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竹永 秀信; JT-60チーム
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
JT-60Uにおける電子加熱及び低中心粒子補給率での、内部輸送障壁の形成条件及び輸送特性について報告する。電子サイクロトロン加熱による電子加熱時における電子温度の内部輸送障壁形成条件について調べた結果、負磁気シアプラズマでは1MW程度の加熱パワーで強い内部輸送障壁が形成されたが、弱正磁気シアプラズマでは3MWでも強い内部輸送障壁は形成されなかった。次に、中性粒子ビームによるイオン加熱で内部輸送障壁を形成した後に電子サイクロトロン加熱を行い、その時の輸送特性について調べた。負磁気シアプラズマでは、強い内部輸送障壁はそのまま維持され、電子加熱条件下でも高い閉じ込め性能が得られた。また、電子サイクロトロン加熱と同時に中性粒子ビームパワーを低減して低中心粒子補給率としたが密度の内部輸送障壁は維持され、密度勾配による大きな新古典内向き対流速度により、アルゴン等の不純物は内部輸送障壁内に蓄積したままであった。一方、弱正磁気シアプラズマでは、イオン温度の内部輸送障壁が劣化することが観測された。また、アルゴンを入射した弱正磁気シアプラズマでは、密度分布の平坦化が観測され、同時に内部輸送障壁内に蓄積したアルゴンも排出された。これは、密度勾配の減少に伴う新古典内向き対流速度の減少で説明可能である。
竹永 秀信
プラズマ・核融合学会誌, 77(3), p.224 - 230, 2001/03
磁気閉じ込め核融合炉における燃焼プラズマは、粒子による自己加熱が支配的となるために、プラズマ自らが加熱パワーを決め、その加熱パワーにより自らを決定する「自立的なプラズマ」となる。このような自律系では密度と加熱パワーが密接に関連し、両者を独立に制御可能な非燃焼プラズマと比較して密度制御がより重要となる。核融合炉では、粒子補給と粒子排気により密度を制御することになるが、高閉じ込め及びダイバータでの高い熱除去能力等の核融合炉条件を満足しながら制御する必要がある。本稿では、まず核融合炉で想定される粒子補給について述べ、そこでの課題を明らかにする。次に、粒子補給とプラズマ特性の関係について現状を報告する。さらに、密度制御をどのように行うべきか具体的に考察する。
嶋田 道也; 細金 延幸; 伊丹 潔; 高村 秀一*; 大藪 修義*; 俵 博之*; 畑山 明聖*
プラズマ・核融合学会誌, 76(1), p.41 - 63, 2000/01
ITER物理R&D期間中のダイバータ研究に関する主な成果と現状についてまとめた。ITERの標準運転モードとして、デタッチダイバータが検討され、デタッチ現象(放射損失の促進、プラズマ圧力の降下、再結合過程等)が実験的に調べられた。このような現象は、最近のモデリングの進展により、シミュレーションによっても良く再現されるようになった。しかし、ダイバータと主プラズマ閉込めの両立性については、ダイバータ形状の効果が明瞭でなく、今後の課題として残っている。粒子補給については、内側入射ペレットが開発されたことにより、解決の見通しを得た。ヘリウム灰の排気には大きな問題がないことが確認された。R&D活動の特別な作業として、SOLデータベースが構築され、SOL幅などの比例則が導出された。ダイバータ壁材料の損耗や再付着についても議論された。
岩瀬 誠; 小出 芳彦; 飛田 健次; 森山 伸一; 竹永 秀信; 藤田 隆明; 白井 浩; 草間 義紀; 根本 正博; 及川 聡洋; et al.
Proc. of 13th Topical Conf. on Applications of Radio Frequency Power to Plasmas, p.116 - 119, 1999/04
ICRF加熱の電子加熱と低粒子補給効果を利用して負磁気シア(RS)プラズマの内部輸送障壁(ITB)の維持に関する研究が行われた。NBI加熱によって生成されたITBを有するRSプラズマを少数イオン第二高調波ICRF加熱で追加熱し、ITBプラズマの維持を試みた。又、ICRF加熱中のNBI加熱パワーを放電ごとにスキャンして、電子加熱及び粒子補給量に対するITBの依存性を調べた。これらの実験結果から以下のことが分かった。(1)電子温度分布における急峻な勾配は電子加熱パワーの割合と共に大きくなる。(2)中心粒子補給量が少ない場合、電子密度のペデスタルは維持できない。更にITB内側のグローバルな閉じ込め解析を行った結果から以下のことが分かった。(1)ITB内側粒子閉じ込め時間は、粒子補給量と共に増加する。(2)少粒子補給時には急峻な電子温度勾配が存在するにも関わらず、粒子閉じ込め時間は通常の正磁気シア放電と同程度である。(3)この少粒子給時には粒子閉じ込めが劣化しているにも関わらず、ITB内側のエネルギー閉じ込め時間の改善は維持されている。
玉井 広史; 木島 滋; 細金 延幸; 朝倉 伸幸; 坂田 信也; 齋藤 直之; 秋葉 賢一*; 赤坂 博美; 川俣 陽一; 栗原 研一
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.163 - 167, 1998/00
被引用回数:9 パーセンタイル:60.32(Nuclear Science & Technology)ダイバータ部のボロメータ信号を用いてダイバータ領域に注入するガスパフ量のフィードバック制御を行い、放射冷却ダイバータを定常に維持した。このとき、全加熱入力の40%に当たる6MWのダイバータ放射損失が、約3秒間ほぼ一定値に保たれた。一方、放射損失を加熱入力の50%以上にすると、MARFEが発生して急激に増加し、帰還制御が困難となった。放射損失量の制御領域を広げるためには、パフするガスの種類や入力に用いるボロメータ信号の選択など、各種のパラメータの最適化を行う必要がある。来年度予定されている改造ダイバータでは、ガスの補給だけでなく排気も組み合わせた広範な圧力領域での運転制御が可能になると考えられる。
福本 直之*; 藤原 誠*; 倉本 啓司*; 上石 雅也*; 永田 正義*; 宇山 忠男*; 小川 宏明; 河西 敏; 長谷川 浩一; 柴田 孝俊
Proceedings of American Physical Society 39th Annual Meeting of the Division of Plasma Physics, 1 Pages, 1997/00
スフェロマック型コンパクト・トーラス(CT)加速・入射実験が姫路工業大学CT入射装置(HIT-CTI)を用いて行われてきた。我々は、この実験により、CT入射によるトカマクの粒子補給、密度制御、電流駆動、周辺電場制御等の可能性を探ろうとしている。HIT-CTIでは、速度200km/s、密度110mのCTを生成することに成功している。そして現在、新しく電極と電源を製作しており、1997年秋に日本原子力研究所のJFT-2Mトカマク装置にHIT-CTIを設置する予定である。新設の電源の特徴として、生成用電源(144F,20kV)と加速用電源(92.4F,40kV)が外部電極側で正極側共通アースとなっていることが挙げられる。講演の発表では、姫路工業大学でのCT入射装置の予備試験とJFT-2Mで行われる初期CT入射実験の結果を報告する。
平塚 一; 川崎 幸三; 三代 康彦; 吉岡 祐二*; 太田 和也*; 清水 正亜
JAERI-M 89-081, 32 Pages, 1989/06
ペレット入射速度を1.9km/s(目標)にするために、既設ペレット入射装置の改良を行った。改良にあたって新たに生成槽、高速射出弁及び配管の一部を製作した。ペレット射出速度に関しては、高速射出弁の動作時間を短縮(開閉動作速度の向上)し、加速ガス圧力を50kgf/cmから100kgf/cmに上昇させることでペレット射出速度向上を実現した。新たに製作した生成槽では、ペレットサイズ3.0mm3.0mmLと4.0mm4.0mmLのペレットをそれぞれ2個ずつ生成し、独立に射出することが可能である。性能試験の結果、最大ペレット射出速度約2.3km/sを得た。これは、ガス統方式(ニューマチック方式)のペレット入射装置(ガス圧力の一段加速の場合)で、従来得られた記録をしのぐものである。また、粒子補給率約60~65%のペレットを安定に生成する生成条件が確立された。