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佐藤 稔紀; 谷口 航; 藤田 朝雄; 長谷川 宏
JNC TN7400 99-011, 36 Pages, 1999/12
わが国における地下深部の岩盤が有する一般的な熱的および力学的性質を理解するため、文献調査および釜石鉱山と東濃鉱山における調査・試験によりデータを収集し、岩種ごとの物性の頻度分布や物性間の相関関係などについて検討した。その結果、岩石の熱物性および力学物性について、岩種ごとの頻度分布を把握した。また、従来より示唆されてきた物性間の相関関係との整合性が確認された。新第三紀堆積岩では深度の増加とともに一軸圧縮強度などが増加する傾向が認められた。岩盤の初期応力については、文献調査の結果を取りまとめ、鉛直応力は単位体積重量の勾配で線形近似できること、水平面内平均応力と深度の関係も線形近似できること、および、側圧係数(水平面内平均応力と鉛直応力の比)は浅部では大きな値を示し、震深度の増加に伴い、深度500m程度より深くなると1より小さい値に近づくことが認められた。
井尻 裕二; 澤田 淳; 坂本 和彦*; 亘 真吾; K.E.Web*; 中島 研吾*; 野邊 潤*
JNC TN8400 99-092, 91 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分における天然バリアの性能評価においては、我が国の岩盤を亀裂中の流れが支配的な亀裂性岩盤と岩石基質内の流れが支配的な多孔質岩盤に分類し、それぞれに対して亀裂ネットワークモデルを用いた核種移行評価手法と不均質連続体モデルを用いた核種移行評価手法を開発した。本書は、後者の多孔質岩盤モデルによる核種移行評価手法とその評価結果について報告するものである。多孔質岩盤モデルに関しては、東濃鉱山の新第三紀堆積岩で測定されたデータに基づいて不均質連続体モデルを構築し、核種移行解析を実施した結果、Se-79やCs-135が支配的な核種となることがわかった。多孔質岩盤モデルに対するパラメータの感度を評価するために1次元均質モデルを用いて感度解析を実施した結果、有効間隙率が解析結果に及ぼす影響は小さいのに対し、透水係数が結果に及ぼす影響は大きいことがわかった。また、岩種では泥質岩・凝灰質岩よりも砂質岩の方が、地下水では降水系地下水よりも海水系地下水の方が分配係数が小さく核種移行率が大きくなることがわかった。さらに、亀裂だけでなく岩石基質中の流れも有意な亀裂性岩盤と多孔質岩盤の特性を併せ持つ一部の新第三紀堆積岩に対して亀裂性岩盤モデルと多孔質岩盤モデルの重ね合わせにより評価を実施した結果、多孔質岩盤モデルよりも亀裂性岩盤モデルの方が保守的に評価されることがわかった。本書で得られた結果は、東濃鉱山の深度数10mから200m以浅のボーリング孔で得られたデータに基づいた結果であるため、実際の処分深度500mでは岩盤の透水性はさらに低くなり、核種移行率もさらに低減されると考えられる。
奥田 勝三*; 武部 愼一; 坂本 義昭; 萩原 茂*; 小川 弘道
JAERI-Review 99-023, p.100 - 0, 1999/10
低レベル放射性廃棄物の埋設処分にかかわる概念構築の一環として、関東北部から東北地方にわたるおもに太平洋側(青森県下北半島東部~茨城県東海・那珂湊地域)に分布する新第三紀堆積岩を対象に、地質特性の調査・整理を既存文献によって行った。A.下北半島東部、B.三戸-八戸、C.仙台、D.常磐炭田、E.東海・那珂湊の各堆積区に分布する地層は、奥羽脊梁山脈から東方ほど非グリーンタフ相として、地層の褶曲や変形が少なく安定した構造を示し、火成活動に伴う影響が少ない特徴を有している。各堆積区の地質構造タイプと堆積相の関係は、次のようにまとめられる。A.下北半島:緩傾斜ドーム型、二層構成層、B.三戸-八戸:急傾斜ドーム型、多層構成層、C.仙台:逆断層隆起型、多層構成層、一部は一層構成層、D.常磐炭田北部:逆断層隆起型、下位は多層構成層・上位は二層ないし一層構成層、常磐炭田中部:基盤断裂型、二層構成層、常磐炭田南部:盆状型、二層構成相、E.東海・那珂湊:基盤沈降型、一層構成層。このうち、基盤沈降型と緩傾斜ドーム型の堆積区には、安定した泥質岩の厚層が形成されている。これら地層は、埋設処分層としての適性を検討する意義を有するものと考えられる。地下水は、埋設処分上重要な役割を有しており、各区での流動の特徴を想定した。今後、地盤の物性値(透水係数・一軸圧縮強さ等)を求めるとともに、同様な調査を、日本列島全域及び先新第三紀層も対象として行う必要があると考えられる。
春木 和人*; 佐々木 隆之*; 桐島 陽*; 笹本 広; 望月 陽人; 宮川 和也
no journal, ,
放射性廃棄物処分の核種移行評価において、地下水中の核種の母岩への収脱着反応による移行遅延の影響は重要である。一般に還元雰囲気の深部地下水中で4価として存在するウランは、溶解度が低く母岩表面への収着能が高い。近年、高炭酸濃度下において、酸化還元平衡で共存する6価ウラニルイオン(UO)がウラニル炭酸錯体を形成し、支配化学種となることが熱力学的考察により指摘されている。我が国を代表する岩種である新第三紀堆積岩の地下水中にはしばしば比較的高濃度の炭酸が見られることから、新第三紀堆積岩に対するウラニル炭酸錯体の収着挙動の理解に関心が高まっている。本研究では、幌延地域に分布する新第三紀堆積岩である稚内層の珪質泥岩を用いて、ウランの収着挙動に対する炭酸の影響に着目したバッチ試験を実施した。炭酸を含まない場合、pHと共にウランの収着分配係数(Kd)値が上昇する傾向が見られた。一方炭酸を含む場合、pH上昇に伴いKdに低下傾向が見られ、中性pHにおいて炭酸によるKd値の低下が顕著であった。今後は、さらなるデータの取得とともに、固相表面の化学状態および液相化学種等の情報をもとに、ウランの収着挙動について考察を進める。
玉澤 聡*; 上野 晃生*; 村上 拓馬*; 宮川 和也; 玉村 修司*; 木山 保*; 猪股 英紀*; 長沼 毅*; 金子 勝比古*; 五十嵐 敏文*
no journal, ,
令和2年度以降の幌延深地層研究計画において原子力機構が取り組んでいる課題の1つである「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認」では、物質移行に対する微生物の影響を確認する必要がある。本研究では、幌延地域の地下深部に存在する微生物群集の構造を規定する要因を明らかにするために、幌延深地層研究センターの地下研究施設から掘削されたボーリング孔を利用して地下水を採水し、16S rRNA遺伝子アンプリコンシーケンスデータを取得し、地下水の地球化学データとの関連性について解析的検討を実施した。その結果、試料間に見られる微生物の群集構造の差異は、採水深度や地下水の電気伝導度、Na, K, Ca, Mg, Li, Cl, Br, NH, PO, Sr, I, SOなどのパラメータと統計的に有意な関連性を持つことが示された。これらの溶存イオン種の空間的な差異は、既往の研究により、化石海水が天水によって希釈されることにより形成されたと考えられている。このことから、本地域の微生物群集構造に影響を及ぼす一因は、化石海水の天水による希釈である可能性が示唆される。