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森下 卓俊; 宮本 賢治*; 藤原 幸雄*; 花田 磨砂也; 北川 禎*; 柏木 美恵子; 奥村 義和; 渡邊 和弘
Review of Scientific Instruments, 73(2), p.1064 - 1066, 2002/02
被引用回数:2 パーセンタイル:18.91(Instruments & Instrumentation)大電流負イオン源開発において、大面積から均質の負イオンビームを引き出すことは、静電加速電極の熱負荷軽減のために重要である。そこで、プラズマ密度の空間分布と負イオンビームの一様性との相関を調べた。その結果、プラズマ電極近傍において、イオン飽和電流に強い非一様性が見られた。負イオンビーム電流の空間的非一様性はプラズマ密度の分布と同傾向を示した。このプラズマ密度の不均一性は、プラズマ電極に印加するバイアス電圧に依存することから、フィルター磁場とバイアス電圧印加によるEBドリフトによると考えられる。次に、イオン源内にセシウム(Cs)を添加すると、プラズマ密度の分布は純粋水素放電と同様であるが、一様性の良い負イオンビームが得られた。負イオンビーム分布がプラズマ密度分布の非一様性に依存しないことから、中性の水素原子による負イオン表面生成が最も負イオン生成に寄与していることがわかった。
奥村 義和; 藤原 幸雄; 柏木 美恵子; 北川 禎*; 宮本 賢治; 森下 卓俊; 花田 磨砂也; 高柳 智弘; 谷口 正樹; 渡邊 和弘
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.1219 - 1224, 2000/02
被引用回数:36 パーセンタイル:84.01(Instruments & Instrumentation)核融合実験炉用の中性粒子入射装置のために、MeV級のエネルギーで数十MWという大出力負イオンビームが要求されている。国際協力のもとで6年間に及び研究開発を進めた結果、最大の課題であった1MeVの加速を実証するとともに、JT-60用負イオン源において世界最大出力の負イオンビーム(360keV,18.5A,6.7MW)の生成に成功した。負イオン源の長パルス化においても、140時間の連続運転を行い、フィラメントの寿命やセシウムの消費量においても十分に実用に耐えることを実証した。
渡邊 和弘; 藤原 幸雄; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 北川 禎*; 宮本 賢治; 森下 卓俊; 奥村 義和; 高柳 智弘; 谷口 正樹
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.1231 - 1233, 2000/02
被引用回数:10 パーセンタイル:55.12(Instruments & Instrumentation)5段の多孔型静電加速器を用いて水素負イオンの加速実験を行った。これは、1MeV級の中性粒子入射装置用負イオン源加速器の開発の一環として行っているものである。実験では、電極中央部の33=9個の孔から水素負イオンを引き出し加速した。電極ギャップは上流から104, 94, 87, 78, 72mmである。1MeV,25mAの加速に成功した後、高エネルギー領域でビーム光学を最適にするために、負イオン生成部にCsを注入し、15mA/cmの電流密度のビームを700keVに加速することに成功した。この条件でビーム工学は改善され、収束性の良いビームが得られた。総合電流は200mAであった。中間電極に流れる電流の比率もこの条件で最小値を示した。これら最適条件は設計値にほぼ一致することを確認した。
藤原 幸雄; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 北川 禎*; 宮本 賢治; 森下 卓俊; 奥村 義和; 高柳 智弘; 谷口 正樹; 渡邊 和弘
第10回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム報文集, p.87 - 92, 1999/00
原研では、MeV級負イオン源を用いた静電型多孔多段加速系による1MeV加速技術の研究開発を進めている。負イオンビームの1MeV安定加速のためには、負イオン源加速部の耐電圧性能を1MV以上にすることが前提条件である。陰極3重点の電界緩和用リングを取り付け、またコンディショニング法の改善や加速管内部のガス圧の最適化によって1MVの耐圧を実現し、水素負イオンの1MeV加速に成功した。さらに、セシウムを添加して負イオン電流密度を上げ、多孔多段加速系のビーム光学に関する研究をすすめ、現在までのところ、200mAの水素負イオンビーム(電流密度15mA/cm)を収束性良く700keVまで加速することに成功している。