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報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究,2(共同研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2018-006, 57 Pages, 2018/10

JAEA-Research-2018-006.pdf:2.99MB

坑道周辺の岩盤は、長期的にはクリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握・評価できる技術の構築が地層処分の技術的信頼性向上のための課題の一つとなっている。上記を踏まえ、岩盤の長期挙動を把握・評価できる技術の確立に資するため、年単位を超えるような岩石の長期クリープ試験や、高レベル放射性廃棄物の地層処分において想定される常温から100$$^{circ}$$C程度の高温条件下での岩石の長期挙動を把握するための技術の開発等を実施し、想定される様々な条件下での岩石の長期挙動現象の特徴やその程度に関する実験的評価を行うことを目的とした研究を、共同研究として2016年度から開始した。2017年度は、田下凝灰岩のクリープ試験のこれまでの経緯をまとめるとともに、長期と短期のクリープ試験結果を比較し凝灰岩のクリープの現象論や機構について考察した。また、種々の含水状態のもとで、載荷速度と水飽和度が岩石の強度に与える影響について検討するとともに、圧縮応力下での岩石の変形・破壊および時間依存性挙動を再現できるコンプライアンス可変型モデルを一軸引張応力下へ適用するために改良した。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究(共同研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2017-010, 61 Pages, 2017/11

JAEA-Research-2017-010.pdf:16.86MB

原子力機構は、岩盤の長期挙動を把握・評価できる技術の確立に資するため、年単位を超えるような岩石の長期クリープ試験や、高レベル放射性廃棄物の地層処分において想定される常温から100$$^{circ}$$C程度の高温条件下での岩石の長期挙動を把握するための技術の開発等を実施し、想定される様々な条件下での岩石の長期挙動現象の特徴やその程度に関する実験的評価を行うことを目的とした研究を、共同研究として2016年度から開始した。2016年度は、既往の研究成果を踏まえ、20年程度継続して実施している田下凝灰岩のクリープ試験を引き続きおこなった。また、速度過程論や確率過程論にもとづく理論を水の影響を扱えるように修正し、気乾状態と湿潤状態における強度試験とクリープ試験の結果をもとに、修正した理論の妥当性を検証した。さらに、種々の含水状態のもとで一軸圧縮試験を行い、応力-歪曲線におよぼす含水状態の影響について検討した。

論文

Mechanical and rheological characteristics of the siliceous mudstone at the Horonobe Underground Research Laboratory site

羽柴 公博*; 福井 勝則*; 杉田 裕; 青柳 和平

Proceedings of ITA-AITES World Tunnel Congress 2017 (WTC 2017) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2017/06

珪藻質泥岩や珪質泥岩の岩盤の地下に構造物を建設するあるいはその長期安定性を評価するためには、これらの岩石の力学および粘性特性を理解することが重要である。本研究では、珪質泥岩である稚内層の岩石を対象にさまざまな試験(圧縮試験, クリープ試験, 応力緩和試験, 乾燥収縮試験, スレーキング試験)を行った。試験の結果から、本岩石の力学および粘性特性に対して水分が大きな影響を与えることが分かった。加えて、幌延の地下研の現場での水分計測結果との比較から、坑道の力学的安定性の考察を行った。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究; 2015年度(委託研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 松井 裕哉; 桑原 和道; 尾崎 裕介

JAEA-Research 2016-014, 52 Pages, 2016/09

JAEA-Research-2016-014.pdf:7.19MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分坑道の力学的安定性は、建設・操業時はもとより閉鎖後も千年程度にわたって要求される。一方、処分坑道をとりまく岩石や岩盤は、クリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握することは処分坑道の安定性評価における課題となっている。この課題解決のため、調査研究開発を進めてきた。本年度は、田下凝灰岩のクリープ試験装置を、再度、移設した。試験は中断することなく、試験期間は18年を越えた。また、これまでに実施した土岐花崗岩の試験結果と、拡張したコンプライアンス可変型構成方程式による計算結果を比較しながら、種々の時間依存性挙動の関係性について定量的に検討した。さらに、湿潤状態かつ常温$$sim$$100$$^{circ}$$C程度での、岩石の変形・破壊特性および時間依存性を調べるための試験方法について検討した。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究; 2014年度(委託研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 佐藤 稔紀; 桑原 和道; 高山 裕介

JAEA-Research 2015-015, 61 Pages, 2015/11

JAEA-Research-2015-015.pdf:5.52MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分坑道の力学的安定性は、建設・操業時はもとより閉鎖後も千年程度にわたって要求される。一方、処分坑道をとりまく岩石や岩盤は、クリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握することは処分坑道の安定性評価における課題となっている。この課題を受け、調査研究開発を進めてきた。試験は中断することなく、試験期間は17年を越えた。また、湿潤状態かつ常温から100$$^{circ}$$C程度での、岩石の変形・破壊特性および時間依存性を調べるための試験方法について検討した。さらに、室内試験結果と地圧測定結果を用いて、三軸応力下での岩石の長期強度について検討した。

論文

稚内層珪質泥岩の力学特性

羽柴 公博*; 福井 勝則*; 杉田 裕; 真田 昌慶*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 21(2), p.75 - 82, 2014/12

珪藻土や、それが変成作用により岩石化した珪質岩は、北海道から秋田県、能登半島、隠岐諸島へかけて日本海側に広く分布しており、珪質岩の岩盤中に構造物を建設する際には、その力学特性を把握しておく必要がある。本研究では、北海道天塩郡幌延町の地下深部に分布する珪質岩である稚内層珪質泥岩を用いて、一軸圧縮試験、圧裂引張試験、乾燥収縮試験、時間依存性挙動と強度回復特性を調べる試験を行った。その結果、変形・破壊特性におよぼす水分の影響が大きく、試験室の標準的な環境下で乾燥させるだけで、最大で0.9%程度の軸方向の収縮歪が生じ、強度が2倍程度になることがわかった。時間依存性挙動と強度回復特性に関しては、岩石としては標準的な特性を持っていることがわかった。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究; 2013年度(委託研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 佐藤 稔紀; 真田 祐幸; 桑原 和道

JAEA-Research 2014-020, 50 Pages, 2014/11

JAEA-Research-2014-020.pdf:2.8MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分時においては、長期にわたる坑道の安定性の評価が要求される。このため、岩石や岩盤の時間依存性挙動を把握することは、坑道の長期安定性を評価する上で重要な課題である。そこで、岩石や岩盤の時間依存性挙動を、精密な試験や観察・計測から直接的に検討する手法(現象論的方法)で解明し、岩盤構造物の長期挙動予測評価手法を開発する研究を行ってきた。本報告書は、2013年度に実施した岩石や岩盤の時間依存性挙動に関する研究をまとめたものである。第1章では、研究内容とその背景を概括した。第2章では、1997年度から16年間継続している田下凝灰岩のクリープ試験結果について報告した。第3章では、結晶質岩の時間依存性挙動把握のためのデータの整理と分析結果について報告し、このデータの利用方法の一つの例として、時間依存性を考慮した岩盤分類について考察した。第4章では原位置試験計画の策定のため、原位置岩盤の数値解析手法の向上に関する検討を行った。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究; 2012年度(委託研究)

福井 勝則*; 羽柴 公博*; 丹野 剛男; 引間 亮一; 真田 祐幸; 佐藤 稔紀

JAEA-Research 2013-031, 52 Pages, 2013/12

JAEA-Research-2013-031.pdf:4.06MB

長期に渡る岩石や岩盤の時間依存性挙動を把握することは、坑道の長期安定性を評価するうえで重要な課題である。そこで、岩石や岩盤の時間依存性挙動を、精密な試験や観察・計測から直接的に検討する手法(現象論的方法)で解明し、岩盤構造物の長期挙動予測評価手法を開発する研究を行ってきた。本報告書は、2012年度に実施した岩石や岩盤の時間依存性挙動に関する研究をまとめたものである。第1章では、これまでの研究内容とその背景を概括した。第2章では、1997年度から継続している田下凝灰岩のクリープ試験結果について報告した。第3章では、岩石の時間依存性挙動把握のため、載荷速度依存性に関するデータの整理と分析を行った。第4章では、原位置試験計画の策定のため、空洞の周辺岩盤に生じる応力が一本の円形坑道を掘削した際の周辺岩盤の応力状態よりも大きくなるような条件下での坑道の安定性について検討した。

論文

破砕した珪質泥岩の強度および遮水性の回復

杉田 裕; 真田 昌慶; 藤田 朝雄; 羽柴 公博*; 福井 勝則*; 大久保 誠介*

第13回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(CD-ROM), p.207 - 212, 2013/01

高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体を埋設した坑道の周囲に発生する掘削影響領域の特性が放射性核種の移行挙動評価のうえで重要となる。強度が小さい岩盤の場合、坑道を掘削することにより発生する掘削影響領域では岩盤の破壊も生じると考えられる。しかしながら、坑道閉鎖後の長期においては、破壊した岩盤に支保内圧と地圧の双方が作用することにより、破壊により低下した岩盤の物性が回復することが考えられる。本報告は、破壊により低下した岩盤の物性の回復を把握するために実施した室内試験の結果を示すものである。試験の結果、載荷した荷重の大きさ・時間に応じて、強度及び遮水性が回復することが明らかとなった。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価のための現象論的研究(委託研究)

大久保 誠介*; 福井 勝則*; 羽柴 公博*; 引間 亮一; 丹野 剛男; 真田 祐幸; 松井 裕哉; 佐藤 稔紀

JAEA-Research 2011-040, 54 Pages, 2012/02

JAEA-Research-2011-040.pdf:2.85MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分時においては、建設時及び操業時は言うまでもなく、坑道埋め戻し後も千年程度の長期に渡る坑道の安定性の評価が要求される。そこで、岩石や岩盤の時間依存性挙動を、精密な試験や観察・計測から直接的に検討する手法(現象論的方法)で解明し、岩盤構造物の長期挙動予測評価手法を開発する研究を行ってきた。本報告書は、2010年度に実施した研究をまとめたものである。第1章では、研究内容とその背景を概括した。第2章では、1997年度から継続している田下凝灰岩のクリープ試験結果について報告した。第3章では、岩石の時間依存性の程度を表すnの値の意味をより明確に示すため、強度の載荷速度依存性とクリープ寿命の応力依存性との関係及び時間依存性,強度とクリープ寿命の分布特性,寸法効果の相互関係について論じた。さらに、既往の研究事例をレビューして、土岐花崗岩の力学特性や時間依存性について、今後実施すべき試験について検討した。第4章では岩盤の破壊基準の設定に関する検討として、十分長い時間をかけて岩石を壊したときの強度(長期強度)及び、いつまで経っても破壊に至らない応力条件について検討した。第5章では、周圧下でのnの値の変化及び岩盤強度のばらつきを考慮した二次元有限要素解析により、土岐花崗岩の長期挙動に関する予察的検討を行った。最後に、数値解析結果にもとづいて原位置試験計画に関する所見を述べた。

論文

大深度立坑の時間依存性挙動及び破壊挙動の有限要素解析

羽柴 公博; 佐藤 稔紀

Journal of MMIJ, 124(3), p.205 - 212, 2008/03

本研究では、岩石の非線形粘弾性や破壊を表現できる構成方程式を用いて数値シミュレーションを行い、大深度立坑の時間依存性挙動や破壊挙動について検討した。その結果、時間依存性の程度が大きく破壊が延性的な岩盤では、半径方向変位がかなり大きくなっても、急激な破壊は生じにくいことがわかった。時間依存性の程度がより小さく、破壊がより脆性的な岩盤の場合は、坑壁近傍の岩盤が耐荷能力を失って急激な破壊が生じる可能性があることを指摘した。さらに、破壊モードを立坑最深部付近での破壊と立坑一般部での破壊に分け、破壊モードに及ぼす岩盤物性値や応力条件の影響を明らかにした。また、一般的な応力条件下では、破壊直前まで鉛直方向変位は半径方向変位に比べてかなり小さいことがわかった。しかし、鉛直方向応力が破壊挙動に及ぼす影響は比較的大きく、特に破壊が延性的な岩盤では、鉛直方向応力を考慮するかしないかで破壊までの時間が大きく変化することを示した。

論文

岩石の時間依存性挙動と周圧の影響に関する最近の研究

羽柴 公博

Journal of MMIJ, 123(1), p.10 - 16, 2007/01

地下の岩盤は三軸圧縮応力状態であり、地下構造物の長期的な挙動を評価するためには、岩石の周圧下での時間依存性挙動を調べることが重要であることは言うまでもない。例えば、高レベル放射性廃棄物地層処分施設は地下数百m以深に建設される予定であり、施設閉鎖後も数千年から数万年にわたる安定性が要求される。しかし、一軸圧縮応力下に比べると、周圧下での岩石の時間依存性挙動に関する研究は格段に少ないのが現状である。著者はこれまで、地下深部に設けられる構造物の長期安定性評価手法の確立を目指して、周圧下での岩石の時間依存性挙動に関する研究を行ってきた。そこで、研究を遂行するにあたって調査したこの分野の現状と課題を、レビュー論文としてまとめた。本報では、まず、比較的強固な岩石を対象とした、最近の実験的研究及び理論的研究の成果について述べた。その際、岩石の時間依存性挙動に及ぼす周圧の影響に着目した。次いで、周圧下での岩石の時間依存性挙動を調べるための実験装置と、実務に適した実験方法を紹介した。さらに、この分野の今後の課題については各章で取り上げた。

口頭

岩石のクリープ挙動に及ぼす応力履歴の影響

羽柴 公博; 松井 裕哉; 佐藤 稔紀; 瀬野 康弘

no journal, , 

地下構造物の長期的な挙動と安定性を評価するには、岩石の時間依存性挙動の解明が重要である。しかし、岩石の時間依存性や粘弾性的性質に関する研究成果は数多く報告されているものの、時間依存性に及ぼす応力履歴の影響に関する知見は少ない。そこで本研究では、凝灰岩と珪質岩を用いて多段階クリープ試験を行った。第1段階と第2段階のクリープ応力や第1段階のクリープ継続時間を種々変化させて、クリープ挙動に及ぼす応力履歴の影響を検討した。その結果、第1段階のクリープの影響により、第2段階の初期クリープ歪速度が小さくなる場合があることがわかった。さらに、第1段階と第2段階のクリープ応力の差が小さく、第1段階のクリープ継続時間が長いほど、第2段階に及ぼす応力履歴の影響が大きくなることがわかった。凝灰岩と珪質岩の試験結果を比較したところ、珪質岩の方が、クリープ挙動に及ぼす応力履歴の影響の程度が大きいことがわかった。

口頭

東濃鉱山及び瑞浪超深地層研究所における立坑周辺岩盤の変位計測とその評価

羽柴 公博; 佐藤 稔紀; 中間 茂雄

no journal, , 

深度数100mを超える大深度地下空間開発において、立坑はアクセス坑道や換気施設として重要な役割を果たす。しかし、大深度立坑での原位置計測結果は少なく、得られた結果を施工管理に有効に利用する方法については、なお検討の余地が多い。そこで本研究では、瑞浪超深地層研究所と東濃鉱山の3本の立坑の堆積岩部での変位計測結果を紹介し、計測結果を施工管理に役立てる方法について検討した。その結果、計測断面が比較的均質な岩盤中に位置する場合、掘削によって生じる岩盤内部の変位から、初期応力を推定できる可能性があることを示した。

口頭

土岐花崗岩の力学的性質の分布特性

羽柴 公博; 中間 茂雄; 山田 淳夫; 佐藤 稔紀

no journal, , 

地下構造物を設計するためには、岩盤物性値の分布特性を把握することが重要である。しかし、き裂や断層を含む岩盤の物性値の取得には、多大な手間と時間がかかる。そのため、岩石コアの力学的性質の分布特性に関する研究は数多く行われてきているものの、原位置岩盤を対象とした研究結果は少ないのが現状である。本研究では、音波検層結果とコアの室内試験結果を用いて、土岐花崗岩のヤング率の分布特性を検討した。まず、土岐花崗岩の場合、き裂や断層を含んだ原位置岩盤のヤング率が、音波検層結果から推定できることを示した。土岐花崗岩では、割れ目の頻度にかかわらず、推定した原位置岩盤のヤング率はほぼワイブル分布に従うことがわかった。原位置岩盤のヤング率のばらつきは、下部割れ目低密度帯では比較的小さいものの、断層周辺ではかなり大きくなることを、ワイブル分布の均一性係数を用いて定量的に示した。

口頭

立坑掘削後約10年間の周辺岩盤の変形特性

羽柴 公博; 中間 茂雄; 佐藤 稔紀

no journal, , 

地下数百m以深に建設される高レベル放射性廃棄物の地層処分施設において、立坑はアクセス坑道や換気施設として重要な役割を果たす。また、建設・操業中のみならず、施設閉鎖後も長期間の安定性を評価する必要がある。しかし、長期間にわたる立坑周辺岩盤の変形挙動に関する知見は、ほとんど得られていないのが現状である。本研究では、過去に東濃鉱山で得られた約10年間の変位計測結果を整理・解析し、次のような知見を得た。まず、比較的均質な明世累層に位置する計測断面では、周辺岩盤の約10年間の最大主歪方向の変化はそれほど大きくなく、その方向がこの地域の最大主応力方向とほぼ一致することを明らかにした。不均質性の高い土岐夾炭累層に位置する計測断面では、坑壁から離れた岩盤内部でも、長期間にわたって変形が徐々に回復する現象がみられた。これを、岩盤の不均質性を考慮した力学モデルで定性的に説明した。さらに、不均質な岩盤内部の応力-歪状態は一様ではない可能性が高いため、長期間にわたって、応力と変位の両方を測定することが重要であることを指摘した。

口頭

2種類の堆積岩の多段階クリープ試験による長期クリープ挙動の予測

羽柴 公博; 松井 裕哉; 瀬野 康弘; 佐藤 稔紀

no journal, , 

岩盤内構造物の長期安定性を評価するためには、岩石の時間依存性挙動を把握することが重要である。本研究では、2種類の堆積岩を用いて、クリープ応力を段階的に増加させる多段階クリープ試験を行った。得られた結果を用いて、低応力レベルと高応力レベルにおけるクリープ挙動を比較した。その結果、低応力レベルから高応力レベルまでのクリープ挙動が、強度の載荷速度依存性を表すパラメータnにより統一的に説明できる可能性が示唆された。さらに、多段階クリープ試験結果から強度と長期クリープ寿命を推定した結果、推定した強度は、一軸圧縮強度試験結果とほぼ一致することがわかった。

口頭

土岐花崗岩の力学的性質の分布特性に関する研究

羽柴 公博

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物地層処分施設は、文献調査,概要調査,精密調査を経て選定されるが、本研究では、このうちの概要調査の高精度化を目指した。まず、地上からの調査で得られる音波検層結果とボーリングコアの室内試験結果を用いて、き裂や断層を含む原位置岩盤の力学特性の推定を試みた。さらに、数km離れたボーリング孔でのデータを比較検討し、広範囲に渡る岩盤物性値の分布特性を調べた。その結果、土岐花崗岩の場合、き裂や断層を含んだ原位置岩盤のヤング率の推定値がワイブル分布に従うことを明らかにした。

口頭

立坑周辺岩盤の時間依存性挙動に及ぼす軸方向初期地圧の影響

羽柴 公博; 佐藤 稔紀; 瀬野 康弘

no journal, , 

坑道の長期的な安定性評価において、従来から数値シミュレーションが用いられてきた。その場合、メッシュ作成や取り扱いが容易な、坑道掘進方向(軸方向)に垂直な二次元平面モデルが用いられることが多い。しかし、地下の岩盤は三軸応力状態であり、軸方向の応力が破壊条件を支配する最大主応力や最小主応力になる可能性がある。また、立坑においては、軸方向(鉛直方向)初期地圧や側圧係数が深度方向に変化するため、それに応じて変形・破壊モードも変化する可能性がある。本研究では、岩石の非線形粘弾性や破壊を表現できる力学モデルを用いて、立坑周辺岩盤の時間依存性挙動に及ぼす軸方向初期地圧の影響を検討した。その結果、時間依存性の程度が小さく、破壊が脆性的な岩石の場合は、軸方向初期地圧の影響は小さいことが確認された。一方、時間依存性の程度が大きく、破壊が延性的な岩石の場合、軸方向初期地圧が大きくなるほど、変形が急速に進み、破壊までの時間が顕著に短くなることがわかった。

口頭

東京大学と原子力機構の共同研究; 結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究

羽柴 公博*; 福井 勝則*; 松井 裕哉

no journal, , 

本ポスターは、情報意見交換会のため、東京大学との共同研究として実施している岩盤の長期挙動評価技術開発に関わる平成28年度分の成果を取りまとめたものである。

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