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山田 大地; 大矢 晃久*
計測自動制御学会論文集, 52(12), p.661 - 670, 2016/12
本論文では、移動ロボットの自己位置推定を目的として、過去のスキャンデータの統計量によるレーザスキャナの計測モデルについて述べる。ロボットの自律移動において、一般的にロボットはあらかじめ用意した地図上の自己位置と目的地をもとに走行する。このため、自己位置推定が要素技術となる。レーザスキャナは高精度かつ高速に周囲の形状情報を取得できるセンサであり、自己位置推定に広く用いられている。しかし、人が生活する環境では歩行者などの移動物、路面の傾きやロボットの振動など様々な原因により、レーザスキャナの形状情報が曖昧となる。このため、地図に記述するランドマークの情報を得ることが困難となる、また地図と自律走行時のセンサデータの照合が困難となる。本研究では過去のスキャンデータにおける統計量を地図に用いる。統計量を用いることで、形状情報が曖昧であっても、頻度や分布などの傾向から自己位置推定可能な特徴が得られる。本論文では、この地図を用いたレーザスキャナの計測モデルと、この計測モデルをパーティクルフィルタに適用して自己位置を推定する方法について述べる。実際の歩道において評価実験を行った結果、本手法を用いた自己位置推定は高い正確さを示し、ロボットが安定して目的地まで到達することに成功した。
上松 敬; 花屋 博秋
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.355 - 357, 2006/01
GAFフィルム線量計(HD-810)とPCスキャナを組合せて、イオンビームの2次元フルエンス分布を高空間分解能で測定した。この組合せにおける500Gyまでの線量応答のリニアリティーを調べた結果、RGB成分を使い分けることで広範囲な線量範囲の測定が可能であることがわかった。2次元吸光度分布測定可能な分光光度計に比べ、高空間分解能でスピーディーな測定が可能となった。これにより、TIARAにおけるサイクロトロンビームの大面積照射で発生するフルエンスの縞模様状の分布が、ビームスポット内強度分布の鋭いピークによるものであることがわかった。
上松 敬; 奥村 進; 荒川 和夫
JAERI-M 94-071, 50 Pages, 1994/03
原研AVFサイクロトロンには、イオンビームを大面積に照射するためのスキャナが設置されている。CTAフィルム線量計を用いて得られたイオンビームの二次元フルエンス分布は、必ずしも均一ではなかった。これは、ビームスキャナ電磁石の励磁電源の出力波形の歪みに起因するものであり、良い均一度を得るためのビームスキャニング条件が限られていることがわかってきた。そこで、コンピュータを用いたビームスキャニングのシミュレータを開発し、シミュレーションされたフルエンス分布と、実測分布データとの比較を行った。その結果、シミュレーションと実測データの両者は良く一致し、シミュレータにより、良い均一度を得るためのビームスキャニング条件を明らかにした。これらの結果に基づき、スキャナ電源の改造を行い、均一度の良いフルエンス分布が得られるようになった。
小泉 安郎; 安濃田 良成; 師岡 慎一*; 香川 達雄*; 石塚 隆雄*
流れ可視化, 8(29), p.42 - 48, 1988/00
X線CTスキャナは、外部から非接触で物体内部の断層像を得ることのできる優れた特徴を持つ。本報ではこのX線CTスキャナを流路内二相流計測へ応用し流れの可視化を試みた結果が報告されている。今後、開発検討を行うべき課題は残しているものの、X線とCTスキャナは二相流研究にとって非常に有用な計測器となることが結論として述べられている。
井岡 郁夫; 依田 真一; 藤井 正司*; 奥 達雄; 田中 利幸
日本原子力学会誌, 28(6), p.534 - 542, 1986/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)最近産業用として材料試験を目的としたX線CTスキャナが開発された。X線CT法は、通常の放射線法に比べ1桁以上検出感度が増すので微細な欠陥でも見付けられる利点がある。X線CTスキャナを用いて、人工欠陥を有する黒鉛材料の断面像を撮影した。その結果、IG-11の場合、円柱状欠陥で直径0.2mm、線状欠陥で幅0.1mmのものまで確認できた。また、黒鉛内部の巨視的、微視的き裂及び酸化により生じた空孔も確認できた。しかし、正確な欠陥寸法は得られなかった。更に、CT値のプロフィールより、酸化に伴う試料内部の連続的な密度変化も確認できた。X線CT法は、従来の超音波法、放射線法に比べ、より有効な非破壊検査法である。