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林 伸彦; 滝塚 知典; 細川 哲成*; 清水 勝宏
Journal of Nuclear Materials, 313-316(1-3), p.1041 - 1045, 2003/03
被引用回数:3 パーセンタイル:25.7(Materials Science, Multidisciplinary)熱電ポテンシャルと荷電交換運動量損失を考慮した高密度ダイバータプラズマの非対称性を、5点モデルを用いて解析した。ダイバータプラズマの温度が10eV以下になると運動量損失が大きくなる。非対称な平衡の低温側ダイバータでは、プレシース電位が運動量損失によって高くなり、熱電ポテンシャルの低下を補う。プレシース電位の変化により、運動量損失は熱電不安定性を安定化させる働きがあり、非対称性を弱める。平衡の分岐構造のために、一方のダイバータプラズマでリサイクリングを増加させ温度を下げるためには、もう片方のダイバータプラズマを高リサイクリングにさせ運動量損失を増加させると効果的に温度を下げられる。
林 伸彦; 滝塚 知典; 清水 勝宏
Contributions to Plasma Physics, 40(3-4), p.387 - 392, 2000/11
被引用回数:2 パーセンタイル:7.86(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクダイバータにおいて、バイアスとリサイクリングにより外部から誘起されたダイバータプラズマ非対称性を考慮して、熱電不安定性を解析した。スクレイプオフ層(SOL)とダイバータプラズマの平衡と安定性を、5点モデルを用いて調べた。ダイバータプラズマの放射損失が小さい場合は、1つの安定な平衡が存在した。一方、放射損失が大きい場合には、1つの不安定な平衡と2つの安定な平衡が存在した。SOL電流が小さい不安定な平衡では、熱電不安定性が起こる。外部から誘起された非対称が大きくなると、1つの安定な平衡だけが残り、ほかの平衡は消失する。残った平衡では、外部誘起された非対称がSOL電流を増大させ、熱電不安定性は起こらない。
林 伸彦*; 滝塚 知典; 畑山 明聖*; 小笠原 正忠*
Journal of Nuclear Materials, 266-269, p.526 - 531, 1999/00
被引用回数:3 パーセンタイル:28.62(Materials Science, Multidisciplinary)トカマクダイバータにおける熱電不安定性を、ダイバータ5点モデルを用いて数値的に調べた。熱電不安定性はSOL電流によって引き起こされる熱的不安定性である。解析した結果、ダイバータプラズマの温度がある温度以下になると、ダイバータプラズマの対称な平衡は熱電不安定性により不安定になる。この時、安定な非対称平衡が存在した。SOL電流が熱電不安定性を引き起こすとともに、ダイバータ非対称性を自発的に引き起こすことを示した。非対称平衡では、SOL電流はダイバータプラズマの温度が高い側から低い側に流れ、ダイバータ板に入射する熱流速は温度の高い側の方が低い側に比べて大きい。熱流速の非対称性は、高リサイクリングで低加熱パワーの場合に大きくなる。
熊谷 晃*; 朝倉 伸幸; 伊丹 潔; 嶋田 道也; 永見 正幸
Plasma Physics and Controlled Fusion, 39(8), p.1189 - 1196, 1997/00
被引用回数:11 パーセンタイル:38.71(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでは、スクレイプオフ層の磁力線に沿った電流(SOL電流)が観測されている。オーミック加熱中ではSOL電流は内側ダイバータ部と外側ダイバータ部の電子温度及びプラズマ圧力の違い(非対称性)により誘導されるモデルによって説明できる。SOL電流は、電子温度の高い側から低い側へと流れる。今回、ディタッチメントやMARFEが発生する高密度放電について、SOL電流の特性を調べた。高密度放電においては、密度(メイン)の上昇とともに、ダイバータ板上の密度も上昇する。密度が低いときは、外側ダイバータ部の電子温度が内側ダイバータ部の電子温度より高いが、密度の上昇とともにこの温度の内側非対称性が反転する。このとき、SOL電流の方向も反転する。SOL電流の方向は、モデルと一致するが、電流値はモデルから計算される値より大きい、外側ダイバータ部で5倍程度大きいことがわかった。