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笠原 清司; 村田 哲也*; 上地 優; 寺田 敦彦; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 森 治嗣*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 3(3), p.15-00616_1 - 15-00616_16, 2016/06
熱電併給高温ガス炉GTHTR300の廃熱を利用した地域暖房・路面融雪システムの解析を行った。熱利用地域には豪雪地帯である札幌と石狩を想定した。GTHTR300と熱利用地域間で熱水を循環させる給熱配管、給熱配管から地域内の熱供給配管へ熱を伝える熱交換器、地域内の熱供給配管のモデル化による熱輸送解析を行った。給熱配管としては、二重管の方が単管と比べて熱ロスや埋設のための掘削面積が小さい点で有利であったものの、配管コストの不利を補うほどではなかった。年間で最大となる1月の熱需要をまかなうためには520-529MWの熱が必要となり、この時GTHTR300は3基、給熱配管は6ループ、熱交換器(長さ約90m)と地域熱供給配管は3,450基必要となった。地域熱供給配管における熱ロスが全ロスの80%-90%を占め、断熱材が全建設コストの90%以上に上ったため、経済的な熱供給を行うためには断熱層厚さや断熱性能の最適化が必要である。
笠原 清司; 村田 哲也*; 上地 優; 寺田 敦彦; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 森 治嗣*
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 11 Pages, 2015/05
豪雪地帯である札幌と石狩を想定した、高温ガス炉GTHTR300の廃熱を利用した地域熱供給・融雪システムの熱輸送解析を行った。GTHTR300と熱利用地域間で熱水を循環させる給熱配管と、給熱配管から熱利用地域内の熱供給配管へ熱を伝える熱交換器の解析を行った。給熱配管において、二重管はアニュラス流路の圧力損失が大きいため、単管と比べて水循環のためのポンプ動力は2.74倍になった。一方、内側管からの熱ロスをアニュラス流路で回収できるため、管全体の熱ロスが単管より33%小さく、1本の管で水循環が可能であるため、埋設のための掘削面積も23%小さい点で有利であった。給熱配管に二重管を用いた時、GTHTR300から熱供給配管への熱輸送に伴う熱ロスは4.2%、GTHTR300の発電量に占めるポンプ動力の割合は0.8%であった。GTHTR300を2基用いることで、年間で最大となる1月の熱需要の97.0%をまかなうことができた。GTHTR300と熱利用地域間の距離を40kmから20kmに削減できれば、熱供給システムの設置コストを22%削減できることが見込まれた。
馬場 治; 西口 磯春; 藤倉 明*; 笠羽 道博*; 森 治嗣*; 溝上 頼賢*; 猪狩 敏秀*; 小宮山 忠仁*
JAERI-M 85-182, 304 Pages, 1985/11
本報告書は、多目的高温ガス実験炉の中間熱交換器について、これまでの設計の変遷、熟流力設計および構造設計の方法と詳細設計(II)における実例、製作・検査・補修等に関する現状と課題、中間熱交換器開発における関連試験のこれまでの成果と今後の課題等について、総合的にまとめたものである。
斎藤 伸三; 森 治嗣*; 落合 政昭; 戸田 三朗
JAERI-M 8570, 42 Pages, 1979/11
軽水炉の反応度事故時における燃料棒の非定常冷却過程を明らかにするため、ジルカロイ製中実丸棒及び管を用いサブクール条件下で模擬実験を行い、詳細に検討した。その結果、冷却過程は、クエンチング温度Tqとリウェッティング温度Trによって3つの領域に分けられ、Tq以上およびTr以下の領域における挙動は従来の沸騰曲線から説明出来るが、TqからTrの領域は従来に明らかにされていない熱伝達挙動を示し蒸気膜の崩壊に伴なう激しい流体の乱れが大きく急冷に寄与していることが高速度カメラによる撮影からも確認された。また、Tqは冷却水のサブクール度の増加とともに水の最大加熱温度をはるかに上廻るようになり、一方、Trははとんどその影響を受けず最大過熱温度と一致した。本実験条件では、LOCA時と異なりリウェット領域から 膜沸騰領域への試験体軸方向の熱伝導は少なく、半径方向の熱伝達が支配的である。
村田 哲也*; 三輪 修一郎*; 坂下 弘人*; 森 治嗣*; 笠原 清司; Yan, X.
no journal, ,
北海道内における高温ガス炉の融雪・地域暖房への適用性を検討した。具体的には、熱供給システムの概念設計、配管・熱交換器モデルの作成、高温ガス炉出力、設置場所の設定を行った。熱利用地域として札幌と石狩を想定したところ、年間最大熱需要435MWをまかなうためには、高温ガス炉GTHTR300が2基必要であった。原子炉と熱利用地域間の距離は約40kmとなったが、この距離でも高温ガス炉廃熱を地域暖房等に利用することは温度的に可能であった。給熱配管としては、二重管の方が単管と比べて低熱損失、低占有面積の点で有利であった。本システムでは、給熱配管は9ループ、熱交換器は5000基以上必要となった。