水銀浸漬したオーステナイト系ステンレス細線の疲労強度評価

富田 博*; 直江 崇; 二川 正敏

no journal, , 

核破砕中性子源水銀ターゲットにおける圧力波抑制技術として、水銀中へのマイクロバブル注入を検討している。的確に所定の位置へマイクロバブルを生成・導入するための、簡便な手法の1つとして、ステンレス微細管からのガス注入が挙げられる。しかしながら、微細管等の微小部材には、従来の手法により評価されたマクロ強度は、微細組織と評価対象領域の相対的なサイズ比が無視し得なくなるため、容易に適用できない。また、環境との界面における材料特性変化が律速となる場合には、対象領域の界面に対する相対比の影響が顕著になると考えられる。本研究では、ステンレス鋼製の微細ノズルの耐久性について検討するために、微細管、及び微細線の疲労強度に及ぼす水銀浸漬の効果、及びサイズ効果について調査した。その結果、水銀浸漬による疲労強度に著しい疲労強度の変化は観測されなかったが、水銀浸漬による表面硬化に伴いひずみエネルギーが変化したことを示唆するリサージュ曲線内部面積の減少が確認された。