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武田 尚弥*; 鹿島 基彦*; 小谷 瑳千花*; 内山 雄介*; 上平 雄基; 御手洗 哲司*
Scientific Reports (Internet), 11(1), p.6963_1 - 6963_10, 2021/03
被引用回数:7 パーセンタイル:64.2(Multidisciplinary Sciences)石西礁湖へのサンゴ浮遊幼生加入ソースを特定するため領域海洋モデルROMSを用いて大規模な粒子追跡数値実験を行った。その結果、鳩間島を含む西表島の北部沿岸域が主要なサンゴ幼生のソース地域として特定された。
内山 雄介*; 小谷 瑳千花*; 鹿島 基彦*; 上平 雄基; 御手洗 哲司*
Journal of Geophysical Research; Oceans (Internet), 123(12), p.9245 - 9265, 2018/12
被引用回数:15 パーセンタイル:63.11(Oceanography)本研究では、琉球諸島周辺を対象とした3次元流動再解析値及び、サンゴの卵と浮遊幼生を想定したLagrange粒子追跡計算を行い、漂流ブイや衛星観測データとの比較を行った。また、琉球諸島におけるコネクティビティを定量化するともに、特に黒潮の影響を受けて長距離移動する粒子の分散過程に着目した解析を実施した。その結果、シミュレーション結果は観測結果を良好に再現していた。また、放出された粒子の大部分は放出された海域に留まるが、黒潮によって1000km以上輸送される粒子も多数見られた。特に八重山諸島北部から放出された粒子は黒潮にトラップされやすく、北東方向へ長距離移動するのに対し、八重山諸島南部から放出された粒子は東向き流速の影響を受けて黒潮にトラップされにくくなり、南から東方向へ輸送されることが示唆された。
小谷 瑳千花*; 内山 雄介*; 鹿島 基彦*; 上平 雄基; 御手洗 哲司*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 73(2), p.I_1315 - I_1320, 2017/10
本研究では、琉球諸島周辺を対象とした3次元流動再解析値を用いてサンゴの卵と浮遊幼生を想定したLagrange粒子追跡計算を行い、漂流ブイ観測との比較を行った。また、琉球諸島におけるコネクティビティを定量化するともに、特に黒潮の影響を受けて長距離移動する粒子の分散過程に着目した解析を実施した。シミュレーション結果は漂流ブイ観測結果を良好に再現していた。また、石西礁湖北部から放出される粒子は黒潮にトラップされやすく、北東方向へ長距離移動するのに対し、石西礁湖南部では東向き流速の影響を受けると黒潮にトラップされにくくなり、南から東方向へ輸送されることがわかった。黒潮によって北東方向へ輸送された粒子は、黒潮と沖縄本島間に発生するメソスケール渦に伴う黒潮反流によって黒潮を離脱し、沖縄本島へ接近することが示唆された。
上平 雄基; 内山 雄介*; 御手洗 哲司*
Continental Shelf Research, 143, p.206 - 218, 2017/07
被引用回数:31 パーセンタイル:85.87(Oceanography)沖縄本島を含む琉球諸島周辺海域を対象とした2段ネストJCOPE2-ROMSダウンスケーリング海洋モデルを用いて、本海域特有のサブメソスケール(SMS)乱流の発達とそれに伴う3次元的な物質混合過程を評価するべく、季節変動成分を除去した渦成分に対してeddy heat flux (EHF)解析を行った。EHFに対してHelmholtz分解を適用することで、EHFを黒潮流軸成分と直交成分とに分解し、その3次元構造について検討した、その結果、本海域では、傾圧不安定と地形性シアの相乗的な効果により、黒潮流軸に対して東シナ海側では低気圧性のSMS渦が表層および水深500m程度の中層に発達すること、反対に沖縄本島側では混合層周辺に高気圧性のSMS渦が発生すること、およびその両者によって黒潮横断方向の渦熱輸送が3次元的に促進されていることを見出した。
内山 雄介*; 小谷 瑳千花*; 山西 琢文*; 上平 雄基; 御手洗 哲司*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 72(2), p.I_481 - I_486, 2016/11
琉球諸島周辺海域に生息するサンゴ礁が地球温暖化などの影響によって白化や衰退が進展しており、サンゴ礁保護のために周辺の流動構造、特に黒潮波及効果を評価することは重要である。そこで、米国で開発された領域海洋モデルROMSを用いて沖縄本島周辺の海洋構造の東西の非対称性の実態把握を行い、黒潮反流の発生特性に関する解析を実施した。その結果、渡嘉敷海域での南下流の発達は黒潮-本島間に発生する負のメソスケール渦である黒潮反流の発達によって惹起されており、反流は春季に強化され、冬季に弱化していたことがわかった。この反流の消長は同海域におけるサブメソスケール渦の季節的な発達特性と相関があることが示された。
上平 雄基; 内山 雄介*; 御手洗 哲司*; 仲田 尚平*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 71(2), p.I_1219 - I_1224, 2015/11
沖縄本島を含む琉球諸島周辺海域では豊かなサンゴ礁生態系が形成されており、地球環境保全の観点からもその保護が望まれている。また黒潮暖流は本海域の環境に強い影響を及ぼすことが知られており、サンゴ浮遊幼生や栄養塩等の輸送、生態系ネットワークの形成に対してその波及効果を正確に把握、定量化することが重要となる。これに対して著者らは、本海域を対象とした高解像度ダウンスケールモデルによる数値実験を行い、黒潮と琉球諸島の間の海洋表層では、発達する負のサブメソスケール(SMS)渦によって活発な海水交換と黒潮の波及が促進されていることをこれまでの研究で示した。本研究では、既に開発した2段ネスト海洋モデルを用い、SMS乱流の発達とそれに伴う3次元的な物質混合が本海域の海洋環境に及ぼす影響を評価することを最終目的として、詳細な乱流統計解析を行った。その結果、黒潮流軸の西側では黒潮と陸棚斜面による地形性シアの影響によって低気圧性のサブメソスケール渦が、黒潮の東側では黒潮と琉球海嶺の地形と島嶼群による地形性シアの影響により高気圧性のサブメソスケール渦が発生し、これらが熱輸送を促進していることがEddy heat flux解析によって見出された。
小谷 瑳千花*; 内山 雄介*; 鹿島 基彦*; 上平 雄基; 御手洗 哲司*
no journal, ,
2012年から2015年の春季を対象として、領域海洋循環モデルROMSをベースとした高解像度の琉球諸島周辺海域流動モデリングとその結果を用いた3次元Lagrange中立粒子追跡を実施し、黒潮がサンゴ幼稚仔輸送過程に及ばす影響を評価した。その結果、石西礁湖から放出された中立粒子は、サンゴ幼稚仔浮遊期間である3週間後も大部分がその場に留まるが、約1割が黒潮や黒潮反流によって沖縄本島まで輸送されていた。また、石西礁湖南で発生する東向きの流れがサンゴ幼稚仔輸送に重要な役割を果たしている可能性を示唆した。