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西村 大樹*; 幸塚 麻里子*; 福田 朱里*; 石村 豊穂*; 天野 由記; 別部 光里*; 宮川 和也; 鈴木 庸平*
no journal, ,
地下深部の地下水は酸素が消費され一般に還元性になっている。幌延の深部地下水では微生物活動による二酸化炭素還元反応により強還元雰囲気が維持されている。一方で幌延深地層研究センター地下研究施設の一部のボーリング孔では、嫌気的環境にも関わらずメタン酸化機能を持つ微生物が存在している。これまでの研究により地下水中の懸濁物に含まれる非晶質鉄あるいは2八面体型スメクタイトに含まれる3価鉄が酸化剤として機能していることを明らかにしてきた。本研究では地上からのボーリング掘削により得られた深度210-320mのコア試料を用いてメタン酸化活性を評価した。その結果、地下水試料と比較して数桁高いメタン酸化代謝が得られたことから、地下水と比べてより多くの微生物が岩石内部に生息していることが示唆され、陸域地下生命圏においてはメタンが重要なエネルギー源であることが示唆された。高レベル放射性廃棄物の地層処分において処分場閉鎖後の坑道周辺の酸化性環境は、周辺母岩中の鉱物との反応等により本来の還元性に戻ると考えられている。本研究で得られた知見はこの処分場閉鎖後の回復過程についてより正確な理解に繋がる成果である。