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大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
Sun, X. H.*; Wang, H.*; 大津 秀暁*; 櫻井 博儀*; Ahn, D. S.*; 合川 正幸*; 福田 直樹*; 磯部 忠昭*; 川上 駿介*; 小山 俊平*; et al.
Physical Review C, 101(6), p.064623_1 - 064623_12, 2020/06
被引用回数:5 パーセンタイル:51.79(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて逆運動学法を使用し、核子当たり168MeVの陽子, 重陽子, 炭素イオン入射によるXeのスポレーションおよびフラグメンテーション反応からの同位体生成断面積を測定した。炭素イオンの場合は全運動エネルギーが高くなるため、質量数の小さな同位体の生成断面積が大きくなった。また、今回新たに測定されたデータを以前により高い入射エネルギーで測定されたデータと比較することで、同位体生成断面積の入射エネルギー依存性を調査した。さらに、測定データをPHITS, SPACS, EPAX, DEURACSの計算値と比較した。本研究で測定したデータは、理論計算の良いベンチマークになると考えられる。
Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.
Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07
被引用回数:8 パーセンタイル:55.71(Physics, Multidisciplinary)陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓; 狩野 茂; 姫野 晴行*; 小林 大志*; 中谷 三喜雄*
JAEA-Research 2018-013, 18 Pages, 2019/03
模擬廃液を利用したガラス固化体モックアップ試験のうち、高レベル模擬廃液供給20バッチ分の流下ガラス試料中の元素の化学状態および局所構造を、放射光XAFS分析によって調べた。セリウム元素の分析の結果、バッチが進むにつれて、緩やかに酸化が進む傾向が確認された。マンガン, 鉄, 亜鉛については、バッチ間の違いはほとんど認められず、ガラスの骨格構造に入り込んで安定化しているものとみられた。EXAFS解析の結果では、白金族元素を除き、明らかに結晶性と思われる元素は無かった。イメージング分析の結果、ジルコニウムやモリブデンでは、目立った析出はほとんど観察されなかった。白金族元素では、筋状の析出が認められたが、いずれも小さなものであった。
末岡 茂; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; Kohn, B. P.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二*
Journal of Geophysical Research; Solid Earth, 122(8), p.6787 - 6810, 2017/08
複数の熱年代学的手法とthermo-kinematicモデリングを用いて赤石山脈の削剥史を検討した。熱年代は東に向かって系統的に若返り、赤石山脈北部は東縁に分布する糸魚川-静岡構造線の活動によって隆起した可能性が示唆された。Thermo-kinematicモデリングによって詳細な検討を加えた結果、糸魚川-静岡構造線の変位速度が5-10mm/yr、傾斜が27-45度、デコルマ深度が20-25kmのとき、熱年代測定結果と既存の地形・地球物理データを矛盾なく説明できることが確認できた。隆起速度と削剥速度は約4mm/yrと推定された。一方、赤石山脈南部は、先行研究による少数の熱年代データは北部と異なる値を示しているほか、地形・地質構造等の違いを考慮すると、北部とは別の時期・メカニズムによって隆起している可能性がある。
上野 文義; 内山 洋平*; 加藤 千明; 山本 正弘; 蝦名 哲成*; 下川原 茂*; 加納 洋一*
日本原子力学会和文論文誌, 9(3), p.279 - 287, 2010/09
ステンレス鋼製再処理用機器への外部電源方式によるカソード防食法の適用可能性を示すことを目的に、基礎的な検討を行った。極低炭素304ステンレス鋼(SUS304ULC)小型試験片及び電気化学測定装置を用い、沸騰硝酸溶液中での不働態域及び過不働態域の電位や、種々の電位での腐食速度を調べたのち、カソード防食の有無による腐食速度の違いを調べた。また、実際の濃縮缶の構造を想定し、SUS304ULC製管材の外面を対象としたカソード防食試験を行った。その結果、過不働態域から0.1V程度電位を卑とするカソード防食により、1/10以上の腐食速度低減効果が得られた。また、管材外面では平均24mの減肉量が、カソード防食により陽極との位置に関係なく3mまで均一に低減できた。これらの結果と、過不働態域の腐食はおもに電位の影響を受けること、沸騰硝酸の電気伝導率が高く均一な防食効果が期待できることと、腐食がおもに電位による影響を受けると考えられることから、カソード防食法がステンレス鋼製再処理用機器の耐食性改善のために適用可能と考えられる。
垣之内 啓介*; 中村 努*; 玉田 太郎; 安達 宏昭*; 杉山 成*; 丸山 美帆子*; 高橋 義典*; 高野 和文*; 村上 聡*; 井上 豪*; et al.
Journal of Applied Crystallography, 43(4), p.937 - 939, 2010/08
被引用回数:4 パーセンタイル:48.29(Chemistry, Multidisciplinary)本論文は蛋白質の大型結晶成長法について報告である。カットしたピペットチップを用いてハンギング蒸気拡散法による結晶化のための大容量ドロップ(最大で200l)を作製する。結晶は蒸気-液体界面において成長する。成長した結晶は液-液接触により、マクロシーディングを繰り返し実施することや、キャピラリーへのマウントが可能となる。この大容量ハンギングドロップ蒸気拡散法を用いて、古細菌 K1由来の抗酸化蛋白質(ApTPx)とニワトリ卵白リゾチームの大型結晶を効率的に産生することが可能となった。この手法により得られたApTPxの大型結晶(6.2mm)を用いた中性子回折実験の結果、3.5分解能を上回る回折点を確認できた。
清水 典子*; 杉山 成*; 丸山 美帆子*; 高橋 義典*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 日高 興士*; 林 良雄*; 木村 徹*; 木曽 良明*; et al.
Crystal Growth & Design, 10(7), p.2990 - 2994, 2010/06
被引用回数:11 パーセンタイル:71.95(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、HIV-1プロテアーゼとその阻害剤であるKNI-272との複合体の大型結晶作製を6種類の方法で行った。それらを比較した結果、top-seeded solution growth(TSSG)法とTSSG combined with the floating and stirring technique(TSSG-FAST)法が、種結晶の多結晶化を効果的に防ぎ、迅速に大型の単結晶を得るために有効で、得られた結晶は質が高いことが示された。さらに、結晶の形が、溶液の流れに依存したことから、過飽和の程度が結晶の成長方向に影響することが示唆された。これらの知見は、溶液の流れを操作することで、結晶の形が制御できる可能性を示している。
高屋 茂; 永江 勇二; 吉武 庸光; 根本 義之; 中野 純一; 上野 文義; 青砥 紀身; 塚田 隆
E-Journal of Advanced Maintenance (Internet), 1(1), p.44 - 51, 2009/05
中性子照射されたモデル合金についてSSRT試験により評価されたIASCC感受性と磁束密度を比較した結果、SCCへの中性子照射の影響が確認される場合については、両者の間に、照射量や化学組成によらない関係が認められた。さらに、非照射模擬劣化材について磁束密度の測定を行い、磁束密度が増加するためには、化学組成の変化だけでなく、欠陥の導入も必要であることを示した。これらの結果は、磁束密度測定によるIASCC感受性の非破壊評価の可能性を示している。
安達 基泰; 大原 高志; 栗原 和男; 玉田 太郎; 本庄 栄二郎; 岡崎 伸生; 新井 栄揮; 正山 祥生; 木村 要*; 松村 浩由*; et al.
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 106(12), p.4641 - 4646, 2009/03
被引用回数:111 パーセンタイル:90.63(Multidisciplinary Sciences)本研究では、プロテアーゼとその医薬品候補分子との分子間相互作用を原子レベルで解明することを目的として、阻害剤との複合体の中性子結晶構造解析を実施した。タンパク質の中性子結晶構造解析を行うには、高品質な大型結晶作成のために大量のタンパク質試料が必要となる。本研究では、コドン配列を最適化した人工遺伝子を合成することで効率的な大腸菌発現系を構築し、プロテアーゼの大量調製系を確立した。そして逆相クロマトグラフィーを用いることで自己分解物を完全に除去した純度の高い試料を調製して結晶化を行った。得られた結晶を用いてJRR-3に設置しているBIX-4にて中性子回折データを収集した結果、1.9の回折データを得ることができた。プログラムPHENIXにより中性子とX線の同時精密化を実施し、世界で初めてHIV-1プロテアーゼの中性子結晶構造解析に成功した。重水素原子の存在と位置を確認するためにオミットマップを作成したところ、顕著な2つのピークを得た。プロトン化された触媒残基及び阻害剤のヒドロキシル基の構造を水素原子を含めて実験で初めて明らかにすることができた。
松村 浩由*; 安達 基泰; 杉山 成*; 岡田 詩乃*; 山上 恵*; 玉田 太郎; 日高 興士*; 林 良雄*; 木村 徹*; 木曽 良明*; et al.
Acta Crystallographica Section F, 64(11), p.1003 - 1006, 2008/11
被引用回数:17 パーセンタイル:77.84(Biochemical Research Methods)本論文では、HIV-1プロテアーゼと薬剤候補分子であるKNI-272との複合体の結晶化と予備的中性子結晶構造解析について報告する。この中性子回折研究の目的は、水素原子の構造情報を得ることと活性中心の2つのアミノ酸残基の解離状態を決定することである。結晶化は、2液法を除冷法を組合せて、さらにマクロシーディングを繰り返し、1.4mmのサイズの結晶を得た。中性子回折データは、原子力機構のJRR-3に設置してあるBIX-4を用いて室温にて行った。回折データの分解能2.3、空間群はP2(1)2(1)2、格子定数は、a=59.5, b=87.4, c=46.8であった。
牛草 健吉; 関 昌弘; 二宮 博正; 乗松 孝好*; 鎌田 裕; 森 雅博; 奥野 清; 柴沼 清; 井上 多加志; 坂本 慶司; et al.
原子力ハンドブック, p.906 - 1029, 2007/11
原子力ハンドブックの第VIII章核融合の研究開発において、核融合炉の概念,炉心プラズマ物理と炉心制御技術,国際熱核融合実験炉(ITER)計画,核融合ブランケット技術,核融合燃料循環処理技術,核融合炉用材料技術,核融合動力炉概念とシステム工学課題について、研究の現状を解説する。
仲野 友英; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 木島 滋; 藤本 加代子; 川島 寿人; 東島 智
Nuclear Fusion, 47(11), p.1458 - 1467, 2007/11
被引用回数:20 パーセンタイル:57.53(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UのX点MARFEを伴う非接触プラズマにおいて、4本のCイオンのスペクトル線を同時に2方向から空間分解能1cmで測定した。そのスペクトル線の強度比を衝突放射モデルで解析した結果、CイオンはCイオンと電子の体積再結合によって生成することを初めて明らかにした。コンピュータトモグラフィ手法により再構築されたCスペクトル線の発光の2次元空間分布から、この体積再結合はX点の直上で発生することが明らかにされ、そこでは電子温度及び電子密度はそれぞれ1.6eV及び1.610mと評価された。この体積再結合によって生成したCイオンからの放射パワーは全放射パワーの約20%を占めることが示された。
仲野 友英; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 木島 滋; 藤本 加代子; 川島 寿人; 東島 智
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
MARFEを伴う非接触ダイバータプラズマで、Cと電子の体積再結合により、Cが生成されることが初めて観測された。CからCへの再結合束はCからCへの電離束と同程度であることに加え、2次元分光計測の結果をもとに発光の空間分布をコンピュータ・トモグラフィーを用いて再構築したところ体積再結合が発生するのはX点直上で、電離が発生する場所の直下であることがわかった。この結果から、ダイバータプラズマの放射パワーの6割から8割を占める、Cは体積再結合によりおもに生成される。
仲野 友英; 朝倉 伸幸; 竹永 秀信; 久保 博孝; 三浦 幸俊; 清水 勝宏; 木島 滋; 正木 圭; 東島 智; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 46(5), p.626 - 634, 2006/05
被引用回数:21 パーセンタイル:57.18(Physics, Fluids & Plasmas)長い時間スケールにおけるプラズマ・壁相互作用を理解するため、放電時間を15秒から65秒に、中性粒子ビーム加熱時間を10秒から30秒に伸張した。長時間Hモード放電の後半ではダイバータ板が粒子飽和することが確認された。放電中にダイバータ板での粒子吸収が徐々に減少し、その後、粒子を吸収しない状態に達した。この壁飽和現象によって、ダイバータ排気を有効にしているにもかかわらず中性粒子ビーム以外の粒子供給がなくても主プラズマの密度が上昇した。また、総入力エネルギーが350MJに達したが、カーボンブルームと呼ばれる急激な炭素不純物の発生や、主プラズマの不純物による希釈は観測されなかった。
竹永 秀信; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 木島 滋; 清水 勝宏; 都筑 和泰; 正木 圭; 田辺 哲朗*; 井手 俊介; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S39 - S48, 2006/03
被引用回数:18 パーセンタイル:52.36(Physics, Fluids & Plasmas)長時間放電におけるグローバルな壁飽和機構を解明するために、第一壁での局所的な壁飽和時間を評価した。局所的な壁飽和時間は、第一壁への粒子束とそこでの吸収率及び最大粒子吸収量により評価可能である。第一壁への粒子束は、中性粒子輸送解析コードDEGAS2を用いて評価した。その際、プラズマパラメータは2次元流体ダイバータコードUEDGEで評価した。D発光強度分布が実験と合うようにDEGAS2で評価した壁へのイオン束と中性粒子束を用いて、壁での吸収率を10%、壁での最大粒子吸収量を110m(実験室データをもとに評価)とし、局所的な壁飽和時間を評価した。その結果、ダイバータ領域では1秒以内に壁飽和に達していることが明らかになった。また、バッフル板は10秒程度、主プラズマまわりの壁は100秒程度で壁飽和に達すると評価された。バッフル板での粒子吸収は、10秒程度の時間スケールでグローバルな壁飽和が観測された実験結果と関連していると考えられる。一方、主プラズマまわりの壁での粒子吸収は、放電を繰り返すことによりグローバルな壁飽和状態に近づいていくことと関連していると考えられる。これらの結果をもとに、動的な粒子吸収特性を示す領域と静的な特性を示す領域によりグローバルな壁飽和が起こるというモデルを提唱した。
河西 敏*; 神谷 健作; 篠原 孝司; 川島 寿人; 小川 宏明; 上原 和也; 三浦 幸俊; 岡野 文範; 鈴木 貞明; 星野 克道; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.225 - 240, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:24.08(Nuclear Science & Technology)約30台の計測装置から構成されているJFT-2Mの計測診断システムは、プラズマ生成,制御,平衡,安定性,閉込め,NBIやRF(LH, ICRF, ECH)による加熱,RFによる電流駆動の研究に使用されてきた。このうち、運動シュタルク効果を利用した偏光計,荷電交換反応分光器,重イオンビームプローブ,飛行時間測定法による中性粒子測定器等は、Hモード,高リサイクリング定常(HRS)Hモードの閉込め改善機構の解明や運転領域の探求に貢献した。赤外テレビカメラ,損失イオンプローブは、リップル損失粒子による壁への熱負荷,主プラズマからの損失するイオンに関する研究でそれぞれ重要な役割を果たした。この論文は、これらの計測機器についてレビューしたものである。
竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 木島 滋; 仲野 友英; Porter, G.*; Rognlien, T.*; Rensink, M.*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.7, p.35 - 39, 2006/00
不純物入射により放射損失が高められたJT-60Uの高 ELMy Hモードプラズマにおける不純物輸送のモデル化を行った。不純物入射による放射損失増大は、核融合炉において、ダイバータ板への熱負荷を低減するために有効な手法であると考えられている。主プラズマでの不純物輸送は1次元輸送コードを用い、ダイバータ及びスクレイプオフ層では2次元の流体コードUEDGEを用いた。主プラズマでは、入射されたアルゴンからの放射損失分布が中心領域でピーキングしているのに対して、もとから装置内に存在する炭素からの放射損失分布は周辺領域に局在している。UEDGEコードによる不純物輸送モデリングからは、ダイバータ及びスクレイプオフ層においては、炭素からの放射損失がアルゴンからの放射損失より大きいことが示された。主プラズマにおけるモデル化により評価された放射損失分布は、測定結果よりピーキングした分布となっている。また、UEDGEコードにより評価されたダイバータでの放射損失分布は測定結果と矛盾しないが、絶対値は2倍程度小さな値となっている。
加藤 隆子*; 村上 泉*; 後藤 基志*; 森田 繁*; 居田 克巳*; Peterson, B. J.*; 舟場 久芳*; 仲野 友英
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.7, p.1 - 4, 2006/00
真空紫外スペクトルを定量解析した。C IIIスペクトル線の強度比から求めた電子温度を用い、ネオン入射によって発生したプラズマの放射損失源を分光計測とボロメータ計測で同定した。さらに不純物の発光線強度比の時間変化から不純物による放射損失の時間変化を求めた。
竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 東島 智; 木島 滋; 仲野 友英; 大山 直幸; Porter, G. D.*; Rognlien, T. D.*; Rensink, M. E.*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1618 - 1627, 2005/12
被引用回数:19 パーセンタイル:53.17(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの内部輸送障壁を有する先進トカマクプラズマの運転領域を、高閉じ込め及び高放射損失割合を達成しつつグリーンワルド密度(n)を超える領域まで拡大した。負磁気シアプラズマでは、/n=1.1においてHモードからの閉じ込め改善度HH=1.3を得た。この時、周辺ペデスタル密度はグリーンワルド密度の半分程度と低いにもかかわらず、強い密度内部輸送障壁を形成することにより高い平均密度を得ている。同放電では、金属不純物の蓄積が観測されており、主プラズマからの放射損失が加熱パワーの65%に達しているが、閉じ込めの劣化は観測されない。また、ダイバータでの放射損失を増大するために、ネオンを入射した放電では、/n=1.1にて、HH=1.1,総放射損失割合90%以上を達成した。高ELMy Hモードプラズマ(弱正磁気シア)では、アルゴン入射と高磁場側ペレット入射により、/n=0.92,HH=0.96,放射損失割合100%を達成した。同放電でも、強い内部輸送障壁の形成により高平均密度が得られている。アルゴン輸送解析から、主プラズマ中心での放射損失はおもにアルゴンによること、ダイバータでのアルゴンの放射損失は20-40%程度であることが明らかになった。