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武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
角田 淳弥; 柴田 大受; 中川 繁昭; 伊与久 達夫; 沢 和弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 46(7), p.690 - 698, 2009/07
被引用回数:9 パーセンタイル:53.16(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉(HTGR)で使用される黒鉛構造物の熱伝導率は運転中の中性子照射によって減少するが、照射された黒鉛が照射温度以上に加熱されるとアニーリング効果によって回復することが期待できる。本研究では、超高温ガス炉(VHTR)で使用されるIG-110黒鉛について、熱伝導率に関するアニーリング効果の定量化及びその手法を開発することを目的として、IG-110黒鉛の熱伝導率を系統的に測定しアニーリング効果の定量化を行った。また、IG-110黒鉛の熱伝導率をアニーリング効果を考慮した修正熱抵抗モデルを用いて計算した。その結果、IG-110黒鉛の熱伝導率は最高で未照射材の80%まで回復することを確認し、IG-110黒鉛のアニーリング効果を実験結果に基づくアニーリング効果評価モデルを用いて定量化した。また、修正熱抵抗モデルを用いて計算したIG-110黒鉛の熱伝導率は照射温度以上で測定結果とよく一致し、IG-110黒鉛の熱伝導率が修正熱抵抗モデルを用いて予測できることを示した。
角田 淳弥; 柴田 大受; 中川 繁昭; 伊与久 達夫; 沢 和弘
JAEA-Research 2008-036, 33 Pages, 2008/03
高温ガス炉の性能及び安全性を向上させる手段として、金属に替わるより高温で使用できる耐熱性材料の炉内構造物への使用が望まれている。高温に耐え得る材料としては、炭素繊維強化型炭素複合材料(C/Cコンポジット)及び超塑性ジルコニアが有望な材料である。これらの新しい材料を原子炉の炉内構造物として使用するには、構造物の環境や荷重条件に対する健全性を確保する構造設計手法を確立することが必要である。そこで本報告では、VHTRの炉内構造物として特に期待されているC/Cコンポジットに着目し、C/Cコンポジットを適用する際の構造設計手法の検討を行うとともに、代表的な構造物への応用にあたり基礎的な成立性を検討した。その結果、C/Cコンポジットの強度評価において競合リスク理論を用いた評価が有用であり、C/Cコンポジットを炉内構造物として適用できる見通しを得た。
角田 淳弥; 柴田 大受; 中川 繁昭; 伊与久 達夫; 沢 和弘
JAEA-Research 2008-007, 30 Pages, 2008/03
高温ガス炉の炉内構造物に用いられる黒鉛材料は、運転中の中性子照射により熱伝導率が大きく低下するが、減圧事故等の事故時に照射温度以上の高温に加熱されるとアニーリング効果によって熱伝導率が回復することが期待できる。このアニーリング効果は、HTTRの燃料最高温度評価では解析の保守性の観点から考慮していないが、定量的な考慮ができれば、事故時の炉心温度挙動が合理的に高精度に評価できる。本研究は、高温ガス炉の事故時温度評価の高度化のため、中性子照射済試料を用いた試験結果からアニーリング効果を定量的に評価し、高温ガス炉に用いられる熱伝導率の設計式を提案するものである。
中川 繁昭; 高松 邦吉; 後藤 実; 武田 哲明; 伊与久 達夫
Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/04
第四世代原子炉の一つである超高温ガス炉は、水素製造と高効率発電を可能とする高温ガス炉である。高温工学試験研究炉(HTTR)は、日本で初めての高温ガス炉であり、原子炉の特性を確認する出力上昇試験において、2004年4月に原子炉熱出力30MW,原子炉出口冷却材温度950Cを達成した。2002年からはHTTRを用いた安全性実証試験を開始し、高温ガス炉の固有の安全性を実験的に実証しているところである。これらの試験で得られた試験データは、経済性の優れた超高温ガス炉を設計するために必要不可欠のものである。HTTRの試験データにより検証された解析モデルは、高温ガス炉特性の正確な解析に適用でき、超高温ガス炉の研究開発に貢献することができる。
伊与久 達夫; 坂場 成昭; 中川 繁昭; 橘 幸男; 笠原 清司; 川崎 幸三
Nuclear Production of Hydrogen, p.167 - 176, 2006/00
来るべき水素社会では大量の水素が必要となるが、高温ガス炉の熱を熱化学IS法に用いれば、水分解により二酸化炭素を排出せずに大量の水素を製造することが可能である。これは原子炉による水素製造という新産業創出として期待されている。日本初の高温ガス炉HTTRは2004年4月に世界で初めて原子炉出口冷却材温度950Cを達成し、ISプロセスに必要な原子炉側の準備は整いつつある。本報では、HTTRによる原子炉出口冷却材温度950Cを達成するまでの試験実績を述べるとともに、ISプロセスを接続するために必要となるHTTRを用いた今後の試験計画及びHTTRにISプロセスを接続するHTTR-IS計画について報告する。
高松 邦吉; 中川 繁昭; 伊与久 達夫
Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-11) (CD-ROM), 12 Pages, 2005/10
高温工学試験研究炉(HTTR)では、安全性実証試験として循環機停止試験を実施しており、冷却材流量低下事象に対して原子炉を緊急に停止させなくても、原子炉出力は安定状態に落ち着き、炉内温度の過渡変化が非常に緩慢であるという高温ガス炉の固有の安全性を実証している。本研究では、循環機停止試験の試験データを用いて、動特性解析SIRIUSコードの検証を行った。SIRIUSコードは、原子炉圧力容器表面からの放熱による原子炉残留熱挙動を解析でき、1点炉近似動特性を考慮した原子炉出力の変化や原子炉圧力容器内の温度分布を求めることができる。検証の結果、解析結果は試験データを再現していることが明らかとなり、SIRIUSコードによる炉心動特性解析は妥当であることを確認できた。
角田 淳弥; 柴田 大受; 中川 繁昭; 塙 悟史; 伊与久 達夫; 石原 正博
Transactions of 18th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-18), p.4822 - 4828, 2005/08
黒鉛材料は、熱・機械的特性が優れているため、HTGR炉心の構成要素として用いられる。原子炉の運転中に、黒鉛構造物の熱伝導率は中性子照射によって低下するが、照射温度以上に加熱されるとアニーリング効果が期待されるため、熱伝導率がある程度回復すると考えられる。本研究では、HTGRの減圧事故時についてアニーリング効果を考慮した温度解析を実施し、アニーリング効果が燃料最高温度に及ぼす影響について検討した。検討の結果、アニーリング効果を考慮した燃料最高温度の解析値は約100C低くなり、燃料最高温度をより精度よく評価できることが明らかになった。また、HTTRで実施した安全性実証試験について、アニーリング効果を考慮した評価手法を適用し解析を行った。
伊与久 達夫; 中川 繁昭; 高松 邦吉
UTNL-R-0446, p.14_1 - 14_9, 2005/03
HTTR(高温工学試験研究炉)は、原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度(定格運転850C/高温試験運転950C)の黒鉛減速ヘリウム冷却型の高温ガス炉である。HTTRでは、高温試験運転モードでの出力上昇試験を行い、高温試験運転モードで使用前検査に合格するとともに、炉心及びプラントの特性を評価するに必要なデータを取得した。本研究会では、高温試験運転モードで実施した出力上昇試験結果の概要を紹介する。
藤川 正剛; 林 秀行; 中澤 利雄; 川崎 幸三; 伊与久 達夫; 中川 繁昭; 坂場 成昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(12), p.1245 - 1254, 2004/12
被引用回数:89 パーセンタイル:97.72(Nuclear Science & Technology)日本初の高温ガス炉HTTRは、2004年4月19日に最大熱出力30MWで、原子炉出口冷却材(ヘリウムガス)温度950Cを達成した。出力上昇試験の最終段階として実施された高温試験運転では、原子炉の特性及び性能が確認され、また安全,安定運転のための種々の運転データが蓄積された。原子炉出口冷却材温度950Cの達成により、高温ガスタービンによる高効率発電が可能になるとともに、水を原料とした水素製造に十分な温度を達成したこととなり、原子力の非電力分野での利用の可能性が広がったことになる。今回の成功により、高温ガス炉を用いた水からの水素製造の実現に向けて大きく前進した。本報は、HTTRの高温試験運転の試験結果について述べたものである。
橘 幸男; 中川 繁昭; 伊与久 達夫
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.103 - 112, 2004/10
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉圧力容器は、内径5.5m,内高13.2m,肉厚122mmの鋼製圧力容器である。HTTRの原子炉圧力容器の通常運転時温度は約400Cであるため、軽水炉圧力容器用合金鋼よりもクリープ強度に優れた2 1/4Cr-1Mo鋼が、原子炉圧力容器用材料として、日本で初めて採用されている。この温度では、鋼材の熱脆化が問題となるため、独自に高温ガス炉仕様を定め、2 1/4Cr-1Mo鋼の微量化学成分を制限している。本論文は、HTTRの原子炉圧力容器の設計(特に、材料),製作,試験,供用期間中検査等についてまとめたものである。(本論文は、HTTRに関するシリーズ投稿の一つである。)
角田 淳弥; 石原 正博; 中川 繁昭; 菊地 孝行; 伊与久 達夫
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.81 - 88, 2004/10
被引用回数:4 パーセンタイル:29.18(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉(HTGR)は、黒鉛減速ヘリウム冷却型中性子炉であり、高温のヘリウムガスの取り出しが可能であるとともに高い固有の安全性を有している。炉内構造物は、高温のヘリウムガスを得るため耐熱性に優れた黒鉛材料を用いている。HTTRの炉内構造物は、黒鉛構造物,金属製炉心支持構造物及び金属製遮へいブロックから構成される。本報では、特にHTTRの炉心支持構造物についての設計方針及び供用期間中検査(ISI)の計画について述べる。
中川 繁昭; 高松 邦吉; 橘 幸男; 坂場 成昭; 伊与久 達夫
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.301 - 308, 2004/10
被引用回数:22 パーセンタイル:79.05(Nuclear Science & Technology)HTTRを用いた安全性実証試験が、HTGRの固有の安全性を実証するため、及びHTGR用安全解析コードの検証のための実測データを提供するために実施中である。安全性実証試験は2つのフェーズに分けられ、最初のフェーズでは異常な過渡変化やATWSを模擬した試験を実施する。次のフェーズでは事故を模擬した試験を実施する。制御棒の誤引抜きや流量低下事象を模擬した最初のフェーズについては、2002年度から開始され2005年まで実施する予定である。事故を模擬する次のフェーズの試験については、2006年度から開始する予定である。本論文は、HTTRに関するシリーズ投稿の一つである。
橘 幸男; 中川 繁昭; 中澤 利雄; 伊与久 達夫
Proceedings of 6th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operations and Safety (NUTHOS-6) (CD-ROM), 17 Pages, 2004/10
高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた安全性実証試験は、高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証するとともに、高温ガス炉の安全評価用解析コードの検証及び高度化に役立つプラント過渡データを取得することを目的として実施する。安全性実証試験は、運転時の異常な過渡変化を模擬する第1期の試験及び事故を模擬する第2期の試験からなる。第1期の試験は、反応度投入事象と1次冷却材流量低下事象の模擬であり、平成14年度から開始している。同時に、プラント動特性コードACCORD,モンテカルロコードMVP等を用いた解析を進めており、原子炉出力50%及び30%からの制御棒引抜き試験及び3台のヘリウム循環機のうち1台あるいは2台を停止する試験について、試験結果を良好に再現する結果が得られている。第1期の試験は平成17年度まで実施し、平成18年度から第2期の試験を実施する計画である。
橘 幸男; 中川 繁昭; 伊与久 達夫
Elevated Temperature Design and Analysis, Nonlinear Analysis, and Plastic Components, 2004 (PVP-Vol.472), p.39 - 44, 2004/07
高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉圧力容器は、内径5.5m,内高13.2m,肉厚122mm(胴部)160mm(上鏡)の縦置円筒型圧力容器である。HTTRの原子炉入口冷却材温度は軽水炉よりも高温となるため、原子炉圧力容器材料として、2 1/4Cr-1Mo鋼が選ばれている。原子炉圧力容器の照射量は、110n/cm(E1MeV)以下と予測されているため、照射脆化は無視できるが、熱脆化について考慮する必要がある。HTTRでは、原子炉圧力容器の脆化低減対策として、J-factor及びX-barの脆化パラメーターを用いて、2 1/4Cr-1Mo鋼の微量不純物成分を制限している。本報は、HTTR原子炉圧力容器の設計,製造,供用期間中検査技術等についてまとめたものである。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 高松 邦吉; 高田 英治*; 齋藤 賢司; 古澤 孝之; 栃尾 大輔; 橘 幸男; 伊与久 達夫
JAERI-Tech 2004-014, 24 Pages, 2004/02
高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証し、また実用高温ガス炉及び第4世代原子炉(Generation IV)の候補の一つであるVHTRの研究開発に資するため、HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験が実施されている。本報は、2004年に計画している制御棒引抜き試験,循環機停止試験,流量部分喪失試験の試験内容,試験条件,事前解析結果等について述べたものである。事前解析の結果、炉心の負の反応度フィードバック特性により原子炉出力が低下し、原子炉が安定に所定の状態に落ち着くことが明らかとなった。
中川 樹生*; 三原 与周*; 小紫 公也*; 高橋 幸司; 坂本 慶司; 今井 剛
Journal of Spacecraft and Rockets, 41(1), p.151 - 153, 2004/02
被引用回数:40 パーセンタイル:88.59(Engineering, Aerospace)マイクロ波推進機のモデルを製作し、110GHzジャイロトロンから出力される110GHz, 1MWのマイクロ波を用いて打ち上げ実験を行い、打ち上げ時の力積を測定した。マイクロ波(RF)を推進機のパラボラ形状のノズルに入射すると、フォーカス点付近でプラズマが生成、そしてマイクロ波により加熱される。その時、衝撃波が発生し、その衝撃力により推進機を押し上げるというのが打ち上げのメカニズムである。今回の実験における衝撃力の打ち上げエネルギーへの結合係数は395N/MWで、これはレーザー推進機と同レベルである。実験でのRFのパルス幅は0.175msecで、今のところ結合係数はそのパルス幅の長さで制限されており、パルス幅をより短くすることで、結合係数が増加する可能性がある。
橘 幸男; 中川 繁昭; 竹田 武司; 七種 明雄; 古澤 孝之; 高松 邦吉; 沢 和弘; 伊与久 達夫
Nuclear Engineering and Design, 224(2), p.179 - 197, 2003/09
被引用回数:13 パーセンタイル:64.64(Nuclear Science & Technology)HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験は、高温ガス炉固有の安全性を実証するとともに、高温ガス炉用安全解析コードの検証に必要な炉心及びプラントの過渡挙動データを取得するために実施される。第1段階の試験として、制御棒引抜き試験及び1次系流量低下試験を行う。制御棒引抜き試験では、16対の制御棒のうち中央の一対を引き抜くことで反応度投入事象を模擬する。1次系流量低下試験は、循環機停止試験と流量部分喪失試験からなり、それぞれ、循環機の停止(循環機3台中1台又は2台の停止)あるいは自動制御系により流量低下事象を模擬する。制御棒引抜き試験及び循環機停止試験は、予想される過渡現象でスクラムできない事故、いわゆるATWSを模擬したものである。
橘 幸男; 中川 繁昭; 伊与久 達夫
Proceedings of International Conference on Global Environment and Advanced Nuclear Power Plants (GENES4/ANP 2003) (CD-ROM), 8 Pages, 2003/09
高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた安全性実証試験は、高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証するとともに、高温ガス炉の安全評価用解析コードの検証及び高度化に役立つプラント過渡データを取得することを目的として実施する。安全性実証試験は、運転時の異常な過渡変化を模擬する第1期の試験及び、減圧事故等の事故を模擬する第2期の試験からなる。第1期の試験は、反応度投入事象と1次冷却材流量低下事象の模擬であり、平成14年度から開始している。平成14年度は、原子炉出力50%からの制御棒引抜き試験及び、原子炉出力30%から3台のヘリウム循環機のうち1台を停止する試験を実施した。同時に、プラント動特性コードACCORD,モンテカルロコードMVP等を用いた解析を進めている。第1期の試験は平成17年度まで実施し、平成18年度から第2期の試験を実施する計画である。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 高田 英治*; 橘 幸男; 齋藤 賢司; 古澤 孝之; 高松 邦吉; 栃尾 大輔; 伊与久 達夫
JAERI-Tech 2003-074, 37 Pages, 2003/08
高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証し、また第4世代原子炉(Generation IV)の候補の一つであるVHTRの研究開発に資するため、HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験が実施されている。安全性実証試験のうち第1期の試験では、異常な過渡変化に相当する試験として、制御棒の引抜き試験及び1次冷却材流量の低下を模擬した試験を実施し、第2期の試験では、事故を模擬した試験を重点的に行う計画である。本報は、2003年8月に計画している循環機停止試験の試験内容,試験条件,事前解析結果等について示す。事前解析の結果、循環機停止後、負の反応度フィードバック特性により原子炉出力が低下し、原子炉が安定に所定の状態に落ち着き、この間の炉内温度変化が緩慢であることが示された。