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吉田 亨次*; 井上 拓也*; 鳥越 基克*; 山田 武*; 柴田 薫; 山口 敏男*
Journal of Chemical Physics, 149(12), p.124502_1 - 124502_10, 2018/09
被引用回数:4 パーセンタイル:17.57(Chemistry, Physical)異なる幾つかの、グリシン濃度, pH、および充填率(=グリシン溶液の質量/MCM-41の乾燥質量))をパラメーターとして、メソポーラスシリカ(MCM-41)に閉じ込められたグリシン水溶液の示差走査熱量測定、X線回折および準弾性中性子散乱(QENS)を305-180Kの温度範囲で実施して、グリシン水溶液の熱的挙動, 構造、および動的特性に対する閉じ込め効果を検討した。
久保 真治; 二川 正敏; 井岡 郁夫; 小貫 薫; 山口 明久*
International Journal of Hydrogen Energy, 38(16), p.6577 - 6585, 2013/05
被引用回数:23 パーセンタイル:51.84(Chemistry, Physical)熱化学法水素製造法ISプロセスに用いる硫酸濃縮器や硫酸蒸発器用の構造材料は高温かつ極めて腐食性の強い環境に曝される。そこで、材料腐食試験により、セラミックス材及び耐酸金属材の耐食性を評価した。腐食環境は、温度320, 380, 460C、圧力2MPa、濃度75, 85, 95wt%の高温液相硫酸環境とした。供試材料の重量変化から、SiC, Si-SiC, SiN)の良好な耐食性("よく耐える"と格付け)を示した。高シリコン鉄(シリコン含有20%)の耐食性は"やや耐える"であったが、断面顕微鏡観察でクラックの生成が認められた。シリコン添加耐酸鋼は激しく腐食し、腐食速度は1gmhであった。これら腐食試験から、硫酸濃縮器や硫酸蒸発器用の構造材料にはシリコンを含有したセラミックス(SiC, Si-SiC, SiN)が適切であることを明らかにした。
久保 真治; 二川 正敏; 小貫 薫; 山口 明久*
Corrosion Engineering, 62(3), p.104 - 111, 2013/03
熱化学水素製造法ISプロセスの気相ヨウ化水素分解反応環境に用いる装置用金属材料の適用性を明かにするため、ヨウ化水素(), ヨウ素(), 水()および水素()の混合ガス環境において、連続高温ガス腐食試験による腐食速度測定,機械的性質の測定(硬度, 0.2%耐力,引張強度および伸び)を実施した。腐食環境は、モル比H:HI:I:HO=0.16:1:1:6, 大気圧, 450C, 試料の暴露時間は100時間および1000時間とした。腐食速度の観点からはニッケル基合金(Hastelly C-276, MAT21, Inconel 625)が優れた耐食性を示し(0.03g mh),また、MAT21, Inconel 625の機械的特性に著しい低下は認められなかった。タンタルには水素脆化が認められ、ジルコニウムおよびニオブの耐食性は低かった。モリブデン,チタンの耐食性は良好であったが、モリブデンには強度低下(硬度が低下)が、チタンには水素脆化が危惧されることを見い出した。以上の結果から、本環境に対する装置用金属材料には、耐食性の観点ではニッケル基合金が適しており、特にMAT21は耐食性と機械的特性の観点から有望であることを明らかにした。
久保 真治; 二川 正敏; 小貫 薫; 山口 明久*
材料と環境, 62(3), p.122 - 128, 2013/03
熱化学水素製造法ISプロセスの気相ヨウ化水素(HI)分解環境に用いる装置用金属材料は、高温ハロゲンガス腐食と水素脆化という厳しい環境に曝される。ヨウ化水素(HI),ヨウ素(I),水(HO)及び水素(H)の混合ガス環境に適した装置用金属材料を選択することを目的とし、連続高温ガス腐食試験による腐食速度測定、機械的性質の測定(硬度, 0.2%耐力,引張強度 及び伸び)を実施した。腐食環境は、モル比H:HI:I:HO=0.16:1:1:6、大気圧、450C、試料の暴露時間は100時間及び1000時間とした。腐食速度の観点からはニッケル基合金(Hastelly C-276, MAT21, Inconel 625)が優れた耐食性を示し(0.03gmh以下)、また、MAT21, Inconel 625の機械的特性に著しい低下は認められなかった。タンタルには水素脆化が認められ、ジルコニウム及びニオブの耐食性は低かった。モリブデン,チタンの耐食性は良好であったが、モリブデンには強度低下(硬度が低下)が、チタンには水素脆化が危惧されることを見いだした。以上の結果から、本環境に対する装置用金属材料には、耐食性の観点ではニッケル基合金が適しており、特にMAT21は耐食性と機械的特性の観点から有望であることを明らかにした。
山口 大輔; 眞山 博幸*; 小泉 智; 辻井 薫*; 橋本 竹治
European Physical Journal B, 63(2), p.153 - 163, 2008/05
アルキルケテンダイマーをテンプレートに用い、作成したシリカ多孔体のナノメートルから10マイクロメートルのおよそ4桁に渡る広範なスケールの構造を中性子超小角散乱法により解析し、新規かつ興味深い結果を得たので国際会議において発表する。アルキルケテンダイマーはワックスの1種であり、超撥水性を有するフラクタル表面を形成する物質として非常に注目されている。この性質を利用し、3次元的なフラクタル構造を有するアルキルケテンダイマーの微粒子を集積した構造を最終生成物であるシリカ多孔体の孔の形状に転写させたものを試料として作製した。試料から得られた散乱プロファイルは明確なべき乗散乱を示し、フラクタル構造体であることが示唆された。また、アルキルケテンダイマーの微粒子を集積させる際の微粒子の充填率を変えることにより、構造のフラクタル指数を制御することが可能なことが見いだされた。また本研究で見いだされたフラクタル構造は、従来盛んに研究されていたシリカエアロジェルとは異なるべき乗散乱を示しており、同じフラクタル構造を有するシリカ多孔体でもその詳細は異なっていることが示唆された。
山口 大輔; 眞山 博幸*; 小泉 智; 辻井 薫*; 橋本 竹治
European Physical Journal B, 63(2), p.153 - 163, 2008/05
被引用回数:12 パーセンタイル:48.34(Physics, Condensed Matter)自己組織化されたシリカ多孔体のユニークな構造を小角中性子散乱,超小角中性子散乱,小角X線散乱を組合せた方法により構造解析を行った。測定に用いた試料はアルキルケテンダイマー(AKD)のテンプレートの存在下でゾル-ゲル法を用い、焼成により作製した。その結果10nmから10mの長さスケールに渡ってマスフラクタル構造を有するシリカ多孔体を得た。さらにこの試料は階層構造を有しており10nm以下のサイズのシリカの基本粒子を含むことを解明した。このような複雑な構造を同定するために広範囲の長さスケールに渡る観測は不可欠であり、本研究結果により小角散乱を組合せた方法による観測はこの目的に適うことが示された。
田中 伸幸; 小貫 薫; 清水 三郎; 山口 明久*
材料と環境, 55(7), p.320 - 324, 2006/07
熱化学水素製造法ISプロセスの硫酸環境用耐食性装置材料選定の一環として、スクリーニング試験で良好な耐食性を示した材料について、おもに溶接部及び隙間部に関する最長1000時間の腐食試験を行った。850Cの硫酸分解環境では、Alloy 800及びAlloy 600の溶接部は母材と同等の優れた耐食性を示した。95wt%硫酸沸騰環境では、SiCが耐食性に優れ、隙間部においても腐食はほとんど認められなかった。
久保 真治; 二川 正敏; 田中 伸幸; 岩月 仁; 山口 明久*; 塚田 隆治*; 小貫 薫
Proceedings of 2006 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '06) (CD-ROM), 6 Pages, 2006/06
熱化学水素製造法ISプロセスは強い腐食環境で動作する。機器構造材料の腐食速度を評価するため、ブンゼン反応環境における、溶接部腐食及びすきま腐食に着目した試験を行った。タンタル及びジルコニウムの試験片を、ヨウ化水素酸にヨウ素及び硫酸を添加した腐食性溶液(大気圧、120C)に100時間又は500時間浸漬した。腐食性溶液は、ブンゼン反応環境を模擬するため、HI濃厚溶液と硫酸濃厚溶液の二通りを用いた。試験後、試験片の重量変化から腐食速度を求めた。その結果、タンタルは、いずれの腐食性溶液に対しても良好な耐食性(0.02g/mhr以下)を示した。ジルコニウムには、HI濃厚溶液中のすきま腐食において、0.020.05g/mhrと、比較的速い腐食速度が見られた。また、ジルコニウムをHI濃厚溶液に500時間浸漬した結果、孔食が観察された。
都筑 和泰*; 木村 晴行; 草間 義紀; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 上原 和也; 栗田 源一; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.197 - 208, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.11(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケット構造材の有力候補である。しかし、強磁性体であるため、プラズマの生成,制御,閉じ込め,安定性等に悪影響を与えることが懸念されていた。また、酸素不純物の吸蔵量が大きいことから、プラズマ中に不純物を放出することも懸念された。JFT-2Mでは段階的にフェライト鋼を導入して適合性試験を進めた。その最終段階では、真空容器内壁の全面にフェライト鋼を設置して実験を行った。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であり、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。また、高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも原型炉の運転領域に相当する規格化ベータ3.5程度のプラズマが生成できることを実証した。壁に近づけると不安定性の成長速度が遅くなることを示し、フェライト鋼壁が非磁性導体壁と同様の壁安定化効果を持つことを示した。低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されなかった。以上のように、フェライト鋼の原型炉への適用に対し見通しを与える結果が得られた。
小川 宏明; 山内 有二*; 都筑 和泰; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 河西 敏; 草間 義紀; 山口 薫*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.678 - 682, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.18(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mでは原型炉の構造材として有力視されている低放射化フェライト鋼(F82H)を段階的に真空容器内に設置して高性能プラズマとの適合性を試験する「先進材料プラズマ適合性試験」を実施している。フェライト鋼はその化学的特性(錆びやすい)から酸素不純物の増加が懸念されている。また、重水素保持特性に関してはこれまで十分なデータの蓄積がない。そこで、フェライト鋼を真空容器内壁の20%に設置した場合と全面に設置した場合の不純物挙動を分光診断で測定した。その結果、真空容器内壁全面に設置した場合であっても、プラズマが直接相互作用をしない位置に設置した場合では、不純物放出が大きな問題とならないことを示す結果を得た。また、フェライト鋼の重水素保持特性では、重水素はおもに酸化層に吸蔵され、機械研摩等により酸化層を除去した状態では、構造材として広く用いられているSUS-316Lと同様であることを示す結果を得た。
二川 正敏; 久保 真治; 涌井 隆*; 小貫 薫; 清水 三郎; 山口 明久*
実験力学, 3(2), p.109 - 114, 2003/06
熱化学法水素製造ISプロセス環境下で構造材料に形成される腐食層の力学特性を評価した。まず、4種類の金属材料(316SS,Ni-Alloy,Ti及びTa)に対して、ISプロセスのヨウ化水素分解環境を想定した条件下で100時間の腐食試験を行った結果、316SSは腐食層を形成し、Tiは粒内に水素脆化が確認されず、良好な耐食性を示すことを確認した。腐食層の評価には、微小押し込み試験法から得た押込み荷重と深さの関係に対して、逆解析を行い、ヤング率,降伏応力,加工硬化係数,加工硬化指数の変化を評価した。これより、Taについては、表層約200ミクロンまでの厚さにおいて延性の低下を示し、最大引張強度の増加及び均一伸びの減少を示すことがわかった。
山口 薫*; 山内 有二*; 廣畑 優子*; 日野 友明*; 都筑 和泰
真空, 46(5), p.449 - 452, 2003/05
低放射化フェライト鋼は原型炉の候補材料であり、その燃料水素保持特性及びエロージョン特性評価は、原型炉におけるプラズマ壁相互作用の観点から非常に重要である。北海道大学においては、重水素のイオンビームを低放射化フェライト鋼に照射して、昇温脱離法によって水素吸蔵量を評価した。試料としては、3年程度大気中に放置したものと、鏡面研摩したものの2種類を用意した。オージェ電子分光法で組成分布を測定したところ、鏡面研摩の場合は酸化層が10nm以下であるのに対し、大気にさらした試料は80nm程度の酸化層ができていることがわかった。水素吸蔵量に関しては、水素照射量が少ない内は、大気にさらした試料の方が一桁程度大きいが、照射量が増えるにつれ差は小さくなった。照射量が51018D/cmの場合、両者の吸蔵料はほぼ一致し、ステンレス鋼と同程度であった。これは、水素イオン照射により表面酸化層が除去されたことに対応すると考えられる。
恩田 薫*; 山口 勝久
PNC TN952 83-08, 258 Pages, 1983/12
ナトリウム過渡沸騰・燃料破損伝熱試験装置を用いて実施された試験で,低熱流束沸騰試験のように高精度のデータ処理を必要とするものに対して,能率良く計測情報をチェックしその結果を反映したデータ解析が容易にできるデータ処理コードSISCOを開発した。SISCOは大洗工学センター計算機室のM-190/200システムを用いることを前提とし,向システムの持つ会話型データ解析システムAXELのライブラリーを最大限利用するよう段計されている。処理形態上は,(1)BSISCO‥解析対象とするデータ・ベースをバッチ処理を主に用いて作成・更新する。(2)ISISCO‥AXELシステムの支援下で会話型データ解析を行う,の2つのサブシステムから成る。各種の要求に合せて,前者では7種のオプションが,後者では13種のコマンド・マクロが準備されているが,機能的には以下の2つの作業が行えるようになっている。 1)データ校正作業‥測定データの保存用ファイルに編集される計測情報を校正データの統計処理,作図確認によって決定し,データ再生に使用する。 2)データ解析作業‥保存用ファイルをもとに,多変量の総合的試験解析を行い,結果をグラフィッス出力する。 本コードの解析作業部分の大半は,全試験データに汎用的に適用できるユーティリティとして設計されている。これにより,(a)多信号時系列作図による試験概要把握,(b)軸(z)方向温度分布の過渡推移解析,(c)任意r-またはr-z断面での等温線分布解析,(d)多ラン間データ比較,等が行えるようになり,データの解釈を深めるために多大な寄与をすることが可能となった。
神原 豊三; 宇野 英郎; 荘田 勝彦; 平田 穣; 庄司 務; 小早川 透; 高柳 弘; 藤村 勤; 森田 守人; 市原 正弘; et al.
JAERI 1045, 11 Pages, 1963/03
この報告書はJRR-2の第1次出力上昇試験後、設計出力10MWの出力上昇までの1つのステップとしての3MW,第2次出力上昇試験について記したものである。試験は昭和36年11月15日から開始され、11月29日に3MWに到達し、3MWでの連続運転を行って12月16日終了した。
山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 眞山 博幸*; 辻井 薫*; 橋本 竹治
no journal, ,
中性子,X線を使った超小角散乱,小角散乱法を相補的に活用し1nmから10mの5桁に渡る空間スケールを横断的に観察することで、層状ニオブ酸化物結晶KNbOを水中で剥離して得られるナノシート(厚み1.6nm)が形成する液晶構造、及びその構造階層性を解明した。また、ニオブ酸化物ナノシートのコロイド状態と類似したフラクタル構造を有すると考えられる、ポーラスシリカの構造を原子力機構所属の中性子小角散乱装置SANS-J-IIに新たに導入された集光型デバイスを活用して観察した。その結果、ポーラスシリカとニオブ酸化物ナノシートのコロイド状態は同程度のフラクタル次元を有することが確認され、これまで困難であったコロイド状態におけるナノシートの空間分布の可視化という問題に対し、ポーラスシリカの顕微鏡観察との対比という方法により解決の糸口をつかんだので、その成果についても報告する。
山口 大輔; 宮元 展義*; 小泉 智; 橋本 竹治; 中戸 晃之*; 眞山 博幸*; 辻井 薫*
no journal, ,
異なる2つの物質のシート状粒子が形成する階層構造を中性子超小角・小角散乱法を用いて概観することにより、その相違点・類似点を包括的に論じた。得られた以下の結果について、高分子学会において口頭発表を行う。研究対象の第1の系は層状ニオブ酸結晶であるKNbOを単位層(以下、これをナノシートと称する)に剥離し、水中に分散させた、ナノシートコロイドであり、これはナノシートが極めて大きな異方性を有するために液晶相が現れる。第2の系はワックスの一種であり、また超撥水表面を形成することでも知られているアルキルケテンダイマー(AKD)のリン片状結晶をテンプレートに用いて作製したシリカ多孔体である。これら2つの系において現れる階層構造はともに次のような特徴を有する。(1)近接する粒子間には(位置)の相関があり、その相関に起因した散乱極大が現れる。(2)さらに大きな空間スケールにおいては、散乱極大を与えるような構造は現れず、代わってフラクタル的な構造が現れる。
山口 大輔; 眞山 博幸*; 小泉 智; 辻井 薫*; 橋本 竹治
no journal, ,
アルキルケテンダイマーをテンプレートとして作製したポーラスシリカのフラクタル次元を中性子超小角散乱法を用いて解析を行った。作製されたポーラスシリカは広範な長さスケールにわたってフラクタル的なべき乗関数を示し、これまでテンプレート法で作製されてきた孔の径や配列に関して高い秩序性を有するメゾポーラスシリカの系とは異なった構造を示す。本研究では、中性子超小角・小角散乱法を駆使して広範な波数範囲において試料の散乱関数を解析し、その結果から、孔の直径分布やフラクタル次元等の特徴的な構造を同定した。そして、フラクタル構造に関して、過去に行ったナノシート溶液系との関連性など、新たな知見を獲得し、研究の進展が見られたので、学会発表を行う。
山口 大輔; 眞山 博幸*; 小泉 智; 辻井 薫*; 橋本 竹治
no journal, ,
アルキルケテンダイマーをテンプレートに用い、ゾル-ゲル法により作製したシリカ多孔体の構造を、ナノメートルから10マイクロメートルのスケールに渡り、超小角中性子散乱法を用いて観察し、解析した結果について発表を行う。アルキルケテンダイマーはワックスの1種であり、結晶化によって自発的にフラクタル表面構造を形成するという特長を有する。この特長を利用して、3次元(立体)的なフラクタル構造を形成したアルキルケテンダイマーの凝集体構造を孔の形状に転写させることにより試料となる多孔体を得た。この試料から得られた散乱を解析することにより、本研究で見いだされたフラクタル構造は、従来のシリカ多孔体構造の代表例であるエアロジェルのフラクタル構造より1桁以上大きなスケール(10マイクロメートル)までフラクタル性が成り立つことを明らかにした。一方、散乱のべき乗指数によって示されるフラクタル次元に関しては、エアロジェルと本測定試料との間に顕著な違いは見られなかった。このことは、両系における自己相似構造自体には類似性が存在することを示唆するものと考えられる。