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矢部 誠人; 岡村 浩之; 西連地 志穂; 大橋 朗*; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
no journal, ,
溶媒抽出において、目的金属イオンの抽出分離効率を向上させるために、様々な抽出剤が開発されている。以前、我々はジグリコールアミド酸(DGAA)型抽出剤を開発し、ランタノイドLn(III)に対して高い抽出分離能を示すことを報告した。本研究では、より高い抽出分離能を有する抽出剤を開発するために、カリックス[4]アレーンにDGAA部位を導入した新規抽出剤(Bu[4]DGAA)を合成し、ランタノイドの抽出実験を行った。また、環状構造ではない単量体ドデシルジグリコールアミド酸(CDGAA)を合成し、Bu[4]DGAAと抽出分離能を比較した。さらに、金属錯体の蛍光寿命とH NMRを測定し、錯体構造について検討した。CDGAAはランタノイドをpH4以上で定量的に抽出するが、ランタノイド間の分離能が小さかった。一方、Bu[4]DGAAは中・重希土をpH1.5以上で、軽希土をpH2.5以上で定量的に抽出可能であり、CDGAAに比べて大幅に抽出能と分離能が向上した。またSlope解析により抽出平衡式(Ln+Bu[4]DGAA Ln(Bu[4]DGAA) + 3H, Ln + 3CDGAA Ln(CDGAA) + 3H)が明らかとなった。さらに、金属錯体の蛍光寿命から水和数がゼロであり、H NMR測定からDGAA部位のアミド,エーテル,カルボン酸がランタノイドに結合していることが示唆された。
矢部 誠人; 岡村 浩之; 西連地 志穂; 大橋 朗*; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
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ジグリコールアミド酸(DGAA)型抽出剤を開発し、ランタノイド(Ln(III))に対して高い抽出分離能を示すことを報告した。本研究では、より高い抽出分離能を有する抽出剤を開発するために、カリックス[4]アレーンにDGAA部位を導入した新規抽出剤(Bu[4]DGAA)を合成し、ランタノイドの抽出実験を行った。また、環状構造ではない単量体ドデシルジグリコールアミド酸(CDGAA)を合成し、Bu[4]DGAAと抽出分離能を比較した。さらに、金属錯体の蛍光寿命とH NMRを測定し、錯体構造について検討した。Bu[4]DGAAおよびCDGAAを用いたランタノイドの抽出におけるpH依存性を調べたところ、CDGAAはランタノイドをpH4以上で定量的に抽出するが、ランタノイド間の分離能が小さいことがわかった。一方、Bu[4]DGAAは中・重希土をpH 1.5以上で、軽希土をpH2.5以上で定量的に抽出可能であり、CDGAAに比べて大幅に抽出能と分離能が向上した。またスロープ解析から、Bu[4]DGAAおよびCDGAAによる抽出平衡式(それぞれ、Ln + Bu[4]DGAA Ln(Bu[4]DGAA) + 3H, Ln + 3CDGAA Ln(CDGAA) + 3H)が明らかとなった。さらに、金属錯体の蛍光寿命から水和数がゼロであり、H NMR測定からDGAA部位のエーテル,カルボン酸がランタノイドに結合していることが示唆された。
矢部 誠人; 藤原 伊織; 岡村 浩之; 西連地 志穂; 大橋 朗*; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
no journal, ,
溶媒抽出において、目的金属イオンの抽出分離効率を向上させるために、様々な抽出剤が開発されている。以前、我々はジグリコールアミド酸(DGAA)型抽出剤を開発し、ランタノイドLn(III)に対して高い抽出分離能を示すことを報告した。本研究では、より高い抽出分離能を有する抽出剤を開発するために、カリックス[4]アレーンにDGAA部位を導入した新規抽出剤(tBu[4]DGAA)を合成し、ランタノイドの抽出実験を行った。また、環状構造ではない単量体ドデシルジグリコールアミド酸(C12DGAA)を合成し、tBu[4]DGAAと抽出分離能を比較した。さらに、金属錯体の蛍光寿命と1 H NMRを測定し、錯体構造について検討した。その結果、C12DGAAはランタノイドを定量的に抽出するが、ランタノイド間の分離能が小さかった。一方、tBu[4]DGAAはC12DGAAに比べて大幅に抽出分離能が向上した。