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古田 琢哉
日本保健物理学会ホームページ(インターネット), 2 Pages, 2017/10
現在の国際的な放射線防護基準は、広島・長崎の原爆被爆者の長期にわたる健康調査とDS02推定方式による被爆者個人別の線量推定値を基に策定されている。DS02は被爆時の所在地や周囲の遮蔽条件等の被爆者個人別の詳細データを入力として線量値を推定するため、入力値の精度が線量推定値の精度、そして放射線リスクの評価の精度に直結する。本解説記事では、DS02線量推定方式の核となるシステム本体はそのままに、被爆者個人別の詳細データの改善とその影響について調べた論文(DS02R1)を紹介する。
遠藤 章
no journal, ,
原爆被爆者の健康影響調査に用いる線量推定は、2002年に完成した線量推定システムDS02によって行われている。DS02は、1980年代に開発された3種類の年齢群に対する数式ファントムを使い計算された臓器線量データ、爆心地からの距離、家屋等による遮蔽状況に基づき、個人の線量を計算する。今日では、人体の形状をより忠実に再現できるボクセルタイプ, ポリゴンメッシュタイプのファントムが開発されており、これらのファントムを利用することで、原爆被爆者の線量推定値の改善が期待されている。本発表では、成人の数式ファントムやボクセルファントムを用いて計算した臓器ごとの線量を分析し、ボクセルファントムを用いた臓器線量データの導入が、原爆被爆者の線量推定に与える影響について報告する。