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植田 祥平; Shaimerdenov, A.*; Gizatulin, S.*; Chekushina, L.*; 本田 真樹*; 高橋 昌史*; 北川 健一*; Chakrov, P.*; 坂場 成昭
Proceedings of 7th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2014) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2014/10
カザフスタン共和国核物理研究所(INP)のWWR-K照射炉において、実用小型高温ガス炉の通常運転条件下での燃焼度100GWd/t-Uを目標とする高温ガス炉燃料を用いたキャプセル照射試験が実施されている。本照射試験は、国際科学技術センター(ISTC)の枠組のもとで原子力機構とINPが共同で実施する、カザフスタンでは初の高温ガス炉燃料照射試験である。本照射試験では、原子力機構が新たに、HTTRの燃焼度(最高33GWd/t-U)よりも高い100GWd/t-Uへの高燃焼度化設計を施したU濃縮度10%未満の低濃縮UO燃料核TRISO被覆燃料粒子を用いている。本照射試験に供したTRISO被覆燃料粒子および燃料コンパクト試料は共に、HTTR燃料製造技術にもとづいて日本の原子燃料工業が製造したものである。WWR-Kにおけるヘリウムガススウィープキャプセルおよびガススウィープ設備は共に、INPが設計・製作した。本照射試験は2012年10月に開始され、2015年2月末までに完了する予定である。本照射試験は燃焼度69GWd/t-Uに到達し、新設計のTRISO被覆燃料粒子の健全性を確認した。さらに、燃料設計時に予測した通り、製造時のSiC層破損粒子が照射中に追加破損したことによると考えられる核分裂生成物ガスの放出が観察された。
植田 祥平; 江森 恒一; 飛田 勉*; 高橋 昌史*; 黒羽 操; 石井 太郎*; 沢 和弘
JAERI-Research 2003-025, 59 Pages, 2003/11
高温工学試験研究炉(HTTR)の出力上昇試験を実施した。HTTRの燃料性能を評価するため、原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装,燃料破損検出装置(FFD),1次冷却材サンプリング設備により1次冷却材中の放射能濃度を測定した。その結果、1次冷却材中放射能濃度は10Bq/cm以下であり、Kr及びXe核種の濃度は0.1Bq/cm以下であった。Kr放出率(R/B)値は、原子炉出力60%以下において約210、定格30MW出力時において約710であった。事前解析によるKr放出率の予測値は、測定値とよく一致し、希ガスの放出機構が、燃料コンパクトマトリックス部の汚染ウランの核分裂により生成し、反跳から拡散へと変化することが示された。
山下 利之; 蔵本 賢一; 白数 訓子; 中野 佳洋; 秋江 拓志; 長島 久雄; 木村 康彦; 大道 敏彦*
Journal of Nuclear Materials, 320(1-2), p.126 - 132, 2003/07
被引用回数:10 パーセンタイル:56.31(Materials Science, Multidisciplinary)岩石型燃料の照射安定性を調べるために、2回の照射試験を実施した。最初の試験ではディスク型燃料を、2回目はペレット型燃料を用いた。スエリング,ガス放出率及び相変化を、パンクチャー試験,被覆管外径測定並びに金相試験により調べた。イットリア安定化ジルコニア(YSZ)単相型燃料は、低いガス放出率(3%以下)、無視しうるスエリング及び組織変化など、優れた照射挙動を示した。粒子分散型燃料は、粉末混合型燃料と比べ、スエリングは小さいが高いガス放出率を示した。本照射試験において、スピネルの分解と引き続く組織変化が初めて観察され、これは1700K以上で発生すると考えられる。スピネルマトリクス燃料のガス放出率は、燃料最高温度を1700K以下にすることで、コランダム型燃料と同等までに低減できると考えられる。スピネルマトリクスの照射損傷領域は、YSZ球表面に限定されていることがわかった。
沢 和弘; 湊 和生; 飛田 勉*; 福田 幸朔
Nuclear Technology, 118(2), p.123 - 131, 1997/05
被引用回数:1 パーセンタイル:14.47(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉(HTGR)では被覆粒子を燃料として用いる。最近の被覆粒子は、球状燃料核の外側に低密度熱分解炭素(PyC)、高密度PyC、SiC、最外層PyC層を被覆した四重被覆型燃料である。セシウム(Cs)は通常運転時に移動しやすく、事故時に環境に放出される可能性があるため、HTGRの安全及び遮蔽設計において重要な金属状核分裂生成物である。本研究では、燃料粒子からのCs放出モデルを照射試験結果と比較することにより検討した。試験では、貫通破損粒子を模擬した人工欠陥粒子、製造時SiC層被覆粒子、健全粒子が照射された。Csの放出率をより精度良く評価するために、照射試験との比較を通してモデルの改良を行った。さらに、高温工学試験研究炉用燃料と同様の方法で製造されスィープガスキャプセルで照射された燃料コンパクトからのCs放出率について計算値との比較を行い、改良モデルがCs放出率を精度良く予測できることが分かった。
沢 和弘; 湊 和生; 福田 幸朔
JAERI-Research 96-063, 34 Pages, 1996/11
現在の高温ガス炉では、燃料としてTRISO型被覆粒子を用いる。通常運転時における燃料からの核分裂生成物放出挙動を推定するための方法を開発した。希ガスの放出率評価精度を向上させるために、汚染ウランと破損粒子からの放出の分離、及び燃料及び高速中性子照射効果のモデル化を行った。また、金属核分裂生成物の放出については、被覆燃料粒子からのセシウムの放出モデルを、貫通破損粒子を模擬した人工欠陥粒子、製造時のSiC破損粒子及び健全粒子の照射試験における放出割合の測定値を用いて検討し、その放出割合をより高い精度で評価できるようSiC破損粒子のSiC層の拡散係数として等価拡散係数を導入した。さらに、モデルの妥当性を照射試験結果を用いて検討した結果を示す。
沢 和弘; 田中 利幸
JAERI-Research 95-071, 23 Pages, 1995/11
将来の有望な高温ガス炉システムの一つであるガスタービン高温ガス炉の設計においては、ガスタービンの保守補修の観点から核分裂生成物、特に銀の挙動が重要であると考えられている。そこで、現在の知見に基づき、ガスタービン高温ガス炉の設計上銀がどの程度問題になりうるかを定量化するとともに、その対策と必要な研究課題を摘出するために、ガスタービン高温ガス炉における銀の挙動について検討を行った。検討は、生成量、燃料からの放出、1次系への沈着、線量率についてそれぞれ行った。本検討結果によると、原子炉停止後のガスタービン部の線量率の約半分が沈着している銀からのガンマ線によると予測された。今後、合理的な設計を行うためには、銀の放出挙動、沈着挙動に関し、HTTRを用いてより精度の高いデータを取得していく必要があると考えられる。
沢 和弘; 塩沢 周策; 福田 幸朔; 市橋 芳徳
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(9), p.842 - 850, 1992/09
高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料体は、燃料棒と六角柱状の黒鉛ブロックから構成される。燃料棒は、被覆燃料粒子と黒鉛粉末からなる燃料コンパクト及び黒鉛スリーブで構成される。燃料は、低濃縮二酸化ウランの燃料核を、内側から低密度熱分解炭素(PyC),高密度PyC層、炭化ケイ素層、高密度PyC層で被覆した被覆燃料粒子である。HTTR燃料体から放出される核分裂生成物の量を評価するために、解析モデルを開発した。希ガス及びヨウ素の放出割合は、破損燃料粒子照射試験で得られたKrの放出データを基に計算する。金属性核分裂生成物の燃料核、被覆層、燃料コンパクト、黒鉛スリーブ中の移行は、拡散過程としてモデル化している。これらの解析モデルの妥当性を示すために、炉内試験において測定された放出割合と計算値の比較を行った。その結果、これらのモデルはHTTR燃料に十分適用できることが分かった。
沢 和弘; 村田 勲; 新藤 隆一; 塩沢 周策
JAERI-M 91-198, 58 Pages, 1991/11
高温工学試験研究炉(HTTR)では、主に被覆層が破損した燃料粒子から核分裂生成物(FP)が放出され、1次冷却材とともに1次冷却系を移行する。一方、1次冷却材としてヘリウムガスを用いており、冷却材自身の放射化、腐食生成物の発生がほとんど無い。そのため、FPからのガンマ線が遮蔽設計上考慮すべき主要な線源となる。HTTRの遮蔽設計においては、FP線源を2種類に分類している。一つは永久構造物である遮蔽体の設計に用いるため、十分な保守性を有するように評価を行ったもので、もう一つは保修計画立案のためにより現実的な考え方で評価を行ったものである。HTTRの1次冷却系内のガンマ線源を評価するために、FP放出割合、1次冷却材中濃度、系統内沈着分布の計算を行った。本報告書は、HTTRの遮蔽設計におけるFP線源評価方法及び結果を述べたものである。
小川 徹; 福田 幸朔; 小林 紀昭; 菊池 輝男; 飛田 勉; 鹿志村 悟; 菊地 啓修; 山本 克宗
JAERI-M 86-146, 21 Pages, 1986/10
スィ-プガス照射燃料コンパクトについて、短年減期希ガス・ヨウ素の放出率(R/B)デ-タを整理した。代表核種としてKrを選び、R/Bを貫通破損割合(製造時露出ウラン率、照射後酸浸出率)および温度の関数として求める経験式を提出した。その他の希ガス拡種のR/Bについては、KrのR/Bに対する比として求める方法を採った。また、ヨウ素のR/Bを予測する方法を提出した。これらの方法に従って、OGL-1燃料体(5次,6次)のR/Bを予測した結果、実測値との良い一致が得られた。
福田 幸朔; 小川 徹; 鹿志村 悟; 井川 勝市; 岩本 多實; 山本 克宗; 鈴木 紘; 松島 秀夫
JAERI-M 84-054, 65 Pages, 1984/03
本報告は、原研で最初のスイープガスキャプセルによる照射試験に関するものである。照射試験の目的は、照射下におけるFPガス放出の測定により、破覆粒子の照射健全性を調べることであり、またスイープガスキャプセル(74F-9J)に装荷した破覆粒子は、48,49年度に予備設計仕様にもとづいて試作されたものであり、これらはルーズな状態で照射された。照射中には、装荷破覆粒子からのFPガス放出率を測定し、放出率より破覆粒子破損率の推定を行うとともに、照射後試験で、外観検査、X線ラジオグラフィ、酸漏出などにより破覆粒子破損率を求めた。また、キャプセル内で破覆粒子を保持していた黒鉛ホルダーには金属FPガスが吸着しており、このガンマ線測定から、Cs放出率を求めた。
福田 幸朔; 井川 勝市; 岩本 多實
Journal of Nuclear Materials, 87(2&3), p.367 - 374, 1979/00
被引用回数:18ZrC被覆燃料粒子をJMTRで最高1420C、高速中性子照射量1.410n/cm(E0.18MeV)、燃焼度2.48%FIMAに到子高照射し、この粒子中のFP(Cs,Sr,Ce)の移行を調べた。照射終了時の被覆層中のFP分布および1500C、1600Cで加熱した時のFP分布を測定し、また、1600C加熱中のFP放出率も測定した。これらの分布を解析することにより、ZrC中のFPの拡散定数を得ることが出来た。この結果、ZrC中ではSrの拡散定数が最も大きく、Cs,Ceの順に小さくなった。1600Cにおける放出率もSrが最も大きく、Ceが最も小さかった。これらの測定結果の考察から、ZrC被覆を通ったSrの放出は体積拡散が律速したものであり、またCeの放出は粒界拡散が律速したものであるようである。放出率の結果からみられるCsの移行はZrC中の気孔が影響しているものの、体積拡散が律速しているのではないかと考えられる。