亮; 井手 広史; 塙 正成*; 土谷 邦彦

no journal, , 

福島第一原子力発電所の事故以来、過酷事故時の原子力発電所の状況を監視するために研究開発を行った。過酷事故時には、原子炉容器が高温・高放射線に曝されることから、原子炉容器内の温度や圧力を長時間測定することが困難になる可能性がある。そのため、耐放射線性及び耐熱性に優れた無機絶縁(MI)ケーブルの開発が必要である。本研究では、過酷事故模擬環境下でも使用可能なMIケーブルを開発するために、過酷事故模擬条件においてMIケーブルの電気特性及び腐食特性を評価した。その結果、過酷事故模擬環境下でも使用可能な高温MIケーブルとして、ニッケル合金をシース材に用いたMIケーブルを提案できる見通しが得られた。

口頭

Effect of grain refinement on dynamic strain aging in SUS304L stainless steel under high temperature pressurized water

広田 憲亮; 近藤 啓悦; 中野 寛子; 藤田 善貴; 武内 伴照; 井手 広史; 土谷 邦彦; 小林 能直*

no journal, , 

原子力分野では、沸騰水型原子炉のシュラウドや加圧水型原子炉の再循環系配管で動的ひずみ老化(DSA)が確認されている。この現象は、材料の加工硬化速度を増加させ、延性の低下を引き起こす。Rodriguezは、ステンレス鋼を用いると、この加工硬化が結晶粒の微細化に伴って増加し、DSAが発生しやすくなることを報告している。本研究の目的は、超微細粒SUS304L(UFGS)を用いて、原子炉を模擬した高温加圧水(HTPW)環境におけるDSAに及ぼす結晶粒微細化の影響を評価することである。UFGSを熱処理して粒径を0.59$$mu$$mから68.6$$mu$$mに調整し、0.2%耐力に対するホール-ペッチ則の整理を行った。本研究で得られたk値は、これまでSUS304Lで得られていた参考値とほぼ同様であった。破壊ひずみに及ぼす粒径の影響について、大気中の引張試験と溶存酸素1ppb未満の条件下で598K/15MPaのHTPW環境での低歪速度引張試験(SSRT)との比較を行うと、粒径が粗くなるにつれ、大気中よりもHTPW下において破壊ひずみが小さくなることが示された。HTPWの破壊後の顕微鏡写真では、28.4$$mu$$m以下の粒径材で延性破壊面が観察された。しかし、粒径が68.6$$mu$$mまで粗くなると、全破断面の半分以上が脆性破壊となった。HTPW下で粒径0.59$$mu$$mの材料では、試料の破断断面において{111}/$$Sigma$$3境界の対応粒界が多く観察された。しかし、粒径が68.6$$mu$$mまで粗大化すると、これらの分布はほとんど観察されなくなった。したがって、HTPW下で微細粒ステンレス鋼においてDSAによる亀裂伝播が抑制された原因は、{111}/$$Sigma$$3境界による転位蓄積の緩和によるものと推察される。

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