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報告書

耐放射線プロセッサを用いた組み込みシステムの開発(委託研究); 令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 岡山大学*

JAEA-Review 2023-038, 48 Pages, 2024/03

JAEA-Review-2023-038.pdf:2.58MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「耐放射線プロセッサを用いた組み込みシステムの開発」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、集積回路に光技術を導入し、10MGyのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線光電子プロセッサ、既存の集積回路のみで4MGyのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線プロセッサ、同4MGyのトータルドーズ耐性の耐放射線メモリ、そして、それらに必要となる1MGyのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線電源ユニットの4つを開発する。マンチェスター大学とはロボットやLiDARに対する耐放射線プロセッサ、耐放射線FPGA、耐放射線メモリ、耐放射線電源ユニットの面で連携し、これまでに無い高いトータルドーズ耐性を持つ耐放射線ロボットを実現していく。また、ランカスター大学とは耐放射線FPGA、耐放射線電源ユニットの面で連携し、放射線の種類、強度を正確に特定できるセンサー類を開発していく。

論文

Changes in sulfur metabolism in mouse brains following radon inhalation

神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; Sun, L.*; 田中 裕史; 大津 厳生*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(17), p.10750_1 - 10750_14, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

活性イオウ分子種(RSS)は、酸化ストレスに深く関連して抗炎症作用があると報告されているが、放射線被ばく後のRSSの変化についてはまだわかっていない。そこで、本研究では、ラドン吸入後のマウス脳中のRSSに注目し、関連代謝物を網羅的に解析した。その結果、酸化型グルタチオンと還元型グルタチオンの割合、グルタチオンおよびシステインのRSSの割合はラドン吸入によって増加した。本研究でのラドン曝露は非常に低線量であったが、その酸化ストレス下でイオウイオンがグルタチオンやシステインに結合したと考えられる。また、我々は、機械学習を用いた代謝物の変化の総合的な評価により、ラドン吸入による特徴的な変化を明示した。本研究の結果は、RSSがラドン吸入の酸化ストレスに対する生体防御機構をもたらす可能性を示唆した。

論文

Potential inhibitory effects of low-dose thoron inhalation and ascorbic acid administration on alcohol-induced hepatopathy in mice

片岡 隆浩*; 石田 毅*; 直江 翔太*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research (Internet), 63(5), p.719 - 729, 2022/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:47.19(Biology)

Although thoron inhalation has antioxidative effects on several organs, there are no reports that thoron inhalation inhibits oxidative stress-induced damage. In the present study, we examined the combined effects of thoron inhalation and ascorbic acid (AA) administration on alcohol-induced liver damage. The mice were subjected to thoron inhalation at 500 or 2000 Bq/m$${^3}$$ and were administered 50% ethanol (alcohol) and 300 mg/kg AA. The results showed that although alcohol administration increased the levels of glutamic oxaloacetic transaminase (GOT) and glutamic pyruvic transaminase (GPT) in the serum, the combination of thoron inhalation (500 Bq/m$${^3}$$) and AA administration 24 h after alcohol administration effectively inhibited alcohol-induced liver damage. In conclusion, combination of thoron inhalation at 500 Bq/m$${^3}$$ and AA administration indicated an early recovery from alcohol-induced liver damage probably due to the increase of CAT activity.

報告書

再臨界前の中性子線増に即応可能な耐放射線FPGAシステムの開発(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 岡山大学*

JAEA-Review 2022-017, 56 Pages, 2022/08

JAEA-Review-2022-017.pdf:6.39MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「再臨界前の中性子線増に即応可能な耐放射線FPGAシステムの開発」の令和2年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では集積回路技術に光技術を導入し、1Gradのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線光電子FPGAと光技術を用いずに既存の集積回路技術のみで200Mradのトータルドーズ耐性を実現する耐放射線リペアラブルFPGAの2つの開発を行う。日本の研究チームは耐放射線FPGAとハードウエア・アクセラレーションの面でイギリスの研究チームを支援する。イギリスの研究チームは日本の支援を受け、強ガンマ線環境下で使用でき、再臨界前の中性子線増を瞬時に検知可能なFPGAを用いた中性子線モニタリングシステムを実現する。この中性子線モニタリングシステムを日本側の耐放射線FPGAと組み合わせ、再臨界前の中性子線増に即応できる耐放射線FPGAシステムを実現する。

論文

Mechanisms of action of radon therapy on cytokine levels in normal mice and rheumatoid arthritis mouse model

片岡 隆浩*; 直江 翔太*; 村上 海斗*; 雪峰 諒平*; 藤本 有希*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition, 70(2), p.154 - 159, 2022/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:57.52(Nutrition & Dietetics)

Radon therapy has been reported to be effective in the management of rheumatoid arthritis, an autoimmune disease caused by immune cell imbalance. Although there are several reports that suggest that radon therapy induces Th17 cells, there are no studies on the effects of radon inhalation on Th1, Th2, and Th17 immune balance. The aim of this study, therefore, was to examine the changes in cytokine levels after radon inhalation. BALB/c mice were subjected to radon inhalation at a concentration of 2000 Bq/m$${^3}$$ for 2 or 4 weeks, whereas SKG/Jcl mice were subjected to radon inhalation at a concentration of 2000 Bq/m$${^3}$$ for 4 weeks after zymosan administration. For example, the results showed that radon inhalation for 4 weeks not only activated Th1, Th2, and Th17 cells but also modulated immune balance. This suggests that radon inhalation has different mechanisms of action in SKG/Jcl mice and normal BABL/c mice and that radon inhalation has immunomodulatory effects.

報告書

ラドンを代表としたアルファ核種の吸入による内部被ばくの横断的生体影響評価(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 岡山大学*

JAEA-Review 2021-028, 57 Pages, 2021/11

JAEA-Review-2021-028.pdf:1.94MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「ラドンを代表としたアルファ核種の吸入による内部被ばくの横断的生体影響評価」の平成30年度から令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和2年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究は、廃炉工程で発生する$$alpha$$ダスト対策に係る被ばく影響評価を目的としている。すでに先行研究の多い$$alpha$$線放出核種のラドンを用い、体内で$$alpha$$線を放出した際に周辺細胞に与える影響の推定と組織レベル・個体レベルでの生物学的応答を検討する。研究組織の分野横断的な有機的連携により、$$alpha$$線放出核種の内部被ばくによる健康影響評価モデルの構築を目指す。

論文

放射線生物学でのデータ可視化の有用性; 自己組織化マップによる放射線の生体応答解析

神崎 訓枝

放射線生物研究, 56(3), p.295 - 307, 2021/09

低線量放射線の生体影響は、様々な要因が絡み合い複雑である。生命維持のためのその反応は単純ではない。そこで、動物実験を行って得られた分析結果を自己組織化マップ(Self-organizing maps: SOM)を用いて可視化し、これまでとは違った視点から低線量放射線の生体影響を評価した研究成果を報告する。例えば、低線量放射線の影響は明確なクラスタリングが不可能なデータであったが、SOMでの解析により複数の指標を総合的に評価し、直感的にデータの特徴を把握することが可能となった。本稿では、実例を挙げ、機械学習を用いて放射線生体影響のデータを可視化した成果とその有用性を議論する。

論文

Radon inhalation decreases DNA damage induced by oxidative stress in mouse organs via the activation of antioxidative functions

片岡 隆浩*; 首藤 妃奈*; 直江 翔太*; 矢野 準喜*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 花元 克巳*; 光延 文裕*; 寺東 宏明*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.861 - 867, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:55.27(Biology)

Radon inhalation decreases the level of lipid peroxide; this is attributed to the activation of antioxidative functions. This activation contributes to the beneficial effects of radon therapy, but there are no studies on the risks of radon therapy, such as DNA damage. We evaluated the effect of radon inhalation on DNA damage caused by oxidative stress and explored the underlying mechanisms. Mice were exposed to radon inhalation at concentrations of 2 or 20 kBq/m$$^{3}$$ (for 1, 3, or 10 days). For example, the 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine levels decreased in the kidneys of mice that inhaled 2 or 20 kBq/m$$^{3}$$ radon for 1, 3, or 10 days. However, the level of Mn-superoxide dismutase (SOD) increased by 15-45% in kidney following radon inhalation. These results suggest that Mn-SOD probably plays an important role in the inhibition of oxidative DNA damage.

論文

Dosimetry of radon progeny deposited on skin in air and thermal water

迫田 晃弘; 石森 有; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research (Internet), 62(4), p.634 - 644, 2021/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:38.06(Biology)

大気中の放射能濃度、皮膚の標的細胞、皮膚を覆う物質、沈着速度など多くの関連パラメータに不確実性はあるが、ラドン子孫核種からの皮膚線量は無視できるほど小さくはなく、通常の環境下においても生体影響の可能性はあり得るとされている。一方で、ラドンに富む温泉水に皮膚をさらすことで、免疫反応が起こり有益な健康効果が得られるという興味深い報告がなされた。本研究の目的は、リスクや効能の評価の観点から、空気や水に含まれるラドン子孫核種の皮膚沈着に着目して、一般的な線量係数を求めることである。そこで我々はまず、最新のヒト研究のデータに基づいて、2つの媒体におけるラドン子孫核種の皮膚沈着速度を推定した。次いで、アルファ線源の位置と標的細胞(基底細胞またはランゲルハンス細胞)に関する異なる仮定の下で、皮膚線量の計算を行った。さらに、「ラドン被ばく」に関連するすべての被ばく経路からの実効線量に対するラドン子孫沈着の影響について、様々な曝露シナリオを用いて評価した。その結果、いずれの媒体(空気と水)においても、ラドン子孫核種の吸入による実効線量は、他の被ばく経路よりも1桁から4桁高いことがわかった。さらに、水中のラドン濃度が空気中よりも2桁以上高い場合には、皮膚への吸収線量が全経路の中で最も高くなる可能性が示された。

論文

Evaluation of the redox state in mouse organs following radon inhalation

片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 首藤 妃奈*; 矢野 準喜*; 直江 翔太*; 田中 裕史; 花元 克巳*; 寺東 宏明*; 光延 文裕*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 62(2), p.206 - 216, 2021/03

AA2020-0273.pdf:1.2MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:61.83(Biology)

ラドン吸入はマウス臓器の抗酸化機能を活性化させ、酸化ストレスに誘導されたダメージを抑制する。そこで、本研究では、ラドン吸入後の臓器中のレドックス状態を評価した。2, 20kBq/m$$^{3}$$のラドンを1, 3, 10日間マウスに吸入させ、主成分分析や相関の変化から、抗酸化機能と酸化ストレスの関係を評価した。本研究の結果は、臓器特有のレドックス状態に依存してラドン吸入後の臓器のレドックス状態が変化したことを示唆した。

論文

表面波計測による花崗岩の音響異方性評価に関する研究

岡野 蒼*; 木本 和志*; 松井 裕哉

第15回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), p.633 - 636, 2021/01

花崗岩がマイクロクラックの配向のために音響異方性を示すこと、そのため、音響異方性の測定結果からマイクロクラックの配向性や密度を非破壊的に評価できる可能性があることはよく知られている。従来の岩石コア弾性波試験は、弾性波透過試験により音響異方性の評価が行われてきたが、この方法は現場計測や不整形な供試体への適用が難しい。そこで本研究では、表面波を使った花崗岩の音響異方性評価を試みた。具体的には、円柱状の花崗岩供試体端面に設置した超音波探触子で、供試体直径方向に伝播する表面波を励起させる。この方法により、送信方向を一定の角度で段階的に変化させたときの表面波振幅や速度、周波数の変化を見ることで、音響異方性の程度を調べた。その結果、マイクロクラックによる見かけの剛性変化に起因すると考えられる音響異方性が、表面波を計測することによって検出できることが示された。

論文

Soft X-ray irradiation induced metallization of layered TiNCl

Kataoka, Noriyuki*; Tanaka, Masashi*; Hosoda, Wataru*; Taniguchi, Takumi*; 藤森 伸一; Wakita, Takanori*; Muraoka, Yuji*; Yokoya, Takashi*

Journal of Physics; Condensed Matter, 33(3), p.035501_1 - 035501_6, 2021/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:33.7(Physics, Condensed Matter)

We have performed soft X-ray spectroscopy in order to study thephotoirradiation time dependence of the valence band structure and chemicalstates of layered transition metal nitride chloride TiNCl. Under the soft X-ray irradiation, the intensities of the states near the Fermi level ($$E_{rm F}$$)and the Ti$$^{3+}$$ component increased, while the Cl 2$$p$$ intensity decreased. Ti2$$p$$-3$$d$$ resonance photoemission spectroscopy confirmed a distinctive Fermiedge with Ti 3$$d$$ character. These results indicate the photo-inducedmetallization originates from deintercalation due to Cl desorption, and thusprovide a new carrier doping method that controls the conducting propertiesof TiNCl.

報告書

ラドンを代表としたアルファ核種の吸入による内部被ばくの横断的生体影響(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 岡山大学*

JAEA-Review 2020-029, 55 Pages, 2020/12

JAEA-Review-2020-029.pdf:2.08MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「ラドンを代表としたアルファ核種の吸入による内部被ばくの横断的生体影響」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、廃炉工程で発生する$$alpha$$ダスト対策に係る被ばく影響評価を目的としている。すでに先行研究の多い$$alpha$$線放出核種のラドンを用い、体内で$$alpha$$線を放出した際に周辺細胞に与える影響の推定と組織レベル・個体レベルでの生物学的応答を検討する。研究組織の分野横断的な有機的連携により、$$alpha$$線放出核種の内部被ばくによる健康影響評価モデルの構築を目指す。

報告書

ラドンを代表としたアルファ核種の吸入による内部被ばくの横断的生体影響評価(委託研究); 平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉国際共同研究センター; 岡山大学*

JAEA-Review 2019-024, 61 Pages, 2020/01

JAEA-Review-2019-024.pdf:2.22MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「ラドンを代表としたアルファ核種の吸入による内部被ばくの横断的生体影響評価」について取りまとめたものである。本研究は、体内で$$alpha$$線を放出した際に周辺細胞に与える影響の推定、$$alpha$$線の被ばくによる個体レベルでの生物学的応答の検討を既に先行研究の多い$$alpha$$線放出核種のラドンを用いた影響評価により、$$alpha$$核種の内部被ばくによる健康影響評価モデルの構築を、研究組織の分野横断的な有機的連携を行うことで研究拠点形成を目指す。

論文

超音波計測に基づく花崗岩中の表面波伝播特性に関する研究

木本 和志*; 岡野 蒼*; 斎藤 隆泰*; 佐藤 忠信*; 松井 裕哉

土木学会論文集,A2(応用力学)(インターネット), 76(2), p.I_97 - I_108, 2020/00

AA2020-0209.pdf:2.72MB

本研究は、ランダム不均質媒体における表面波の伝播挙動、超音波計測と波形解析によって調べたものである。超音波計測実験には、粗粒結晶質岩である花崗岩をランダム不均質媒体として用い、線集束型の圧電探触子で励起した表面波をレーザードップラー振動計で計測する。計測波形の解析は周波数領域で行い、フェルマーの原理に基づいて各波形観測点での到達時間を求める。この方法で得られた到達時間のアンサンブルから、到達時間が従う確率分布を伝播距離の関数として評価する。次に、確率分布の標準偏差を到達時間の不確実性(ゆらぎ)の指標として用い、伝播距離に応じたゆらぎの伝播挙動を調べる。以上の波形解析結果から、本研究に用いた花崗岩試料における到達時間のゆらぎは、概ね伝播距離の1/2乗と平均到達時間の積に比例することを明らかとする。このことは、ランダム不均質媒体における統計的波動伝播モデリングにおいて有用な知見となる。

報告書

結晶質岩を対象とした連成現象が長期挙動におよぼす影響に関する研究(2)および(3)(共同研究)

市川 康明*; 木本 和志*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2019-005, 32 Pages, 2019/10

JAEA-Research-2019-005.pdf:6.13MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分坑道周辺岩盤の力学的安定性は、建設・操業時はもとより、埋め戻し部分の状態変化を可能な限り小さくするため閉鎖後にわたって維持されることが重要である。一方、坑道周辺の岩盤は、長期的にはクリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握・評価できる技術の構築が地層処分の技術的信頼性向上のための課題の一つとなっている。このため、微視的亀裂の進展に着目した室内実験および化学反応も考慮できるような数値解析による研究を通じ、一般性の高い岩盤の長期挙動メカニズムに関する知見を得ることを目的とした研究を、岡山大学との共同研究として2016年度より開始した。2017年度および2018年度の研究では、2016年度までの研究成果を踏まえ、2次元的に多点での表面波計測が可能な自動計測システムを構築するとともに、微視的構造特性の評価の観点から弾性波に関する幾つかのパラメータを算出した上で、それらの有用性について予察的な検討を実施した。

論文

Quasielastic neutron scattering of brucite to analyse hydrogen transport on the atomic scale

奥地 拓生*; 富岡 尚敬*; Purevjav, N.*; 柴田 薫

Journal of Applied Crystallography, 51, p.1564 - 1570, 2018/12

AA2018-0399.pdf:1.07MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:20.9(Chemistry, Multidisciplinary)

中性子準弾性散乱(QENS)は、鉱物結晶格子内で起こる原子スケール水素拡散プロセスを分析するための新規かつ有効な方法であることが実証されている。この方法は、凝縮体中の拡散性が高い水素原子または水分子の拡散頻度および距離を分析するために敏感であると以前から考えられていた。本論文では、水酸基として結晶格子に結合している非常に遅い運動の水素原子の拡散運動を分析する応用研究の結果が示されている。ブルーサイト鉱物( brucite)、Mg(OH)$$_{2}$$では、水素原子の単一の二次元層面内でのジャンプとそれに最も近い次の層へのジャンプの2種類の水素拡散プロセスが観察された。ブルーサイトの結晶構造内で観察されるこれらの拡散プロセスは、層状構造を有する様々な種類の酸化物およびミネラル内で起こる水素拡散現象にQENS測定が適用可能であることを示している。

論文

Comparative effects of radon inhalation according to mouse strain and cisplatin dose in a cisplatin-induced renal damage model

笹岡 香織*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 小橋 佑介*; 迫田 晃弘; 石森 有; 山岡 聖典*

Pakistan Journal of Zoology, 50(3), p.1157 - 1170, 2018/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:17.52(Zoology)

シスプラチン(CDDP)は固形がんの治療に広く使用されているが、酸化ストレスによる腎毒性を持っている。そこで、我々は、ラドン吸入による放射線感受性の違いによるマウス系統差によるCDDP誘導腎障害に対する影響とCDDP濃度について検討した。まず、C57BL/6JまたはBALB/cのマウスに、1000Bq/m$$^{3}$$または2000Bq/m$$^{3}$$のラドンを24時間吸入後、CDDPを20mg/kg体重投与した。C57BL/6Jでは毛並等が改善され、BALB/cでは悪化した。次に、BALB/cマウスに、1000Bq/m$$^{3}$$のラドンを24時間後、CDDPを15mg/kg体重投与した。その結果、抗酸化機能の亢進などが見られた。以上のことから、ラドン吸入によってCDDP誘導腎障害を抑制することが可能であることが示唆された。

論文

Knowledge discovery of suppressive effect of disease and increased anti-oxidative function by low-dose radiation using self-organizing map

神崎 訓枝; 片岡 隆浩*; 小橋 佑介*; 柚木 勇人*; 石田 毅*; 迫田 晃弘; 石森 有; 山岡 聖典*

Radioisotopes, 67(2), p.43 - 57, 2018/02

これまで低線量放射線はマウス諸臓器中で抗酸化機能を亢進し、酸化ストレス関連疾患を抑制することを報告してきた。しかしながら、それらの結果は対象疾患も低線量放射線による処置の条件も様々で、有効性が立証された治療法は確立されていない。そこで、本研究では、それらの結果から低線量放射線の健康効果を明らかにすることを目的とし、ラドン療法のような低線量放射線を活用した治療法の新規適応症を探索した。データの解析には自己組織化マップ(SOM)を用い、不安定な抗酸化機能の変化を自己組織化マップの曖昧な表現で視覚的に直感的に捉えることにより、出力された疾患抑制効果と抗酸化機能亢進の関連性を検討した。その結果、ラドン療法の適応症である疼痛への効果には明らかな線量依存性があることがわかり、肝疾患や脳疾患においても、線量依存性はないもののその効果を期待できると予測できた。本研究は、ラドン療法のような低線量放射線を活用した治療法の応用に貢献できると考える。

報告書

結晶質岩を対象とした連成現象が長期挙動におよぼす影響に関する研究(共同研究)

木本 和志*; 市川 康明*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2017-009, 18 Pages, 2017/11

JAEA-Research-2017-009.pdf:6.5MB

原子力機構は、微視的亀裂の進展に着目した室内実験および化学反応も考慮できるような数値解析による研究を通じ、一般性の高い岩盤の長期挙動メカニズムに関する知見を得ることを目的とした研究を、岡山大学との共同研究として2016年度より開始した。2016年度は、既往の研究成果を踏まえ、円柱状の花崗岩コアサンプルを用い、速度異方性の有無を調べるための超音波計測を行った。超音波計測は、円筒の直径方向を透過する縦波、横波および表面波について行った。その結果、縦波に関しては、著しい速度異方性が認められること、横波および表面波には、方向による群速度の有意な変化は認められるものの、異方性のタイプが特定できるほどの明確な傾向は認められなかった。また、表面波計測の結果を、透過波と反射波成分に分離して検討を行った結果、結晶粒に起因した散乱は至る所で発生しているが、特に強い散乱波が局所的かつ限られた場所で発生することが分かった。

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