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鈴木 伸一; 田村 和成; 館盛 勝一; 臼井 義春*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.377 - 380, 1999/00
被引用回数:10 パーセンタイル:60.55(Chemistry, Analytical)環状アミド化合物は、モノアミドと同様に核燃料サイクル工程において用いられているリン酸トリブチルの代替抽出剤として注目されている。本研究では、8種類の環状アミド化合物を合成し、長寿命核種で工程内でその抽出挙動が注目されているTc(VII)の抽出特性について調べた。用いた環状アミド化合物は、基本骨格に5員環、6員環、7員環を用いており、Tc(VII)の抽出に及ぼす環状アミドの環サイズの効果及び7員環化合物にアルキル基を導入した化合物によるDの立体的な効果について検討した。さらに、Tc(VII)の抽出は、溶液中の硝酸イオンとの協奏関係にあるため、これらの環状アミド化合物による硝酸の抽出についても検討を行った。0.1Mの5,6,7員環化合物によるDの硝酸濃度依存性は、高酸濃度領域においてはTBPと同様に硝酸濃度の増加とともに減少している。1.0Mの5,6,7員環化合物によるDの硝酸濃度依存性は硝酸濃度の増加とともに増加しており、Dの大きさは5,6,7員環の順に減少しており、7員環が一番立体的な障害を及ぼしやすいことがわかった。
矢板 毅; 成田 弘一*; 鈴木 伸一; 館盛 勝一; 本橋 治彦; 塩飽 秀啓
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.371 - 375, 1999/00
被引用回数:95 パーセンタイル:98.35(Chemistry, Analytical)塩化物、硝酸イオン性水溶液におけるランタノイドイオンの構造研究がEXAFS法により行われた。EXAFSによって得られる動径構造関数から、ランタノイドイオンの第一配位圏には、水あるいは硝酸イオンの酸素が存在し、一方塩化物イオンは存在しないことが明らかとなった。また、ランタノイドイオンの配位数はNd,Smでおよそ8,Eu~Luでおよそ9であることが確かめられた。これは、硝酸イオンの配位の前後で変化はなかった。また、硝酸イオン、水のランタノイドとの結合距離の比較において、硝酸イオンの酸素の方が約10pm外側に存在することが明らかになった。このことから、硝酸イオンは、水より穏やかにランタノイドに結合していると考えられる。
篠原 伸夫; 初川 雄一; 畑 健太郎; 河野 信昭; 安藤 真樹; H.H.Saleh*; W.S.Charlton*; Parish, T. A.*; S.Raman*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(3), p.631 - 638, 1999/00
被引用回数:3 パーセンタイル:28.62(Chemistry, Analytical)マイナー・アクチノイドは原子炉中で核燃料の連続中性子捕獲反応によって生成し、燃料の燃焼度が増加するにつれて蓄積していくが、長寿命のゆえにその廃棄物としての処理・処分は重要な研究課題である。本研究では、マイナー・アクチノイドの生成過程と核変換過程の定量的理解のために不可欠な核データ、特に中性子捕獲断面積と遅発中性子収率について測定した。これらの測定値は専焼炉や核破砕反応を用いた高レベル放射性廃棄物の消滅処理のための基礎データとして意義がある。本シンポジウムでは、実験で得られたデータを発表するとともに、高エネルギー陽子加速器を用いた消滅処理について紹介する。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 巻出 義紘*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.335 - 340, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:72.16(Chemistry, Analytical)天然に存在するフミン酸のような高分子有機酸とアクチノイド(III)及びランタノイド(III)との錯形成は重要であるが、その不均一性によりその錯構造は明らかではない。Eu(III)とポリカルボン酸[ポリアクリル酸(PAA),ポリマレイン酸(PMA),ポリメタクリル酸(PMAA),ポリヒドロキシアクリル酸(PHAA)]をモデル物質に用いて、レーザー誘起分光法により錯体の水和数Nの測定からその構造を研究した。PAA錯体ではpH2.5から錯形成し、3.5pH9で2.5N4であった。PMM及びPHAA錯体のNは安定度定数と逆の順序(PHAA錯体PAA錯体PMA錯体)であった。これは、より多くの脱水和により安定な錯体が形成されることを示す。PMAA錯体のNのpH依存性は他の錯体と異なり、pH7で極大を示した。pH滴定、粘性測定からPMAA錯体の急激な形態の転移としてこれを解釈した。
永目 諭一郎; 西中 一朗; Zhao, Y. L.*; 塚田 和明; 市川 進一; 池添 博; 谷川 勝至*; 大槻 勤*; 大浦 泰嗣*; 末木 啓介*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(1), p.97 - 101, 1999/00
被引用回数:4 パーセンタイル:34.76(Chemistry, Analytical)アクチノイドの核分裂において、核分裂障壁近傍から分裂直前の切断点に至るまで、二種類の独立した変形径路の存在を実証し、それぞれの変形過程と質量分割モードとの関連を明らかにした。この成果を中心に、これまでの二重モード核分裂過程に関するレビューを行う。また核分裂核の陽子数、中性子数と二重モード過程との関連に関する最近の成果についても述べる。
光岡 真一; 池添 博; 生田 智彦*; 濱田 真悟; 永目 諭一郎; 塚田 和明; 西中 一朗; 大槻 勤*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(1), p.155 - 157, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)原研タンデムブースター加速器用実験装置として建設した反跳型生成核分離装置の性能試験結果と、この装置を使って合成に成功した新アイソトープTh,Paの実験結果について報告する。ThはW+Sの核融合反応より、PaはW+Cl反応により合成することができた。
長尾 誠也; 松永 武; 村岡 進
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(3), p.555 - 559, 1999/00
被引用回数:7 パーセンタイル:49.57(Chemistry, Analytical)湖底堆積物における人工放射性核種の挙動を明らかにするため、環境の異なる2つの湖(青森県十和田湖(貧栄養湖)及び長野県木崎湖(中栄養湖))において湖底堆積物を採取し、Cs-137及びPu-239,240の放射能濃度鉛直分布を測定するとともに、各層における存在状態を選択的抽出法により調べた。その結果、Cs-137及びPu-239,240はおもに有機物フラクションとアルシノケイ酸塩フラクションに存在していたが、異なる鉛直分布を示した。十和田湖底堆積物では堆積物表層から6cmまでに有機物フラクションの存在割合がCs-137では38%から18%へ、Pu-239,240では54%から5%と減少した。一方、木崎湖堆積物では、Cs-137が30%、Pu-239,240では40~60%と堆積物の深さ2~14cm間で顕著な減少は認められなかった。これは、堆積物の有機物含有量の違いが人工放射性核種の存在形態の変化に関与していることを示唆している。
渡辺 智; 橋本 和幸
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.391 - 395, 1999/00
被引用回数:1 パーセンタイル:13.11(Chemistry, Analytical)HCl-TBP抽出系におけるヘキサクロロテクネチウム酸イオンの溶媒抽出挙動を調べた。過テクネチウム酸イオンの塩酸還元によりヘキサクロロテクネチウム酸アンモニウムを合成し、これをHCl-TBP抽出系に加え、HCl及びTBP濃度を変化させてヘキサクロロテクネチウム酸イオンの分配比を求めた。分配比とHCl及びTBPのプロットから、抽出時のテクネチウムの化学形(H[TcCl](TBP))を決定した。つぎに、HCl-TBP抽出系におけるヘキサクロロテクネチウム酸イオンのアクア錯体の分配比を調べた。ヘキサクロロテクネチウム酸アンモニウム溶液に可視光を当ててアクア化を起こし、テクネチウムの分配比を求めた。また、アクア錯体の化学形はペーパークロマトグラフィーにより分析した。以上の結果から、アクア錯体の分配比は、[TcCl(HO)][TcCl][TcCl(HO)]の順であることがわかった。
佐伯 正克; 中田 正美; 中本 忠宏*; 山下 利之; 正木 信行; Krot, N. N.*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.221 - 225, 1999/00
被引用回数:7 パーセンタイル:49.57(Chemistry, Analytical)Np(V)のマロン酸、ギ酸、グリコール酸、フタル酸塩及びマロン酸とギ酸のアンモニアとの複塩を合成し、メスバウア分光法を用いてNpの配位数と異性体シフトの相関を調べた。複塩中のNp周りの酸素配位数は8であることがわかっている。フタル酸塩はわれわれが初めて合成したものであるが、Np周りに酸素が7つ配位していることを見出した。その他の化合物中のNp周りの酸素配位数は7であることが明らかになっている。これらの化合物のメスバウアスペクトルの異性体シフト値は、酸素配位数は7の場合には約-19mm/s付近に集中した。一方、酸素配位数が8の場合にはその値は約-16mm/sとなり、7配位の場合と明らかな違いを示した。これらの結果は、Npの核位置における電荷密度で説明可能であり、配位数と異性体シフト間には明らかな相関があることがわかった。
米澤 仲四郎; P.P.Ruska*; 松江 秀明; 間柄 正明; 安達 武雄
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(3), p.571 - 575, 1999/00
被引用回数:19 パーセンタイル:78.48(Chemistry, Analytical)JRR-3Mの冷及び熱中性子ビームを使用した中性子即発線分析法(PGA)により、地質調査所で調製した岩石標準試料中のホウ素(B)の定量を行った。B478keV線ピークはドップラー広がりをもち、Na,Cl,Ni等の妨害を受けやすい。これらの元素の妨害補正法として、(1)コンピューターによる関数フィッティング、(2)他の基準線による補正、(3)試料のNa含有から妨害Na量を差し引く方法の検討を行った。3種類の妨害補正法により地質調査所の岩石標準試料(火成岩、堆石岩シリーズ、21試料)中のBの定量を行った。各標準試料について3試料ずつ分析した結果、その変動係数はほぼ10%以下であった。また、3種類の妨害補正法による定量値は良い一致を示し、地質調査所の集計値とほぼ20%以内で一致した。
石岡 典子; 松岡 弘充; 渡辺 智; 長 明彦; 小泉 光生; 松橋 信平; 久米 民和; 関根 俊明; 内田 博*; 辻 淳憲*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.417 - 421, 1999/00
被引用回数:27 パーセンタイル:86.09(Chemistry, Analytical)これまで原研高崎のAVFサイクロトロンを利用して生物医学分野で有用となるラジオアイソトープの製造技術の開発を行ってきた。最近では、ポジトロン放出核種の製造技術の開発と二次元ポジトロンイメージング装置の開発により、植物での生理機能を解明する実験が可能となった。われわれが現在進めている植物における物質移動の動的な計測方法とそれらの実験に必要なポジトロン放出核種の製造技術及びその標識化合物の合成研究について発表する。
坂本 文徳; 出雲 三四六; 橋本 和幸; 藤井 有起*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.423 - 427, 1999/00
被引用回数:1 パーセンタイル:13.11(Chemistry, Analytical)[-P]ATPは遺伝子工学の様々な分野で幅広く利用されている。[-P]ATPの合成法は多数報告されているが、高比放射能の[-P]ATPを得る最適条件に関する研究はあまり報告されていない。これまでの報告では[-P]ATPを合成するのに解糖系を利用し、グリセロール3-リン酸を出発原料に4段階の反応を利用している。しかし、われわれは同じ解糖系ながら、フルクトース1.6-二リン酸を原料にした3段階の、より簡便な反応を利用している。試薬中の非放射性リンが合成した[-P]ATPの比放射能を低下させるので、まずすべての試薬中の非放射性リンを定量した。その結果、乳酸デヒドロゲナーゼに多くのリン酸が含まれていることがわかった。そこで、酵素の必要性を再検討し、この乳酸デヒドロゲナーゼを使わないで反応させたところ、極端な収率低下もなく比放射能が向上した。
関根 俊明; 市川 進一; 長 明彦; 小泉 光生; 飯村 秀紀; 塚田 和明; 西中 一朗; 初川 雄一; 永目 諭一郎; 浅井 雅人*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(1), p.127 - 131, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:21.15(Chemistry, Analytical)東海研タンデム加速器と高崎研TIARAに設置した2つのオンライン同位体分離器(ISOL)を用いて1992年以後に行われた不安定核の研究を紹介する。東海研ISOLでは、ターゲットチェンバーとイオン源とヘリウムジェットで結合する新しいシステムを開発して、アクチナイドターゲットの照射を可能にした。その結果、Uの陽子照射により新核種Tb,Gd,Smを見出し、UのLi照射で同じく新核種Uを見出した。高崎研ISOLでは、ArとMoターゲットの反応で中性子欠損核種を生成させ、新核種Prを見出した。また、高効率の線角度相関装置を製作して、BaやCeの低励起・低スピン状態を確立した。
初川 雄一; 篠原 伸夫; 畑 健太郎; 小林 勝利; 本石 章司; 棚瀬 正和; 加藤 敏郎*; 中村 詔司*; 原田 秀郎*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(3), p.455 - 458, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:75(Chemistry, Analytical)放射性廃棄物の管理の一つの方法として原子炉や加速器による中性子を用いた核変換による消滅処理がある。しかしそのために必要な核データの信頼性は高くない。本研究ではこれら放射性核種の中性子吸収断面積と共鳴積分を東海研究所JRR-3Mを用いて測定した。今回の実験では230万年の半減期を有するCsの断面積測定を行った。Csは高純度試料の入手が困難なためCs試料中のCsを利用した。あらかじめ質量分析法によりCs/Cs比を求めておいた試料を原子炉により中性子照射を行いCs(n,)反応により生成したCsを線分光法により測定し、この反応断面積を求めた。カドミカプセルを用いた照射により共鳴積分も同時に求めた。中性子吸収断面積は既存の2つのデータのうちBaergらの値と一致したが、共鳴積分はBaergらの値の約2/3程の小さな値が得られた。
野川 憲夫*; 百瀬 静香*; 宮沢 香*; 巻出 義絋*; 大橋 國雄*; 橋本 和幸; 森川 尚威*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.385 - 389, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:21.15(Chemistry, Analytical)放射性レニウム(Re,Re)は線を放出することから、近年、がん治療に有効な標識化合物の開発が行われている。Tc-ジメルカプトコハク酸(mTc-DMSA)は、腎臓のイメージング試薬として幅広く使用され、さらに、甲状腺がんなどに集積することも知られている。そこで、原研製のReを用いたRe-DMSA標識化合物の合成条件を検討し、さらにマウスにおける体内挙動を調べた。反応条件(試薬の量、pH、反応時間等)を変えてRe-DMSAの標識率を調べた。その結果、最適条件下で、95%以上の標識率が得られた。さらに得られたRe-DMSAは酢酸緩衝液中及びマウス血清中において安定であることが明らかになった。Re-DMSAのマウスにおける体内分布に関しては、骨への集積が最も高く、次いで腎臓に集積した。この分布は、Tc(V)-DMSAの分布に類似していることが明らかになった。
村松 久和*; 石井 寛子*; 田中 栄司*; 三沢 雅志*; 伊東 誉*; 三浦 太一*; 武藤 豪*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.251 - 255, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)金属中のCs不純物原子についてアイソマーシフトの振る舞いを調べた。TIARAのオンライン同位体分離器を用いて、各種金属にXeをイオン注入し、液体ヘリウム温度でメスバウアスペクトルを測定した。スペクトルを多成分解析して、金属原子と置換した位置にあるCs原子のアイソマーシフトを求めた。アイソマーシフトとホスト金属の電子構造の間に相関が見られ、ホスト金属の伝導電子密度がアイソマーシフトに大きな影響を及ぼすと結論した。