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論文

瑞浪超深地層研究所の調査データに基づく割れ目調査手法の検討

笹尾 英嗣

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 29(2), p.112 - 118, 2022/12

花崗岩などの結晶質岩では、割れ目が地下水や物質の移行経路となることから、高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、割れ目の頻度や走向傾斜などの情報を把握することが重要である。地表からのボーリング調査では、割れ目の走向傾斜とボーリング孔の交差角に起因する捕捉率により、ボーリング調査で確認される割れ目に関する情報は不確実性を有する。そこで、瑞浪超深地層研究所の立坑掘削時の壁面調査で取得された割れ目分布に関するデータに基づいて、割れ目分布を限られた調査量で効率的に把握できるボーリング調査方法を検討した。その結果、鉛直孔では高角度傾斜の割れ目の捕捉率が低いが、傾斜孔では割れ目の捕捉数が上昇するとともに高角度傾斜割れ目の捕捉率が上昇することから、鉛直孔よりも傾斜孔の方が割れ目分布を効率良く把握できると考えられた。しかし、割れ目の卓越方位は深度によって変化するため、ボーリングの掘削方位を一義的に決定することは困難である。一方で、地表露頭における割れ目の走向傾斜は、換気立坑で観察された割れ目面の平均方位とほぼ同じであることから、ボーリングの掘削方位は地表調査の結果に基づくことが望ましいと考えられた。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和4年度)

笹尾 英嗣; 石丸 恒存; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 島田 耕史; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; 小北 康弘; et al.

JAEA-Review 2022-022, 29 Pages, 2022/09

JAEA-Review-2022-022.pdf:0.97MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

論文

Micropores and mass transfer in the formation of myrmekites

湯口 貴史*; 湯浅 春香*; 五十公野 裕也*; 中島 和夫*; 笹尾 英嗣; 西山 忠男*

American Mineralogist, 107(3), p.476 - 488, 2022/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:22.72(Geochemistry & Geophysics)

本研究は花崗岩体内で広く産出するミルメカイトを研究対象とし、その解析手法と生成に関する知見を提示した。本研究では、瑞浪超深地層研究所周辺に分布する土岐花崗岩体のミルメカイト中に微小孔を見出した。これはミルメカイト生成時に体積が減少していることを示す。その結果から(1)ミルメカイト生成に際して体積変化を考慮した元素移動メカニズム、(2)ミルメカイト化に際して微小孔の生成要因、(3)熱水の化学的特徴の時間的を論じた。微小孔は熱水や地下水の拡散経路となり得るため、将来的な物質移動を考える上でも有用な知見となる。

論文

オールジャパンでとりくむ地層処分のいま,2; 地層処分に関する地質環境評価技術

三枝 博光*; 松岡 稔幸*; 丹羽 正和; 笹尾 英嗣; 早野 明

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 64(1), p.46 - 50, 2022/01

本発表では、地層処分の観点から考慮すべき日本の地質環境条件や地質環境を選定するための考え方や進め方、およびそれに必要な調査・評価技術の現状について紹介する。現状の地質環境の調査・評価技術とこれまでに蓄積してきた知見を有効に組み合わせることにより、わが国の多様な地質環境を対象に、地層処分に適した地質環境を選定することは基本的に可能であると考えられる。

論文

Association of hydrothermal plagioclase alteration with micropores in a granite; Petrographic indicators to evaluate the extent of hydrothermal alteration

湯口 貴史*; 五十公野 裕也*; 笹尾 英嗣

Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (Internet), 117(1), p.220415_1 - 220415_12, 2022/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Mineralogy)

本研究では、土岐花崗岩を対象に主要構成鉱物である斜長石の変質の程度を定量的に評価する新しい手法として、記載岩石学的斜長石変質指標の利用を提示した。斜長石中の変質の指標と微小空隙の広がりは反射電子像(BSE image)の解析で取得した。変質した斜長石中の微小空隙の体積は、その粒子中の微小空隙の広がりで特徴づけられる。このことから、斜長石変質指標は斜長石全体に対する変質部の面積の割合として求められる。われわれの先行研究では、土岐花崗岩中の変質した黒雲母中の緑泥石と微小空隙の広がりを指標として用いてきた。本研究ではこの先行研究と同一の試料を用いており、斜長石の変質指標と黒雲母の緑泥石化指標には正の相関が認められた。このことは、2つの指標を独立して用いることが可能であることを示す。また、この結果から、土岐花崗岩では斜長石の変質は黒雲母の緑泥石化に関連していることが明らかになった。

論文

Mass transfer associated with chloritization in the hydrothermal alteration process of granitic pluton

湯口 貴史*; 松木 貴伸*; 五十公野 裕也*; 笹尾 英嗣; 西山 忠男*

American Mineralogist, 106(7), p.1128 - 1142, 2021/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:41.95(Geochemistry & Geophysics)

花崗岩体で生じる熱水変質では、普遍的に緑泥石化、斜長石の変質、炭酸塩鉱物の晶出が生じる。本研究では、中部日本に分布する土岐花崗岩体を対象として、ホルンブレンドの緑泥石化、カリ長石の緑泥石化、脈状緑泥石の生成をもたらす熱水-鉱物間の元素移動について論じた。既往研究ならびに本研究の統合的な知見により、熱水変質に伴う岩体内の元素移動を包括的に捉えることが可能になった。本研究では、緑泥石化に伴い微小空隙が生じることを見出した。この知見と反応物と生成物の化学組成から、反応式を構築し、約180$$sim$$350$$^{circ}$$Cの温度範囲で生じる熱水流体中の元素移動について論じた。

報告書

超深地層研究所計画 年度報告書(2019年度)

竹内 竜史; 尾上 博則; 村上 裕晃; 渡辺 勇輔; 見掛 信一郎; 池田 幸喜; 弥富 洋介; 西尾 和久*; 笹尾 英嗣

JAEA-Review 2021-003, 63 Pages, 2021/06

JAEA-Review-2021-003.pdf:12.67MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めてきた。これらの必須の課題の調査研究については十分な成果を上げることができたことから、2019年度をもって超深地層研究所計画における調査研究を終了することとした。本報告書は、2019年度に実施した超深地層研究所計画のそれぞれの研究分野における調査研究,共同研究,施設建設等の主な結果を示したものである。

論文

中新統$$sim$$更新統瀬戸層群の陸成層と陶土

葉田野 希*; 吉田 孝紀*; 笹尾 英嗣

地質学雑誌, 127(6), p.345 - 362, 2021/06

本論文は、2020年9月に開催予定であった日本地質学会第127年学術大会(1年延期)における地質見学会の案内書である。愛知県名古屋市東方から岐阜県南東部に分布する中新統$$sim$$更新統の瀬戸層群は、窯業原料となる粘土(陶土)を産する陸成層として知られ、これまでに粘土鉱物学や地質学的な視点から数多くの研究が行われてきた。それらの結果から、陶土の成因には、母岩である花崗岩の風化、細粒砕屑物が堆積盆地に集まるまでの侵食・運搬・堆積プロセス、堆積後の風化や初期続成作用といった複雑なプロセスが関与していることが明らかにされている。また、最近では、本層群に産する古土壌から堆積当時の気候・風化条件に関する新たな知見が得られている。本地質見学会では、陸成層と強風化した花崗岩の観察を通して、陶土の成因、古土壌や古風化プロセス、瀬戸層群の地域ごとの堆積環境・古土壌の違いについて理解するため、愛知県と岐阜県の粘土鉱山に赴く。

論文

瑞浪層群および岩村層群に挟在する凝灰岩の記載岩石学的特徴

笹尾 英嗣; 檀原 徹*; 山下 透*; 林 譲治*

瑞浪市化石博物館研究報告, (48), p.9 - 19, 2021/05

東濃ウラン鉱床の周辺に分布する中新統堆積岩類の対比の基礎資料として、瑞浪層群中の14層の凝灰岩および岩村層群中の4層の凝灰岩を対象として、凝灰岩層の記載岩石学的な特徴を記載した。記載項目は、全鉱物組成、重鉱物組成、火山ガラスの形態、火山ガラスおよび斜長石の屈折率である。

論文

Genesis and development processes of fractures in granite; Petrographic indicators of hydrothermal alteration

湯口 貴史*; 五十公野 裕也*; 笹尾 英嗣

PLOS ONE (Internet), 16(5), p.e0251198_1 - e0251198_17, 2021/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:26.52(Multidisciplinary Sciences)

本研究は、割れ目の発生と発達の過程を明らかにする目的で、結晶質岩中のラージスケール割れ目と、鉱物の変質と微小空隙の関係を明らかにした。鉱物の変質の程度を定量的に評価するため、黒雲母の緑泥石化に着目し、変質領域と非変質領域の面積比から変質パラメータを定義した。その結果、ラージスケール割れ目の発達する岩石領域では変質パラメータと微小空隙がともに大きくなる傾向を見出した。これらの結果から、変質パラメータが現在と将来の割れ目分布の評価に有効となることを明らかにした。

論文

K-Ar geochronology for hydrothermal K-feldspar within plagioclase in a granitic pluton; Constraints on timing and thermal condition for hydrothermal alteration

湯口 貴史*; 八木 公史*; 笹尾 英嗣; 西山 忠男*

Heliyon (Internet), 7(4), p.e06750_1 - e06750_9, 2021/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.87(Multidisciplinary Sciences)

本研究で提示した手法と解釈は花崗岩体の変質した斜長石中のカリ長石(Microcline)のK-Ar年代に新たな知見をもたらす。鉱物中に含有される異なる鉱物の分離は困難な課題である。本研究では、(1)岩石サンプルから斜長石の分離、(2)斜長石からのカリ長石の分離の2段階でのプロセスを行うことで、正確な斜長石中のカリ長石年代を決定することを可能にした。ここで得られたカリ長石年代は花崗岩体の冷却史や熱水変質現象の時間変遷を解明する上で重要な手がかりとなる。

論文

Major element and REE compositions of Pliocene sediments in southwest Japan; Implications for paleoweathering and paleoclimate

葉田野 希*; 吉田 孝紀*; 森 沙織*; 笹尾 英嗣

Sedimentary Geology, 408, p.105751_1 - 105751_13, 2020/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:23.96(Geology)

東アジアモンスーンの履歴や、モンスーン気候の発達とテクトニクス、地球規模の気候との関係は複雑で議論が多い。本研究では、西南日本の湖成堆積物の主成分元素と希土類元素の組成に基づいて化学風化条件を検討した。その結果、380$$sim$$340万年前には主成分元素組成から推定される変質強度の指標や希土類元素組成,試料の鉱物組成から、化学風化が強まったことがわかった。既往研究成果との比較から、西南日本におけるこの時期の強風化条件は、黒潮の流入による温暖湿潤気候と東アジア夏季モンスーンに起因する可能性が考えられた。

論文

Crystallization processes of quartz in a granitic magma; Cathodoluminescence zonation pattern controlled by temperature and titanium diffusivity

湯口 貴史*; 小北 康弘; 加藤 丈典*; 横田 倫太郎*; 笹尾 英嗣; 西山 忠男*

Journal of Asian Earth Sciences, 192, p.104289_1 - 104289_16, 2020/05

 被引用回数:5 パーセンタイル:32.38(Geosciences, Multidisciplinary)

本研究は、花崗岩質マグマから晶出した石英を用いて、石英の生成メカニズムや結晶化温度からマグマ溜りの冷却プロセスに関する熱的変遷を論じた。本研究では、中部日本の土岐花崗岩体に産出する石英に着目し、(1)石英粒子の形状や産状の情報、(2)石英の結晶内部構造を反映するカソードルミネッセンス(CL)パターン、及び(3)石英中のチタン濃度から算出した結晶化温度を取得することで、石英の連続的な成長様式に関する新知見を得た。土岐花崗岩体の石英は、複数のCLパターンに区分できる。それらのCLパターンの相違は、メルト(マグマ)の温度やメルト中のチタンの拡散性に依存する。石英のCLパターンと結晶化温度条件から、土岐花崗岩体を形成したマグマの冷却温度条件を詳細に区分した。本研究により、マグマ溜りの詳細な熱史の解明に石英を用いたアプローチの有用性が示された。

報告書

超深地層研究所計画 年度報告書(2018年度)

竹内 竜史; 岩月 輝希; 松井 裕哉; 野原 壯; 尾上 博則; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 濱 克宏; 弥富 洋介; 笹尾 英嗣

JAEA-Review 2020-001, 66 Pages, 2020/03

JAEA-Review-2020-001.pdf:7.6MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。本報告書は、2018年度に実施した超深地層研究所計画のそれぞれの研究分野における調査研究、共同研究、施設建設等の主な結果を示したものである。

論文

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターの歩みと瑞浪超深地層研究所の概要

笹尾 英嗣

地質と調査, (154), p.67 - 72, 2019/11

原子力機構は、高レベル放射性廃棄物の地層処分事業と安全規制の両面を支えるため、地層処分技術に関する研究開発を進めてきた。このうち、東濃地科学センターでは、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、岐阜県瑞浪市において超深地層研究所計画を進めており、瑞浪超深地層研究所を設置している。本報告では、瑞浪超深地層研究所の概要と東濃地科学センターの歩みを紹介した。

報告書

超深地層研究所計画 年度計画書(2019年度)

竹内 竜史; 岩月 輝希; 松井 裕哉; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 濱 克宏; 弥富 洋介; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣

JAEA-Review 2019-014, 30 Pages, 2019/10

JAEA-Review-2019-014.pdf:4.72MB

日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。本計画書は、2015年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」および「超深地層研究所計画における調査研究計画-第3期中長期計画における調査研究計画-」に基づき、2019年度の超深地層研究所計画の調査研究計画、施設計画、共同研究計画等を示したものである。

論文

Intense chemical weathering in southwest Japan during the Pliocene warm period

葉田野 希*; 吉田 孝紀*; 足立 佳子*; 笹尾 英嗣

Journal of Asian Earth Sciences, 184, p.103971_1 - 103971_13, 2019/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:20.75(Geosciences, Multidisciplinary)

西南日本に分布する更新世堆積物の全岩主要成分と希土類元素組成,鉱物組成を調査した。その結果、化学的風化の強度、源岩の組成、粒径には延長方向にも水平方向にも広範なバリエーションがあり、化学組成は源岩の組成と堆積物の粒径に影響されるが、堆積環境と更新世温暖期の化学的風化の強度との間に関連があることが明らかになった。さらに、源岩の組成や粒度が異なる堆積物であっても、CIA値が90を超す堆積物の希土類元素組成とカオリナイトに富む粘土鉱物の含有量は、西南日本において更新世(3$$sim$$4Ma)における激しい風化条件を示すことがわかった。

論文

Characterizing the permeability of drillhole core samples of Toki granite, central Japan to identify factors influencing rock-matrix permeability

久保 大樹*; 松田 典大*; 柏谷 公希*; 小池 克明*; 石橋 正祐紀; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣; Lanyon, G. W.*

Engineering Geology, 259, p.105163_1 - 105163_15, 2019/09

 被引用回数:11 パーセンタイル:54.53(Engineering, Geological)

花崗岩基質部の浸透率は主にマイクロクラックに規制される。本研究は土岐花崗岩を対象に、基質部の浸透率を支配する要因の特定を目指して、ボーリングコア試料の浸透率を、窒素ガス圧入式パーミアメータを用いて測定した。その結果、浸透率は断層帯や割れ目の多い場所で高く、弾性波速度と明瞭な相関が認められた。また、浸透率の特徴は、試料のマンガン/鉄比によって2つのグループに区分できることから、岩相が浸透率を規制する要因の一つであることが分かった。さらに、浸透率はケイ素と負の相関、カルシウムと正の相関があり、ケイ酸塩鉱物の溶解や炭酸塩鉱物の沈殿が浸透率に影響を及ぼしていることが明らかになった。このことから、断層活動に加えて、熱水活動が浸透率を規制する要因であると考えられた。

報告書

超深地層研究所計画 年度報告書(2017年度)

竹内 竜史; 岩月 輝希; 松井 裕哉; 野原 壯; 尾上 博則; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 濱 克宏; 弥富 洋介; 笹尾 英嗣

JAEA-Review 2019-005, 76 Pages, 2019/06

JAEA-Review-2019-005.pdf:24.91MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。本報告書は、2017年度に実施した超深地層研究所計画のそれぞれの研究分野における調査研究, 共同研究, 施設建設等の主な研究成果を示したものである。

論文

Effects of grain size on the chemical weathering index; A Case study of Neogene fluvial sediments in southwest Japan

葉田野 希*; 吉田 孝紀*; 笹尾 英嗣

Sedimentary Geology, 386, p.1 - 8, 2019/05

 被引用回数:15 パーセンタイル:80.59(Geology)

堆積物の粒径の変化は供給源における化学的風化の評価を複雑にする。化学的風化の復元における粒径の影響を評価するため、西南日本に分布する中新世と鮮新世の堆積物を用いて鉱物・地球化学的研究を行った。その結果、Al$$_{2}$$O$$_{3}$$/SiO$$_{2}$$が粒径の指標として適することがわかった。また、細粒堆積物は高い化学的風化度を示すのに対して、粗粒堆積物は幅広い化学的風化度を示す。中間的な粒度の堆積物は中新世と鮮新世の堆積物で明瞭な相違が認められた。中間的な粒度の堆積物では、中新世が鮮新世よりも高い化学的風化度を示す。この結果から、化学的風化の比較にあたっては、Al$$_{2}$$O$$_{3}$$/SiO$$_{2}$$比から中間的な粒度の堆積物を抽出して評価することが望ましいことがわかった。

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