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小出 馨; 小池 克明*
International Journal of Applied Earth Observation and Geoinformation, 19, p.88 - 103, 2012/10
被引用回数:6 パーセンタイル:23.88(Remote Sensing)本研究は、広域スケールにおける地質構造の水理学的特性評価にかかわる方法論の開発の一環として、従来困難とされてきたリモートセンシングによる温暖湿潤地域の森林地帯における高地下水面地区の抽出について、植生情報に基づく新たな検出方法を提案した。高地下水面によって引き起こされる植生状態の差異を検出するため、新しい植生指標(AgbNDVI)と対象エリアの地理学的特性に基づくセグメント解析を考案した。手法の妥当性を検証するため、岐阜県東濃地域の約5km四方の森林域の衛星データ(SPOT)を用いて本手法を適用した。その結果、抽出された高植生指標地点は、地下水流出が発生しやすい斜面傾斜変換点や地質境界付近、確認されている湧水点の近傍や地下水面の高い部分に分布していることが確認された。したがって、高植生指標地点は、地下水流出点や高地下水面地区の重要な指標となることから、本研究で提案した植生指標(AgbNDVI)及び高植生指標地点抽出手法は、温暖湿潤地域における地質構造の水理学的特性や地下水流出域の推定にとって有効な方法と考えられる。