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岡 弘*; 皆藤 威二; 生澤 佳久; 大塚 智史
Nuclear Engineering and Design, 370, p.110894_1 - 110894_8, 2020/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本研究では、実験的に得られた燃料ピン破損データを使用して、高速炉燃料ピンの破損予測における累積損傷和(CDF)での評価の信頼性を評価したものである。EBR-IIでの照射により定常照射中に破損した6本の燃料ピンについてCDFを評価した。照射後試験により、被覆管のクリープ損傷に対するFCMIの寄与は小さく、FPガスを含む内圧応力により評価可能であることがわかった。被覆管温度履歴やFPガスによる内圧上昇を考慮し、炉内クリープ破断式を使用して破損ピンのCDFを評価した結果、破損発生時のCDFは0.7から1.4の範囲であり、定常照射での燃料ピン破損はCDF値が1.0近傍において発生する実績が得られた。本結果により、適切な材料強度と環境効果が考慮された場合、CDF評価は燃料ピン破損の予測にあたって信頼性のある手法であることがわかった。
植田 祥平; 江森 恒一; 飛田 勉*; 高橋 昌史*; 黒羽 操; 石井 太郎*; 沢 和弘
JAERI-Research 2003-025, 59 Pages, 2003/11
高温工学試験研究炉(HTTR)の出力上昇試験を実施した。HTTRの燃料性能を評価するため、原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装,燃料破損検出装置(FFD),1次冷却材サンプリング設備により1次冷却材中の放射能濃度を測定した。その結果、1次冷却材中放射能濃度は10Bq/cm以下であり、Kr及びXe核種の濃度は0.1Bq/cm以下であった。Kr放出率(R/B)値は、原子炉出力60%以下において約210、定格30MW出力時において約710であった。事前解析によるKr放出率の予測値は、測定値とよく一致し、希ガスの放出機構が、燃料コンパクトマトリックス部の汚染ウランの核分裂により生成し、反跳から拡散へと変化することが示された。
沢 和弘; 植田 祥平; 角田 淳弥; Verfondern, K.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(6), p.411 - 419, 2001/06
被引用回数:17 パーセンタイル:74.75(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉では高温の原子炉出口冷却材温度を得るために、燃料として被覆粒子を用いている。高温ガス炉では通常運転時及び事故時において、被覆燃料粒子が微小な格納容器として放射性物質に対する主要な障壁となる。HTTRでは、通常運転において1次冷却材中の核分裂ガス測定を行い、燃料挙動及びプラント内の放射性物質量の評価を行う必要がある。本報の主たる目的は、HTTRの通常運転時における燃料及び核分裂生成物の挙動を原研のモデルとドイツのユーリッヒ研究所(FZJ)のモデルで計算し、結果及び方法の比較検討を行うことである。炉心平均の破損率の評価では、原研のモデルの方がFZJモデルよりも早期に破損し約2倍大きく予測された。核分裂生成物ガスの評価では、FZJモデルは原研モデルよりも遅く増加し始めるが、その後運転末期に向かって急激に上昇し最終的には一致した。
沢 和弘
JAERI-Research 95-072, 20 Pages, 1995/11
高温ガス炉の設計上留意すべき点を摘出するために、被覆燃料粒子の事故条件下におけるふるまいについて評価を行った。着目した事故事象としては昇温事故及び酸化事故である。昇温事故については、照射後加熱試験データによって開発された破損率評価モデルに基づきパラメータ計算を行った。その結果、SiC層厚さの増加により破損率を1桁程度低減できることなどが分かった。酸化事故については、化学平衡計算に基づくSiC層の酸化皮膜形成条件に基づき、破損率評価モデルを提案した。本モデルを用いると、HTTRの減圧事故相当の事故時の追加破損率は0.02%程度になると評価された。本検討結果は、将来高温ガス炉の燃料、安全設計を実施する上で有用であると考えられる。
福田 幸朔; 鹿志村 悟; 小川 徹; 湊 和生; 井川 勝市; 岩本 多實; 石本 清
JAERI-M 83-232, 67 Pages, 1984/01
49年度に試作した多目的高温ガス実験炉予備設計仕様の被覆燃料粒子をはじめ、同年度に英国で予備設計仕様に基ずいて製造された被覆燃料粒子、第1次OGL-1燃料用被覆粒子、およびZrC被覆粒子を73F-13AキャプセルによりJMTR燃料領域で照射した。この結果、49年度試作被覆粒子は、燃焼率4%、高速中性子照射量2.710n/cm、最高温度1380Cまでの照射では健全であり、また、この照射条件下では、国産被覆粒子と英国製被覆粒子の性能にはほとんど差が見られなかった。しかし、照射温度が1600Cを越えると、明らかに国産被覆粒子の方が良好な耐照射性を示した。このほか、照射後試験では、金属FP放出、Pd/SiC層反応および照射済被覆粒子の圧縮破壊強度などの測定も行い、多くの知見を得た。
福田 幸朔; 小林 紀昭; 菊池 輝男; 湊 和生; 林 君夫; 井川 勝市
日本原子力学会誌, 26(1), p.57 - 74, 1984/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.1(Nuclear Science & Technology)多目的高温ガス実験炉設計を参照して製造した被覆粒子燃料をOGL-1で照射し、照射後試験でこれらの燃料の照射特性を調べた。照射後試験では燃料コンパクトの重量及び寸法変化、被覆粒子破損率などを測定し、また燃料コンパクトや被覆粒子破損率などを測定し、また燃料コンパクト被覆粒子の表面や内部の照射変化を観察した。この試験での主な結果は次のとおりである。燃料コンパクト寸法収縮と高速中性子照射量との関係が得られたが、寸法収縮に及ぼす照射温度の影響は認められなかった。また燃料コンパクトの重量変化はほとんど認められなかった。被覆粒子の破損については、試験した4体の燃料体のうち、第3次燃料体から取出した燃料コンパクトに高い破損率が認められたが、これはVHTR設計許容値以下であった。他の燃料コンパクトは比較的良好な照射特性を示した。
福田 幸朔; 湊 和生; 井川 勝市; 伊藤 忠春; 松島 秀夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(11), p.887 - 894, 1982/00
被引用回数:4 パーセンタイル:52.53(Nuclear Science & Technology)照射後長期間保存した高温ガス炉用被覆粒子燃料には酸浸出のターゲット核種としてのZrの量が著しく少ないため、ホットケーブにおけるこの燃料の酸浸出試験ではZrを検出することは困難である。本実験ではZrにかわる核種としてウラニウム及びCsを選び、これらの硝酸浸出率を求めた。Csの場合、照射中に燃料コンパクトマトリックス及び破損粒子からの逃散が大きく、また核分裂反跳によりマトリックスの黒鉛粒子や破損粒子のバッファー層へ打ち込まれるため、Cs浸出率はウラニウム浸出率に比べて著しく小さかった。また酸浸出試験に供した被覆粒子の表面を観察し、これから粒子表面破損率を求めた。ウラニウム浸出率とこの粒子表面破損率とは比較的よく一致したことから、ウラニウムは酸浸出のターゲット核種として最も適していることが結論づけられた。
福田 幸朔; 小川 徹; 鹿志村 悟; 井川 勝市; 岩本 多實; 山本 克宗
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(11), p.889 - 902, 1982/00
被引用回数:2 パーセンタイル:32.83(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉用TRISO被覆燃料粒子を2本のスィープガスキャプセルで照射し、照射下でのFPガス放出挙動を調べるとともに、この放出測定をもとに被覆粒子破損率を推定した。この被覆粒子破損率を検証するために、被覆粒子の照射後試験を行い、外観検査での破損率及び酸浸出率を測定した。推定破損率と酸浸出率との一致は1試料を除いて良かった。健全粒子からの放出挙動を解析することにより、LTI-PyC中のクリプトンの拡散係数(炉内値)を求めることが出来た。また1600Cにおける破損粒子からの放出が拡散支配であるのに対し、1400Cにおける健全粒子からの放出が反跳と拡散の両機構に支配されていることを確認した。
福田 幸朔; 鹿志村 悟; 小川 徹; 井川 勝市; 岩本 多實; 石本 清
JAERI-M 9644, 50 Pages, 1981/09
昭和47年度から49年度にかけて試作された多目的高温ガス炉予備設計仕様の被覆燃料粒子がJMTRの73F-12Aキャプセルで照射された。このキャプセルには多目的炉用の標準被覆粒子以外に、低密度燃料核を有する粒子、最外層PyCの結晶異方性が高い粒子及びZrC被覆を有する粒子が照射された。照射は高速中性子照射量1.510n/cm(E 0.18 MeV)、燃焼度32%FIMAまで達した。照射後試験は外観、X線ラジオグラフィ、金相、酸浸出及び粒子破壊強度試験が実施された。この試験で明らかになったことは、多目的炉の通常運転状態に対応する照射下でも、95%信頼区間での最大粒子破損率が3%にも達したが、このような大きな破損率は粒子の検査個数が少なかったこと及びキャプセル内での試料粒子の充填に問題があったためである。一方、高温( 1800C)で照射された他の被覆粒子にはアメーバ効果による破損が多数みられた。
藤城 俊夫; 斎藤 伸三
JAERI-M 9306, 40 Pages, 1981/02
本解析コードは燃料破損に伴なって生じる燃料・冷却材相互作用の過渡挙動解析のために開発したものであり、UO・軽水およびUO・ナトリウムの組合せに適用することができる。解析モデルは、冷却材中に飛散した高温の燃料片が混合領域内で冷却材と均一に混合、冷却材を急過熱して蒸気を発生するものとし、混合領域が流路に沿って一次元的に膨脹するとしている。混合領域の拘束条件としては音響的拘束と慣性拘束の両モデルが組込まれている。入力により燃料粒子径分布、混合時間、燃料、冷却材比、流路形状、燃料、冷却材高期条件、燃料・冷却材間の熱伝達率等を指定することができ、各種条件の下での圧力パルスの発生、冷却材スラグの噴出、混合領域の過渡的な状態変化等が解析できる。