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佐野川 好母; 藤城 俊夫; 宮本 喜晟; 田中 利幸; 塩沢 周策; 荒井 長利
ECN-R--98-005, p.145 - 156, 1998/00
高温工学試験研究炉(HTTR)は高温工学に関する中核的試験研究施設として、HTGR関連技術開発と共に高温照射試験研究などのために利用する計画である。本発表は後者の利用研究に関連して、将来的に国際協力研究の実現を推進する観点から、HTTRの運転と試験研究の概要、高温照射機能と照射試験設備及び国際協力研究分野の提案などを報告する。国際協力による照射試験研究については、HTGR技術開発としての燃料、炉心材料等の高度化、高温計測機器など、又、先端的基礎研究としてのセラミックス複合材料の照射下挙動と機構の研究などを提案した。そして協力研究の実現のために関係各国の参加による情報交換会議の開催を提言した。
更田 豊志; 石島 清見; 藤城 俊夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(1), p.43 - 51, 1996/01
被引用回数:4 パーセンタイル:39.38(Nuclear Science & Technology)反応度事故条件下では、被覆管温度の上昇に伴う被覆管と水蒸気の反応によって、水素が発生する。発生した水素気泡は冷却材流動上の問題などを引き起こす可能性がある一方、事故発生直後のランアウト出力抑制に強い効果を持つことが予測される。そこで反応度事故時の水素発生挙動を調べるために、PWR型燃料棒を用いてNSRRでパルス照射を行い、中性子・ガンマ線照射条件下でも使用可能な振動板式密度計を開発することによって水素発生量の過渡変化を測定するとともに、照射後の被覆管の酸化状態を調べ、総水素発生量を評価した。短時間での大量の水素発生が予測され、冷却材流動やランアウト出力抑制に大きな影響があることが明らかとなった。また総水素発生量は被覆管の欠陥状態に強く依存することがわかった。更に、PRECIP-IIコードを用いて予備的な解析を行い、比較的緩やかな条件には同コードが適用可能であることを示した。
鴻坂 厚夫; 藤城 俊夫; 杉本 純
10th Pacific Basin Nuclear Conf. (10-PBNC), 1, p.341 - 346, 1996/00
我が国における軽水炉安全性研究は、国が定める安全研究年次計画の重点分野の一つとして実施されている。通常運転及び異常な過渡変化時における燃料の健全性、原子炉機器の経年変化と構造健全性、事故時における燃料挙動と熱水力、シビアアクシデント、確率論的安全評価、及びヒューマン・ファクターに関する研究が精力的に進められている。本稿では、我が国における軽水炉安全性研究の進展について記述している。
更田 豊志; 石島 清見; 森 行秀*; 笹島 栄夫; 藤城 俊夫
NUREG/CP-0149 (Vol. 1), 0, p.45 - 63, 1996/00
NSRRにおいて実施している高燃焼度燃料実験について、最新の成果を報告する。燃焼度42MWd/kgUまでの照射済燃料実験においては、現行の反応度事故指針における照射済燃料の破損目安値(85cal/g・fuel)に安全裕度のあることを示す結果が得られたのに対し、燃焼度50MWd/kgUの部分体先行照射燃料を対象とした高燃焼度PWR燃料実験では、破損目安値を下回る約60cal/g・fuelで被覆管に破損を生じた。この実験では、被覆管に有効発熱部全体に亘る大きな縦割れを生じ、高燃焼度範囲における破損しきい値の低下を示す結果となった。破損の発生は、被覆管の水素吸収による延性低下の寄与を伴う燃料ペレット/被覆管機械的相互作用(PCMI)によるものと考えられる。また、燃料ペレットは冷却材中に分散し、極めて細かい微粒子となって回収された。
更田 豊志; 永瀬 文久; 石島 清見; 藤城 俊夫
Nucl. Saf., 37(4), p.328 - 342, 1996/00
高燃焼度PWR燃料を対象とするNSRRパルス照射実験の最新の成果を中心に、これまでに実施した照射済PWR燃料実験の結果を報告するとともに、高燃焼度燃料のPCMI(燃料ペレット/被覆管機械的相互作用)による破損に強い影響を及ぼす被覆管への水素吸収について、径方向の偏圧量に関する照射後試験結果を示す。燃焼度50MWd/kgUの高燃焼度PWR燃料実験では、現行指針における破損目安値を下回る約60cal/g・fuelでPCMIによる被覆管の大きな縦割れを生じ、高燃焼度範囲における破損しきい値の低下を示す結果となった。引き続いて行った実験においても、被覆管の酸化及び水素吸収の程度の大きい、高い位置から採取した試験燃料で、低い発熱量レベルにおける燃料破損を生じており、被覆管強度の低下、特に被覆管外面側の水素吸収の影響が強く現れている。
更田 豊志; 石島 清見; 藤城 俊夫; 曽山 和彦; 市川 博喜; 古平 恒夫
JAERI-Research 95-077, 28 Pages, 1995/10
燃料全体に及ぶ溶融、更には微粒子化に伴って機械的エネルギの発生に至る苛酷な出力暴走条件下で、アルミニウム被覆ウラン・シリサイド板状燃料のパルス照射実験を実施した。即発発熱量1.68kJ/g・USiで、発熱部に貫通口を生じ、下部に溶融物の塊を生ずるなど著しい変形が見られたが、この条件ではUSi燃料粒子は外周部にアルミニウム母材との反応相を形成するものの完全な溶融には至っておらず、即発発熱量が1.99kJ/g・USi以上に達すると完全に溶融し、凝固後広い範囲に亘って樹状晶を形成する。燃料の微粒子化及び機械的エネルギ発生しきい値は約3.4kJ/g・USiで、即発発熱量の上昇に伴って機械的エネルギ転換率は増大し、最大4.3%に達した。
柳澤 和章; 藤城 俊夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(10), p.981 - 988, 1995/10
被引用回数:1 パーセンタイル:17.52(Nuclear Science & Technology)本誌は研究炉(JRR-3)用として検討されている低濃縮ウランシリサイド燃料仕様(密度4.0gU/cc)及び現行のアルミナイド燃料仕様の小型板状燃料を用いた過渡実験結果について報告するものである。過渡照射は、原研の安全性試験研究炉(NSRR)を用いて遂行した。得られた結果は以下のとおり:(1)近い将来JRR-3炉心に使用を検討されている仕様の密度のシリサイド燃料板を用い、発熱量106cal/fuelまで過渡照射した。供試燃料板のピーク表面温度(PCST)は508Cに達したが、破損は起こらなかった。本実験は、PSCT400C以上で生ずると考えられているブリスターを模擬した過渡実験であった。実験結果から供試シリサイド燃料板は508Cまでブリスター破損に対し、強い抵抗を有していることが立証された。(2)供試アルミナイド燃料板は発熱量55cal/g-fuelの実験において燃料板のPCSTが230Cに達したが、異常は認められなかった。この実験条件は、JRR-3の安全評価における最も厳しい燃料温度条件の流路閉塞事故PCST、150Cを大きく上まわっており、安全評価における安全裕度が実験により確認された。
柳澤 和章; 藤城 俊夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(9), p.889 - 897, 1995/09
被引用回数:2 パーセンタイル:28.04(Nuclear Science & Technology)本報は、研究炉用低濃縮(20wt%U)ウランシリサイド小型板状燃料を用いた過渡実験の結果について報告するものである。燃料板間の流路ギャップを2.38mmとした3枚燃料板集合体をNSRR炉心に装荷後、発熱量78cal/g・fuelまで同時にパルス照射した。本研究より得られた知見をとりまとめると以下のようになる。(1)燃料板間の冷却材横流れが起こらないようにした限定条件下において、燃料板に生じたピーク燃料板表面温度(PCST)は、中央の燃料板で475Cに到達し、両わきの2枚の燃料板に生じたそれら(173Cと192C)を比較して極端に高くなった。流路ギャップ位置における冷却材温度も140Cまで急速上昇し、流路ギャップ位置でない場所での冷却材温度(約50C)よりも高くなった。冷却条件の悪化、特に中央燃料板のそれにも係わらず、3枚のシリサイド小型燃料板には機械的破損が生じなかった。PCSTからのクエンチ速度が比較的ゆっくりであったことと、クエンチによる温度降下幅(T)が小さかったことにより、燃料板に貫通割れを起こすような局所応力が発生せず、このために破損を免れることができたと思われる。
更田 豊志; 森 行秀*; 笹島 栄夫; 石島 清見; 藤城 俊夫
NEA/CSNI/R(95)22, 0, p.59 - 85, 1995/00
高燃焼度PWR燃料を対象とした実験を中心に、NSRRにおいてこれまでに実施した照射済PWR燃料実験の結果を報告する。燃焼度42MWd/kgUまでの範囲においては、現行の反応度事故指針における照射済燃料の破損目安値(85cal/g・fuel)に安全裕度のあることが示されたのに対し、燃焼度50MWd/kgUの高燃焼度PWR燃料実験では、これを下回る約60cal/g・fuelで被覆管に有効発熱部全体に亘る大きな縦割れを生じ、高燃焼度範囲における破損しきい値の低下を示す結果となった。また、ピーク燃料エンタルピ37~74cal/g・fuelの範囲において18~23%に及ぶ高いFPガス放出率が測定されたのに加え、被覆管の破損を生じた実験では燃料ペレットの著しい微粒子化が観察された。燃料ペレット粒界に保持されたFPガスの急激な膨張が、粒界の分離、更にはFPガスの放出、ペレットの微粒子化に寄与しているものと考えられる。
中村 武彦; 吉永 真希夫; 傍島 眞; 石島 清見; 藤城 俊夫
Nuclear Technology, 108, p.45 - 60, 1994/10
被引用回数:14 パーセンタイル:75.28(Nuclear Science & Technology)反応度事故(RIA:Reactivity Initiated Accident)における照射済BWR燃料棒の挙動の研究を日本原子力研究所NSRRで実施した。燃焼度26GWd/tUの77型商用BWR棒から短尺の実験燃料棒を製作し、BWRの冷温起動時の反応度事故を模擬した条件で、NSRRによるパルス照射を行った。実験燃料棒にはパルス照射により、燃料ピークエンタルピ230J/g・fuel(55cal/g・fuel)から410J/g・fuel(98cal/g・fuel)を与え、パルス照射時の燃料挙動を測定した。照射済実験燃料棒はペレット-被覆管機械的相互作用(PCMI:Pellet Cladding Mechanical Interaction)による被覆管の過渡変形が大きく、核分裂(FP:Fission Product)ガスが追加放出される照射済燃料棒特有の挙動を示した。しかし、実験燃料は上記の過出力条件の範囲では破損することは無かった。
更田 豊志; 笹島 栄夫; 森 行秀*; 本間 功三*; 丹澤 貞光; 石島 清見; 藤城 俊夫; 小林 晋昇; 菊池 輝男; 酒井 陽之
JAERI-Research 94-006, 96 Pages, 1994/07
本報告書は、反応度事故条件を模擬したNSRRにおけるパルス照射を実施した照射済燃料実験JM-3の実験方法、前照射条件、前照射後の燃料検査結果、パルス照射時の条件及び過渡記録、並びにパルス照射後の燃料検査結果などの実験データを整理し、考察及び解析を加えたものである。パルス照射に先立って試験燃料に対する前照射をJMTRにおいて実施し、燃料燃焼度は19.6MWd/kgUに達し、平均線出力は25.3kW/mであった。NSRRにおける試験燃料のパルス照射は大気圧・室温の静止冷却条件下で行い、発熱量1746cal/g・fuelで燃料エンタルピは最高1305cal/g・fuelに達した。被覆管表面温度の上昇は最高150Cにとどまり、燃料棒にわずかな変形を生じたものの、破損には至らなかった。パルス照射中の燃料棒プレナム部へのFPガス放出率は約2.2%と評価された。
柳澤 和章; 片西 昌司; 藤城 俊夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(7), p.671 - 676, 1994/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)出力過渡実験(燃料棒出力を4kW/mから32kW/mまで3kW/msで急昇)を実施し、以下の知見を得た。長手方向の燃料棒伸び歪みで評価したペレット-被覆管の力学的相互作用(PCMI)は、ベース照射済PWR燃料で0.07%であり、未照射PWR燃料で0.08%であった。観察された歪みの大きさは、スウェーデンのTRANS RAMPII実験での破損燃料の歪みと同程度であった。それにも拘らず本実験で燃料破損が生じなかった主たる理由は、線出力密度の増加途中から著しくなった緩和によるPCMIの急激な低下が原因であったと判断される。PWR燃料棒に発生したPCMIが、出力保持中ではなく過渡出力増加中に緩和によって減少する現象は本実験を通じて初めてみつけられた事象であり、燃料破損防止対策上極めて有用なものである。
早田 邦久; 久木田 豊; 藤城 俊夫; 杉本 純; 山野 憲洋
Int. Conf. on New Trends in Nuclear System Thermohydraulics,Proc,Vol. II, 0, p.3 - 8, 1994/00
シビアアクシデントに関する研究は、主として1979年のTMI-2事故を契機として開始され、さらに1986年のチェルノブイル事故により加速された。この15年間の研究により、シビアアクシデントに関する現象論の理解はより進み、また解析的手法の開発・改良も進展した。シビアアクシデントに関する知見や経験を規制、確率論的安全評価、アクシデントマネジメント方針の検討、及び将来型原子炉の開発に適用する試みがなされている。本論文では、シビアアクシデント研究の動向について記述している。
更田 豊志; 藤城 俊夫
Nucl. Eng. Des., 146, p.181 - 194, 1994/00
被引用回数:9 パーセンタイル:63.31(Nuclear Science & Technology)苛酷な反応度事故条件下では、溶融した燃料が被覆管の破損口から冷却材中に噴出して、水蒸気爆発などの燃料/冷却材相互作用を生じ、圧力波並びに冷却材の吹き上げによる水塊の衝突などの破壊力が発生する。このとき、燃料棒の初期内圧は、溶融燃料の噴出速度、即ち溶融燃料と冷却材の粗混合条件に影響を及ぼし、発生破壊力を左右する。そこで、燃料棒初期内圧を変化させてNSRR実験を実施し、発生圧力及び機械的エネルギに及ぼす影響を明らかにした。高加圧燃料棒の場合には、極めて高い圧力の発生が燃料棒破損直後に記録された。また、燃料棒破損直後の破壊力発生に加えて、二次的な激しい燃料/冷却材相互作用が遅れて生じる可能性のあることが示された。また、微粒子化した燃料の粒子径分布について検討を加え、Rosin-Rammler分布関数を用いて粒子の比表面積を求め、微粒子化の程度と発生破壊力との関係を定量的に明らかにした。
市川 逵生; 鴻坂 厚夫; 藤城 俊夫
Proc. of the 9th Pacific Basin Nuclear Conf., Vol. 2, 0, p.583 - 588, 1994/00
日本における軽水炉安全研究は原子力研究の重要な研究分野の一つであり国の定める年次計画に基づき進められている。現在の主要な研究分野は、通常運転時及び事故時の燃料挙動研究、経年変化研究を含む構造健全性研究、事故時の熱水力研究、シビアアクシデント研究、確率的安全評価研究、人的因子研究等である。これら軽水炉安全研究における主要研究分野の現状を紹介する。
藤城 俊夫; 柳澤 和章
核燃料工学; 現状と展望, p.169 - 178, 1993/11
日本原子力学会「極限燃料技術」研究専門委員会は、平成元年度から4年度までの調査研究活動を「核燃料工学-現状と展望-」にとりまとめた。この報告書中の第3.5節は「事故時の燃料ふるまい」であり、その内容は、3.5.1「はじめに」、3.5.2「反応度事故(RIA)時の燃料ふるまい」、3.5.3「出力・冷却不整合(PCM)時の燃料ふるまい」等よりなっており、これら節は筆者らが共著でとりまとめた。この節に於ては、代表的な事故のRIA,PCMについてその形態・メカニズムが主として実験的知見にもとづいて平易に述べられている。
中村 武彦; 吉永 真希夫; 傍島 眞; 藤城 俊夫; 小林 晋昇; 山原 武; 助川 友英; 菊池 輝男
JAERI-M 93-183, 115 Pages, 1993/09
本報告書は、1990年9月に実施した照射済BWR燃料を用いた3回目の反応度事故模擬実験であるTS-3について実験データをまとめたものである。TS-3実験に使用した試験燃料は初期濃縮度2.79%であり、敦賀1号炉で照射されたBWR77型燃料棒を短尺化したものである。短尺化に供した実用燃料のバンドル平均燃焼度は21.3GWd/tUであった。NSRRにおける照射実験は、大気圧・室温の静止水冷却条件下で行い、発熱量は944cal/g・fuel(ピークエンタルピ884cal/g・fuel)を与えた。その結果燃料破損は生じなかった。実験条件、実験方法、パルス照射時の燃料の過渡挙動及び照射後検査の結果をまとめて示した。
柳澤 和章; 藤城 俊夫; 堀木 欧一郎; 曽山 和彦; 市川 博喜; 古平 恒夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(8), p.741 - 751, 1993/08
被引用回数:4 パーセンタイル:44.86(Nuclear Science & Technology)研究炉用燃料の低濃縮化が推進されているが、安全性研究の観点から、燃料板の過渡ふるまい-特に燃料しきい値と破損モードに関する研究を、安全性試験研究炉(NSRR)を用いて実施した。未照射シリサイド小型燃料板に対して、低発熱量(低温)から徐々に発熱量を増加して行く方式で、燃料板の破損発熱量を同定し、それが82~94cal/s・fuelの間にある事を見い出した。この発熱量領域に於ける燃料板表面最高温度は400C以下である。燃料板の破損は、板の長手方向にほぼ直角に微細割れが伝播するモードで生じている。粒界割れであり、燃料板表面から芯材に向って割れは走っている。この割れ発生の駆動力は、核沸騰離脱(DNB)を生じて高温化した燃料板が急冷される際に生じる温度差によるものであり、いわゆる「焼き割れ」の形態で燃料板は破損すると思われる。熱応力計算結果もこの推定が妥当である事を示唆している。
丹澤 貞光; 小林 晋昇; 藤城 俊夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(4), p.281 - 290, 1993/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)軽水炉の運転状態を模擬した高温高圧の冷却材条件下で、反応度事故(RIA)時のPWR型燃料棒の過渡挙動を調べる実験を実施した。実験では試験燃料棒を原子炉安全性研究炉(NSRR)でパルス照射することにより、反応度事故時の過渡出力の発生を模擬して行なった。試験の結果、高い外圧の下で被覆管のつぶれが発生したが、基本的な初期燃料破損のメカニズム及びしきい値となるエンタルピは、大気圧、室温及び静水条件における試験で得られた値と同一であることが明らかになった。
中村 武彦; 吉永 真希夫; 傍島 眞; 藤城 俊夫; 小林 晋昇; 山原 武; 助川 友英; 菊池 輝男
JAERI-M 93-006, 101 Pages, 1993/02
本報告書は、1990年2月に実施した照射済BWR燃料を用いた2回目の反応度事故模擬実験であるTS-2について実験データをまとめたものである。TS-2実験に使用した試験燃料は初期濃縮度2.79%であり、敦賀1号炉で照射されたBWR77型燃料棒を短尺化したものである。短尺化に供した実用燃料のバンドル平均燃焼度は21.3Gwd/tであった。NSRRにおける照射実験は、大気圧、室温の静止水冷却条件下で行い、発熱量は725cal/g・fuel(ピークエンタルピ665cal/g・fuel)を与えた。その結果燃料破損は生じなかった。実験条件、実験方法、パルス照射時の燃料の過渡挙動及び照射後検査の結果をまとめて示した。