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大澤 一人*; 外山 健*; 波多野 雄治*; 山口 正剛; 渡辺 英雄*
Journal of Nuclear Materials, 527, p.151825_1 - 151825_7, 2019/12
被引用回数:7 パーセンタイル:67.25(Materials Science, Multidisciplinary)タングステン中の複空孔にトラップされた水素原子の安定構造とその結合エネルギーを第一原理計算に基づいて示した。水素原子は複空孔の隣の八面体格子間サイト(O部位)近傍に位置するのが好ましい。さらに水素原子は複空孔の中心に位置するOサイトを優先的に占有する。水素原子が増加すると、複空孔の周辺に位置するOサイトも水素原子によって占有される。タングステン中の複空孔はエネルギー的に不安定である。しかし水素原子捕獲によって非常に安定化する。複空孔の結合エネルギーは水素同位体の種類に依存する。
渡邊 和仁; 中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; 宇藤 裕康; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 浅野 史朗*; 浅野 和仁*
Proceedings of 26th IEEE Symposium on Fusion Engineering (SOFE 2015), 6 Pages, 2016/06
水冷却方式の核融合原型炉において、真空容器外でブランケット冷却配管が破断した場合、高温・高圧の蒸気が建屋区画内に放出されるため、加圧により放射性物質が建屋区画外に放散される可能性がある。そこで、本研究ではこの事象(真空容器外冷却材喪失事象)に対し、3つの閉じ込め障壁案を提案した。これらの案に対して事故解析コードである「MELCOR」の核融合向け改良版を使用した熱水力解析を実施し、各案が成立する条件を明らかにした。
石澤 明宏*; 井戸村 泰宏; 今寺 賢志*; 糟谷 直宏*; 菅野 龍太郎*; 佐竹 真介*; 龍野 智哉*; 仲田 資季*; 沼波 政倫*; 前山 伸也*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 92(3), p.157 - 210, 2016/03
幅広いアプローチ協定に基づいて国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の計算機シミュレーションセンター(CSC)に設置された高性能計算機システムHeliosは、2012年1月に運用を開始し、日欧の磁気核融合シミュレーション研究に供用され、高い利用率の実績を示すとともに、炉心プラズマ物理から炉材料・炉工学にわたる広い分野で多くの研究成果に貢献している。本プロジェクトレビューの目的は、国内の大学や研究機関においてHeliosを利用して進められているシミュレーション研究プロジェクトとその成果を一望するとともに、今後予想される研究の進展を紹介することである。はじめにIFERC-CSCの概要を示した後、各研究プロジェクト毎にその目的、用いられる計算手法、これまでの研究成果、そして今後必要とされる計算を紹介する。
Knaster, J.*; Ibarra, A.*; 井田 瑞穂*; 近藤 恵太郎; 菊地 孝行; 大平 茂; 杉本 昌義; 若井 栄一; 渡邊 和仁; 他58名*
Nuclear Fusion, 55(8), p.086003_1 - 086003_30, 2015/08
被引用回数:58 パーセンタイル:95.37(Physics, Fluids & Plasmas)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、現在、日欧間の幅広いアプローチ協定の基で工学実証・工学設計活動(EVEDA)フェーズにおける研究開発か進行中である。工学設計活動(EDA)は2013年夏、予定通りに終了し、IFMIF中間工学設計書(The IFMIF Intermediate Engineering Design Report: IIEDR)を刊行した。先行フェーズに比べ、多くの点で設計の改善が行われた。特に、超伝導加速器の概念により、ビームロスの低減と運転コストの低減が実現された。照射施設の設計においては、照射モジュールと放射線遮蔽構造体を分離することによって、照射試験の柔軟性、遠隔操作機器の信頼性の向上とコストの削減が実現された。刊行されたIFMIF中間工学設計書は、EVEDA事業が開始された2007年より実施されている工学実証活動(EVA)の成果を補完し、建設判断を行うに足る情報を提供する。またさらに、益々増す核融合分野からの要求に合致した次の目標を定める上での基礎となる。
中村 誠; 飛田 健次; Gulden, W.*; 渡邊 和仁*; 染谷 洋二; 谷川 尚; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 松宮 壽人*; 石井 響子*; et al.
Fusion Engineering and Design, 89(9-10), p.2028 - 2032, 2014/10
被引用回数:13 パーセンタイル:70.4(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所事故を受けて、日本国内の核融合研究コミュニティにおいて、核融合炉の安全性に対する関心が高まっている。そこで幅広いアプローチ原型炉設計活動(BA-DDA)では、核融合炉の安全性研究に着手した。本論文は、BA-DDAで行っている核融合原型炉安全性研究の進展について報告するものである。まず本研究での安全確保の考え方を明確化し、事故時の放射性物質放出に対する敷地境界での公衆被ばく線量の目標値を設定した。次に、核融合原型炉が内包する放射性物質とエネルギーの量の評価を行った。ここでの原型炉は、我が国で開発しているブランケット工学技術(水冷却、固体ペブル増殖ブランケット)に基づくものとする。さらに、マスター・ロジック・ダイアグラム法と機能FMEA法を用いて原型炉で考えられる事故シナリオの分析を行った。分析したシナリオのうち、とりわけ重要な事故事象を選定した。
中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; Gulden, W.*; 坂本 宜照; 荒木 隆夫*; 渡邊 和仁*; 松宮 壽人*; 石井 響子*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 9, p.1405139_1 - 1405139_11, 2014/10
水冷却核融合原型炉の安全性研究における重要側面について報告する。水冷却原型炉の内的ハザード(つまり放射性物質のインベントリ、これらを可動化するエネルギー、事故の起因事象と事故シナリオ)の分析を行った。第一壁/ブランケット冷却ループのエンタルピー、崩壊熱、ベリリウム-水蒸気反応で発生しうる化学反応エネルギーにとりわけ留意する必要があることを指摘した。第一壁/ブランケット冷却ループの真空容器外破断を定量的に解析した。この事象に対する核融合炉建屋の健全性について議論した。
渡辺 智夫; 小澤 一雅; 大塚 二郎; 佐々木 和一; 沢田 誠
JNC TN4410 2004-003, 20 Pages, 2004/07
None
中村 誠; 飛田 健次; 染谷 洋二; 谷川 尚; 荒木 隆夫*; 渡邊 和仁*; 橘高 大悟*; 石井 響子*; 松宮 壽人*
no journal, ,
冷却材が全量かつ瞬時に喪失した場合におけるトカマク原型炉の安全上の特徴について、最近の知見を報告する。冷却水が瞬時に全量喪失し、かつ外部電源の供給も無く、能動的な除熱は何も行えないという極端な状況を仮定し、核融合炉熱水力過渡解析コードMELCOR-fusを用いて、炉内機器の温度変化を解析した。冷却材全量瞬時喪失のように極端な事象でも、原型炉の炉内機器や真空容器(放射性物質に対する閉じ込め障壁)の温度は融点に達しないことが分かった。
工藤 広信; 渡邊 和仁; 日渡 良爾; 朝倉 伸幸; 徳永 晋介; 染谷 洋二; 野澤 貴史; 谷川 博康
no journal, ,
核融合原型炉において、プラズマの立ち上げシナリオが研究されておりプラズマはダイバータ配位に移行する前に第一壁面上に接触(リミタ配位)して成長していく。この時の熱負荷は数十秒のオーダーの過渡的なものではあるが定常運転時にブランケット第一壁が受ける熱負荷より大きい。この熱負荷に対して原型炉ではブランケット自身にリミタの機能を持たせる考え方と、独立した構造物としてのリミタを設計する2つの考え方がある。最終的には、両者の優劣を占有面積や表面タングステン層の厚さに影響されるTBR等で比較する必要がある。そこで 本検討では比較対象の一つである炉内に独立して設置するリミタの概念設計を進めていく。設計を行う上で、暫定的な立ち上げシナリオから算出されるリミタ表面に入射する熱流束を用いた。除熱の検討はダイバータ等でプラズマ対抗材料として検討されるタングステンや先進の構造材料、耐熱材料として注目されるSiC/SiC複合材料等を用いてリミタ壁と冷却配管をなるべく離すよう概念設計を行う。
増井 章裕; 中村 誠; 渡邊 和仁; 染谷 洋二; 谷川 尚; 飛田 健次
no journal, ,
ブランケットの1次冷却水にはトリチウムや放射性腐食生成物などが含まれる。冷却系主配管の真空容器外での破断を想定した場合、環境への放出を防ぐために建屋の健全性を確保する必要がある。建屋への負荷は、放出される冷却水量、配管径、建屋内容積等、設備設計に大きく依存する。建屋の健全性を確保するための条件を設備設計にフィードバックすることを目的とし、熱水力解析を行い、これらの主要パラメータが建屋への負荷に与える影響を明らかにした。
日渡 良爾; 渡邊 和仁; 青木 晃; 飛田 健次; 原型炉設計合同特別チーム
no journal, ,
原型炉設計合同特別チームにおいては、コアチーム報告書に沿って原型炉概念検討を開始している。2020年頃に予定されている中間チェックアンドレビューまでに実施する検討項目の一つに「原型炉の運転計画」が挙げられている。本発表では、この原型炉の運転計画に関する検討現状ならびに、今後の検討方針について報告する。本検討においては、運転計画を(1)発電実証までの計画、(2)経済性実証までの計画、(3)データ取得計画の3つの検討課題として分類して検討した。これらの3つの観点に関して、炉心プラズマ、炉内機器(ブランケット・ダイバータ)、燃料サイクル、プラント運転(1次系・2次系、発電・タービン系)、遠隔保守・点検作業、安全システム機器、環境影響評価といった検討項目毎に運転計画立案に必要な試験項目・取得技術や取得データのリストアップを行った。発表では、もんじゅ運転計画を参考に実施した運転計画検討状況を報告する。
渡邊 和仁; 中村 誠; 染谷 洋二; 増井 章裕; 片山 一成*; 林 巧; 柳原 敏*; 小西 哲之*; 横峯 健彦*; 鳥養 祐二*; et al.
no journal, ,
核融合原型炉では、発電のために冷却水温度を300C前後とするため炉内構造材の温度はITERよりも高くなり、また炉内機器の主要構造材と想定される低放射化フェライト鋼は比較的トリチウムを透過しやすい。これにより冷却水中へのトリチウム透過量が大きくなり、ITERでは必要としなかった冷却水中のトリチウム処理設備の適用を原型炉では検討する必要がある。そこで本研究では、保守的に仮定したトリチウム処理量の観点からトリチウム水処理設備への要求を概算するとともに、核融合炉の特徴を踏まえたその他観点からのトリチウム水管理の課題を抽出する。その結果、冷却水中へのトリチウム透過量を保守的に仮定した場合であっても、トリチウム管理濃度をCANDU炉と同程度にすることができれば既存の設備が適用できる可能性を明らかにした。
中村 誠; 飛田 健次; 谷川 尚; 染谷 洋二; 増井 章裕; 渡邊 和仁; 小西 哲之*; 鳥養 祐二*
no journal, ,
核融合炉において、トリチウムは燃料であり、主要な取り扱い放射性物質の一つである。核融合炉の異常や事故を想定し、環境影響を把握するために、ひばく線量の評価が重要である。本研究の目的は、被ばく線量評価手法の整備の一環として、ITERの安全評価に使用実績のあるトリチウム被ばく評価コードUFOTRIを日本の環境に適用する際の課題を明らかにすることにある。様々な気象条件(風速、大気安定度)と放出高条件のもとで、早期公衆被ばく線量計算のパラメータスキャンを行い、2次放出分の寄与を評価した。弱風の場合、放出点が低い場合、大気が不安定な場合、あるいは放出点から遠方の場合、2次放出の寄与が大きい傾向にあることが分かった。このように、放出点を高くするなどの工夫により、2次放出の寄与は小さくできるものの、遠方においてより寄与が高まることもあり、評価が重要であることを示した。
谷川 尚; 中村 誠; 染谷 洋二; 増井 章裕; 渡邊 和仁
no journal, ,
核融合炉におけるブランケットは、熱の取り出し、燃料であるトリチウムの生産、中性子の遮蔽、の機能を持つ機器である。これらの機能の内、ITERのブランケットは遮蔽の機能しか持たないために、遮蔽ブランケットと呼んで区別している。ITERまでの実験装置と、原型炉以降の核融合炉とを比較したとき、ブランケットはその役割と仕様とが最も大きく異なる機器の一つである。核融合炉の安全上の特徴を整理することを目的とし、ブランケットと放射性物質内蔵機器である真空容器に注目しつつ、ITERと原型炉との違いについて分析する。原型炉では発電のために高温・高圧の冷却水の適用を想定しているため、真空容器内冷却水放出事象による真空容器の過圧について評価した。また、増殖ブランケットに関わる事象として、ブランケット筐体内の冷却管破断の影響についても評価した。