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大西 健太郎*; 小林 拓真*; 溝端 秀聡*; 野崎 幹人*; 吉越 章隆; 志村 考功*; 渡部 平司*
Japanese Journal of Applied Physics, 62(5), p.050903_1 - 050903_4, 2023/05
被引用回数:2 パーセンタイル:71.03(Physics, Applied)高品質SiO/GaN MOS構造の実現には、GaO界面層の形成が有効である。しかしGaO層を形成した場合、熱処理条件を注意深く設計しなければ、GaO層の還元に伴い正の固定電荷が生成する。そこで本研究では、GaN上にSiOをスパッタ成膜することで、不安定なGaO層を最小限に抑制することを目指した。実際に放射光X線光電子分光測定により、プラズマ化学気相成長法(PECVD)でSiOを成膜した場合と比較して、スパッタ成膜ではGaO層が抑制できることを確認した。成膜後に適切な温度で酸素・フォーミングガスアニールを実施することで、良好な界面特性、絶縁性を有するGaN MOSデバイスを実現した。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
大西 世紀*; 近藤 恵太郎*; 東 哲史*; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 村田 勲*; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.695 - 699, 2012/08
被引用回数:11 パーセンタイル:63.23(Nuclear Science & Technology)散乱断面積データの検証のために、DT中性子ビームを用いた新たな積分実験を開始した。最初に、コリメーターでDT中性子ビームを構築し、その特性を調べた。次に、このDT中性子ビームを用いて、SUS316体系を用いた新しい積分実験を行った。体系内中心軸上及び中心軸から15cm, 30cm離れた点でNb(n,2n)Nb反応の反応率を放射化箔法で測定し、モンテカルロコードMCNP及び核データライブラリJENDL-4.0, JENDL-3.3, ENDF/B-VI.8を用いた計算との比較を行った。実験値に対する計算値の比はどの核データを用いても中心軸から離れるにつれて1より小さくなった。0度よりも大きな角度に散乱する断面積に問題がある可能性を指摘した。
近藤 恵太郎; 八木 貴宏*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 高倉 耕祐; 大西 世紀; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2184 - 2187, 2011/10
被引用回数:2 パーセンタイル:18.25(Nuclear Science & Technology)原子力機構のFNS施設で、ITERのテストブランケットモジュールのため、Li濃縮LiTiOとベリリウムを用いて行われたブランケット核特性実験で、中性子源をステンレス316の反射体で囲んだ場合、トリチウム生成率(TPR)の計算値が実験値をおよそ10%系統的に過大評価する傾向が見られていた。しかし、最近実施した天然組成のLiTiOとベリリウムを用いたブランケット核特性実験では、反射体はTPRの予測精度に影響を及ぼさなかった。過去の実験値について詳細に調べた結果、測定されたTPR分布に物理的におかしな点があることがわかった。過去の実験値に問題があったかどうかを確かめるため、過去の実験と同じ体系を用いたブランケット核特性実験を再度実施した。その結果、TPRの測定値は測定誤差6%の範囲内で計算値とよく一致した。以上の結果から、過去の実験データには何らかの問題があった可能性が高く、反射体によるTPRの予測精度の悪化は起こらないと結論した。
今野 力; 和田 政行*; 近藤 恵太郎; 大西 世紀; 高倉 耕祐; 落合 謙太郎; 佐藤 聡
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2682 - 2685, 2011/10
被引用回数:4 パーセンタイル:32.48(Nuclear Science & Technology)2010年春、日本の核データライブラリJENDLは大改訂が行われ、JENDL-4.0として公開された。今回、JENDL-4.0の鉄データの詳細ベンチマークテストとして、原子力機構FNSのDT中性子入射鉄積分ベンチマーク実験を、JENDL-4.0を用いてMCNP4Cコードで解析した。その結果、JENDL-3.3の 鉄データで指摘されていた問題点(例えば、Feの第1励起非弾性散乱断面積,Feの弾性散乱の角分布)がJENDL-4.0の鉄データでは適切に修正されていることがわかった。JENDL-4.0の鉄データはENDF/B-VII.0やJEFF-3.1の鉄データと比べても遜色ないだけでなく、部分的には凌駕していると言える。
今野 力; 高倉 耕祐; 近藤 恵太郎; 大西 世紀*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.341 - 345, 2011/10
これまでに、断面積の自己遮蔽補正の観点で、多群ライブラリVITAMIN-B6, JSSTDL-300はバックグランド断面積及び荷重フラックスが不適切であることを指摘してきた。今回、最近の多群ライブラリMATXS-J33, MATJEFF3.1.BOLIB, VITJEFF3.1.BOLIB, VITENEA-J, HILO2k, SCALE6のENDF/B-VII.0のAMPXファイル、ADS-2.0のMTXSファイルについて、同様の問題があるかどうかを調べた。簡単なテスト計算の結果、MATXS-J33では問題はなかったものの、VITJEFF3.1.BOLIB, VITENEA-J, HILO2k, SCALE6のENDF/B-VIIのAMPXファイルは不適切な荷重フラックスを使って作られており、VITJEFF3.1.BOLIB, MATJEFF3.1.BOLIBとADS-2.0のMTXSファイルは、バックグランド断面積が適切でないことがわかった。VITJEFF3.1.BOLIB, VITENEA-J, HILO2k, SCALE6のENDF/B-VIIのAMPXファイル、MATJEFF3.1.BOLIBとADS-2.0のMTXSファイルを用いた計算では自己遮蔽補正が必ずしも適切に行われず、計算結果に大きな影響を与えることに注意する必要がある。
今野 力; 高倉 耕祐; 和田 政行*; 近藤 恵太郎; 大西 世紀*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.346 - 357, 2011/10
2010年の春、日本の核データライブラリJENDLは大改訂が行われ、JENDL-4.0として公開された。今回、遮蔽分野,核融合分野でのJENDL-4.0のベンチマークテストの一つとして、原子力機構FNSで以前実施した種々のDT中性子入射積分ベンチマーク実験(体系内実験,飛行時間法実験)を、JENDL-4.0を用いてMCNP4Cコードで解析した。解析は、JENDL-3.3からJENDL-4.0で改訂された核種(ベリリウム,炭素,ケイ素,バナジウム,銅,タングステン,鉛)を含むFNSの積分実験を対象にした。解析の結果、JENDL-4.0ではJENDL-3.3の問題点の多くが修正され、ENDF/B-VII.0やJEFF-3.1と比べても遜色ないことがわかった。
大西 世紀; 近藤 恵太郎; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 今野 力; 村田 勲*
Journal of the Korean Physical Society, 59(2), p.1949 - 1952, 2011/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)原子力機構FNSでは核データライブラリ検証のために従来TOF実験並びに体系内測定等による積分実験を実施してきている。現在これらの実験に加えてより広い散乱角,エネルギーを対象とした積分実験を計画している。これまでに、検出器開発や照射実験で需給が逼迫している第二ターゲット室の大型トリチウムターゲットに替わり、入手性の良い小型トリチウムターゲットを用いて第一ターゲット室でDT中性子ビームを構築することを検討してきた。本研究では、この中性子コリメータをFNS第一ターゲット室に構築し、そこからのDT中性子ビームの特性を調べた。その結果、コリメータは設計どおりの性能を示し、DT中性子ビーム積分実験を行ううえで十分であることを確認した。
落合 謙太郎; 近藤 恵太郎; 大西 世紀; 高倉 耕祐; 佐藤 聡; 阿部 雄一; 今野 力; 鈴木 ちひろ*; 八木 貴宏*
Journal of the Korean Physical Society, 59(2), p.1953 - 1956, 2011/08
被引用回数:4 パーセンタイル:33.65(Physics, Multidisciplinary)鉛は核融合炉ブランケットの中性子増倍材として重要な候補材料の一つである。われわれはDT中性子源施設である原子力機構FNS施設で、DT中性子による鉛のベンチマーク実験を実施し、鉛の評価済み核データの妥当性検証を実施した。45.3cm立方体の鉛体系に距離20cmの位置からDT中性子を照射した。鉛体系内の中性子場の評価として、Al(n,)Na, Nb(n,2n)Nb, Zr(n,2n)Zr及びIn(n,n')In反応による放射化箔法と2MeV以上の中性子スペクトル測定を行った。検証した核データはJENDL-3.3, ENDF/B-VII.0, JEFF-3.1及びFENDL-2.1で、モンテカルロコードMCNPを用いて、上記の反応率と中性子スペクトルを計算し、実験値との比較を行った。その結果、ENDF/B-VII.0, JEFF-3.1及びFENDL-2.1による計算結果は実験と良い一致を示した。一方、JENDL-3.3を用いた計算結果は実験と明らかな不一致があり、JENDL-3.3の(n,2n)及び非弾性散乱断面積データがこの不一致に大きく寄与していることを明らかにした。
今野 力; 落合 謙太郎; 大西 世紀
Journal of the Korean Physical Society, 59(2), p.1092 - 1095, 2011/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)JSSTDL-300はJENDL-3.2から作られた遮へい用の多群ライブラリである。JSSTDL-300での自己遮蔽補正は、(1)荷重関数がルジャンドルの次数によらず0次のものが使われている、(2)散乱マトリックスのfテーブルが弾性散乱のものと同じという理由で、適切に行われていない可能性が高い。そこで、この問題による影響を半径1mのアルミ,鉄,ニッケルあるいは銅の球の中心に20MeVの中性子源をおいた簡単なベンチマークモデルを使って調べた。この球内の中性子スペクトルをANISNで計算し、MCNP計算と比較した。その結果、物質によって、自己遮蔽補正への影響が大きく異なり、銅体系での影響が最も大きくなることがわかった。多群ライブラリを作る際は、適切なfテーブルと荷重関数を採用する必要がある。
近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 立部 洋介; 八木 貴宏; 大西 世紀; 高倉 耕祐; 佐藤 聡; 今野 力
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.61 - 64, 2011/02
原子力機構の核融合中性子源施設FNSでは、DT中性子による核融合炉材料の積分実験が数多く実施され、核データの精度検証に大きな成果を挙げてきた。DD中性子に起因する核データをより効果的に検証するため、われわれは新たにFNSのDD中性子源を用いた積分実験を開始した。本会議ではDD中性子によるベリリウム積分実験について報告する。実験では直径63cm,厚さ45cmのベリリウム疑似円筒体系をDD中性子源から20cmの位置に構築し、体系内におけるIn(n,n')In, Au(n,)Au, Li(n,)T反応率とUの核分裂率を測定した。測定値はMCNP5コードと最新の評価済み核データライブラリ(JENDL-3.3, ENDF/B-VII.0, JEFF-3.1)を用いた計算値と比較した。その結果、0.3MeV以上の中性子に感度のあるInの反応率について、実験値と計算値の系統的な違いが見られた。解析の結果、この違いは3MeV付近の弾性散乱断面積と(n,2n)反応のしきいエネルギー付近の断面積に起因することがわかった。一方、低エネルギー中性子に感度のあるAu, Li, Uの反応率の計算値は大きな過大評価傾向を示した。この傾向はDT中性子のベンチマーク実験で見られたものとほぼ同様で、その原因はまだ明らかになっていない。
落合 謙太郎; 立部 洋介; 近藤 恵太郎; 大西 世紀; 佐藤 聡; 高倉 耕祐; 今野 力
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.142 - 145, 2011/02
国際熱核融合実験炉(ITER)のテストブランケットモジュール(TBM)の核解析は輸送計算コードと核データライブラリーを用いて行われる。解析の妥当性を検証するためにはTBM内の中性子スペクトル測定が必要であり、われわれはその測定法としてマルチ箔放射化法を提案している。今回、マルチ箔放射化法によるTBM模擬体系中の中性子スペクトル測定を原子力機構FNS施設で実施し、その測定手法の妥当性について検討した。放射化反応としておもにZr(n,2n)Zr, Nb(n,2n)Nb, Al(n,)Na, In(n,n')In, Ni(n,p)Co, Au(n,)Auを利用した。初期スペクトルは、モンテカルロ計算コードMCNP4Cと核データFENDL-2.1によって求めた中性子スペクトルを用いた。この初期スペクトルと箔放射化測定結果、JENDL-Dosimetry99ファイルから作成したレスポンスを用いて、TBM模擬体系内の中性子スペクトルをアンフォールディング計算コードNEUPACで導出した。マルチ箔放射化法によって求めた模擬体系中の中性子スペクトルはおおむね妥当な結果を示したが、低速中性子スペクトルの評価については、Au(n,)Au以外の実験データの利用が重要であることがわかった。
大西 世紀; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 近藤 恵太郎; 今野 力
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.73 - 76, 2011/02
原子力機構核融合中性子源(FNS)では大型及び小型トリチウムターゲットを用いて中性子実験を行っている。しかしながら近年ITERを目的とした中性子計測機器実験等に用いるビーム中性子場の需要が高まっているのに反し、大型トリチウムターゲットの入手性は悪化している。このため比較的入手性の良い小型トリチウムターゲットを用いてビーム中性子場を構築することを計画している。新しいビーム中性子場を構築するためにコリメータシステムを設計した。コリメータは過去にFNSで用いられたITER遮へい実験で用いられた材料をもとにしている。これらFNSが所有している材料でコリメータ作成を行った場合の、コリメータ出口及び、コリメータ出口から20cm離れた点での中性子スペクトルを計算により評価した。輸送計算コードにはDORTコードを、多群断面積セットにはFENDL/MG-2.1を用い、これらの計算結果を示した。
今野 力; 落合 謙太郎; 大西 世紀
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.32 - 35, 2011/02
ENDF/B-VIから作られた多群ライブラリVITAMIN-B6を使った簡単なベンチマークテストを行った。このテストでは、中心に20MeVの中性子源を置いた直径1mの鉄球内の中性子スペクトルをANISNで計算するというもので、VITAMIN-B6を使ったANISN計算の結果は、FENDLを使ったANISN計算,MCNP計算の結果と最大50%の違いが生じた。この違いの原因を詳細に調べたところ、VITAMIN-B6では、Feのバックグランド断面積の最小値が1で、また、1/(+)とすべき加重関数を1/(+)の加重関数を採用していた。そのため、VITAMIN-B6では自己遮蔽補正が適切に行われず、その結果、ベンチマークテストでVITAMIN-B6を使ったANISN計算の結果は、FENDLを使ったANISN計算,MCNP計算の結果と大きく異なったことがわかった。
近藤 恵太郎; 立部 洋介; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 高倉 耕祐; 大西 世紀; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 85(7-9), p.1229 - 1233, 2010/12
被引用回数:8 パーセンタイル:49.36(Nuclear Science & Technology)原子力機構FNS施設で過去に実施したブランケット核特性実験で、以下のような実験と解析の不一致が指摘されている。(1)Li濃縮LiTiOとベリリウムを用いた体系で、SS316製の中性子反射体でDT中性子源を囲むと、トリチウム生成率(TPR)が10%程度過大評価になる。(2)天然LiOペブルをベリリウムで挟んだ体系で、後ろのベリリウム境界付近でTPRが10%程度過大評価になる。これらの問題点をよりはっきり調べるため、本研究では天然LiTiOとベリリウムを用いた体系を構築し、リチウム層でのTPRを測定して計算値と比較を行った。LiCOペレット検出器を用い、リチウム層中でのTPR分布を詳細に測定し、反射体を使用した場合と使用しなかった場合の影響を調べた。その結果、TPRの測定値と計算値は6%の測定誤差の範囲内でよく一致し、過去の実験で見られた反射体による計算の過大評価、及び後ろのベリリウム層との境界付近での計算の過大評価は認められなかった。
今野 力; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 大西 世紀; 近藤 恵太郎; 和田 政行*; 佐藤 聡
Fusion Engineering and Design, 85(10-12), p.2054 - 2058, 2010/12
被引用回数:1 パーセンタイル:9.96(Nuclear Science & Technology)前回のISFNTで、原子力機構FNSで実施したベリリウム積分実験の再解析を発表し、JENDL-3.3, FENDL-2.1, JEFF-3.1とENDF/B-VII.0を用いたすべての計算が、低エネルギー中性子に関する実験値を過大評価すること、JEFF-3.1を用いた計算で得られた漏洩中性子スペクトルの12MeV付近に奇妙なピークがあらわれることを報告した。今回、この2つの問題の原因を詳細に調べた。その結果、JEFF-3.1の公式ACEファイルMCJEFF3.1がJEFF-3.1と整合性がとれておらず、そのため、12MeV付近に奇妙なピークがあらわれることがわかった。また、計算で得られた熱中性子ピークが大きすぎたために低エネルギー中性子に関する実験値を過大評価したと推察し、計算結果をもとに熱中性子散乱則データの干渉弾性散乱断面積が大きすぎるせいである可能性を指摘した。
大西 世紀; 前原 直; 榊 泰直; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 今野 力
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.190 - 192, 2010/08
現在IFMIF/EVEDA計画では六ヶ所サイトに試験用の重陽子加速器施設が建設されている。この建設に先立ち、加速器室の遮へい設計を行った。当研究ではIFMIF/EVEDA加速器室のプロトタイプモデルに対し、モンテカルロ輸送計算コードMCNPとFENDL/MC-2.1断面積ライブラリを用いた。計算の結果、実効線量率は加速器室外壁上のビームダンプ最近傍点で0.5Sv/h、ビーム軸延長線上の点では0.05Sv/hとなり、常時立入り可能な管理区域の基準を満たしていることを確認した。
今野 力; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 大西 世紀; 高倉 耕祐; 飯田 浩正
Nuclear Technology, 168(3), p.743 - 746, 2009/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)トランスパイア社の3次元SnコードAttilaは形状入力としてCADデータを直接使用することができ、複雑形状の構造でも取扱いが容易である。ITER機構は、核解析の標準コードの一つとしてAttilaコードを採用する計画をもっている。しかし、Attilaコードを用いた計算の妥当性検証はこれまで詳細には行われていない。そこで、原子力機構FNSで実施したDT中性子を用いたバルク実験,ストリーミング実験の解析を通して、Attilaコードの妥当性検証を行った。比較のために、他のSnコードDOORS、及びモンテカルロコードMCNPを用いた解析も行った。その結果、バルク実験に関しては、適切な多群ライブラリを用いることにより、Attilaコードを用いた解析は多くの計算時間,メモリが必要となるものの、DOORSを用いた解析とよく一致した。ストリーミング実験に関しても、DOORS同様、バイアス角度分点,最終衝突線源法等の適切な近似を行えば、MCNPとほぼ同程度の計算結果を得ることができることがわかった。
佐藤 聡; 高倉 耕祐; 落合 謙太郎; 近藤 恵太郎; 立部 洋介; 大西 世紀; 和田 政行*; 沓掛 忠三; 田中 滋; 阿部 雄一; et al.
Fusion Science and Technology, 56(1), p.227 - 231, 2009/07
被引用回数:1 パーセンタイル:10.21(Nuclear Science & Technology)これまでにFNSで行ってきたブランケット核特性実験において、FNSのDT中性子線源の周囲に反射体を設置した実験等で、トリチウム生成率の計算結果は、実験結果を10%以上過大評価していた。これらの過大評価の原因として、鉄やベリリウムでの後方散乱中性子の計算に問題がある可能性を指摘してきた。本研究では、この問題が他の実験データでも現れるかどうかを調べるために、放射化箔法を用いて、ITERテストブランケットモジュールを模擬したベリリウム体系とSUS体系の2つの模擬体系を用いて、各々、反射体あり及びなしの条件でDT中性子照射実験を行い、体系内の金とニオブの反応率分布を測定した。実験の解析は、モンテカルロ計算コードMCNP-4C,核データライブラリーFENDL-2.1で行った。金の反応率の計算結果は、ほとんどの位置で実験結果と7%以内で一致した。反射体ありの実験での計算結果と実験結果の比は、反射体なしの実験での比に比べて、高くなる傾向を示した。ニオブの反応率に関しては、反射体ありの実験での計算結果と実験結果の比と、反射体なしの実験での比との間で、有意な違いは見られなかった。詳細な結果を、本会議にて発表する。
永田 晋二*; 小西 芳紀*; 土屋 文*; 藤 健太郎*; 山本 春也; 高廣 克己*; 四竈 樹男*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.519 - 522, 2007/04
被引用回数:7 パーセンタイル:50.01(Instruments & Instrumentation)プロトン伝導性を示すパーフルオロスルホン酸系高分子膜について、電気伝導特性に及ぼすMeV領域のイオンビームの照射効果を調べた。膜試料に対して、イオン種と照射量を変えた照射を行い、膜試料の電気伝導度の変化を調べた。その結果、水素(H)及びヘリウム(He)イオンを単位面積あたりの照射量が210ions/cmまで照射すると、膜試料の電気伝導度が約3桁上昇することがわかった。さらに、イオン照射を行った膜に対して可視,紫外分光及び赤外分光を用いて膜中の化学結合状態を調べたところ、フッ素と炭素からなる不活性な化合物(パーフルオロカーボン,PFC)とペロキシラジカルの形成が確認できた。これよりイオン照射によって形成されるPFCなどの化合物が膜試料中のプロトン伝導性を高くする要因の一つであると考えられる。