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山崎 大; 曽山 和彦; 海老澤 徹*; 田崎 誠司*
JAERI-Research 2003-009, 29 Pages, 2003/03
大強度陽子加速器計画(J-PARC)では大強度核破砕中性子源の建設が計画されている。この大強度中性子ビームのうち、結合型モデレータから得られるパルス中性子は、中性子強度は高いが、テールが長く、高分解能の実験には向いていない。しかし、用途によってこのテールをカットし、高分解能パルスを利用できるようになれば、実験の選択肢,分光器の可能性が大きく高まる。ドラプキン型エネルギー・フィルターは、空間的中性子スピン共鳴を利用して、磁場との相互作用でパルス整形を行なおうという装置である。本稿では、まずドラプキン型エネルギー・フィルターの主要部分であるドラプキン型スピン・フリッパーのスピン反転率を量子力学的に厳密に導出し、共鳴スピン反転の性質について詳細に記述した。さらに、ドラプキン型エネルギー・フィルターをパルス中性子用のパルス整形器として用いるための、スィープ・モードでの駆動及びサブピークの抑制について、数値計算による予測を行った。周期数10のドラプキン型スピン・フリッパーを開発し、定常モードでの特性試験を行った。結果は、計算による予測と非常によく一致し、開発したドラプキン型スピン・フリッパーが期待通り駆動していることが示された。