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木村 太己*; 金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*
Dalton Transactions (Internet), 47(42), p.14924 - 14931, 2018/11
被引用回数:9 パーセンタイル:49.17(Chemistry, Inorganic & Nuclear)マイナーアクチノイド(MA)と希土類の分離メカニズム解明を目的として、密度汎関数計算を用いたEu(III)もしくはAm(III)とニクトゲンドナー(X)配位子(CH)X-CH-CH-X(CH) (X=窒素,リン,ヒ素,アンチモン)との錯体に対する計算化学解析を試みた。配位子との錯体生成ギブズエネルギーを解析した結果、リンドナー配位子がEu(III)と比較してAm(III)と安定に錯体を生成することが示唆された。金属(Eu(III)もしくはAm(III))とニクトゲンドナーとの化学結合を解析した結果、Am(III)とリンとの共有結合性が他のニクトゲンに比べて高く、リンドナー配位子が高いAm(III)選択性を有することが示唆された。
伊藤 由太*; Schury, P.*; 和田 道治*; 新井 郁也*; 羽場 宏光*; 平山 賀一*; 石澤 倫*; 加治 大哉*; 木村 創大*; 小浦 寛之; et al.
Physical Review Letters, 120(15), p.152501_1 - 152501_6, 2018/04
被引用回数:60 パーセンタイル:93.36(Physics, Multidisciplinary)冷たい核融合反応および熱い融合反応によって生成した変形閉殻中性子数152の近傍に位置する原子核Es, Fm、および超フェルミウム原子核Md, Noの質量の直接測定を、多反射時間飛行質量分析装置(MR-TOF)を用いて実施した。EsおよびMdの質量測定は世界で初めての成果である。さらにMdの質量を崩壊連鎖のアンカーポイントとして用いてBhおよびMtまでの重い原子核の質量を決定した。これらの新測定された質量を理論質量計算と比較し、巨視的・微視的模型の予測値と良い一致が見られることを示した。近接する3つの質量値から求められる経験的殻ギャップエネルギーを今回の質量値から求め、MdおよびLrに対する変形閉殻中性子数の存在を裏付ける結果を得た。
Schury, P.*; 和田 道治*; 伊藤 由太*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 平山 賀一*; 木村 創大*; 小浦 寛之; MacCormick, M.*; 宮武 宇也*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 407, p.160 - 165, 2017/06
被引用回数:14 パーセンタイル:78.05(Instruments & Instrumentation)Ac, Ra, FrやRnといった様々な同位体をCaビームを用いた原子核融合-蒸発反応にて生成した。エネルギーを持ったイオンはヘリウムガスセル内で止まり、そして引き出される。引き出された個々のイオンは多反射時間飛行質量分光器を用いて同定されるが、アルカリ金属であるFrを含むイオンの荷電状態の主要な価数が(+1価でなく)+2価となるという結果を観測した。
Schury, P.*; 和田 道治*; 伊藤 由太*; 加治 大哉*; 新井 郁也*; MacCormick, M.*; Murray, I.*; 羽場 宏光*; Jeong, S.*; 木村 創大*; et al.
Physical Review C, 95(1), p.011305_1 - 011305_6, 2017/01
被引用回数:48 パーセンタイル:96.07(Physics, Nuclear)多反射時間飛行質量分析装置を理化学研究所設置の気体充填型反跳分離装置-II型(GARIS-II)と連結したガスセルに配置し、崩壊連鎖を伴う重原子核の質量の直接測定を実施した。融合-蒸発反応で生成された原子核をGARIS-IIを用いて分離し、ヘリウムガスセルで止めて目的の原子核を捕集した。本実験でFr-Rn-At-Po, Fr-Rn-At-Po-Bi及びFr-Rn-Atの3つの同重体鎖の時間飛行スペクトルが観測された。その結果、Fr, Rn、そしてAtの原子質量値が精密に決定された、今回の解析において、Bi, Po, Rn、そしてAtの同定は10個以下という少量のイオン数でなされた。この成果は 次のステップとして実施する予定である(生成量が極少量の)超重元素イオンの質量分析につながる成果となる。
金子 政志; 木村 太己; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*
no journal, ,
分離変換において重要であるMAと希土類及びMA間の分離研究の一環として、計算シミュレーションによるMAの分離メカニズムの解明に取り組んできた。本件では、性能予測のために重要である金属と分離試薬の化学結合を網羅的に評価し、分離性能予測や新規分離試薬の開発のためのデータベースを構築することを目的としている。密度汎関数法を用いたエネルギー解析によって、15族元素と16族元素配位子によるAm/Eu分離挙動は、Hard and Soft Acids and Bases則によるソフト酸の分離と関連付けられることを明らかにした。また、化学結合解析によって、Amとより強く結合する配位子が、より高いAm選択性を有することが示唆された。