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本田 充紀; 金田 結依; 矢板 毅
AIP Advances (Internet), 13(1), p.015314_1 - 015314_6, 2023/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Nanoscience & Nanotechnology)粘土鉱物の一種である風化黒雲母に対するSrの収着効率について検討した。放射性廃棄物処理問題の一つである福島第一原子力発電所事故による汚染水処理において、SrとCsの除去は重要である。そこで、福島に多く存在する風化黒雲母を用いたSrイオンの吸着方法の開発に着目した。溶融塩処理を施し、塩化ストロンチウム(SrCl)の添加質量比が1:1, 1:5, 1:10とそれぞれ1倍,5倍,10倍と増加するにつれ、収着Sr量は単純に増加した。次に、風化黒雲母の結晶構造をX線回折(XRD)分析により評価した。その結果、WBはSrを吸着した後も元の結晶構造を保持していることを確認した。WB中のSrの局所的な吸着構造を調べるために、広域X線吸収微細構造(EXAFS)分析を実施した。その結果、Srが低吸着の場合はSiO層とAlO層に優先的に収着し、高吸着の場合はSiO層に主に収着することを明らかした。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08
被引用回数:9 パーセンタイル:69.8(Multidisciplinary Sciences)ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。
松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 金田 結依; Simonnet, M.; 関口 哲弘; 本田 充紀; 下条 晃司郎; 土井 玲祐; et al.
Science Advances (Internet), 8(20), p.eabn1991_1 - eabn1991_11, 2022/05
被引用回数:6 パーセンタイル:55.31(Multidisciplinary Sciences)fブロック元素は化学的性質が類似している。一方、それらの電子スペクトルではf電子準位間の光学遷移が明瞭に異なる。このf-f遷移波長での共鳴励起によって元素の酸化状態を制御することができれば、化学的な分離が難しいfブロック元素の精密分離技術が生まれる可能性がある。これまでに3つのランタノイド元素で共鳴多光子還元が観測されているが、アクチノイドでの共鳴多光子反応は報告例はなかった。本研究では硝酸水溶液においてアクチノイドの一つである三価アメリシウムの共鳴多光子電荷移動による光酸化を観測した。また、硝酸錯体が一次過程に寄与することが示唆された。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。
原賀 智子; 菱沼 行男*; 金田 結依*; 石森 健一郎; 高橋 邦明
no journal, ,
放射性廃棄物の処分に向けて、廃棄物試料中のアクチニド(Th, U, Np, Pu, Am, Cm)を簡易・迅速に分析する方法を開発することを目的として、キャピラリー電気泳動法の適用性を検討している。本検討では、試料分取機能を付加したキャピラリー電気泳動装置を新規に整備し、アクチニドのうち、線放出核種であるCm-244と蛍光プローブを混合した試料溶液を調製して、試料分取試験を実施した。その結果、新たに付加した試料分取部のうち、分取用溶液の流速やキャピラリー内径を調整することにより、電気泳動が可能であることを示し、さらに、アクチニドに対して安定な錯体を形成する蛍光プローブを用いることにより、電気泳動中にアクチニドの泳動挙動をモニタしながら、試料成分を分取することに成功した。
天本 一平; 小林 秀和; 菖蒲 康夫; 長谷川 良雄*; 内海 和夫*; 竹下 健二*; 稲葉 優介*; 尾上 順*; 越坂 亜希子*; 金田 結依*
no journal, ,
これまで試作してきた無機多孔質体のうち、耐酸性は良好であるが、白金族元素(PGM)に対する収着作用に劣るSiO質多孔質体に、フェロシアン化物を含浸させた吸着剤を合成したところ、一部のPGMに対する収着効果が著しく向上したためSiO質多孔質体をフェロシアン化物担持用材料として利用できる可能性が高まった。
金田 結依*; 鈴木 伸一; 矢板 毅
no journal, ,
原子力発電所の事故によって放出された放射性セシウムは、土壌中の2:1型の粘土鉱物の層間に入り込むと強く固定され、従来のイオン交換法では除去することが困難であることが報告されている。そこで本研究では、2:1型粘土鉱物の黒雲母とイライトを対象とし、それらの層間へ水分子のネットワーク構造を構築するイオン(Structure-Making Ions : SMI)を挿入することで、層間を拡げて層構造を破壊せずに133Csを脱離させることを検討した。SMIを用いて長時間の撹拌試験を行った場合と、短時間の撹拌の都度新しいSMIに交換し、繰返し撹拌試験を行った場合では、後者の繰り返しSMIを用いた方がCs脱離率の若干の増加及び層間の顕著な拡張が確認された。このことから新しいSMI溶液を用いた撹拌を繰返し行うことで、粘土鉱物の層内に水和したイオンの侵入が促進されたと考えられる。一方、粘土鉱物からのSMIによるCs脱離率は5割程度に留まることが示された。この結果は、層構造が変化しても固定されたままCsが層間に存在することを示すものである。今後、Cs脱離率の更なる向上を目指した撹拌条件やSMI濃度依存性などを検討すると共に、SMIにより層構造を変化させても層間に存在するセシウムの状態分析等を実施する予定である。
本田 充紀; 金田 結依; 矢板 毅
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故(1F)事故により発生する汚染水について、多核種除去設備(ALPS)により処理されたALPS処理水内の残存核種を吸着する新たな手法開発に取り組んでいる。ALPS処理水に残存しうる核種(Cs, Sr, I, Ru, Co, Sb)はSr吸着が重要となるが効果的な吸着法は確立されていない。本研究では1F事故で発生したCs吸着土壌粘土鉱物を吸着材として利用するアイデアにより、溶融塩法を用いたSr吸着を実施しその吸着特性を検討した。その結果Cs吸着土壌粘土鉱物へSrを吸着させることに成功した。
金田 結依; 横山 啓一; 矢板 毅
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性Csは、土壌中の2:1型粘土鉱物(2m以下)などに選択的に収着することが知られている。特に、鉱物層間内部に侵入し特異吸着しているCsは、従来のイオン交換法では除染が非常に困難である。そこで本研究では福島県の土壌に多く含まれる2:1型層状鉱物である黒雲母とバーミキュライト化過程の黒雲母(以後風化黒雲母)を対象とし、水分子のネットワーク構造を構築・強化するイオン(Structure-Making Ions: SMI)を使用した繰り返し化学処理により、鉱物層間を拡げ、結果として層構造を破壊せずに、Csを脱離させることを検討した。黒雲母ではSMI溶液を用いた1時間の撹拌後、SMI溶液を新たなものと交換してさらに1時間撹拌する操作を計5回繰り返し行った。風化黒雲母ではさらに、超音波分散機を用いてSMI溶液による同様の繰り返し処理を行った。その結果、繰り返し処理により鉱物層内に水和したSMIが侵入し、鉱物層間の顕著な拡張が確認され、90%以上のCs脱離に成功した。
本田 充紀; 後藤 琢也*; 金田 結依; 矢板 毅
no journal, ,
福島環境回復に係る研究を推進している。解決すべき課題の1つに福島の除去土壌が挙げられるが、その除去土壌は路盤材などへの再生利用が検討されている。福島の土壌からセシウムを除去する技術を研究してきた中で、除去後の粘土鉱物に新たな機能(例えば熱電物性など)を付与することで、再生利用が加速できると考えた。土壌粘土鉱物はSi, Al, Feなどから構成されており、低環境負荷材料である。そこで、土壌粘土鉱物を溶融塩電解により還元処理し、その特性を検討した。熱拡散率測定の結果、溶融塩電解未処理の試料では温度依存性を示さなかったのに対し、-1.4Vの溶融塩電解処理試料では温度依存性を示し、熱電物性に有意な差を示した。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; et al.
no journal, ,
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; et al.
no journal, ,
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たず希ガスのラドンを生成するといった取り扱いの難しさから分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていなかった。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合的であり、さらに第一原理計算ではアナログ元素であるバリウムについても計算を実施し、両者の比較も行った。これらの結果を比較したところ、Raは粘土鉱物に対して内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。
本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*; 矢板 毅
no journal, ,
2011年に発生した震災,原子力発電所事故から10年が経過し、福島県内で発生した汚染土壌は除去土壌として中間貯蔵施設等で管理されている。我々は除去土壌からセシウムを除去する技術開発の中でセシウム除去後の結晶鉱物の機能性に着眼し熱電材料としての可能性を探索している。今回、土壌を溶融塩電解して得られた結晶鉱物に対する熱電物性評価(電気伝導率,熱拡散率,ゼーベック係数)および構造解析を実施したので報告する。
金田 結依; 小林 徹; 松村 大樹; 辻 卓也; 本田 充紀; 横山 啓一; 矢板 毅
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性セシウムは土壌中の2:1型粘土鉱物に収着し、特異吸着的にセシウムを強く捕捉するサイトにより脱離が非常に困難である。本研究では、福島県の土壌にも多く含まれる2:1型粘土鉱物である風化黒雲母を対象とし、ボールミルを用いた物理粉砕と簡単な化学処理を併用した、鉱物層構造の物理的破壊と化学抽出を同時進行させることによるセシウムの脱離を検討した。その結果、1mol/Lの塩化アンモニウム溶液でボールミル処理を行うことで、XRD測定とXAFS測定から粘土鉱物の層構造が破壊されたことを確認し、層間内部に収着したセシウムが効率よく脱離することが分かった。
本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*; 矢板 毅
no journal, ,
東日本大震災、福島第一原子力発電所事故から10年が経過し福島県内で発生した汚染土壌は除染され除去土壌として管理されている。我々は除去土壌に含まれ放射性Csが強く吸着することが知られている福島風化黒雲母の減容・再生利用へ向けた研究を推進している。本研究では、土壌粘土鉱物や溶融塩電解した土壌粘土鉱物の熱電材料としての素質を明らかにするために熱電物性(ゼーベック係数,導電率,熱拡散率)評価を実施したので報告する。
本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*; 矢板 毅
no journal, ,
2011年に発生した福島第一原子力発電所(1F)事故から12年が経過し、福島県内で発生した汚染土壌は除去土壌として管理されている。除去土壌からCsを除去する技術開発の過程で得た複数の結晶鉱物の機能性に着目し熱電変換材料としての可能性を検討している。本研究では、結晶鉱物についての熱電特性評価(電気伝導率,熱拡散率,ゼーベック係数)について報告する。
本田 充紀; 金田 結依; 早川 虹雪*; 村口 正和*; 飯野 千秋*; 小田 将人*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*; 矢板 毅
no journal, ,
本研究では、WBおよび溶融塩法の各条件を系統的に変えてできた多結晶鉱物に対し種々の熱電変換特性を調べるために、熱電3物性特性評価(OZMA-1-S1)を同一試料により実施した。マクロおよびミクロな構造は、種々のX線分析と第一原理計算により同定した。WBの電気伝導特性について、黒雲母系は通常室温では電気的絶縁体として知られているが、粉砕,分級,溶融塩処理後に焼結した結果、650-850Cの温度領域において1.49E-04 [V/K]オーダーの値を示し半導体程度の電気伝導特性であることが分かった。また同温度領域のゼーベック係数測定では、-2.0E+05 [V/K]と高い値を観測した。得られた結果から無次元性能指数を算出すると、=0.29が得られた。溶融塩処理した多結晶鉱物についての熱電特性評価結果については、同温度領域の電気伝導特性評価ではWBよりも高い電気伝導特性を得た。これらの結果から、WBを利用することで、650C以上の高温領域では有用な熱電変換特性を示すことを示唆された。
本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*
no journal, ,
本研究は、従来希少かつ有毒な元素から作られてきた熱電材料に代わる代替材料として、風化黒雲母(WB)の利用に焦点を当てたものである。WBを粉砕・分級した後、溶融塩法で熱処理することで、650度から850度の温度範囲においてSi半導体と同程度の伝導率を持つ結晶を得た。本研究では、高温域の伝導率、ゼーベック係数および熱拡散測定結果と比熱、比重から算出した熱伝導率から無次元評価指数ZTを算出した結果について報告する。