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鈴木 智也; 鷹尾 康一朗*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 池田 泰久*
Polyhedron, 96, p.102 - 106, 2015/08
被引用回数:5 パーセンタイル:41.28(Chemistry, Inorganic & Nuclear)X線単結晶解析によりUO(NO)() (: 2-imidazolidone)とUO(NO)() (: tetrahydro-2-pyrimidone)及びUO(NO)() (: 1-methyl-2-imidazolidone)の錯体構造を明らかにした。また、融点と分子間水素結合距離を評価し、その関係を評価した。
鷹尾 康一朗*; 川田 善尚*; 野上 雅伸*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 西村 建二*; 池田 泰久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(2), p.294 - 298, 2015/02
被引用回数:2 パーセンタイル:17.42(Nuclear Science & Technology)UO(NO)(NRP) (NRP=-アルキル-2-ピロリドン)の沈殿率について、沈殿生成前後の硝酸濃度変化から見積もられる溶液の体積変化を考慮して正確に評価した。検討したピロリドン誘導体は、-ブチルピロリドンと-プロピルピロリドンである。どちらの場合でも、正確に評価された沈殿率は、単純に沈殿生成前後のウラン濃度の比から求められる値よりも常に大きくなったが、その差は0.6%-2.6%であった。この差が実質的に無視できるものなら、沈殿生成に伴う体積変化は、分析操作の単純化のため、考慮する必要がない。
野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 川田 善尚*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 296(1), p.423 - 427, 2013/04
被引用回数:5 パーセンタイル:38.12(Chemistry, Analytical)6価のウランに対する選択的吸着剤として利用できるポリビニルポリピロリドン(PVPP)の線照射に対する安定性を硝酸溶液中で調べた。試験の結果、吸着容量は照射により減少することはないこと、6M硝酸溶液で照射した試料ではむしろ増加することを明らかにした。これは、線照射によりPVPPのピロリドン環が開環するが、その生成物もU(VI)に対する吸着性能を有するためと考えられる。
野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 川田 善尚*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Science China; Chemistry, 55(9), p.1739 - 1745, 2012/09
被引用回数:4 パーセンタイル:19.57(Chemistry, Multidisciplinary)6価及び4価のアクチノイド元素に対して沈殿剤として利用できるN-アルキルピロリドン誘導体について、放射線に対する安定性をCoの線照射により調べた。3M硝酸中での照射試験の結果、1MGyの照射で約20%のN-ブチルピロリドンが分解すること、しかしU(VI)の沈殿率は余り変化しないことを明らかにした。また、分解生成物の分析により、ピロリドン環の開環を含む分解のメカニズムを検討した。
池田 泰久*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 川田 善尚*; Kim, S.-Y.*; 森田 泰治; 近沢 孝弘*; 染谷 浩*; 菊池 俊明*
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 5 Pages, 2011/12
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発の成果を総合的に発表する。U, Puや他の元素の沈殿挙動、沈殿剤の安定性等の観点から、N-n-ブチル-2-ピロリドンとN-ネオペンチル-2-ピロリドンが、U選択的分離の第一沈殿工程及びU-Pu分離の第二沈殿工程にそれぞれ最適な沈殿剤と判断した。工学的規模の装置による沈殿生成、沈殿分離の試験を実施し、プロセスの成立性を確認するとともに沈殿の直接焼成により燃料ペレットを製造できることを明らかにした。以上の結果から、本システムが将来の高速炉燃料再処理法の一つの候補となりうると評価した。
野上 雅伸*; 原田 雅幸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 川田 善尚*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Progress in Nuclear Energy, 53(7), p.948 - 951, 2011/09
被引用回数:3 パーセンタイル:25.83(Nuclear Science & Technology)硝酸溶液系における1,3-ジメチルイミダゾリドン(DMI)のU(VI)及びU(IV)に対する沈殿生成能力を調べた。その結果、3M硝酸においてU(VI)を沈殿させるもののPu(IV)の模擬であるU(IV)に対しては5倍当量を添加しても沈殿を生じさせないことを明らかにした。このようにDMIにはU(VI)に対する選択性が高いという特徴があるが、その化学構造の性質上加水分解が生じやすく化学的に安定でないという欠点を有する。硝酸溶液系における線照射及び加熱による安定性試験の結果、安定性は硝酸濃度に大きく影響されることが明らかとなり、硝酸が2M程度以下の濃度であれば適用の可能性があることが示唆された。
野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 283(2), p.541 - 546, 2010/02
被引用回数:20 パーセンタイル:78.52(Chemistry, Analytical)硝酸溶液からのU(VI)分離用吸着剤開発として、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)によるさまざまな元素の吸着性を検討した。PVPPは、広い範囲の濃度の硝酸溶液よりU(VI)を強く吸着することがわかり、強い結合にはカルボニル基の酸素とピロリドン環の窒素がともに関与していることが示唆された。核分裂生成物では、Pd(II)とTc(VII)の模擬元素であるRe(VII)以外はほとんど吸着されないこと、Pd(II)とRe(VII)は低濃度硝酸溶液からわずかに吸着されるが、Pd(II)の吸着速度はU(VI)のそれに比べ極端に遅いことがわかった。これらの結果は、PVPPによる吸着法がU(VI)の他の元素からの分離に適用できることを示す。
野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 川崎 武志*; 原田 雅幸*; 川田 善尚; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 25, 2009/12
FBR燃料用高度化沈殿法再処理システム開発の一環として、U(VI)のみを選択的に沈殿させる第1沈殿工程の候補沈殿剤である--ブチル-2ピロリドン(NBP)の線照射に対する耐久性を、硝酸濃度をパラメーターとして検討した。硝酸濃度3Mにおいては、照射に伴うNBPの残存率は硝酸濃度によらず線量増加とともに直線的に減少し、1MGyの照射で約20%が分解した。一方、6M硝酸水溶液においての劣化は顕著であり、0.1MGyの照射で約30%が分解することがわかった。NBPの劣化機構について検討したところ、照射によりNBPのピロリドン環に酸素原子が付加して開環し、さらなる酸素原子の付加により低分子化が生じ、複数の鎖状モノアミドやC4化合物を経てシュウ酸が生成・蓄積することが明らかとなった。
森田 泰治; 鷹尾 康一朗*; Kim, S.-Y.; 川田 善尚; 原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 西村 建二*; 池田 泰久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 46(12), p.1129 - 1136, 2009/12
被引用回数:18 パーセンタイル:74.48(Nuclear Science & Technology)ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。このシステムでは、第1沈殿工程において低疎水性・低配位性のピロリドン誘導体を用いてU(VI)を沈殿させ、次に第2沈殿工程において高い沈殿生成能力を示すピロリドン誘導体を用いて残りのU(VI)とPu(IV, VI)を同時に沈殿させる。本研究では、第1沈殿工程に最適の沈殿剤を選択することを目的に、-プロピルピロリドン(NProP), -ブチルピロリドン(NBP), -ブチルピロリドン(NiBP)及びシクロヘキシルピロリドン(NCP)を用いて、U(VI), Pu(IV)及びPu(VI)の沈殿挙動を調べた。その結果、NBPが第1沈殿工程用の沈殿剤として最も有望であることがわかった。
鷹尾 康一朗*; 野田 恭子*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 西村 建二*; 池田 泰久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 46(10), p.995 - 999, 2009/10
被引用回数:14 パーセンタイル:66.74(Nuclear Science & Technology)ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本研究では、硝酸濃度05.0Mの溶液におけるUO(NO)(NRP)(NRP=-アルキル-2-ピロリドン,アルキル基=-プロピル, -ブチル, -ブチル,シクロヘキシル)の溶解度を測定した。その結果、UO(NO)(NRP)の溶解度は、上澄み液における硝酸及びNRPの濃度が上昇するほど減少することがわかった。溶解度は、NRPの種類にも依存し、基本的にNRPが高疎水性であるほど溶解度は減少した。また、溶解度の評価に溶解度積の導入が有効であることがわかった。
森田 泰治; Kim, S.-Y.; 池田 泰久*; 野上 雅伸*; 西村 建二*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1508 - 1512, 2007/09
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験で、U(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本研究では、NCPより低疎水性で選択的U沈殿工程の適用が期待されるN-ブチルピロリドン(NBP)及びN-プロピルピロリドン(NProP)を用いてPuの沈殿挙動を調べた。Pu(IV)あるいはPu(VI)の単独溶液及びU(VI)-Pu(IV)混合溶液による試験の結果、NBP及びNProPは、NCPと比べて、Puを沈殿させにくく、U(VI)をより選択的に沈殿させることがわかった。この結果より、NBPあるいはNProPの利用は、選択的U沈殿工程をより選択的に、より効率的にすることが期待できる。
池田 泰久*; 鷹尾 康一朗*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 野上 雅伸*; 西村 建二*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1503 - 1507, 2007/09
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験で、U(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本研究では、NCPより疎水性が低い沈殿剤の選択的U沈殿工程への適用性を検討するため、N-ブチルピロリドン(NBP)及びN-プロピルピロリドン(NProP)によるU(VI)の沈殿試験を行い、核分裂生成物に対する除染係数を測定した。その結果、U(VI)の沈殿挙動には大きな差はなく、核分裂生成物に対する除染係数はNCPより大きな値が得られることがわかった。
古志野 伸能*; 原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 森田 泰治; 菊池 俊明*; 池田 泰久*
Inorganica Chimica Acta, 358(6), p.1857 - 1864, 2005/03
被引用回数:54 パーセンタイル:88.32(Chemistry, Inorganic & Nuclear)UO(NO)L[L=-ノルマルブチル-2-ピロリドン,-シクロヘキシル-2-ピロリドン及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリドン]の構造をX線回折により解析した。これらの錯体は2の六角錘を合わせた構造であることがわかり、U=O結合及びU-O(配位子)結合の距離、及びU-O-C(カルボニル基)の角度を求めることができた。また、赤外及びラマンスペクトルの測定から錯体の振動周波数を求めた。配位子の配位数とO=U=O結合の振動周波数との関係から、各配位子の配位性を求めた。
原田 雅幸*; 池田 泰久*; 朝倉 俊英; 森田 泰治; 野上 雅伸*; 西村 建二*
no journal, ,
硝酸水溶液中のウラニルイオンを選択的に沈殿させうるN-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP)より低配位性・低疎水性のピロリドン誘導体であるN-ブチル-2-ピロリドン(NBP)及び N-プロピル-2-ピロリドン(NProP)のU(VI), Pu(IV)及びPu(VI)に対する沈殿能を検討した。2つの沈殿工程から構成される開発中の簡易再処理システムにおいてUのみを沈殿させる第1沈殿工程を想定した試験を実施し、2M U(VI)系で、U(VI)濃度に対して約1.5倍モル量の沈殿剤を加えることで、U回収率70%を達成できることが確認された。また、NBP及びNProPのPu(IV)及びPu(VI)に対する沈殿反応は、NBP-Pu(IV)の系でNBPの添加量が多いときに沈殿生成が見られたが、NBP-Pu(VI)系及びNProP-Pu(VI), -Pu(IV)系のいずれの場合も、今回の試験条件では沈殿が生成せず、本沈殿剤の第1沈殿工程への適用性が明らかとなった。
丸山 幸一*; 野上 雅伸*; 池田 泰久*; 西村 建二*; 森田 泰治
no journal, ,
U(VI)に対し選択的沈殿能を有する低配位性・低疎水性沈殿剤(NProP, NBP)の耐放射線性及び耐熱性を調べるため、線照射及び加熱による沈殿能の変化及び劣化生成物の検討を行った。NProP及びNBPの耐放射線性試験の結果、ともに照射線量に依存せず、3M硝酸中では0.5MGyまで照射後も当初の沈殿能を維持すること、また、NProP及びNBPの耐熱性試験として3M硝酸中で50Cに加熱した結果、NBPは4日以内、NProPは10日以内にその構造を大きく変えるが、これはU(VI)に対する沈殿能の劣化につながらず、むしろ沈殿剤の疎水性の増大により沈殿能が向上することが明らかとなった。
原田 雅幸*; 朝倉 俊英; 森田 泰治; 野上 雅伸*; 西村 建二*; 池田 泰久*
no journal, ,
ウランの選択的沈殿剤として研究しているピロリドン誘導体であるN-プロピル-2-ピロリドン(NBP)及びN-ブチル-2-ピロリドン(NProP)のウラニルイオンとの錯体の分子構造を単結晶X線回折により決定し、ラマンスペクトルの測定結果と合わせ、これら錯体の構造と沈殿性との関係について検討した。その結果、NProP錯体はNBP錯体よりも若干弱い配位性を示すことが明らかとなり、また、ウランと配位子の間の距離(U-O)は、NBP錯体で2.373で、NPrpP錯体で2.389及び2.393であること、また結晶の単位体積は、NBP錯体が577.7であるのに対し、NProP錯体が1134と嵩高い結晶であることがわかった。
原田 雅幸*; 森田 泰治; 野上 雅伸*; 西村 建二*; 池田 泰久*
no journal, ,
これまで検討してきたN-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP)よりも低疎水性のN-ブチル-2-ピロリドン(NBP)及びN-プロピル-2-ピロリドン(NProP)のウラニルイオン選択的沈殿剤としての性能を調べた。その結果、NBP及びNProPは、ウラニルイオン濃度,硝酸濃度,溶液温度とは無関係にウラニルイオンを化学量論的に沈殿させることを見いだした。また、大過剰のNBP添加ではPu(IV)が沈殿するものの、NProPは0.04Mから0.06Mの濃度範囲のPu(IV)及びPu(VI)を沈殿させないことがわかった。これらの結果より、NBPあるいはNProPを用いた、Pu(IV)の沈殿が生じることなくU(VI)を沈殿させうるプロセスの構築が期待できる。
野田 恭子*; 鷹尾 康一朗*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 丸山 幸一*; 高橋 宏明*; Kim, S.-Y.; 佐藤 真人; 峯尾 英章; et al.
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験で、U(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本報告では、本研究開発の概要とこれまでの主要な成果を紹介する。本研究開発では、新規沈殿剤を用いることによるシステムの分離性・安全性・経済性向上を目指しており、これまでに低配位性・低疎水性新規沈殿剤であるN-ブチルピロリドン(NBP)あるいはN-プロピルピロリドン(NProP)を用いることで選択的U沈殿工程の効率化が可能であることを明らかにした。
森田 泰治; Kim, S.-Y.; 池田 泰久*; 野上 雅伸*; 西村 建二*
no journal, ,
FBR燃料再処理を目的として、ピロリドン誘導体による沈殿法を基本とした、U選択的沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2つの沈殿主工程から構成される簡易再処理システムの開発を行っている。これまでに、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP)を沈殿剤としたプロセスの成立性を示し、さらにプロセスの効率化を目指して、他のピロリドン誘導体の適用を検討している。いずれにおいても有機物である沈殿剤の耐放射線性,沈殿物の安定性の評価は重要な課題である。本試験では、Pu共存化で、UあるいはU-Puの沈殿を作り、これを長期に渡って観測することで線照射の影響を調べた。線照射の吸収線量を溶液全体の平均値(吸収線量率0.125kGy/h)として単位吸収線量あたりのU溶出量(U溶出速度)を算出した結果、Uのみ約70%沈殿した系で0.87mmol/MGy、U, Puともに98%が沈殿した系で0.22mmol/MGyであった。線照射の場合のU溶出速度は、線量率4.0kGy/hで3.91mmol/MGy、1.9kGy/hで1.7mmol/MGyとすでに求められており、線照射と線照射とでその影響が根本的に異なることはないことがわかった。
鷹尾 康一朗*; 野田 恭子*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 池田 泰久*; 森田 泰治; 西村 建二*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。最適沈殿剤の選択に資することを目的として、11種のピロリドン誘導体が配位した硝酸ウラニル錯体の単結晶X線構造解析を行い、これらの硝酸ウラニル錯体の分子及び結晶構造を明らかにした。それらの比較により、一連のピロリドン誘導体のUOに対する沈殿剤としての性能評価について、結晶学的観点から考察を行った。その結果、N-iso-butyl-2-pyrrolidoneを有する錯体が、結晶中で最も効率的なパッキングを形成することを明らかにした。