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土井 玲祐; 打越 啓之*
no journal, ,
鉄が共存する還元条件下においてセレン濃度を制限する固相を特定するため、過飽和法によるセレン溶解度試験を実施した。セレン濃度の経時変化から、系の平衡到達には1ヶ月を要しないことが確認され、平衡到達後のセレン濃度は10mol/dm程度であった。一方、沈殿固相のXRD測定によって検出されたセレン含有固相は二セレン化鉄のみで、平衡到達後のセレン濃度, 鉄濃度, 酸化還元電位の関係は、二セレン化鉄の溶解反応で解釈できるものであった。以上のことから、溶解度制限固相は二セレン化鉄であると考えられた。
天野 由記; 伊勢 孝太郎; 伊藤 剛志; 根本 一昭; 舘 幸男
no journal, ,
本研究では、幌延の地下施設内に形成されているバイオフィルムを対象として、その地球化学的、微生物学的特性研究を行った。バイオフィルム試料は、原位置の地球化学条件下において自然に形成されているものを用い、それらの重金属収着特性について評価を行った。その結果、バイオフィルム中には様々な重金属元素が高濃度で濃集しており、その元素濃度は地下水中のそれぞれの元素濃度と相関関係を示さなかったことから、バイオフィルムを構成している微生物の代謝活性の違いにより選択的に重金属元素を濃集していることが示唆された。バイオフィルム中の微生物群集組成について遺伝子解析を行った結果、Nitrospirae門、Candidate phylumとして知られているJS1やSM1、Proteobacteria門が優占することが示された。これらの微生物群集の代謝活性と重金属の収着特性に関するメカニズムについて今後評価を進めていく必要がある。
石寺 孝充; 林 雅則*; 助川 誠裕*
no journal, ,
地層処分において、圧縮ベントナイトから発生する可能性のあるモンモリロナイトコロイドは、放射性核種の移行挙動に大きな影響を及ぼす可能性がある現象である。放射性核種のコロイドに対する分配係数は、コロイドを形成していないモンモリロナイトに対する分配係数より推定できると考えられる。本研究では、モンモリロナイトコロイドの酸滴定を行い、モンモリロナイトコロイドとコロイドを形成していないモンモリロナイト間での収着サイト密度について比較検討を行った。その結果、共存Na濃度が低い条件で作製したモンモリロナイトコロイドの収着サイト密度は、コロイドを形成していないモンモリロナイトと同等であった。
寺島 元基; 斉藤 拓巳; 石井 智子*; 赤木 洋介*; 舘 幸男
no journal, ,
低濃度のEu(III)と幌延の地下研究施設の地下水から分離・精製したフミン酸との錯形成データを溶媒抽出法を用いて取得し、NICA-Donnanモデルを用いた計算値との比較から調査した。その結果、NICA-Donnanモデルは、低濃度のEu(III)と 地下水中のフミン酸との錯形成を過大評価することを見出し、より現実的な評価に向けてモデルパラメータの再整備が必要であることを指摘した。
飯田 芳久; 山口 徹治; 田中 忠夫; 邉見 光
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花崗岩へのトリウム(Th)の収着挙動を調べるため、花崗岩およびその主要構成鉱物である石英、長石および黒雲母を対象としたバッチ収着実験を、pHおよび炭酸濃度をパラメータとして実施した。得られた分配係数は、炭酸濃度の上昇に伴い減少し、pH9-10で極小値を示した。この吸着傾向は、溶液中でのThの水酸化炭酸錯体の形成によるものである。Th収着の強さは、雲母, 長石, 石英=花崗岩の順であった。これら鉱物へのThの収着挙動を、電気三重層表面錯体モデルにより解析した。Thの内圏錯形成を仮定することにより、モデル計算は実験結果をよく説明した。花崗岩へのThの収着挙動については、主に長石表面サイトへの錯形成により説明可能であることが示された。
佐々木 隆之*; 鴻上 貴之*; 雨宮 浩樹; 村上 裕晃; 天野 由記; 岩月 輝希; 水野 崇; 小林 大志*; 桐島 陽*
no journal, ,
地下水中のTh, Uおよび希土類元素(REEs)の濃度を熱力学的解析により評価するため、幌延深地層研究センター周辺に分布する地下水を対象に調査を行った。地下水は幌延深地層研究センターの研究坑道内、深度140mおよび250m坑道から掘削したボーリング孔より嫌気状態で直接採水した。コロイドの分布については、原位置において0.2mおよび10kDaの限外ろ過膜によるろ過により評価した。また、ろ過した地下水との比較のため、ろ過していない地下水も採取した。地下水の分析および熱力学解析の結果、ThおよびUについては溶解度がそれぞれThO(cr)およびUO(cr)に支配されていることがわかった。一方、REEsについては濃度が低く、また、軽REEsにおいてコロイドの影響が顕著であった。リン酸塩鉱物を溶解度制限固相として溶解度を算出した結果、分析結果が海水とリン酸塩鉱物間のREEの固液平衡によって説明可能であることがわかった。
大貫 敏彦; 香西 直文; 坂本 文徳; Yu, Q.; 山下 光男*; 堀池 巧*; 宇都宮 聡*
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微生物によるカルサイト生成時におけるSrの取り込みを調べた。海水条件でカルサイトを生成する菌をスクリーニングした。カルサイト生成菌により生成したカルサイトにSrが取り込まれることをSEM, TEMによる分析で明らかにした。さらに、EXAFS解析により化学形を明らかにした。
藤原 健壮; 飯島 和毅; 寺島 元基; 舘 幸男
no journal, ,
福島原子力発電所の事故に伴い、現在福島県内を中心とした広範なエリアで放射性セシウム(Cs)が残存している。よって、環境中における放射性物質の存在形態や移動に関するデータを取得し、その分布状況を予測するシステムを構築する必要がある。Csのほとんどは土壌に収着して河川等の水流を媒体として環境中を移行していると考えられるが、河口域においてはCsが収着している土壌(粘土)粒子と海水が接触することになる。海水にはCsと同族のイオン(Na, K)が多く含まれており、イオン交換性のサイトがある場合に起こるCsの脱離現象および、土壌粒子間の静電的反発が少なくなることによる団粒化現象が起こると考えられる。本報告では、福島沿岸部における河口域の海水と河川敷の土壌を用い、脱離と団粒化の現象について評価した。