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論文

ベントナイト中でのナトリウムシリケート水和物によるセメンテーションとその評価

西塔 祐稀*; 石渡 翔丸*; 堀内 美里*; 西木 悠人*; 菊池 亮佑*; 大竹 翼*; 川喜田 竜平; 高山 裕介; 三ツ井 誠一郎; 佐藤 努*

2024年度資源・素材学会春季大会講演集, 7 Pages, 2024/03

地下を利用した様々な工学技術(地層処分、地下貯留、石油増進回収等)において、人工バリアや岩盤のセメンテーションが注目されている。しかし、どのような鉱物でどのようにセメンテーションが進行して、どのような物性に変化するのかについての理解は不十分である。それらの理解のためには、実験室でセメンテーションを再現すること、セメンテーション後の構造の変化や物性の変化を詳細に調べることが重要となる。そこで本研究では、難透水性のベントナイト(乾燥密度0.6Mg/m$$^{3}$$)と、Na$$_{2}$$SiO$$_{3}$$溶液を用いて70$$^{circ}$$Cで浸漬および通水実験を行い、その後の内部構造、鉱物組成、透水係数の変化等を調べた。走査電子顕微鏡での観察結果から、浸漬および通水実験ともに、ベントナイトの空隙を埋めるようにナトリウムシリケート水和物(NSHあるいはNASH)が確認された。また、通水実験では、通水時間が長くなるにつれて透水係数の低下が認められた。本研究で示されたセメンテーション法やセメンテーション後の物性変化の詳細な検討法は、セメントとともに地下に設置されるベントナイトの物性変化や、貯留岩へのアルカリ攻法による帽岩への影響を調べる上で有用なものになると考えられる。

報告書

不飽和圧縮ベントナイト中での塩水浸潤挙動データの取得

佐藤 久*; 高山 裕介; 鈴木 英明*; 佐藤 大介*

JAEA-Data/Code 2023-010, 47 Pages, 2023/09

JAEA-Data-Code-2023-010.pdf:1.45MB

高レベル放射性廃棄物の処分場を沿岸部に建設した場合、沿岸部の地下水は海水の影響を受けて塩濃度が高くなるため、海水系の地下水が緩衝材を含む人工バリアに与える影響を十分に考慮して評価する必要がある。本報告では、緩衝材が飽和に至るまでの過渡的な期間において、海水系の地下水が緩衝材中での水分や溶質の移行現象に与える影響を評価することを目的として、異なる乾燥密度の圧縮ベントナイト試料を対象に、浸潤水のNaCl濃度を変えた一次元の塩水浸潤試験を実施し、浸潤水のNaCl濃度と浸潤速度の関係や浸潤試験後の圧縮ベントナイト試料中の含水比分布データを取得した。また、浸潤試験後の試料中の塩化物イオンの濃度分布を分析することにより、不飽和な圧縮ベントナイト中での溶質の移行挙動の理解に資するデータを取得した。その結果、浸潤水のNaCl濃度が高くなるに従い浸潤は速くなり、乾燥密度1.4Mg/m$$^{3}$$から1.8Mg/m$$^{3}$$、浸潤水のNaCl濃度が0(蒸留水)から4.0mol/dm$$^{3}$$までの範囲において、浸潤時間と浸潤量の関係は浸潤水の拡散現象とみなして評価できることが確認された。また、浸潤水が蒸留水の場合、含水比は給水側から浸潤距離に応じてなだらかに低下する分布となるが、浸潤水がNaCl水溶液の場合、含水比は給水側から浸潤の先端近くまで比較的高い状態を保ちながら浸潤の先端で低下する分布となり、NaCl濃度が高くなるに従いその傾向が強くなることが確認された。浸潤試験後試料の塩化物イオン濃度の分析結果から、給水側よりも浸潤方向側の領域で給水側より塩化物イオンの濃度が部分的に高くなる現象(塩化物イオンの濃縮)が起きており、この傾向は供試体の乾燥密度が低くなるに従い強くなることや、浸潤水のNaCl濃度が高くなるに従い強くなることが確認された。また、浸潤に伴い塩化物イオンが濃縮する現象は供試体の初期含水比に依存することが確認されており、浸潤に伴う塩化物イオンの濃縮が生じない条件を設定可能な見通しが得られた。

論文

約2.7$$sim$$4年の長期圧密試験によるベントナイトの二次圧密特性

高山 裕介; 山本 陽一*; 後藤 考裕*

地盤工学ジャーナル(インターネット), 18(3), p.317 - 330, 2023/09

Na型ベントナイト・砂混合土に対する約1.8年の長期の圧密試験により、二次圧密過程の変形が加速的に増加する傾向が報告されている。そこで、このような二次圧密の加速挙動が生じた要因の分析を行い、それらの要因に対する対策を試験装置に施し、ベントナイトやカオリナイトを用いた10年以上を想定した長期圧密試験を開始した。本研究では、長期圧密試験開始から約2.7$$sim$$4年経過時までの試験データに基づき、ベントナイトの二次圧密特性を調べた。その結果、試験開始から約2.7$$sim$$4年の計測期間では、時間の対数に対して直線的に二次圧密が進行するという従来の粘土に対する知見と概ね整合的な結果が得られた。今後も試験期間が10年程度以上となるまで試験を継続し、ベントナイトのより長期的な二次圧密特性について調べていく予定である。

報告書

熱-水-応力-化学連成解析モデルを用いた海水系地下水環境下における緩衝材の浸潤挙動評価(受託研究)

鈴木 英明*; 高山 裕介; 佐藤 久*; 綿引 孝宜*; 佐藤 大介*

JAEA-Research 2022-013, 41 Pages, 2023/03

JAEA-Research-2022-013.pdf:3.99MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における過渡期のニアフィールド状態は、熱的作用(熱輸送、熱膨張)、水理的作用(地下水浸透、温度勾配による水分移動)、力学的作用(応力変形、膨潤圧の発生)および化学的作用(物質移行、間隙水の濃縮希釈、鉱物の溶解沈澱など)などが相互に影響を及ぼし合って変化する複合的な現象が生じると考えられている。このような過渡期における複雑なニアフィールド環境を把握することを始めとして、安全評価における核種移行の初期状態の設定や、オーバーパックの腐食寿命評価に必要となるニアフィールド環境条件に関する情報の提供を目的として、熱-水-応力-化学(THMC)連成解析コード(Couplys)の開発が進められてきている。本研究では、海水系地下水環境下におけるニアフィールドの再冠水挙動の評価を適切に行うため、海水系地下水を想定した溶液を緩衝材材料に浸潤させた室内試験結果に基づき、不飽和浸透流解析と物質移行解析および地球化学解析を連成させる手法により、緩衝材の透水性が間隙水中の塩濃度に依存して変化するとした水理モデルを設定した。また、廃棄体の発熱によってオーバーパック近傍で緩衝材の水分が低下し乾燥する現象について、気液二相流解析コード(TOUGH2)を用いて、廃棄体の発熱を想定した人工バリア体系での気相の流れと水蒸気量の勾配によって生じる水蒸気移動を含む緩衝材の浸潤挙動評価を実施した。そして、得られた浸潤プロファイルに基づき、温度および間隙水飽和度の依存性を考慮した温度勾配による水分移動モデルの設定を行った。さらに、これら設定したモデルをCouplysに適用し、幌延深地層研究計画に基づき実施された人工バリア性能確認試験を対象とした解析評価を実施した。そして、原位置で計測された緩衝材の浸潤挙動に関するデータとの比較を通じてモデルの適切性を確認した。

論文

膨潤圧試験中のベントナイトの膨潤圧変化に与える吸水圧縮挙動の影響

高山 裕介; 佐藤 大介*; 菊池 広人*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 29(2), p.101 - 111, 2022/12

放射性廃棄物の地層処分施設の緩衝材への利用が検討されているベントナイトの膨潤特性を把握するために実施される膨潤圧試験では、給水開始後の時間経過とともに単調に膨潤圧が増加する場合以外にも、一度増加した後に低下する場合など様々な結果が報告されている。本研究では、複数の異なる初期含水比の供試体を用いて膨潤圧試験を実施し、試験中のX線CT測定により、膨潤圧が単調に増加する場合および一時的に低下する場合における供試体内部の湿潤密度分布の時間変化を把握した。その結果、吸水圧縮挙動の発生の有無やその大小が膨潤圧の経時変化の形状に影響を与えることを明らかにした。具体的には、膨潤圧試験において供試体内部での吸水圧縮による変形量が大きいほど試験途中における膨潤圧の一時的な低下量が大きく、吸水圧縮による変形が生じない場合は単調に増加するものと推測された。

論文

Model development of coupled THMC processes for a geological repository at higher temperature region

田窪 勇作*; 高山 裕介; Idiart, A.*; 田中 達也*; 石田 圭輔*; 藤崎 淳*

Proceedings of 2022 International High Level Radioactive Waste Management Conference (IHLRWM 2022) (Internet), p.906 - 915, 2022/11

地層処分場の設計では、ベントナイト中のモンモリロナイトの熱変質による安全機能の低下を防止するため、ベントナイトが使用される緩衝材や埋め戻し材の温度を100度以下に抑えることが一般的な設計要件となっており、これまでの設計検討では、熱伝導解析を用いて緩衝材温度が100度未満となることが確認されてきた。しかし、ベントナイトの状態の不確実性や人工バリア材料間の隙間などの施工上の不確実性などといった緩衝材温度を上昇させる可能性がある要因については考慮できておらず、評価をより現実的にするにはこれら不確実性の影響を考慮する必要がある。そこで本研究では、より現実的かつ100度以上の温度環境も含めた緩衝材の状態評価を行うための解析モデルの開発を開始した。また本研究では、処分場環境の不均一性に起因した緩衝材の状態変遷の不確実性も含めた予測評価を行うことを目指している。本稿では、100度以上の高温域も含めたTHMC連成解析モデルの段階的開発プロセスの概要を紹介するとともに、緩衝材の状態変遷の不確実性を定量化するために実施したTH連成現象を支配するパラメータの調査及びそのパラメータの不確実性を考慮した既存のTH連成解析技術の適用性の確認の試行結果について報告する。

報告書

研削により測定した天然交差亀裂を含む50cmスケールの岩体中の亀裂の形状特性

鐵 桂一*; 高山 裕介; 澤田 淳

JAEA-Research 2022-005, 84 Pages, 2022/08

JAEA-Research-2022-005.pdf:10.32MB
JAEA-Research-2022-005-appendix(CD-ROM).zip:35.68MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全性の評価として、核種移行の評価が行われている。亀裂性岩盤を対象とした核種移行評価では、亀裂を平行平板で近似した解析モデルが主に使われている。しかし実際の岩盤中の亀裂は平行平板とは異なり、亀裂表面の粗さや亀裂内の充填物等の存在などの複雑な形状を呈している。このように不均質な形状を持つ亀裂を平行平板のモデルに近似するにあたり、透水量係数や亀裂開口幅などのパラメータ値をどのように設定するかが課題となっている。このような課題の解決策のひとつとして、実際の岩盤中の亀裂の幾何学的な特徴を調査することが挙げられる。本研究では、交差亀裂を含む亀裂の幾何学的な特徴の理解を目的とし、天然の交差亀裂を有する50cmスケールの花崗閃緑岩に対して平面研削する手法を用い、内部の亀裂形状を詳細に測定した。これより亀裂の亀裂幅(亀裂内の充填物を含む亀裂表面間の距離)、亀裂開口幅(亀裂内の充填物を含まない空隙のみの幅)、亀裂表面の形状(亀裂幅と亀裂幅の位置座標より算出した亀裂表面の位置座標)を取得した。また得られたデータより、亀裂幅の平均値や亀裂表面の粗さ、亀裂開口幅の分布などの特性を評価した。その結果、亀裂交差部近傍の亀裂の一つが、亀裂交差部を含む他の亀裂部に比べ亀裂幅、亀裂開口幅が特に大きいことが確認できた。これらのことから、本研究で用いた岩体試料では、最も透水性の高い透水経路は亀裂交差部そのものではなく、亀裂交差部近傍の亀裂開口幅が特に大きい特定の亀裂であると推測した。

論文

オールジャパンでとりくむ地層処分のいま,3; 処分場の設計と工学技術(その1)

山本 陽一*; 小川 裕輔*; 小林 正人*; 高山 裕介; 西本 壮志*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 64(2), p.105 - 109, 2022/02

本稿は、日本原子力学会誌の連載講座「オールジャパンでとりくむ地層処分のいま」の第3回であり、処分場の設計の基本的な考え方や、設計と建設・操業のための技術開発のうち、人工バリアに関する取組みの現状について紹介するものである。

論文

Modelling concrete degradation by coupled non-linear processes

小田 治恵; 川間 大介*; 清水 浩之*; Benbow, S. J.*; 平野 史生; 高山 裕介; 高瀬 博康*; 三原 守弘; 本田 明

Journal of Advanced Concrete Technology, 19(10), p.1075 - 1087, 2021/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Construction & Building Technology)

TRU廃棄物処分場では安全性や構造の安定性の確保、及び放射性物質の移行遅延などの観点からコンクリートの使用が考えられている。本研究では、コンクリートの劣化及びひび割れ発生をコントロールする化学-輸送-力学にまたがる非線形連成プロセスを対象とし、複数の計算プログラムを用いて連成解析を実施した。このような連成解析モデルを開発することにより、TRU廃棄物処分場における長期のコンクリート劣化及びひび割れの発生をコントロールする可能性のある重要な非線形プロセスと関係を見出していくことができる。

論文

X線CT測定による膨潤圧試験中のベントナイトの吸水圧縮挙動の観察

高山 裕介; 菊池 広人*

土木学会論文集,C(地圏工学)(インターネット), 77(3), p.302 - 313, 2021/09

放射性廃棄物の地層処分施設の緩衝材への利用が検討されているベントナイトの膨潤特性を把握するため、これまでに数多くの膨潤圧試験が実施されてきた。本研究では、膨潤圧試験でしばしば観測される飽和に至るまでの過程で一度膨潤圧が低下する現象の原因を明らかにするため、X線CT測定による膨潤圧試験中の供試体内部の観察により、膨潤圧の経時変化と供試体の状態変遷の関係の把握を行った。その結果、膨潤圧が一度低下する期間において、供試体内部で吸水圧縮挙動が生じていることが観測され、これにより膨潤圧が低下したものと推測された。さらに、複数の異なる荷重条件に対して膨潤変形試験を実施した結果、膨潤圧と同等からやや小さい荷重条件においても、飽和に至る過程で圧縮挙動が生じることが確認された。これらの試験データは、再冠水時の処分施設の力学的な状態変遷を評価するための連成解析コードの検証のためのデータとしての活用が期待される。

論文

HM and THM interactions in bentonite engineered barriers for nuclear waste disposal

Gens, A.*; Alcoverro, J.*; Blaheta, R.*; Hasal, M.*; Michalec, Z.*; 高山 裕介; Lee, C.*; Lee, J.*; Kim, G. Y.*; Kuo, C.-W.*; et al.

International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences, 137, p.104572_1 - 104572_19, 2021/01

 被引用回数:12 パーセンタイル:81.61(Engineering, Geological)

放射性廃棄物を地層処分した際に、廃棄体やその周囲で起こる熱-水理-力学-化学が連成する現象を表現する連成モデルの開発と確証を目的に、国際共同研究「DECOVALEX 2019 (DEvelopment of COupled models and their VALidation against EXperiments 2019)」が実施された。DECOVALEX-2019の一つのタスクでは、スイスのモン・テリ岩盤研究所およびグリムゼル試験サイトで実施されている原位置試験(それぞれ、EB試験およびFEBEX試験)を対象とした解析課題であり、廃棄体定置後のベントナイト材料からなる緩衝材等の人工バリア及び岩盤を対象に緩衝材が不飽和から飽和に至る状態までの熱-水理-力学連成現象のモデル化に関する検討が行われた。このタスクでは4つのチームが様々なコンピューターコード、構成則を使用して水理-力学および熱-水理-力学の連成解析を実行し、計測データと解析結果の比較が行われた。本論文は、DECOVALEX-2019プロジェクトのこのタスクで得られた成果や課題等について取りまとめた論文である。

報告書

ニアフィールドにおける過渡期の熱-水-応力連成挙動に及ぼす緩衝材の密度変化の影響評価(受託研究)

鈴木 英明*; 高山 裕介

JAEA-Research 2020-015, 52 Pages, 2020/12

JAEA-Research-2020-015.pdf:3.83MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるニアフィールド環境は、廃棄体からの発熱による熱的作用、人工バリア内への地下水の浸潤による水理的作用及び緩衝材の膨潤などによる力学的作用が相互に影響を及ぼしあう複合現象として取り扱う必要がある。このような複雑なニアフィールド環境を評価するためのツールとして、熱-水-応力(THM)連成解析コードの開発が進められている。本研究では、THM連成解析モデルの高度化として、緩衝材の力学特性、熱特性及び水理特性の密度依存性について整理を行い、緩衝材の密度変化によって生じるTHMに関する物性値の変化を考慮できるように解析コードの更新を行った。そして、力学解析側から熱解析及び水理解析側へ解析結果を提供するスキームを追加した解析コードを用いて、幌延深地層研究計画において実施している人工バリア性能確認試験を対象とした再現解析を実施し、原位置で得られた計測データとの比較を通じて、モデルの適切性を確認するとともに、緩衝材の密度変化が及ぼす温度や浸潤及び膨潤変形挙動への影響の程度を把握した。さらに、ニアフィールドの長期挙動に関する事例解析として、廃棄体竪置き方式の人工バリアを対象として、廃棄体からの放熱と人工バリア内への地下水浸潤にともない、緩衝材が埋め戻し材側へ膨出することによって生じる緩衝材の密度変化が、緩衝材中の温度や浸潤挙動へ与える影響を確認した。

論文

Impact of non-linear elastic behavior on bentonite density evolution at the FEBEX

高山 裕介

International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences, 136, p.104538_1 - 104538_8, 2020/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:25.28(Engineering, Geological)

地層処分施設の力学挙動を評価するためには、信頼性の高い数値解析技術が必要となる。このような解析技術においては、ベントナイトの力学挙動を評価できる構成モデルが必要となる。本研究では、既存の熱/水/力学連成モデルに適用されている膨潤項が付加された線形弾性構成モデルをFEBEX原位置試験に適用し、特に密度の不均一性に着目した構成モデルの適用性を検討した。その結果、この構成モデルは密度変化を過少評価することが明らかとなった。そのため、不飽和弾塑性構成モデルを用いた力学挙動の再解析を実施した。この力学解析では、力学から水理や熱に与える影響を考慮していないが、二次元的な応力変化や密度分布を再現することができた。

報告書

単一亀裂を対象とした亀裂の間隙構造データの取得技術の開発と亀裂内での透水・物質移行特性データの取得

佐藤 久*; 澤田 淳; 高山 裕介

JAEA-Research 2020-012, 37 Pages, 2020/11

JAEA-Research-2020-012.pdf:2.66MB
JAEA-Research-2020-012-appendix(DVD-ROM).zip:468.23MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価において、亀裂の透水や物質移行に関するパラメータを設定する際には、実際の亀裂の透水特性や物質移行特性を十分に理解していることが重要である。亀裂の透水特性や物質移行特性は亀裂の間隙構造の影響を受ける。そのため、亀裂を対象に水理試験を実施するだけではなく、亀裂の間隙構造に基づいた亀裂の透水や物質移行特性の評価を行う必要がある。しかし、亀裂の間隙構造が亀裂の水理特性に与える影響を評価した例は限られている。その要因として、水理試験を実施した際の亀裂の間隙構造を保持した、亀裂開口部の3次元形状データを取得することが困難であることが挙げられる。そこで本研究では、亀裂の表面形状データから亀裂の3次元的な間隙構造を取得する技術を開発するとともに、その技術を用いた亀裂の3次元的な間隙構造データと水理試験結果のデータセットを取得することを目的とする。具体的には、実際の亀裂を型として作製した透明な亀裂のレプリカ試料を対象に、座標を厳密に設定して測定した亀裂表面形状データから亀裂の3次元的な間隙構造データを取得する手法を構築し、その適用を試みた。また、同試料を対象に透水試験や筆者らがこれまでに整備してきた光学的な測定手法を用いたトレーサー試験を実施し、亀裂の透水特性や物質移行特性を示すデータを取得した。取得した亀裂の3次元的な間隙構造データの妥当性を評価するために、他の異なる方法で得た開口幅の平均値と比較した。その結果、亀裂の間隙構造データから得られた開口幅は、互いに異なる複数の方法で得られた開口幅の平均値とほぼ一致したことから、本試験で得られたデータの妥当性が確認できた。

論文

DECOVALEX-2019 Task D; INBEB Final Report

Gens, A.*; Alcoverro, J.*; Blaheta, R.*; Hasal, M.*; Michalec, Z.*; 高山 裕介; Lee, C.*; Lee, J.*; Kim, G. Y.*; Kuo, C.-W.*; et al.

LBNL-2001267 (Internet), 210 Pages, 2020/10

放射性廃棄物を地層処分した際に、廃棄体やその周囲で起こる熱-水理-力学-化学が連成する現象を表現する連成モデルの開発と確証を目的に、国際共同研究「DECOVALEX 2019 (DEvelopment of COupled models and their VALidation against EXperiments 2019)」が2016年4月から2019年12月までの期間で実施された。DECOVALEX-2019のタスクDは、スイスのモン・テリ岩盤研究所およびグリムゼル試験サイトで実施されている原位置試験(それぞれ、EB試験およびFEBEX試験)を対象とした解析課題であり、廃棄体定置後のベントナイト材料からなる緩衝材等の人工バリア及び岩盤を対象に緩衝材が不飽和から飽和に至る状態までの熱-水理-力学連成現象のモデル化に関する検討が行われた。タスクDの参加チームは、IGN(チェコ), KAERI(韓国), NCU/TP(台湾), JAEA(日本)の4チームである。本報告書は、DECOVALEX-2019プロジェクトのタスクDの最終レポートであり、得られた成果や課題等について取りまとめたものである。

論文

A Coupled modeling simulator for near-field processes in cement engineered barrier systems for radioactive waste disposal

Benbow, S. J.*; 川間 大介*; 高瀬 博康*; 清水 浩之*; 小田 治恵; 平野 史生; 高山 裕介; 三原 守弘; 本田 明

Crystals (Internet), 10(9), p.767_1 - 767_33, 2020/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:26.57(Crystallography)

コンクリート埋め戻し材を用いたTRU廃棄物地層処分におけるニアフィールド変遷評価に向けて開発した連成モデル解析システムの詳細を報告する。本連成モデル解析システムでは、個別ソフトウェアプログラム間におけるデータ交換規格の一つであるOpenMIを用いて、坑道スケールでの有限要素法応力解析モデルMACBECE、コンクリート中でのひび割れ発生についての精緻なモデリングを可能とする個別要素法モデルDEAFRAP、及び、可変グリッドによるスケール変化とひび割れ内地下水流動を考慮してコンクリートの化学変遷プロセスを解析することの可能な有限要素及び有限体積法モデルGARFIELD-CHEMを組合せることで、人工バリアシステムの化学-力学-水理連成モデルを作成する。このように既存の詳細な個別ソフトウェアをOpenMIを用いて連携させることで、1つのソフトウェア上に複数のプロセス群のすべて組み込む場合に避けられないモデルの単純化を必要としなくなる。

論文

塩水条件での緩衝材の力学挙動に対する弾塑性構成モデルの適用性に関する研究

高山 裕介; 菊池 広人*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(1), p.12 - 21, 2020/06

本研究では、処分施設設計等において緩衝材の力学挙動を解析する際に重要となる構成モデルについて、様々な塩水条件での緩衝材の力学挙動に対する既存の弾塑性構成モデルの適用性を検討した。まず、試験データが比較的少ない塩水条件での圧密非排水三軸圧縮試験を実施し、得られた試験結果と既往の標準圧密試験と圧密非排水三軸圧縮試験の結果から蒸留水条件と塩水条件での緩衝材の力学挙動の違いを分析した。特に、試験溶液条件の違いによって標準圧密試験での除荷時の変形量に大きな差異が生じることを確認した。続いて、これらの試験の再現解析により、蒸留水および塩水条件での緩衝材の力学挙動に対する修正カムクレイモデルの適用性を検討した。その結果、蒸留水条件でのパラメータの内、膨潤指数を変化させることで、塩水条件での緩衝材の力学挙動を概ね再現できることを確認した。

論文

ニアフィールド長期力学挙動評価技術の開発

高山 裕介

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 25(2), p.103 - 106, 2018/12

本報告は、日本原子力学会バックエンド部会第34回バックエンド夏期セミナーの講演再録であり、複合現象評価技術開発の必要性と、その技術開発の一環として実施している長期力学挙動評価技術開発の概要およびそれを用いた解析事例を紹介するものである。

論文

Simulation of saturation process in a transuranium disposal facility

高山 裕介; 飯塚 敦*; 河井 克之*

Environmental Geotechnics (Internet), 4(5), p.339 - 352, 2017/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.79(Engineering, Geological)

難透水性と膨潤性を持つベントナイト材料は、TRU廃棄物処分施設の緩衝材としての利用が検討されている。TRU廃棄物処分施設の超長期的な性能を評価するためには、数値解析を用いたベントナイトの力学挙動の予測が必要である。本研究では、ベントナイトの飽和化挙動についての概要とその数理モデルを説明した。次に、その数理モデルを用いていくつかの数値解析を実施した。まず、施設の緩衝材と埋戻し材の膨潤特性を調べるために、膨潤圧試験のシミュレーションを実施した。その後、TRU廃棄物処分施設の再冠水シミュレーションを実施し、緩衝材と埋戻し材の再冠水時の力学挙動を調べた。

報告書

再冠水試験におけるボーリングピットの埋め戻し試験

高安 健太郎; 大貫 賢二*; 川本 康司*; 高山 裕介; 見掛 信一郎; 佐藤 稔紀; 尾上 博則; 竹内 竜史

JAEA-Technology 2017-011, 61 Pages, 2017/06

JAEA-Technology-2017-011.pdf:9.15MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、超深地層研究所計画に基づき、結晶質岩(花崗岩)を対象として三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。これらの研究開発課題のうち、坑道埋め戻し技術の開発の一環として再冠水試験を実施している。この試験は、坑道掘削による周辺岩盤や地下水に及ぼす影響が、坑道の冠水によって回復する過程を把握することを目的として、深度500mの水平坑道の北端部切羽より約40m手前に止水壁を施工して冠水坑道とし、再冠水して実施するものである。本報告書は、再冠水試験の一環として2014年度に実施した冠水坑道のピットにベントナイト混合土を用いた埋め戻し試験と埋め戻し施工の結果、及び引き続き2014年9月から2016年3月までのピットでの観測結果を報告するものである。

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