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藤原 亜佐子; 星 亜紀子; 亀尾 裕; 中島 幹雄
Journal of Chromatography A, 1216(18), p.4125 - 4127, 2009/03
被引用回数:10 パーセンタイル:31.87(Biochemical Research Methods)UTEVAレジンにより110mol/dmのThとさまざまな濃度のHFを含む硝酸溶液(15mol/dm)からThを回収するとき、Th回収率のHF濃度依存性を調べた。Th回収率はHF濃度の増加とともに減少した。ほぼ100%の回収率が得られる最大のHF濃度は、1mol/dm硝酸では約10mol/dm, 3mol/dm硝酸では約10mol/dm, 5mol/dmでは約10mol/dmであった。0.1mol/dmのHFを含む溶液に硝酸アルミニウム(0.2mol/dm)又は硝酸鉄(0.6mol/dm)をFのマスキング剤として添加するとTh回収率は1.40.3%から955%又は933%に改善された。UTEVAレジンによるThの効果的な抽出は、試料溶液中のHF濃度に応じて硝酸濃度を選択することや硝酸アルミニウムのようなマスキング剤を添加することにより達成できる。
星 亜紀子; 渡辺 幸一; 藤原 亜佐子; 原賀 智子; 亀尾 裕; 中島 幹雄; 武部 愼一
日本原子力学会和文論文誌, 7(3), p.177 - 185, 2008/09
低レベル放射性廃棄物に含まれるアルファ線放出核種の分析法の簡易・迅速化を目的に、抽出クロマトグラフィーによるU, Np, Pu, Am、及びCmの分離手法の検討を行った。U, Puの分離にはUTEVAレジンを、Npの分離にはTEVAレジンを、Am, Cmの分離にはTRUレジンを用いた。スキームの検討においては、分離操作がルーチン化されることを考慮し、腐食性低減のため、希硝酸をベースとした溶液でスキームを構築することを試みた。模擬廃棄物を用いた分離試験において、回収率は6797%と良好であり、分離の所要時間は2時間程度であった。本検討による分離スキームを実濃縮廃液に適用したところ、良好な回収率と除染係数が得られ、実用分析法として使用できる見通しを得た。
柴田 薫; 高橋 伸明; 中川 洋; 藤原 悟; 片岡 幹雄; 佐藤 卓*; 川北 至信*; 筑紫 格*
日本結晶学会誌, 50(1), p.46 - 50, 2008/02
J-PARCの物質生命科学実験施設(MLF)に建設が計画されている逆転配置型結晶アナライザー分光器DNAの装置デザインについて述べる。この分光器はおもに、たった数mg程度の生体分子試料の高分解能の非弾性散乱スペクトルを十分に広いエネルギーかつQ範囲において測定することを狙った実験装置である。
亀尾 裕; 片山 淳; 藤原 亜佐子; 原賀 智子; 中島 幹雄
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 274(1), p.71 - 78, 2007/10
被引用回数:21 パーセンタイル:78.28(Chemistry, Analytical)放射性廃棄物に含まれるSr及びSrを迅速に定量するため、ディスク状の固相抽出剤と線スペクトロメトリを組合せた分析法を開発した。種々の割合でSr, Sr及びYを吸着させたディスクを作製し、線スペクトロメトリにより定量したところ、Sr/Srの比が0.3から45の範囲であれば、30%以下の不確かさ(2)で定量可能であった。原子力機構から発生した放射性廃液に対して本迅速分析法を適用した結果、その定量値は従来法により得られた値とよく一致した。
藤原 亜佐子; 亀尾 裕; 片山 淳; 中島 幹雄
日本原子力学会和文論文誌, 6(1), p.58 - 64, 2007/03
コンクリート中のクリアランスレベルのトリチウムを測定する方法として水浸漬法の適用を検討した。塊状コンクリートにトリチウムを含浸させて模擬試料を作製し、これを水に浸漬したときのトリチウム浸出率を時間の関数として求めた。浸出率は浸漬初期に急激に増加し、10日後では増加が緩やかとなり、30日では953%で一定となった。研究用原子炉Japan Research Reactor No.3の改造に伴い発生した実廃棄物試料においても、浸出率の経時変化は模擬試料と同様であり、水浸漬から求めたトリチウム濃度は、加熱法により求めたものとよく一致した。水浸漬法はコンクリート中のクリアランスレベルのトリチウム分析に適用できると考える。
中田 隼矢; 谷川 博康; 芝 清之; 駒崎 慎一*; 藤原 幹夫*; 幸野 豊*; 香山 晃*
日本金属学会誌, 71(2), p.239 - 243, 2007/02
被引用回数:4 パーセンタイル:33.15(Metallurgy & Metallurgical Engineering)本研究では、靱性の改善などを目的に製作されたF82H mod3について、靱性改善などの処理がクリープ強度へ及ぼす影響について検討を行った。F82H mod3のクリープ試験を行った結果、F82H IEA-heatと比べ、高応力短時間側の試験結果では著しい強度低下が認められた。これは、低放射化と高純度化の観点から窒素量を減じた(mod3:0.0014%, IEA-heat:0.0060%)ことが要因として考えられる。一方で、負荷応力を下げると破断時間が大幅に長時間側にシフトする傾向が確認された。この結果より、長時間側では両鋼の強度差はほとんどなくなるものと考えられる。両鋼の析出物を抽出残差法によって解析した結果、IEA-heatでは高温域の試験後に析出物が減少しているものの、mod3では析出物の量はほとんど変わらなかったことが確認された。これら、析出物とクリープ特性の関係について検討を行った。
藤原 亜佐子; 亀尾 裕; 星 亜紀子; 原賀 智子; 中島 幹雄
Journal of Chromatography A, 1140(1-2), p.163 - 167, 2007/01
被引用回数:23 パーセンタイル:55.93(Biochemical Research Methods)UTEVA樹脂を用いる抽出クロマトグラフィを多元素を含む対照試料と模擬廃棄物の溶融固化体を溶解して作製した試料に含まれるThとUの分離に適用した。硝酸濃度1Mから5Mの対照試料中のThとUは、UTEVA樹脂に抽出され、0.1Mの硝酸と0.05Mのシュウ酸を含む溶液によって回収され、結果としてほかの金属元素から分離された。溶融固化体の試料中のウランは対照試料と同様の溶離挙動を示した。一方、トリウムは硝酸濃度5Mの試料からは抽出されたが、硝酸濃度1Mの試料からは抽出されなかった。フッ化物イオンがThの抽出を妨害していると考え、Thよりもフッ化物イオンとの安定度定数が大きいAlやFeの硝酸塩を添加したところ、硝酸濃度1Mの試料からもThが抽出された。
亀尾 裕; 藤原 亜佐子; 渡辺 幸一; 河野 信昭; 中島 幹雄
日本原子力学会和文論文誌, 4(3), p.187 - 193, 2005/09
化学分離を行わず簡易に線放出核種を定量するため、ホウ砂球反応を用いた均一な無限厚試料の作製と線スペクトロメトリーによる測定手法について検討した。線放出核種とホウ砂あるいは鉛ガラスを混合した後、電気炉で溶融することにより、ガラス状の均一な測定試料を調製することができた。放射性希ガスの娘核種を生成するThとホウ砂を溶融して作製したガラス試料を測定した結果、Rnとその娘核種に起因する検出器の汚染はほとんど起こらないことがわかった。Thを含む試料の測定から得られた線スペクトルとホウ砂の化学組成から求めた阻止能を用いて、ほぼ放射平衡にあるTh系列の線放出核種を定量することが可能であった。さらに使用済燃料溶解液から採取した試料溶液とホウ砂から作製したガラス試料について、本測定法により定量されたCm, Pu+Am及び全放射能濃度は、精密分析により求められた値とよく一致した。
藤原 亜佐子; 亀尾 裕; 原賀 智子; 中島 幹雄
no journal, ,
固体状の放射性廃棄物をプラズマ溶融して作成した溶融固化体に含まれるAmの分析方法として、ピリジン樹脂を用いてAmをCmから分離し、AmのフラクションにおいてAmから新たに生成するCmの線を測定してAmを見積もる方法と、TRU樹脂とTEVA樹脂を用いてAm+Cmを他元素から分離し、ピコベータによりAmの線を測定する方法を検討した。
藤原 亜佐子; 亀尾 裕; 中島 幹雄
no journal, ,
低レベル放射性廃棄物を模擬して溶融固化体を作製し、それを酸分解した溶解液を用いてUTEVAレジンによるThとUの分離試験を行った。また、NpとPu, Amの溶出挙動もおさえた。カラムシステムでは流速をコントロールできず、まれに流速が低下したため、UTEVAレジンカートリッジと送液ポンプを用いて流速を100ml/hにコントロールして分離試験を行ったところ、ThとUは溶融固化体主成分から分離されることを確認した。
藤原 亜佐子; 亀尾 裕; 中島 幹雄
no journal, ,
低レベル放射性廃棄物の溶融固化体に含まれるThの分析は、溶融固化体をHFなどにより酸分解した後、溶解液をUTEVAレジンに通液してThを他元素から分離し、ICP-MSにより定量して行う。このとき、酸分解に用いたHF由来のFの残留により、ThがUTEVAに抽出されない場合がある。この場合、試料溶液の硝酸濃度を高くすることやAlあるいはFeを添加してFをマスクすることによりTh抽出の低減を抑え、Th回収率を向上させることができることがわかっている。そこで、本報ではTh回収率のF濃度依存性と硝酸濃度の効果やAl又はFeによるFのマスキング効果について詳細に検討し、最適な試料調整条件やThの分離条件を決定した。
増井 友美; 藤原 悟; 中川 洋; 片岡 幹雄
no journal, ,
一般に生物は水を失うと死に至るが、ある種の生物は乾燥条件下でも生命機能を保持し水に戻すことで蘇生する。この生物における耐乾燥性には、糖の一種であるトレハロースが重要だと考えられている。本研究では、細胞の内外を分け隔て物質の選択的透過に重要な役割を果たしている生体膜に着目し、トレハロースが生体膜に対してどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とした。そして、水が大過剰に存在する溶液条件下でトレハロースが脂質膜の静的及び動的構造へ及ぼす影響を小・広角X線散乱実験と中性子スピンエコー法によって調べた。その結果、トレハロースの添加が膜の積層構造を乱し、膜のやわらかさを増すことを明らかにしたのでその結果を報告する。
増井 友美; 藤原 悟; 中川 洋; 片岡 幹雄
no journal, ,
トレハロースは生物乾燥耐性に重要な役割を果たしている。その重要な役割の一つに脂質を液晶相に保つことがある。従来研究は熱分析法を手法とし、トレハロースが乾燥状態での脂質のゲル・液晶相転移温度を下げることを明らかにし、トレハロースによる脂質膜の保護作用を明らかにしてきた。しかしながら熱分析法では試料調製法により脂質のゲル・液晶相転移温度が異なることが報告され、トレハロースがいかに脂質のゲル・液晶相転移温度を下げるのかは明らかにされていない。そこで、本研究では乾燥前の水が過剰に存在する溶液条件下で、小・広角X線散乱法を用いることによりトレハロースが脂質膜の構造に及ぼす影響を調べるとともに、中性子スピンエコー法を用いることでトレハロースが脂質膜のダイナミクスに及ぼす影響について調べることを目的とした。中性子スピンエコー法の結果、水溶液中でゲル相にある脂質膜はトレハロースの添加によって膜の曲げ弾性率が小さくなり、トレハロースの添加が温度上昇による効果と同一であることを明らかにした。
増井 友美; 藤原 悟; 遠藤 仁; 中川 洋; 片岡 幹雄
no journal, ,
水は生命機能に不可欠であり生物は乾燥状態になると死に至る。一方、乾燥耐性生物は乾燥条件下で生命機能を保持し水に戻すことで蘇生する。乾燥耐性生物は乾燥条件で体内に多量のトレハロースを蓄積することが特徴としトレハロースと乾燥耐性との関係を示唆する。本研究では、トレハロースが生体膜に及ぼす影響を調べるために生体膜の主要構成成分であるジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC)を用い、トレハロースが脂質膜の構造と揺らぎに与える影響を広角X線散乱法と中性子スピンエコー法を用いて調べた。広角X線散乱測定を行った結果、脂質膜内のDPPC分子のアルキル鎖間の距離を反映する回折ピークは、トレハロース濃度の増大によっても変化しないことがわかった。これは、脂質二分子膜内での脂質分子の配列秩序に変化がないことを意味する。一方、中性子スピンエコー法を用いて脂質膜の曲げ弾性率の変化を調べた結果、トレハロース添加によって膜の曲げ弾性率は低下し、膜の柔軟性を向上することが明らかとなった。糖を添加した脂質膜では脂質のゲル・液晶相転移温度が低下することから、転移温度の低下と膜の柔軟性の向上がお互いに関係すると考えられる。