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吉田 泰*; 中澤 俊之*; 吉川 英樹
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(1), p.147 - 152, 2015/01
被引用回数:5 パーセンタイル:32.95(Chemistry, Analytical)ラジウムの毒重石に対する元素分配係数をフリードリフト法を用いた共沈実験により決定した。元素分配係数は(1.30.7)10となった。毒重石の結晶内のバリウムとラジウムのイオン半径は同程度であるので、ラジウムは毒重石に取り込まれやすいと予想され、元素分配係数も大きな値になると考えられていた。しかし、測定された元素分配係数は小さいものであった。炭酸により制限される結晶のサイズが、ラジウムを取り込むには十分に大きくないためであると考えられる。
下田 紗音子*; 中澤 俊之*; 加藤 博康*; 舘 幸男; 清田 佳美*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1665, p.179 - 184, 2014/09
セメント系材料によるアルカリ環境の影響については、高レベル廃棄物地層処分の性能評価において評価される必要がある。本研究では、幌延深地層研究所の堆積岩のアルカリ変質及び未変質試料を用いて、Cs, Ni, Thの収着挙動を調査した。バッチ法で得られた模擬地下水系でのCs, Ni, ThのKは、変質の度合いに応じて変化した。CsのKは変質とともに増加傾向を示し、二次鉱物がイオン交換反応によるCs収着に寄与していることが示唆された。一方、NiとThのKは変質の進行とともに低下した。この変化は、NiとThの表面錯体による収着を支配する粘土鉱物の溶解に起因している可能性がある。これらの結果は、岩石のアルカリ変質がKに及ぼす影響が、変質岩石の表面特性と収着メカニズムに依存することを示すものである。
國丸 貴紀; 森川 佳太; 舘 幸男; 久野 義夫*; 細谷 真一*; 下田 紗音子*; 加藤 博康*; 中澤 俊之*; 生瀬 博之*; 久保田 政子*
JAEA-Data/Code 2012-013, 96 Pages, 2012/07
物質移動に関する調査研究では、第3段階の調査研究として、研究坑道周辺の数10m100m程度のブロックスケールを対象に、物質移動に関する現象の把握、物質移動特性の取得、物質移動モデルの構築・更新に必要な調査・評価技術を体系的に整備することを目標としている。本試験は、上記の一環として、割れ目の特徴と物質移動特性の関係を把握することを目的に、深度300m研究アクセス坑道において掘削したボーリング孔から採取したコアを利用して花崗岩中の拡散試験、粉砕花崗岩への収着試験、水飽和法及び水銀圧入法による間隙率測定を実施した。本報告では、これらの試験結果を取りまとめたものである。
舘 幸男; 中澤 俊之*; Ochs, M.*; 四辻 健治; 陶山 忠宏; 清田 佳美; 山田 憲和*; 油井 三和
Radiochimica Acta, 98(9-11), p.711 - 718, 2010/11
被引用回数:25 パーセンタイル:84.13(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射性廃棄物地層処分の安全評価において重要となる圧縮ベントナイト中の核種の収着・拡散挙動を把握・評価するため、圧縮モンモリロナイト中のNp(V)の収着・拡散挙動に及ぼす炭酸濃度と塩濃度の影響を、実験とモデルの両面から調査した。密度800kg/mの圧縮モンモリロナイト中のNp(V)の実効拡散係数()と分配係数()が、塩濃度(0.05, 0.5MのNaCl)と炭酸濃度(0, 0.01MのNaHCO)の異なる4種類の条件下で取得した。炭酸が存在しない系ではは塩濃度とともに減少し、炭酸共存系では逆の傾向を示した。は炭酸が共存する系で1桁減少する結果が得られた。これらの収着・拡散挙動は、地球化学平衡計算,イオン交換と表面錯体反応を考慮した収着モデル,狭隘間隙中の電気二重層を考慮した拡散モデルによって解釈された。現象論収着・拡散モデルが、圧縮系での複雑な化学種の収着・拡散挙動の予測評価に有効であることを示した。
清田 佳美; 寺島 元基; 舘 幸男; 飯島 和毅; 中澤 俊之*; 山田 憲和*; 油井 三和
Radiochimica Acta, 98(9-11), p.703 - 709, 2010/11
被引用回数:3 パーセンタイル:23.92(Chemistry, Inorganic & Nuclear)フミン物質共存下で堆積岩におけるEuの収着,拡散挙動について調べた。拡散挙動はリザーバー減衰拡散試験法により観察した。リザーバーにおける核種濃度の減衰曲線から、フミン物質と核種の間に錯形成などの相互作用が働いているものと推察された。一方、リザーバー内のフミン物質濃度の有意な減少は認められなかった。フミン酸の共存によりEuの岩石に対する収着量が低下する条件があることが明らかとなった。Euの収着,拡散挙動は、フミン酸の影響を受けることが明らかとなった。
吉田 泰*; 中澤 俊之*; 吉川 英樹; 中西 孝*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 280(3), p.541 - 545, 2009/06
被引用回数:12 パーセンタイル:62.2(Chemistry, Analytical)石膏に対するRaの元素分配比を共沈実験を行い測定した。元素分配比は0.710.53となった。既往の報告で石膏に対するRaの元素分配比の報告はない。重晶石に対するRa及び石膏に対するSrの元素分配比と比較評価した結果、本実験により得られた元素分配比は妥当な値であると考えられる。
諸岡 幸一*; 中澤 俊之*; 齋藤 好彦; 陶山 忠宏*; 柴田 雅博; 笹本 広
JNC TN8400 2005-015, 63 Pages, 2005/08
核燃料サイクル開発機構(JNC)は,高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次取りまとめにおいて,人工バリアおよび天然バリアでの遅延能力を評価する上で重要な放射性核種のベントナイトや岩石への分配係数(Kd)をデータベースとして整備した。しかしながら,このデータベースには,必ずしも十分なデータが揃っているとは言えず,一部の放射性核種によっては,分配係数に関するデータが不足していた。そこで,JNC収着データベースを充実したものにするために,JNC収着データベースに登録件数が少なく,かつ処分システムの性能評価上,重要であるサマリウム(Sm)について,凝灰岩および花崗閃緑岩を用いて,還元条件において人工海水系浸出液および蒸留水系浸出液でバッチ収着試験を実施した。以下に各々の試験に対する主な成果をまとめる。・pH 7に調整した蒸留水系浸出液(Eh=-320-270mV)における凝灰岩へのSmのMWCO 10,000の限外ろ過したKdは0.6 m/kgである。・pH 7に調整した人工海水系浸出液(Eh=-304-265mV)における凝灰岩へのSmのMWCO 10,000の限外ろ過したKdは0.4 m/kgである。・pH 9に調整した蒸留水系浸出液(Eh=-279-242mV)における花崗閃緑岩へのSmの1週間後のMWCO 10,000の限外ろ過したKdは3.9 m/kgである。Kdは14週間にかけて上昇する傾向が見られた。・pH 9に調整した人工海水系浸出液(Eh=-237-206mV)における花崗閃緑岩へのSmの1週間後のMWCO 10,000の限外ろ過したKdは0.3 m/kgである。Kdは14週間にかけて上昇する傾向が見られた。
中澤 俊之*; 岡田 賢一*; 齋藤 好彦; 陶山 忠宏*; 柴田 雅博; 笹本 広
JNC TN8400 2004-023, 67 Pages, 2005/01
核燃料サイクル開発機構(JNC)は、高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の第2次取りまとめにおいて、人工バリアおよび天然バリアでの遅延能力を評価する上で重要な放射性核種のベントナイトや岩石への分配係数(Kd)をデータベースとして整備した。しかしながら、このデータベースには、特に人工海水系での放射性核種の分配係数に関するデータが不足していた。そこで、JNC収着データベースを充実したものにするために、JNC収着データベースに登録件数が少なく、かつ処分システムの安全評価上、重要であるウラン(U)およびトリウム(Th)について、人工海水系条件を中心に液性をパラメータとしたバッチ収着試験を実施し、収着データを取得した。試験は各元素に対し、各々、次の条件で行った。・Uの場合:還元条件において炭酸濃度をパラメータとし、人工海水および蒸留水と砂岩との反応溶液に対するKdを測定 ・Thの場合:人工海水および蒸留水と砂岩との反応溶液に対するKdを測定
中澤 俊之*; 岡田 賢一*; 室井 正行*; 柴田 雅博; 陶山 忠宏*; 笹本 広
JNC TN8400 2003-039, 44 Pages, 2004/02
サイクル機構の収着データベースで不足している海水系地下水での放射性核種の分配係数(Kd)を取得するため、Sn・Pb・Thを対象に、バッチ式収着試験を実施した。その結果、以下の様なKdが得られた。Sn:人工海水系でKd=1m/kg(砂岩)、Pb:人工海水系でKd=2m/kg(砂岩)・Kd=410m/kg(凝灰岩)、Th:人工海水系海水系でKd=18m/kg(砂岩)、人工海水系高炭酸濃度でKd=0m/kgであった。
柳澤 一郎*; 桂井 清道*; 泉 順*; 三枝 守幸*; 北尾 秀夫*; 都築 康男*; 根山 敦史*; 加藤 博康*; 中澤 俊之*; 岡田 賢一*
JNC TJ8400 2000-037, 61 Pages, 2000/02
(1)天然に産出されるハロゲン元素含有鉱物であるソーダライトおよびトルマリンを対象とし溶解度測定を行った。ヨウ化ソーダライト合成物、塩化ソーダライト合成物および塩化ソーダライト天然物の溶解測定試験結果、ならび現存する塩化ソーダライトの熱力学データに基づく計算から、ソーダライトからの元素の放出は溶解度により支配されることを確認した。溶解度は、塩化物の場合は合成物天然物、含有ハロゲン元素の観点からは合成塩化物合成ヨウ化物の傾向があることが示された。また、合成ソーダライト中に固定化されたヨウ素は、液相中の塩化物イオンと置換されないことを実験により確認した。トルマリンについては溶解元素濃度に対するソーダライトとの比較から、ソーダライト同様に低溶解性のヨウ素固化体として期待できる可能性があることが示された。(2)低浸出率に期待する廃棄体としてアパタイトを用いた多層分散型廃棄体の浸出特性について検討を行った。廃棄体の構成要素であるゼオライト保持材、アパタイトコートされたヨウ素保持材、アパタイトマトリクス材のそれぞれの試験体を作成し、還元雰囲気環境下での浸出特性を測定し、下記の結果を得た。・ヒドロキシアパタイトコーティングを行うことにより、1ヶ月後の浸出率で、コーティングなしに比べて約4桁低いヨウ素浸出率が得られた。・マトリクス材の浸出は、Ca、P濃度については、1ヶ月時点でほぼ理論的な溶解度相当の濃度に達している。 結論として、アパタイトマトリクス材を用いることにより、低浸出率の廃棄体の可能性があることが示された。
加藤 博康*; 中澤 俊之*; 上田 真三*; 柴田 雅博
JNC TN8400 99-069, 41 Pages, 1999/11
圧縮状態のベントナイト中での収着現象の評価の一環として、酸化/還元環境により原子価が敏感に変化するU,NpおよびTcについて地下還元環境を模擬した還元性雰囲気中での見かけの拡散係数測定を実施した。ベントナイト試料には山形県産のNa型ベントナイトであるクニゲルV1(クニミネ工業株式会社製)を用いた。乾燥密度ならびに試験液性依存性を測定するために、下記の条件にてIn-diffusion型の拡散試験を実施し見かけの拡散係数を測定した。取得された拡散プロファイルは一様でなく、複数の拡散プロファイルが混在する場合も見られた。各拡散プロファイルに対して解析を行い取得された、還元環境下での見かけの拡散係数の範囲を以下に示す。元素:U 乾燥密度1.4(g/cm3)/純水系:1.210-151.210-13(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/純水系:1.110-141.710-13(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/3wt.%NaCl溶液系:9.310-152.110-14(m2/s) 元素:Np 乾燥密度1.4(g/cm3)/純水系:2.410-151.610-14(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/純水系:1.610-144.910-14(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/3wt.%NaCl溶液系:1.310-152.610-14(m2/s) 元素:Tc 乾燥密度1.4(g/cm3)/純水系:7.010-157.410-13(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/純水系:2.210-145.210-13(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/3wt.%NaCl溶液系:1.910-153.510-13(m2/s)
上田 真三*; 加藤 博康*; 黒澤 進*; 中澤 俊之*
JNC TJ8400 99-032, 338 Pages, 1999/02
核燃料サイクル開発機構では、高レベル放射性廃棄物処分第2次とりまとめレポートを作成中である。本研究は、レポート作成にあたって必要とされる核種移行データベース及び評価用モデルを整備することを目的として実施したものである。主な実施内容を以下に示す。1.核種移行データベースの品質保証 性能評価上重要な21元素に対し、溶液中の化学種及び固相の熱力学データ整備を進め、最終的な国際的専門家のレビューを行った。アクチニド元素ごとの類似性などの指摘があり、データベースに反映した。2.ベントナイトの間隙水化学とそのモデル化に関する検討 スメクタイトのイオン交換反応及び表面錯体反応と不純物の溶解を考慮した間隙水モデルを構築し、実験データとの比較検討を実施した。3.核種移行データ設定の信頼性向上のための吸着モデルの開発 Cs,Ra/Sr,Pb,Ni,Amについてイオン交換反応及び表面錯体反応を主体としたモデル化を行った。モデル評価値は実験結果と比較され、比較的良好な整合性を得た。4.核種移行評価の信頼性向上のためのデータ取得 変質ベントナイト透水試験、変質ベントナイトに対するコロイド透過試験、ベントナイト中での核種の拡散試験、ベントナイト及び岩石試料に対する核種の吸着試験を実施した。変質ベントナイトの透水係数は1.35.110-12m/sアクチニド元素の見かけの拡散係数は10-1310-14m2/s,Smの岩石への分配係数は約6m3/kgなどのデータが取得された。5.コロイドの核種移行に与える影響の評価 コロイドを共存する場合の核種移行モデル(Hwangらのモデル)の信頼性評価、および岩盤がコロイドフィルトレーションを有する場合の核種移行解析を実施した。その結果、Hwangらのモデルの概念の妥当性、およびフィルトレーション効果により核種移行が大きく遅延されることが示唆された。
上田 真三*; 加藤 博康*; 黒澤 進*; 中澤 俊之*
JNC TJ8400 99-030, 54 Pages, 1999/02
核燃料サイクル開発機構では、高レベル放射性廃棄物処分第2次とりまとめレポートを作成中である。本研究は、レポート作成にあたって必要とされる核種移行データベース及び評価用モデルを整備することを目的として実施したものである。主な実施内容を以下に示す。1.核種移行データベースの品質保証 性能評価上重要な21元素に対し、溶液中の化学種及び固相の熱力学データ整備を進め、最終的な国際的専門家のレビューを行った。アクチニド元素ごとの類似性などの指摘があり、データベースに反映した。2.ベントナイトの間隙水化学とそのモデル化に関する検討 スメクタイトのイオン交換反応及び表面錯体反応と不純物の溶解を考慮した間隙水モデルを構築し、実験データとの比較検討を実施した。3.核種移行データ設定の信頼性向上のための吸着モデルの開発 Cs,Ra/Sr,Pb,Ni,Amについてイオン交換反応及び表面錯体反応を主体としたモデル化を行った。モデル評価値は実験結果と比較され、比較的良好な整合性を得た。4.核種移行評価の信頼性向上のためのデータ取得 変質ベントナイト透水試験、変質ベントナイトに対するコロイド透過試験、ベントナイト中での核種の拡散試験、ベントナイト及び岩石試料に対する核種の吸着試験を実施した。変質ベントナイトの透水係数は1.35.110-12m/s、アクチニド元素の見かけの拡散係数は10-1310-14m2s,Smの岩石への分配係数は約6m3/kgなどのデータが取得された。5.コロイドの核種移行に与える影響の評価 コロイドを共存する場合の核種移行モデル(Hwangらのモデル)の信頼性評価、および岩盤がコロイドフィルトレーションを有する場合の核種移行解析を実施した。その結果、Hwangらのモデルの概念の妥当性、およびフィルトレーション効果により核種移行が大きく遅延されることが示唆された。
吉田 泰*; 吉川 英樹; 中澤 俊之*; 佐藤 智文*
no journal, ,
Caよりイオン半径の大きい2価の陽イオンについて方解石に対する共沈反応の傾向性を調べるために実験を行った。共沈反応は一般的に元素分配比で評価され、また、元素分配比は方解石の沈殿速度の影響を受けることが知られているため、幅広い沈殿速度の領域で元素分配比を測定する実験を行った。トレーサにはRa及びBaを用いた。実験の結果、Ra及びBaの元素分配比は、既往の報告値と同様に、沈殿速度の減少に伴い小さい値となった。RaとBaの元素分配比はともに小さく、結晶格子のひずみなどにより結晶内に取り込まれることが予想された。また、BaとRaでイオン半径が異なるにもかかわらず、元素分配比は同程度の値となり、RaとBaの共沈反応においては、イオン半径の大きさの違いは共沈反応に顕著な影響を与えないことが示された。
中澤 俊之*; 室井 正行*; 本田 明
no journal, ,
TRU廃棄物処分において、アルカリ性の条件でセルロースの分解により生成する可能性が指摘されているイソサッカリン酸(ISA)について、OPCペーストに対する収着データを取得し、セメント間隙水中でのISA濃度への影響を検討した。
山口 耕平; 小田 治恵; 中澤 俊之*; 山田 憲和*; 高瀬 敏郎*
no journal, ,
本研究では、花崗岩と模擬高アルカリ間隙水のバッチ浸漬実験及びカラム通水実験を行い、主要な地球化学反応について検討を行った。バッチ浸漬実験結果に基づき、化学平衡計算により飽和指数の経時変化を計算した。計算結果に基づき液相中から沈殿している可能性がある二次鉱物を抽出し、その組合せを検討した。さらに、カラム通水実験結果にこの二次鉱物の組合せを適用し二次鉱物の空間的な分布及びカラム通水後の液相組成について実験結果と地球化学計算(PHREEQC)結果を比較した。その結果、今後は二次鉱物の沈殿速度に着目しつつ主要な地球化学反応を理解していく必要があることがわかった。
三原 守弘; 本田 明; 亀井 玄人; 中澤 俊之*; 山田 憲和*
no journal, ,
一部のTRU廃棄物に含まれる硝酸イオンの核種移行パラメータへの影響を評価するために、Np(V)と硝酸イオンの錯体形成による溶解度への影響を検討した。JNC-TDBを用いた計算では、Np(V)の溶解度の上昇が示唆されたが、Np(V)の溶解度試験では、硝酸イオンが6mol/dm共存しても溶解度の上昇は確認されなかった。
中澤 俊之*; 山田 憲和*; 三原 守弘; 本田 明; 亀井 玄人
no journal, ,
地層処分環境における硝酸イオンの還元物質であるアンモニアに着目して、錯体形成の可能性が高いと想定されるPb, Pd及びSnについて溶解度試験を実施した。その結果、Pb及びSnの溶解度については、アンモニウムイオンの影響は見られなかったが、Pdについては、アンモニウムイオン濃度が10mol/dmを超えると溶解度の上昇がみられ、既往の熱力学データを用いた計算においてもおおむねその傾向性が再現できることを確認した。
清田 佳美; 舘 幸男; 北村 暁; 高橋 宏明; 中澤 俊之*; 山田 憲和*
no journal, ,
天然バリアにおける間隙水中有機物質が核種移行に及ぼす影響は不明な点が多い。間隙水中の有機物が核種移行に及ぼす影響とその範囲を把握することにより、バリア材の核種移行性能評価における不確実性の低減を図ることが重要である。本調査では、幌延の堆積岩を用いて、堆積岩中のSe(IV)収着,移行に及ぼす有機物質(フミン物質)の影響を調査した結果を報告する。まず、フミン物質水溶液(模擬幌延地下水条件)の長期安定性、Se(IV), Th(IV)の溶解性に及ぼすフミン物質共存影響について予備検討した。幌延堆積岩の地下水組成,有機物濃度及び予備検討結果に基づき、堆積岩のSe収着,拡散試験に供する試験液条件を決定した。ついで、堆積岩のSe収着特性(フミン物質共存影響)を把握するとともに、透過拡散手法によりSeの堆積岩中移行に及ぼすフミン物質共存影響データを取得した。フミン物質100mg/l以下の条件では、Seの溶解性,堆積岩収着・拡散に及ぼす影響は小さいものと判断できた。Th(IV)では、100mg/lのフミン物質共存時に堆積岩収着量が減少し、影響が見られた。
山口 耕平; 小田 治恵; 中澤 俊之*; 山田 憲和*; 高瀬 敏郎*
no journal, ,
TRU廃棄物地層処分に使用される多量のセメント系材料から高アルカリ性の間隙水が母岩へ浸出し、母岩の鉱物組成あるいは間隙構造を変化させる可能性がある。その結果、母岩の収着分配係数,マトリクス拡散係数,透水係数など核種の移行特性が変化する可能性がある。したがって、母岩の変質である鉱物組成や間隙構造の時間的・空間的変化を把握する必要がある。ここでは、高アルカリ性溶液をカラムに通水する実験を行い、実験結果と比較することによって、物質輸送を伴う環境における化学モデルの適用性を、液相組成及び沈殿物組成の観点で評価した。その結果、カラム通過後の液相組成に関しては濃度の経時変化はおおよそ再現できた。ただし、実験のAl濃度が解析結果よりも小さい場合があった。また、カラム内の二次沈殿物の組成に関しては、Ca及びAlがカラム内に広く沈殿する傾向は再現できたが、Alの沈殿について再現ができなかった。今後の課題として、Alを含む二次鉱物の熱力学データや沈殿速度の整備及び実験結果等への適用性検討が有益である。