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吉岡 研一*; 菊池 司*; 郡司 智*; 熊埜御堂 宏徳*; 三橋 偉司*; 馬野 琢也*; 山岡 光明*; 岡嶋 成晃; 福島 昌宏; 長家 康展; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(2), p.282 - 293, 2015/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)軽水炉臨界格子体系における修正転換比測定を用いてボイド反応度を評価する手法を開発した。各燃料棒の修正転換比から推定される"中性子無限増倍率", を用いて集合体ごとのボイド反応度を評価する。低減速軽水炉では負のボイド反応度評価が重要な課題であり、低減速軽水炉格子における臨界実験で修正転換比分布を測定し、を推定した。測定値は連続エネルギーモンテカルロ法で解析を行った。開発した手法は、ボイド反応度に関する核設計手法の妥当性評価に有用である。
吉岡 研一*; 菊池 司*; 郡司 智*; 熊埜御堂 宏徳*; 三橋 偉司*; 馬野 琢也*; 山岡 光明*; 岡嶋 成晃; 福島 昌宏; 長家 康展; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 50(6), p.606 - 614, 2013/06
被引用回数:1 パーセンタイル:10.61(Nuclear Science & Technology)ペレット内中性子束分布と転換比分布を測定する手法を開発した。ペレット内中性子束分布測定には、特別な箔を用いた箔放射化法を用いた。転換比分布測定には、特別なコリメータを用いた線スペクトル解析法を用いた。開発した手法を用い、低減速軽水炉を対象とした臨界実験を行い、ペレット内中性子束分布と転換比分布を測定した。測定値は、決定論的手法とモンテカルロ法によって解析した。中性子束分布の測定結果と解析結果は、1-2%の範囲で一致した。転換比分布の測定結果は、解析結果と一致することを確認した。今回開発した測定手法は、燃料ペレット内の中性子の振る舞いを調べるミクロ炉物理において有用であることが確認できた。
北野 彰洋; 照山 英彦; 西 裕士; 山岡 光明*; 森木 保幸*; 中川 雅俊*
サイクル機構技報, (15), p.1 - 16, 2002/06
将来の「もんじゅ」炉心において、燃料の最大活用を目指した柔軟な炉心運用計画の可能性をさぐるため、入力は簡単であるがより正確に核・熱・構造の各種炉心特性を解析評価できるパソコン版対話型炉心解析システムを開発した。本システムMEISTERでは入力データ作成、計算コード間のデ-タ授受や計算結果出力などをグラフィカル・ユーザ・インタフェースにて視覚的・統一的に行うことができる。これを用いて「もんじゅ」性能試験を対象とした解析を行い、システムの実機適用を検証した。
山岡 光明*; 川島 正俊*; 山口 隆司; 高下 浩文
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(10), p.983 - 991, 1997/10
高速炉の燃焼度や線出力等の炉心性能向上に対応して、燃料集合体内の出力分布や燃焼履歴の評価精度を向上させることは、適切な設計余裕のもとで燃料の健全性を確保するために重要である。本研究では、拡散方程式の解析解に境界条件を与えて集合体内の燃料ピン毎の出力分布や燃焼履歴を詳細に評価する方法について検討を行った。高速炉炉心へ適用した結果、燃料ピン毎の出力分布が得られる詳細メッシュ有限差分全炉心計算の結果と比較しいて、本手法による結果は良い精度を示した。この結果をもとに、燃料ピン毎の燃焼計算を行った結果、末期のピーキング係数や燃焼度に高意な影響があり、燃料ピン毎に燃焼計算することが重要であることがわかった。特にピーキング係数が大きくなる実証炉等の大型バンドルに有効であると考えられる。また、本手法により燃焼予測結果を照射後試験結果と比較することにより、燃焼特性予測精度の向上に役立てることができる。
山岡 光明*; 藤田 玲子*
PNC TJ9164 97-002, 105 Pages, 1997/03
先進的な高速炉利用技術の検討の一環として、高速炉によるアクチニド核種及びFPの消滅技術の検討に関する炉心特性解析および調査を行った。炉心特性解析では、60万KWePu燃焼炉心(約40%高Pu富化度MOX燃料)をベースにして、マイナーアクチニド、FPをも消滅可能な高速炉の検討を行った。大幅な炉心仕様の変更が必要ないこと、ナトリウムボイド反応度が小さいこと等の条件のもとに、炉心仕様を選定した。選定した炉心では、アクチニドとFPを次のように装荷する。・炉心部;Pu/Np装荷(酸化物燃料、Pu富化度約40%)、・炉心周囲(炉心の外側)、第1層; Am/Cm/希土類元素をZrH1.7と混合装荷 第2層; Tc-99をZrH1.7と混合装荷本炉心では、運転サイクル5カ月、取り出し平均燃焼度8万MWd/tである。また、Pu/マイナーアクチニド、FPの消滅特性は下記である。(1)Pu燃焼率; 約390kg/年(74kg/TWhe)、(2)マイナーアクチニド消滅率; 約4.2%/年(43kg/年)、(3)Tc-99消滅率; 約3.7%/年(6.5kg/年)この概念では、従来炉心に比べてナトリウムボイド反応度を大幅に小さくできることがわかった。(約0.1%k/kk'(約40セント))これは本炉心概念の大きな利点である。また、Pu/マイナーアクチニド燃焼燃料、FP消滅用ターゲット材の研究状況を調査・整理した。さらに、FP消滅のためのターゲット材の物性を調査し、基本的な物性をまとめるとともに、ターゲットの減速材との共存性を評価した。
山岡 光明*; 川島 正俊*
PNC TJ9164 97-001, 185 Pages, 1997/03
実証炉の基本設計から許認可まで一貫して使用できる統合炉定数の作成のために、従来の積分データとしては使用できなかった小型高速炉「常陽」の測定値および解析値を整備した。本検討では、臨界実験データを補完する実機データとして、「常陽」性能試験・運転特性データの解析を評価済核データJENDL-3.2 から作成された高速炉用定数セットを使用して解析し、炉定数調整用積分データとして提示した。これは、実験炉「常陽」MK-1炉心およびMK-2炉心の積分特性を統一した視点から評価したはじめての解析である。今年度は、臨界性、Naボイド反応度、燃料置換反応度、燃焼係数を対象とし、解析・測定値について、誤差評価と相関係数の設定を行った。今後は、臨界実験解析の結果等との比較、炉定数調整への寄与などを更に調べ、炉定数調整への利用データの追加などを行い、大型から小型炉までの予測精度を整合させていく必要がある。
森木 保幸*; 山岡 光明*
PNC TJ9164 98-011, 299 Pages, 1997/02
「常陽」MK-III炉心における炉心管理法及び照射条件予測の精度向上に資するために、平成7、8年度に引き続き、運転監視コードシステムの高度化を図った。昨年度までに、中性子拡散計算モジュール(随伴中性子束計算を含む)、線源計算モジュール、集合体出力計算モジュール及び燃焼計算モジュールの作成を行った。本年度は、拡散理論に基づき線束を計算する線束計算モジュール及び実効遅発中性子割合、即発中性子寿命等を計算する動特性パラメータ計算モジュールの作成を行った。また、作成済みの集合体出力計算モジュールに線の輸送を考慮した集合体出力計算の機能を追加した。更に、各モジュールの確認計算を行い、計算結果の妥当性を確認した。今後は、さらにシステム高度化のために、詳細24メッシュの発熱計算に対応する熱特性計算モジュールを作成していく必要があると思われる。また、定数作成モジュール及びシステムフロー制御の作成とI/O部分の整備を行っていく必要があると思われる。
横山 次男*; 川島 正俊*; 川合 将義*; 山岡 光明*; 藤田 玲子*
PNC TJ9164 96-008, 189 Pages, 1996/12
高速炉では、MAのリサイクルに伴ってナトリウムボイド反応度及び冷却材温度反応度が大きくなり、また、ドップラー係数も小さくなる傾向がある。安全上これらの反応度を改善することが重要である。本解析作業では、ナトリウムボイド時に増加する高エネルギー中性子に対して、大きな中性子吸収反応を生じる核種を混在させた炉心を解析することにより、炉心性能を大きく低下せずにナトリウムボイド反応度を低減できる核種についてそのボイド低減効果を調べた。また、ドップラー係数の改善方法として高次Puの利用及び共鳴物質の利用が考えられ、パラメータサーベイによりその効果を調べた。閾値反応を利用したナトリウムボイド反応度低減炉心の解析では、中性子スペクトル変化の影響調査として炉心部へのMA装荷の有無及び炉心サイズをパラメータとして炉心部中性子スペクトルを解析し、ボイド反応度上重要なエネルギー領域を同定した。次にボイド反応度低減のための候補核種として、上記の重要なエネルギー領域以上で閾値反応による中性子吸収断面積の増大する核種を調査した。更に上記スペクトル場において、ボイド反応度低減効果を吸収核種装荷量と種類をパラメータとして解析した。その結果、候補として摘出された酸素17を用いた大型酸化物燃料炉心のボイド反応度は天然酸素による炉心のボイド反応度の約1/2以下となることが分かった。ドップラー反応度改善炉心の解析では、PuN燃料をベースとして、高次Pu及び共鳴吸収物質を装荷した場合のドップラー係数改善効果について解析した。また、不活性母材候補材料について、その適合性、炉心特性解析に必要な物性値を調査し、それらの材料を用いた燃料材の物性値等について予備調査を行なった。その結果、構造材核種を金属形態で装荷する事でドップラー係数等の特性を改善できることが分かった。
山岡 光明*; 川島 正俊*
PNC TJ9164 96-007, 106 Pages, 1996/12
使用済燃料中に含まれる核分裂生成物(FP)には、TRU核種と同様にきわめて長半減期のものが存在している。中性子束の高い高速炉では、これらFPを消滅できるポテンシャルがある。FPの断面積は低エネルギーで増大する傾向があるので、消滅効率を上げるために、FPを含むピンの他に水素化ジルコニウム(ZrH1.7)等の中性子減速材ピンを装荷したターゲット集合体による消滅が考えられる。平成6年度は、Tc-99等のFPおよび減速材を装荷したFP消滅ターゲット集合体を炉心内部領域に配置することを前提とした検討を行った。その結果、減速材により消滅率は増大するものの、炉心燃料の出力スパイクが増大することがわかった。これを避けるには炉心周囲でのFP装荷が示唆された。本年度は、Tc-99と減速材を装荷したターゲット集合体を炉心周囲に配置することを前提として、高速炉において効率的に消滅を行うための解析を行った。解析は主として、非均質性の強いターゲット集合体におけるTc-99の共鳴吸収効果を厳密に扱うために有効と考えられる連続エネルギーモンテカルロコードを用いて実施した。
若林 利男; 山岡 光明; 若林 利男
Nuclear Engineering and Design, 154(3), p.239 - 250, 1995/04
被引用回数:4 パーセンタイル:43.23(Nuclear Science & Technology)使用済燃料の再処理によって発生する高レベル廃棄物には、長半減期のマイナーアクチニド元素(MA)が存在する。本研究では高速炉にMAを添加することにより燃焼反応度を低減できるという特徴を活かした超長寿命炉心概念を考え、核的・熱的な特性からの成立性を検討した。100万KWeクラス超寿命炉心に加えて、炉容器寸法への影響とNaボイド反応度の低減を考慮して30万KWeクラス超寿命炉心についても検討し、30年間の連続運転を可能とする炉心構成、燃料組成を明らかにした。反応度変化・出力変動が小さく、大量のMAを消滅できる炉心が得られた。
山岡 光明*; 飯田 正明*
PNC TJ9164 95-011, 115 Pages, 1995/03
使用済燃料中に含まれる核分裂生成物(FP)には、TRU核種と同模にきわめて長半減期のものが存在している。中性子束の高い高速炉では、これらFPを消減できるポテンシャルがある。FPの断面積は低エネルギーで増大する傾向があるので、消減効率を上げるために、FPを含むピンの他に水素化ジルコニウム(ZrHx)等の中性子減速材ピンを装荷したターゲット集合体による消滅が考えられる。本研究では、長半減期FPであるTc-99、I-129の高速炉における消滅特性解析を行った。解析は主として、非均質性の強いターゲット熱合体におけるTc-99やI-129の共鳴吸収効果を厳密に扱うために有効と考えられる連続エネルギーモンテカルロコードを用いて実施した。これにより、FPピン配列の効果・ピン径の効果等のFP消滅ターゲット集合体仕様の効果を評価し、効率の良い消滅を行うためのターゲット集合体の仕様について検討した。今回は、ターゲット集合体は炉心領域内に配置することを前提とした。また、均質モデル化の影響、従来の決定論的手法との違い等、計算手法に関する検討を行った。その結果、以下のことがわかった。(1)Tc-99またはI-129のFPビンとZrHxピンの割合を変化させた場合、FPピン割合が増大するにつれて、消滅率は単調減少するが、消滅量は途中でピークを持つ。消滅量をほぼ量大とする場合、消滅率は年間約1-2%である。(2)消減量をほぼ量大とした夕一ゲット仕様の場合、FP消滅量へのターゲット集合体の非均質効果は非常に大きく、完全に均質化した場合の約30%減である。これは共鳴吸収への非均質効果である。(3)FPピンとZrHxピンの本数を固定した場合、FPピンの配列によっても消滅量が数10%変化する。FPピンをできるだけ分散させることが望ましい。(4)モンテカルロ法と決定論的手法(輸送・拡散)の差については、計算モデルが同じならば消滅量はl0%以内の差である。計算手法間の差は、共鳴吸収の顕著な数KeVから数eVにおいて大きい。(5)ターゲット集合体においてZrHxピンが最外周にあると、これに接した炉心燃料の出力密度は平均の数倍にもなる。各ビンの配列にはこの点を考慮する必要がある。炉心特性、特に出カ分布に影響を与えずに消滅する方法として、径ブランケットでの消滅が考えられる。今後は、径プランケットでの効卒的な消滅を
山岡 光明*; 飯田 正明*; 川島 正俊*; 藤田 玲子*
PNC TJ9164 95-009, 231 Pages, 1995/03
高速炉によるプルトニウム燃焼特性を向上させるためには、プルトニウム燃料の母材としてウラン以外の物質を使用することが有効と考えられる。平成5年度には、このウラン不使用型高速炉について、従来MOX炉との比較を中心に炉心特性、安全特性の観点から検討し、その特徴を明らかにした。本年度は、熱出カ1600MW・炉心径4m以下の条件で、炉心寸法・配置を検討し、本炉心概念の特徴である低Naポイド反応度を生かしつつ、固定吸収体なしで速転サイクル長期化・燃焼度増大が可能な炉心仕様の真体化をはかった。また、マイナーアクチニド添加効果、二酸化ウラン添加効果、吸収体非均質装荷などの影響度評価を行うとともに、安全解析を実施した。燃料形態としては、乎成5年度の結果をもとに、炉心特性およぴ燃料物性の観点から、アルミナおよびベリリアを母材とするプルトニウム酸化物燃料を考えた。物性値評価においては、二酸化プルトニウム、アルミナ、ベリリア各単体の物性データもとに、その混合物の熱伝導度、密度、融点を温度依存性も含め定量的に推定評価した。この結果は、安全解析へ反映した。炉心核熱特性検討の結果、制御棒本数・配置を適切に選定することにより、固定吸収体なしで運転サイクル9か月が可能なことがわかった。主な特性は母材がアルミナの場合、Pu燃焼度40%、Pu fissile減少卒59%、量大線出カ320W/cm、Naボイド反応度-1ドル(全炉心ボイド)である。母材がヘベリアのの場合もほぼ同様な特性である。出カ変動は従来炉より大きいが、冷却材出人口温度を510/390と設定することにより被覆管最高温度制限を満足できる。燃料へのマイナーアクチニド添加、ウラン添加、炉内へのB4C非均質装荷は、燃焼欠損反応度が低減される点で有効であるが、反応度係徴への影響も大きいので、さらに安全特性への影響を勘案する必要がある。これら炉心の安全解析を行い、短時間挙動を比較用MOX炉心と比較した。ULOF解析結果より、本炉心概念では高い燃料熱伝導度に起困する低い熱料温度と低いNaポイド反応度によって、炉心応答が従来型炉より緩和されることがわかった。一方、UT0P解析結果からは、ドップラー係数が小さいため、やや従来炉より応答が大きく、従来炉と同等以上の設計対策が必要である。
一宮 正和; 林 秀行; 中大路 道彦; 山岡 光明; 石川 真; 黒木 修二; 前田 清彦
PNC TN9410 93-162, 494 Pages, 1993/07
平成4年度の大型高速炉設計研究は,平成2年度から3年度にかけて実施した60万kWe級の原子炉容器ヘッドアクセス方式ループ型炉の設計研究成果に基づいて,出力規模の増大に対する当該プラント概念の適合性を定量的に検討する事を中心課題とし,130万kWe級のプラントを対象として炉心,原子炉構造,冷却系,燃料取扱系等の主要概念の大容量化対応とその成立性の評価を実施した。また,主として上半期において前年度までの60万kWe級プラントに係る設計研究の追加・補足的な検討として,炉心核設計の精度評価や過渡熱応力評価,設備設計の最終的な仕上がりを反映した構造成立性評価・安全評価,原子炉構造等の具体化,詳細化,使用済燃料搬出待ち貯蔵評価の概念検討等を,上記の出力規模増大に係る設計研究との共通性・関連性に留意しつつ実施した。一方,平成5年度以降の大型炉設計研究の方向性を見極め,実用高速炉のプラント概念構築に資する為,経済性の向上と安全性,社会的受容性の向上に有効と考えられる要素技術,プラント概念の検討を併せて実施した。
若林 利男; 山岡 光明
PNC TN9410 93-123, 125 Pages, 1993/05
高レベル廃棄物中に含まれる超ウラン元素(TRU)を高速炉により消滅処理する研究の一環として,TRU混入量の多いターゲット集合体(特殊燃料)を少数体炉心に非均質に装荷する方式について,炉心設計の成立性を検討した。この方式はTRUを含む燃料を少数にできるので,製造上や管理上,メリットをもつ可能性がある。本研究では,まず,TRUを添加することによる燃料物性(融点,熱伝導度)の変化を,今までに公開されている物性データを基に推定し,それを基にしてTRU混入量依存の燃料許容線出力を算出した。この許容線出力を条件として,ターゲット集合体を分散装荷した方式について,核・熱特性を解析検討した。検討の結果,燃料の線出力制限を満足するためにターゲット集合体の燃料ピン径を細く一体あたりのピン本数を多くするとともに,ターゲット集合体の炉心内配置の最適化,流量配分の最適化を図ることにより,ターゲット集合体方式によるTRU消滅が成立可能であることがわかった。
山岡 光明; 若林 利男
PNC TN9410 92-371, 94 Pages, 1992/12
高レベル廃棄物に含まれるTRU元素(Np,Am,Cm)は長期にわたり放射能を有しているが,これを短期間に消滅できればその管理は大幅に容易なものとなる。本研究では高速炉によるTRU消滅処理に関して検討を実施した。概要を以下に示す。1・TRU消滅超長寿命炉心の検討TRUを装荷したFBR炉心は運転サイクル機関を延ばす高いポテンシャルを持っている。この特性を生かしてプラント寿命中燃料交換なしで運転しつつ,TRUを効率的に消滅することを目的としたTRU消滅超長寿命炉心の検討を行った。出力を30万KWeとし,炉心構成の最適化・核熱特性検討を行った結果,最適化炉心では燃焼反応度変化が34年運転で2.5%k/kk'と非常に小さくなった。また,出力変動も小さくできたため熱的制限を満足した。TRU消滅量は寿命34年で約5300Kgで,100万KWe軽水炉約6基が寿命中に発生させるTRUに相当する。TRU装荷によりドップラー係数(絶対値)がかなり小さい。今後は安全性・制御性など炉心動特性への影響について検討する必要がある。2・TRU断面積の不確かさの影響検討 現状ではTRU断面積の不確かさが大きいことに鑑み,この不確かさが主要炉心特性に及ぼす影響を調べた。ここでは,上記のTRU消滅超長寿命炉心と5%TRU装荷大型炉心を対象として断面積の感度解析を実施した。さらに,簡易的手法により炉心特性の不確かさを評価した。この結果をもとに,不確かさへの影響が大きく精度を向上すべき断面積を摘出した。
山岡 光明; 林 秀行
PNC TN9410 92-368, 75 Pages, 1992/12
米国の高速実験炉「FFTF(Fast Flux Test Facility)」においては,高速炉の受動的安全性に関わる反応度フィードバック,特に炉心変形に伴う反応度効果の確認・予測精度向上のため,受動的安全性試験(フェーズIIB試験)が計画されている。その予備解析作業の一環として,炉心湾曲による反応度効果の解析を行った。湾曲反応度は30%流量からのULOF事象を想定して評価された炉心湾曲量をもとにして計算した。(炉心湾曲計算は実験炉技術課で実施)本計算では,二次元RZ体系において基準炉心の燃料反応度分布を関数形表示し,一時摂動近似を適用して湾曲反応度を求めた。報告書では,出力・流量比と湾曲反応度の関係を,集合体間のパッドギャップや炉心拘束機構と炉心間のギャップなどをパラメータとしてまとめた。主な結果は以下のとおりである。1・出力流量比の増加に伴う炉心変形により,集合体間のパッドギャップがとじるまでは正の反応度が印加される。これは集合体頂部の相互作用の反力により,燃焼部が内側へ変位するためである。2・集合体間のパッドギャップがとじた後は,逆に燃料部が外側へ変位を始め,負の反応度が印加される。3・最外周炉心集合体では,湾曲量及び単位湾曲量当たりの反応度効果ともに大きいために,その湾曲挙動が湾曲反応度を支配する。また,本計算作業にあたり湾曲反応度計算コードを作成・整備した。その計算内容と使用方法についても報告する。
一宮 正和; 林 秀行; 石川 真; 中大路 道彦; 黒木 修二; 山岡 光明; 山下 芳興
PNC TN9410 92-353, 120 Pages, 1992/11
大洗工学センターのプラント工学室では,平成2年度から,実用高速炉としてほぼ下限の出力と想定される60kWe級プラントを対象として,「大型炉設計研究」を,大洗工学センター関連部課室の参加・協力を得て全所的展開の中で実施してきた。これらに関する平成3年度末までの成果は「大型高速炉設計研究成果報告書-60万kWe級プラントの設計研究-」として取りまとめられている。本書は,同報告書を追補するものとして,経済性に関する検討及び同大型高速炉関連図面を取りまとめたものである。
山岡 光明; 若林 利男
International Conference on Design and Safety of Advanced Nuclear Power Plants (ANP '92), 1, p.3.3-1 - 3.3-6, 1992/10
使用済燃料に含まれている放射性廃棄物を後世代に残さないことが社会的に強く要請されている。本研究では高放射性を有する使用済み燃料中の超ウラン元素(TRU)を消滅するFBRの概念として超長寿命炉心を考え,核的・熱的な特性からの成立性を検討した。出力規模は炉容器寸法への影響,Naボイド反応度の低減を考慮し,30万KWeとし,30年間の連続運転を可能とする炉心構成,燃料組成を明らかにした。反応度変化・出力変動が小さく,大量のTRUを消滅できる炉心が得られた。また,TRU断面積の不確かさの影響を評価した結果,特性の不確かさが従来炉心よりかなり大きく,断面積精度向上が必要であることがわかった。
山口 彰; 丹羽 元; 島川 佳郎; 山岡 光明; 月森 和之; 相澤 清人
International Conference on Design and Safety of Advanced Nuclear Power Plants (ANP '92), 3, p.30.4.1 - 30.4.9, 1992/10
動燃事業団において開発されている高速炉用計算コ-ド群を用いて米国の高速実験炉FFTFで計画されているフェ-ズIIB受動的安全性試験の解析を実施した。計算コ-ドが,受動的安全性評価に利用可能であることが示され,またコ-ドの検証に有益なデ-タが得られるべく試験に対する提言をまとめた。これらの解析結果,及び試験デ-タに立脚すれば,今後のFBR開発において受動的安全性をより活用することも可能となる。
吉田 浩; 成瀬 雄二; 山岡 光明*; 小原 敦*; 小野 清*; 小林 重忠*
JAERI-M 92-088, 105 Pages, 1992/06
トリチウム増殖ブランケットとしてLiNO,LiOH等のリチウム塩水溶液を増殖材及び冷却材とする水溶液ブランケットは、ブランケット構造の単純化及びトリチウム回収の容易さが期待されることから、米国のTIBER計画及びITERで幅広く検討された。一方、トリチウム技術に関するTSTA日米共同運転・試験計画においても、TSTAを利用したブランケットトリチウム回収試験の可能性検討が行われ、水溶液ブランケットの評価を行った。本ブランケット概念は日本では余り研究がなされていないことから、筆者らは以下の検討を行い、その特徴を把握するとともに技術課題を考察した。(1)代表的水溶液ブランケット体系のトリチウム増殖性能と遮蔽性能の評価、(2)各種リチウム塩の特性評価、(3)ITERブランケットの放射線分解量推定。