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佐々木 隆之*; 鴻上 貴之*; 小林 大志*; 桐島 陽*; 村上 裕晃; 天野 由記; 水野 崇; 岩月 輝希; 笹本 広; 宮川 和也
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.373 - 381, 2017/03
本研究では、幌延深地層研究センター及び瑞浪超深地層研究所の両地下施設を利用し、原位置の地下水中におけるウラン及びトリウムの存在状態について、ろ過径の異なるフィルターを用いて調査した。また、ろ過後の地下水の分析結果をもとに、熱力学的な解析を行い、溶解度制限固相について考察した。その結果、幌延の地下水では、ウラン及びトリウムともに溶存状態で存在する成分に加え、コロイドとしても存在していることがわかった。また、溶存状態で存在するウラン及びトリウムの濃度は、UO(cr)及びThO(cr)の溶解度でそれぞれ近似される可能性が示唆された。一方、瑞浪の地下水中のウラン・トリウムについては、幌延と比べるとコロイドとして存在する可能性は低く、地下水のウラン・トリウム濃度については、明確な制限固相を特定することが困難であった。これについては、さらなる研究が必要である。
鴻上 貴之*; 佐々木 隆之*; 雨宮 浩樹; 村上 裕晃; 天野 由記; 岩月 輝希; 水野 崇; 窪田 卓見*; 桐島 陽*
no journal, ,
高塩分濃度の地下水中の極微量元素であるU, Th及び希土類元素の定量法としてICP-MS分析フローを開発した。同法を幌延URLで採水した地下水に適用し、同元素濃度を測定した。
村上 拓馬; 水野 崇; 笹本 広; 鴻上 貴之*; 佐々木 隆之*
no journal, ,
本研究は、高レベル放射性廃棄物に含まれるマイナーアクチニドのアナログ元素となる希土類元素(REE)の地下深部における挙動を理解するために、幌延堆積岩中の希土類元素(REE)を分析し、その炭酸塩鉱物REEパターンから過去の地下水REEパターンの復元可能性について検討した。その結果、炭酸塩鉱物を含む砂岩質試料、炭酸塩ノジュールおよび炭酸塩充填鉱物のうち、炭酸塩充填鉱物試料のREEパターンには、現在の幌延地域の地下水REEパターンと類似した特徴が認められた。このことから、幌延地域の地下水REEパターンは、この炭酸塩充填鉱物の沈殿時から現在にかけて、変化していない可能性が示唆された。
佐々木 隆之*; 鴻上 貴之*; 雨宮 浩樹; 村上 裕晃; 天野 由記; 岩月 輝希; 水野 崇; 小林 大志*; 桐島 陽*
no journal, ,
地下水中のTh, Uおよび希土類元素(REEs)の濃度を熱力学的解析により評価するため、幌延深地層研究センター周辺に分布する地下水を対象に調査を行った。地下水は幌延深地層研究センターの研究坑道内、深度140mおよび250m坑道から掘削したボーリング孔より嫌気状態で直接採水した。コロイドの分布については、原位置において0.2mおよび10kDaの限外ろ過膜によるろ過により評価した。また、ろ過した地下水との比較のため、ろ過していない地下水も採取した。地下水の分析および熱力学解析の結果、ThおよびUについては溶解度がそれぞれThO(cr)およびUO(cr)に支配されていることがわかった。一方、REEsについては濃度が低く、また、軽REEsにおいてコロイドの影響が顕著であった。リン酸塩鉱物を溶解度制限固相として溶解度を算出した結果、分析結果が海水とリン酸塩鉱物間のREEの固液平衡によって説明可能であることがわかった。